吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



REIT

Oh NO... 「分散投資の狙い目」で外国株式/債券(の投信)が対象外

oh_no

少し前になりますが、6月といえば夏のボーナスシーズンということもあり、ボーナスに着目した記事が日経新聞に掲載されていました。

本命なきボーナス運用 分散投資の狙い目は(2014年6月19日)

分散投資の狙い目は」とあったので、投資信託を使った外国株式や外国債券に投資することも対象に入っていて、どんなファンドを紹介するのだろうか…と思って読み進めたのですが、予想外な内容でした。


外国株式や債券に投資する投資信託には一切言及なし!!


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REITに投資しない理由

先のREITの利益相反問題で、私は現時点ではREITに投資しないと書きました。下記4点が投資しない主な理由です。
 (1) 全てが一点もので投信のFMが適正価格で売買してくれているかが分からない
 (2) REITがスポンサー企業から不動産を取得する際に利益相反が発生する
 (3) 債券や株式と比較して市場規模が小さい
 (4) レバレッジがかかっているので、リスクが高い

4について少し補足します。
REITはインカムゲイン狙いなので「ミドルリスクミドルリターンだ」と言われることもあります。
しかし、2009年に株価が大きく下がる局面ではREITも大きく価格が下落しました。回復局面でも株式のように急回復する局面もあります。とてもミドルリスクとは言えそうにありません。。

不動産投資でレバレッジを掛けていなければ、不動産価格が2割下がれば2割の損失です。100億円の投資なら20億円の損失です。
しかし、100億円の投資家からの資金に加えて100億円を借り入れて200億円分の不動産を買っていたら、不動産価格の2割の下落の損失額は40億円です。投資家の元本は100億円ですので投資家元本から見るとは4割の損失です。このようにレバレッジがリスクを高めます。

株式・債券でノンレバレッジを主としている身としては、このようなREITへの投資は二の足を踏んでしまいます。

※レバレッジこそが投資の魅力という人もいるでしょう



REITの利益相反問題

REIT(不動産投資信託)

最近では日銀が買い支える対象にもしているように立派な投資対象になっています。
そんなREITには「利益相反問題」があります。

REITは投資家から集めたお金(と借入金)で不動産を買います。その仕入先がREITの親会社だったりするのです。
REITの投資家の立場では、不動産を安く仕入れてほしい。安く仕入れてくれれば買える不動産が増えるのでインカムゲインも増えますし、キャピタルゲインも狙えます。
しかし、REITが安く不動産を買ことは、REITのスポンサーが持つ不動産を投資家に安く売ることで、スポンサーは嬉しくありません。REITを経由して不動産を高く投資家に売りつけると大きく稼ぎたい。

REITは誰のために働くでしょうか…
この「REITスポンサーの利益 vs REIT投資家の利益」が利益相反問題です。

不動産の場合、全てが一点ものです。ワンルームマンションの隣の部屋のように類似性の高いケースはありますが、同じ条件の商品はありません。ですから、不動産取得価格の適正さの判断が非常に困難です。

一方、市場で取引される国債や上場株式には全く同じものがあるので取引価格の適切さを判断でき、市場取引で取得したならば原則としてその瞬間での適正価格で売買されます。(結果として高値掴みになることはある)


「REITの利益相反問題」
私がREIT投資を躊躇する理由の一つです。



グロソブと野村とUS REIT (2011年2月の資産流出入)

QUICK MoneyLifeで『2011年2月・投資信託(ファンド) 月間資金流入額ランキング』が発表されていました。

感想を3点。

(1)右肩下がりのグロソブ
2011年2月の資産純流出は690億円。金額ベースでは2位にダブルスコアをつけたダントツの資金流出ファンドです。そろそろグロソブに見切りをつける顧客切れになるかもしれないと思っているのですが、まだ順調に資産が減少しています。


(2)さすがの野村
何度も褒めていますが、野村はさすがです。資金流出額ランキングトップ10は以下の通り。

1位: グローバル・ソブリンオープンン毎月決算 [-690億円]
2位: 野村エマージング債券投信(ブラジルレアル) [-304億円] -2009年11月設定
3位: JPM世界鉄道関連株投信 [-233億円] -2010年1月設定

4位: グローバル好配当株オープン [-223億円]
5位: ダイワ・グローバル債券゙毎月 [-141億円]
6位: マイストーリー分配型(年6回)B [-121億円] -2005年5月設定
7位: グローバルREIT投信(レアル)毎月 [-118億円] -2009年12月設定
8位: 野村クラウド&スマートグリッド関連株投信B [-111億円] -2010年4月設定
9位: グローバル・ハイ・イールド資源国通貨毎月分配 [-109億円] -2010年4月設定

10位: 高金利通貨ファンド [-105億円]

上で青字&太字になっているのは野村関連のファンドです。野村AMが運用会社になっているものと野村證券が窓口となって売っているファンドです。
絶対王者グロソブの壁は厚いですが、2位と3位を含め6ファンドを純資産流出ランキングに送り込んでいます。この本数も凄いですが、その特徴に注目です。
資金流出している投信は、最近設定された投信が多いのです。マイストーリーを除いては2009年11月以降の設定です。
2009年末から2010年に1千億円規模の資金を集めておいて、1ヶ月で100億円以上の資金流出となっています。これがグロソブの国際投信ように漏れていっているだけならダメですが、野村が凄いのは、野村としては伸びていることです。大量の資金が流出しているにもかかわらず野村AMの資金流入が832億円のプラスのように野村としては成長していることです。

この野村関連の資金の動きを見ていると、2010年頃にこれらの野村関連の投信を買った顧客が、違う野村関連の投信に乗り換えている姿が想像できます。
これは2010年には3%強の販売手数料を取って、翌年にはその資金で新しい投信を買ってもらうことでまた3%強の手数料を稼いでいることを意味します。この野村のビジネスモデルは強い。この圧倒的な力を見せ付けられては、ネット証券4社も『資産倍増プロジェクト』という共同プログラムを立ち上げたくもなります。


(3)US REITが強い
資金流入側を見ると、フィデリティ・USリートや新光US-REITのように上位にUS REITが見えます。他にもグローバルREITも資金流入側にいくつかランクインしています。私は投資していないアセットです(厳密に言うと株式でわずかに含まれている)が、REITは人気ですね。



REITはまだまだかな・・・

クリード<8888.T>運用子会社への行政処分を勧告、REITの物件取得で不備=証券監視委(ロイター)
証券取引等監視委員会は14日、クリード(8888.T: 株価, ニュース, レポート)の運用子会社を検査した結果、不動産ファンド(REIT)のクリード・オフィス投資法人8983.Tの物件取得で不備が見つかり、同子会社に行政処分を出すよう金融庁に勧告したと発表した。

 勧告対象になった運用子会社は、クリード・リート・アドバイザーズ。同社が投資助言をしているREITであるクリード・オフィス投資法人が上場する際に組み入れた物件のひとつにアスベストを使用している物件があった。同社の社内の投資ルールでは、アスベスト使用の物件をREITに組み入れることを原則として禁じていたが、物件を取得する際の資産査定を怠ったため、購入後になってアスベストの補修工事を行うことになった。この結果、投資家から預かったREITの資金から約1億5000万円を支出した。

 また、同REITに組み込まれた別の物件には、増改築工事で賃料収入が入らない期間があったが、クリード・リート・アドバイザーズは、この物件を取得する際に賃料未収期間を考慮しない高い価格で購入した。

 証券監視委は、REITに組み込まれた2物件について、クリード・リート・アドバイザーズが投資家の利益に反する高い価格で購入しており、法令で定める善管注意義務に違反すると判断した。証券監視委では、親会社のクリードからの取得物件であったため同社が十分な資産査定を行わずにREITに組み入れたとみている。

 クリード・リート・アドバイザーズは同日、取得物件の鑑定評価の透明性などの対応策をとったとし、追加の改善策と再発防止策を講じていくとの方針を発表した。

『親会社の物件を賃料未収期間を考慮せずに取得させる』というのは、ずっと言われている、自社利益のために不良資産をREITに押し込んで投資家に払わせるという手口ですね。株式ファンドなどでは証券会社の不良資産の押し付けなどは減っているようですが、まだまだ未成熟なREIT業界ではこういうことはあるということか・・・
FXもそうですが、伝統的な株や債券以外に一般投資家が投資できる商品が増えてきています。ただ、FXやREITにしても未成熟業界ではしばらくはこのような問題は出てきてもおかしくないでしょうね。

このようなさまざまなトラブルを乗り越えて将来的には安心して投資できる対象になってほしいものです。


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@吊られた男



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