吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



MSCI

MSCIのInvestable Market Index(IMI)って何が違うの? - MSCI Emerging Markets IMIとか

先のiShares ETFがエクスペンス・レシオを引き下げ(バンガードと比較してみる)で取り上げた10本のETFのうち、4本が新規ETFです。
その新規4本のうち3つは海外株式(米国外部式)ですが、連動インデックスがInvestable Market Indexと聞きなれないインデックス名になっています。

例えば、従来の新興国株式インデックスと言えば、VWO(バンガード)、EEM(iShares)も共にMSCI Emerging Markets Indexでした。
しかし、今回新設のiShares Core MSCI Emerging Markets ETFではMSCI Emerging Markets Investable Market Indexと違うインデックス名になっています。


● Investable Market Index(IMI)とはナニモノでしょう?

MSCIが公表している『MSCI Global Investable Market Indices Methodology』の中に書いてあります。 たった126ページの英語の資料なのでこれを見てください。(了)

…ではなんですので、該当箇所を紹介します。
「2.3. Defining Market Capitalization Size-Segments for Each Market」にIMIと普通のインデックス(Standard Index)の違いが書いてあります。

MSCIの規模別のインデックスは以下のような構成になっています。また比率も書いてあります。
 ・Investable Market Index (Large + Mid + Small)
 ・Standard Index (Large + Mid)
 ・Large Cap Index
 ・Mid Cap Index
 ・Small Cap Index

これを図にすると以下の通りです。 [↓これが今回のすべて]
MSCI_Size_Index

「"Investable Market"(投資可能な市場)のインデックス」と銘打っているだけあって、大型株から小型株まで時価総額で99%を網羅する、まさに市場インデックスに近いインデックスがInvestable Market Indexなのです。

iSharesのETFを単純に考えると、カバー率が高いIMIに連動するETFの方がスタンダードインデックスに連動するETFよりコストが高くなりそうなものですが、新設のIMIインデックス連動ETFの方がエクスペンス・レシオが低いとして設定されています。実際の運用はこれでうまく回るのでしょうか。


なお、MSCIのサイトには各インデックスのFact Sheetがあり、インデックスの概要が分かります。
(例)
 ・MSCI Emerging Makets Index
 ・MSCI Emerging Market Investable Market Index







バンガードが22ファンドのベンチマークをMSCIからFTSE/CRSPへ

Long-term savings from benchmark changes anticipated for some Vanguard funds
Over a number of months, 22 Vanguard index funds will chanこでge the benchmarks used to measure their performance. Six international stock funds will transition to established FTSE benchmarks, while 16 U.S. stock funds will move to new benchmarks developed by the University of Chicago's Center for Research in Security Prices (CRSP). These changes apply to all the funds' share classes, including exchange-traded funds (ETFs).

各種インデックスファンドに注目するブログでも取り上げられていますが、バンガードが22本のインデックスファンドのベンチマークをMSCIからFTSEもしくはCRSP(University of Chicago's Center for Research in Security Prices)に変更するという決定をしました。
 ・International Stock Index Fund → FTSEへ
 ・Domestic Stock Index Fund → CRSPへ

ベンチマーク変更の対象ファンドとどういうベンチマークに変わるの?
バンガードのリリースにある以下の表のとおりです。
vangurad_22funds


何故、ベンチマークを変更するのか?
ベンチマークの利用コストの削減。
ベンチマークを利用するにはインデックスプロバイダーに利用料を払う必要があり、FTSE及びCRSPの方がMSCIより安い条件で契約できるようです。これによって投資家はエクスペンス・レシオの低下を期待できます。


指数変更による投資対象/売買の影響は?
指数を変更することによって、以下のような問題も生じます。
 ・投資対象の変更
 ・銘柄売買に伴うコスト発生
バンガードは銘柄入れ替えについては影響が小さくなるように気を付けて行うと言っています。
投資対象の変更については、VWO(新興国株式)を見ると大きな影響があります。従来のMSCI Emerging Markets Indexでは韓国が組み入れられており、その比率は約15%です。ところが新しく採用されるFTSE Emerging Indexでは韓国は含まれていません。この入れ替えの影響は無視できないでしょう。


MSCIへの影響は?
このバンガードの決定を受けて、MSCIの株価は急落しました。35.82ドル(10月1日)→26.21ドル(10月2日)と1日で26.8%の下落です。
今回の22ファンドからの収益のみならず今後もMSCI離れがおきることも織り込んだ値動きでしょうが、市場は厳しい評価を下しています。
MSCI



フロンティアマーケットのETFがローンチされていた

カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!で気づきましたが、かつて話題にしていたフロンティア・マーケットに投資するETFが上場されていました。ETF界の最大手のiSharesブランドからiShares MSCI Frontier 100 Index Fundが上場されています。

ETFのファクトシートのグラフによると、業種では金融が57%と非常に大きくなっています。国別ではクウェートが30.8%で最大ウェイトであり、カタール・UAEといった中東諸国が2,3番目のウェイトであり、この中東3か国で58%強です。

MSCI Frontier Markets IndexについてはこちらのMSCIのページで参照でき、31か国が対象になっています。
msci_frontier

ただし、上記ページの文中にもありますが、MSCI Frontier Markets 100 Indexは100銘柄に限定されているので、MSCI Frontier Markets Indexとは異なります。
欲を言えばカバー対象がより広いMSCI Frontier Markets 100 Index連動のファンド/ETFを欲しいのですが流動性やコストを考えるとそう簡単ではないことも想像できます。これはフロンティア・マーケットということで仕方ないこと。



MSCIインデックスやその構成国を確認する

MSCI KOKUSAI Index、MSCI Emerging Indexなどに代表されるMSCIインデックスの定義やその構成国はMSCI Barraにて確認できます。


例えば、株式インデックス概要ページにいくと以下のような国や市場のカテゴリーわけが載っています。



これを見ると「リトアニアはFrontier Marketsか」なんてことが一目瞭然です。


〜〜〜〜 余談 〜〜〜〜
投資初心者を脱して正確でないこと分かってて使っている人ならいいのですが、分かっていない人が勘違いされては困るので、書いておきたいと思います。

[All World]や[日本株+KOKUSAI+ MSCI Emerging]で世界全体投資と言われることもありますが、MSCIのインデックス構成国を見ると、これは正確でないことが分かります。
いよいよアフリカの時代がやってくるなんて人もいたり、中東投資も盛んになってきています。彼らの存在を無視して、Developed MarketsとEmerging Marketsだけの45ヶ国で世界全体とは言えません。
本当に世界全体投資をするならFrontier Marketsくらいは最低でも投資対象に含めるべきでしょう。Frontier Marketsには重要な国々がたくさんあります。
 ◆UAE、カタール、サウジアラビアなどの重要中東諸国
 ◆ここ20-30年で世界トップクラスの高成長を遂げているボツワナ

「Frontier Marketsにも入っていない国も含めろ」と主張する人もいるかもしれません。

まあ、正確に言うなら・・・という話です。
〜〜〜〜 余談終了 〜〜〜〜


OverviewからCoutry Membershipに進むと、プルダウンメニューで各インデックスなどの構成国を確認することもできます。

個人的にこれはいい!!と思っているのはCountry Matrix。国とインデックスのMartix Sheetになっていて非常に使い勝手がいい。
この表を見ると、「どのインデックスとどのインデックスに投資するとA国には重複投資になるか」「A国に投資するにはどのインデックスに投資すればいいか」などがすぐに分かります。

例えば、[AC Pacific ex Japan]と[AC Asia Pacific ex Japan]の構成国は1ヶ国違うのですが、このシートで見ると、INDIAが[AC Asia Pacific ex Japan]にだけXが入っているのが一目瞭然。



惜しいのは各インデックス構成国の比率が見当たらないことですが、このあたりは仕方ないのですかね・・・



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