吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



CPI

デフレって何だろう?

ここ最近疑問に思っているテーマのひとつが「デフレの定義」です。

皆が気軽に使っている「デフレ」という言葉ですが、「デフレ 定義」でGoogleしてもいくつか同じような話が出てくるようにデフレの定義は意外と簡単ではないトピックです。

平成13年3月に出された内閣府政策統括官の岡本直樹氏のペーパーを見てもそれが伺えます。
2001年の時点ではデフレの定義として以下のようなものがありました。
(1)(物価動向にかかわらず)不況、景気後退をさす場合
(2)物価の下落を伴った景気の低迷をさす場合
(3)物価の持続的な下落をさす場合


日本政府は2001年になって「物価の下落を伴った景気の低迷をさす場合」から「物価の持続的な下落をさす場合」に定義を変えたとのことです。たったの10年前です。
テレビなどの議論でも定義が定まっていない印象があります。日本政府が10年前くらいまで採用していたくらいですからデフレに景気低迷の意味を持たせている専門家も多いようです。どうもデフレ=不況を自明かのように話をされることもあります。
まずはこの基本的な定義で躓きます。デフレに不況がビルドインされているのであれば、上のペーパーにあるように「良いデフレ」「悪いデフレ」の議論が成立しなくなります。


仮にデフレの定義を「物価の持続的な下落をさす場合」としても、何を物価とするかも大問題です。
CPI総合でしょうか?生鮮食品を除いたコアCPIでしょうか?エネルギーまで除いたコアコアCPIでしょうか?これだけで大きく異なります。エネルギーが継続的に上昇していくと、CPI総合ではインフレで、コアコアCPIではデフレという現象も起こりえます。
NIRAのレポートにもあるように、インフレ・ターゲットを採用している国でも、そのインフレ指標は総合CPIを中心としつつも、各国でも様々な考え方があるということです。

また、GDPデフレーターを指標にすべきという意見もあります。CPIはインフレでGDPデフレーターはデフレという現象も起こりえます。


日ごろから簡単にデフレという言葉を使っていまうが、何をもってデフレとするかは意外と簡単ではないのかもしれません。







PCの性能向上がCPIを押し下げる

『日経ビジネス』(2011年3月28日号)の「気鋭の論点」から。


2000年から2010年の10年間でCPIは2.6ポイント下がっています。102.2(2000年)→99.6(2010年)。

私はソースに当たっていませんが、日経ビジネスの記事によるとパソコンが2ポイント押し下げているとのことです。つまり、パソコンの下落幅が±0であれば下落幅は0.6ポイントだったとなります。

日経ビジネスの記事にもありますが、この現象はPCの実際の価格が下がっているとことによるのではなく、性能が上がったことが原因です。
パソコンの価格はヘドニック法という方法で計算されており、市販価格は同じでも性能が上がるとCPI計算上の物価指数が下がります。2000年→2010年の10年間で、デスクトップPCが1/25、ノートPCが1/50になっているようです。
テレビなどの電化製品でも同じような性能向上によるCPI低下が起こっています。

価格が上がっていてもそれ以上に性能が向上することで、CPI計算上ではマイナスになることもありえるのです。PCもCPIの計算上では数十分の一になっていますが、消費者がPCを購入する時の金額が数十分の一になっているわけではありません。

CPIは物価変動を示す重要な統計数字ですが、単純に物価変動率とイコールと考えるのではなく、そのクセを理解しておくことが重要になりそうです。



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