吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



高校授業料無償化

子どものいる世帯の世帯年収〜高校授業料無償化への所得制限に思う

先の高校授業料無償化にも所得制限(世帯年収900万円)か…高等教育の授業料無償化は国際人権規約の流れの続きです。


今回は子どものいる家庭の年収はどうなっているのかデータを見てみます。
平成22年国民生活基礎調査の概況

児童のいる世帯の平均世帯年収は697.3万円です。

SetaiNenshu

高校生に限らず児童のいる世帯の話なので完全にイコールでは結べませんが、このデータを元に年収900万円で線を引くと22.3%の世帯が所得制限の対象になりそうです。(※この報道によると厚労省の試算では23%が所得制限の対象)
仮にコメントにもあった700万円で見ると39.4%と約4割が所得制限の対象になります。

平均が700万円弱(中央値で600万円強)という水準にある中で、年収900万円は上位の方ですが四分位に分けた第一分位というだけですから、金持ちとすることには大いに疑問があります。


■さらに三世代世帯
上の数字は児童のいる世帯ですので「両親+子」「片親+子」以外にも「三世代世帯」も含んでいます。

三世代世帯を見ると平均年収は866.2万円です。夫婦と未婚のみの世帯の平均が718万円ですから、150万円ほど上回っています。
3setai_nenshu

父と母の稼ぎのみならずその親の年金等の収入も含めたりもして年収700万円やら900万円という水準にいる世帯もいます。



上のような数字を見ていると、世帯年収900万円は平均よりは上ですが、金持ちという批判はちょっとないんじゃないかな・・・と思う次第。

少しでも恵まれていると「お前らは恵まれているんだ」と出る杭をたたくのは、社会を階層化/断片化するばかりであまりよいことがあるようにも思えません。







高等教育の授業料無償化は国際人権規約の流れ

先の高校授業料無償化にも所得制限(世帯年収900万円)か…の続きです。

高校の授業料無償化について結構否定的な意見(授業料無償化反対派、高所得者への支援反対派)がありました。高校授業料無償化にも所得制限(世帯年収900万円)か…へのコメントでも反対意見が寄せられていますし、BLOGOSに転載された版のコメントにもそのような意見があります。


とはいえ、高等教育の授業料無償化は世界的潮流であり、国連の条約で定められているものです。(高校授業料無償化の時にも騒がれたので覚えている方も多いかと思います)


国連人権規約の社会権規約第13条(青字の装飾は私が追加)
1 この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は、教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。更に、締約国は、教育が、すべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、諸国民の間及び人種的、種族的又は宗教的集団の間の理解、寛容及び友好を促進すること並びに平和の維持のための国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。

2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。

(a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとすること。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。

(d) 基礎教育は、初等教育を受けなかった者又はその全課程を修了しなかった者のため、できる限り奨励され又は強化されること。
(e) すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し、適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善すること。
国連人権規約の中に「特に、無償教育の漸進的な導入」と書かれています。これが国連人権規約の考え方です。


つい最近まで日本はこの「特に、無償教育の漸進的な導入により、」は留保していました。これは条約批准160カ国で日本とマダガスカルだけというお寒い状況でした。ようするに世界の158カ国は「特に、無償教育の漸進的な導入により、」に同意していました。

そして、日本は約1年前の平成24年の9月に「特に、無償教育の漸進的な導入により」への留保を撤回しました。
※参考:経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)第13条2(b)及び(c)の規定に係る留保の撤回(国連への通告)について (外務省)

つまり、無償教育は国際的に大きな潮流であり、日本も国として目指すと国際的に公言している内容です。


もちろん、「高校の学費は有償にすべき」という主張することは自由ですし大事な意見です。
しかし、それは国際社会のマジョリティの常識とは異なる考え方であることは頭の片隅に入れておいて損は無いでしょう。


※あと1,2回はこのネタ続くかな…



高校授業料無償化にも所得制限(世帯年収900万円)か…

shotoku_seigen


高校無償化 所得制限900万円 、自公合意 来年度前倒し実施へ(MSN産経ニュース)

各種ニュースで取り上げられていますが、自民党と公明党が高校無償化への所得制限で合意したようです。詳細はまだこれからのようですが、世帯年収900万円が所得制限のボーダーラインとのことで…またか、という思いがあります。

どこまで年収1000万超世帯を狙い撃ちするのか(2010年10月11日)


児童手当(旧子ども手当)の所得制限では「夫婦のどちらか一方が働き、子ども2人の世帯では年収960万円」が所得制限の対象でした。
児童手当と高校授業料では制度設計が違いますが、どうしてこうも所得制限を付けたがるのでしょうか、しかも900万円や960万円といったあたりで。

2013年7月1日号の日経ビジネスで『年収1000万円世帯の憂鬱』という特集がありましたが、まさに…といったことになっています。

仮にモデルケースとしてよく語られる「働く夫」「専業主婦」「子ども2人」という4人家族を想定した場合、年収890万円台~1000万円程度は児童手当は減額されるし、高校授業料無償化の恩恵は受けられなし、で手取りがなかなか増えない魔のゾーンになりそうです。


このような子育て支援給付に所得制限を付けることには反対です。

所得制限そのものに反対ですが、仮に所得制限を付けるとしても、児童手当のようにある個所で線を引いてそこからいきなり減額というのも境目前後で逆転現象が起こるので全く賛同できません。

所得制限という文化は何とかなりませんかね。



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