吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



選挙

「年金や国が何とかしてくれ」も「年金や国に期待しない」も残念

Leviathan by Thomas Hobbes

「国に何かしてもらうことを待ち受けている人」と「国に何も期待しない人」
年金に限らないのですが、多いのは年金のケースでしょうか。

一つは「国が年金を少ししかくれない。ちゃんとくれ。」のように国に何かしてもらうように期待する人です。もう一方はその逆で「年金がもらえることなんかに期待しない。自分個人で何とかする」のように国に期待せずに個人での努力に走る人。

個人的にはどちらも少し残念です。国への依存については逆のことを言っていますが、2つの意見は根底で共通している意識があります。

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「消費税を増税しても減収になる」論のずさんさ加減

「消費税10%への引き上げ延期」「軽減税率導入?」

こんな話があっての国政選挙を受けてか、消費税の議論が再燃しています。

その中で、「消費税を増税しても税収は増えない」みたいな主張がありますが。この論理がずさんすぎます。

だいたい、この論者が語る話は過去の消費税3%での導入時と5%への引き上げ後の税収の話です。
例えば、「消費税 増税 税収」でGoogle検索した時に一番上に引っかかったのは消費税と税収の関係をグラフ化してみる(2014年)(最新) (Garbage NEWS.com)でしたが、ここでは以下のようなグラフと結論が掲載されています。
今回作成したグラフから、「日本における過去の経験則として」把握できるのは、「消費税をアップしても中長期的には税収全体は増加しない」という事実。

しかし、この手の話は論理として大いなる欠点を抱えています。

小数の法則/擬似相関の罠

「消費税を増税しても減収になる」という主張の多くは、過去の消費税導入時及び5%への税率引き上げ後の税収の推移を根拠にしています。
「消費税率を上げてもトータルでの税収は減っているのだから、消費税率の引き上げは減収になる。」という論理です。

これは典型的な小数の法則です。
※小数の法則: 試行回数が少ないにもかかわらず大数の法則が当てはまると錯覚すること

「AになったらBになった」ということはあるでしょう。しかし、これは因果関係とは別物です。
例えば、以下のようなものは因果関係はあるでしょうか。
  • 今週の月曜日と金曜日はお気に入りの靴を履いたら雨が降った。お気に入りの靴を履くと雨が降る
  • 民主党が政権を取ったら宮城県/福島県沖で津波を伴う大地震があった。民主党が政権を取ると津波を伴う大地震が起きる。

上のような主張に関して因果関係はないと答える人は多いでしょう。というのも、確かに「AになったらBになった」ですが、AがBの原因ではなく、たまたま同時に発生したというだけの話です。

標本数が少ないのに、それを統計処理して因果関係ありとしてしまうのは、やってはいけません。
ましてや、サンプルサイズが2で因果関係ありと判断するのは早計すぎます。コイン投げで10円玉の表裏と100円玉の表裏が2回連続で一致する可能性も25%はありますが、これは当然に偶然でしょう。


見たいものしか見ない

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参院選迫る:投票したい人がいないから棄権、抗議の白票はイカン

参議院選挙も近づいてきました。

2012年に書いたものですが、BLOGOSに転載された選挙で支持したい人がいないから抗議の意を込めて白票を投票…とは言うもののが何故かこのタイミングでTwitterで多少拡散されていました。(選挙に関するネタということで発掘されたんでしょうね…)


しかし、Twitterをチェックしている一部の人などを除いては半年以上前のエントリーを見つけて読む人などそうはいないので、過去のエントリーの焼き直しですが再度投票について書いてみます。

※参考:過去の選挙/投票ネタ
 ・「自分が投票したって何も変わらない」とかどうなんだろう (2012年12月11日)
 ・選挙で支持したい人がいないから抗議の意を込めて白票を投票…とは言うものの (2012年12月13日)

今回の参院選も相変わらずですが、積極的に投票したいという選挙にはなっていません。

そうすると良く聞こえてくるのが、
●「どうせ、おれなんかが投票してもしなくても結果は変わらないよ」
  ⇒投票しなくてもいいというあきらめ
●「ロクな政治家がいない! でも投票を棄権はしたくない。白票を投じてやる!」
  ⇒意識が高い白票を投じる行動


しかし、これらの行動こそが、ろくでもない候補者ばかりの選挙と結果を生み出します。
特に後者のような意識の高い抗議の白票が抗議行動と逆の結果をもたらすのは皮肉なことです。

棄権の白票はただの無効票です。有効票数を減らすことは組織に守られて組織票で当選を目指す奴らにとって好都合であり、抗議の白票=現在の既得権側を有利にするだけです。

投票したい政治家がいなくてもいいのです。どうしても当選させたくない人/政党以外を書いて投票するだけでも意義があります。



選挙で支持したい人がいないから抗議の意を込めて白票を投票…とは言うものの

「自分が投票したって何も変わらない」とかどうなんだろうに続けての衆議院選挙ネタです。
今の"素晴らしい"日本の政治では、積極的に支持できる政党や候補者がいないという意見もよく聞きますし、同意します。

そんな中、気になるのは「選挙で支持したい人がいないから抗議の意を込めて白票を投票する」という意見。「選挙制度そのものは否定せず参政権は行使するが、ロクな候補者がいないので選べない」→「白票=支持したい候補者がいないという抗議の意」というのが主な主張です。

この認識は正しいのでしょうか?
そして、どれほど意味のあることなのでしょうか?

日本の衆議院選挙で白票は無効票に数えられます。白票を投じても「吊られた男」と書いても「今の政治に不満を持つ」と書いても「焼肉定食」と書いても同じ無効票です。これらはまとめて「無効票1,000票」のようになります。
さて、その時に「白票=支持したい候補者がいないという抗議の意」という意見はどこに反映されているでしょうか。
1,000票は無効票ですから抗議とは言えません。「吊られた男」と書かれた票だってあるかもしれませんし、佐藤一郎候補と鈴木次郎候補がいる中で「佐藤次郎」と書いたように間違えて無効になったモノもあるでしょう。

また、白票と落書きは違うと言っても、白票の中でも抗議以外の別の意味を込めた票があるかもしれません。複数の候補者を応援しているが1人を選べないという理由からの白票(無効票)があるかもしれません。「白票=好きすぎてどちらも選べない、もしくは、どちらであっても白紙委任」のような意味です。

無効票の裏側にはそれぞれに人間ドラマがあります。
 ・おふざけでの無効票
 ・間違えてしまっての無効票
 ・選べないからの白票
 ・抗議の意味での白票
 ・白紙委任の白票

無効票は無効票であり、そこに色はつきません。(いろいろな意図で投票している人がいる以上、賛成の意だとか抗議の意だとか勝手に色を付けるのは傲慢です)

魅力的な候補者がおらず、積極的に支持したくないという気持ちは痛いほどわかります。しかし、白票は抗議の意を示したことにはなりませんし、「魅力的な人がいないから選択しない」で未来は開けるのでしょうか。

仕事でも魅力的な取引先がないからと言って、どことも取引しないで、ただ魅力的な取引先が出てくるのを待ち続けるではビジネスはやっていきません。いろいろ不満がありながらも仕事を続けていくにはどこかを選ばなくてはいけません。

選挙も同じです。選挙で白馬の王子様を待ち続けていてもいつまで経っても来ないかもしれません。そうしているうちにロクでもない組織に支えられた政治家たちに国をめちゃくちゃにされてしまうかもしれません。
白馬の王子様は来なくても、せめてそのような悪徳政治家に権力を握らせないようにしてもよいのではないでしょうか。

例えば、世間一般での評判は悪いが地元の組織票をとれるような大物議員のケースを想定します。
 1. 悪名高いが組織票は取れる議員
 2. ボンクラ対立候補

このような2人の候補者ならどちらも"支持"したくありません。しかし、積極的に支持できないからといって白票を投じたり投票を棄権すれば、組織票の力で「1. 悪名高いが組織票は取れる議員」が再選してしまいます。
一方、白票などを投じずに「1. 悪名高いが組織票は取れる議員」を落とすために、「2. ボンクラ対立候補」に投票すれば、「1. 悪名高いが組織票は取れる議員」を落とすことができるかもしれません。

白票/棄権多数で「1. 悪名高いが組織票は取れる議員」が再選するケースでは、ある意味、白票投票/棄権した人に原因の一端があります。その人たちが対立候補に投じていれば、せめて彼を国会に送らないことはできたかもしれません。(その対立候補がロクでもないことをしでかすという可能性はありますが)

積極的な支持は無くてもダメな奴は落とすという投票方法は、政治家に対しては白票を投じる以上に国民に支持される政治をしないといけないというプレッシャーになり得るでしょう。


●おまけ:「白票が増えれば、それが問題視されてくるはず」という意見について

政治家は選挙に落ちればただの人、政治家が頭を下げるのは選挙だけ、とも言われるように彼らの眼中にあるのは政治家で居続けることです。特に政治家に絶望したと言っている人がいうようなロクでもない政治家たちばかりならなおさらでしょう。
そんな彼らが自分が勝ちやすい(無党派層が眠ってくれている)状況を是正するために動いてくれると考えるのは楽観的すぎないでしょうか。



「自分が投票したって何も変わらない」とかどうなんだろう

衆議院議員選挙の投票日が迫っています。

今回に限らずですが、若者の投票率は低い。
Touhyo_ritsu
明るい選挙推進協会から引用

「自分が投票したって何も変わらない」と言って投票しない人も多くいます。確かにあなたが投票してもしなくても、その1票が今回の選挙の当選議員の顔ぶれに影響することはないでしょう。
でも、それっていいんでしょうか?

「あきらめたらそこで試合終了ですよ」

今すぐ結果に反映されないからやらないでは将来の可能性すら摘み取ってしまいます。
「今サッカーでリフティングをやっても上手くできないからリフティングをやらない」ではいつまでたっても(リフティングができるように)変わりません。

今回の選挙で若者が多少投票して大きな影響を与えられなくても、それは次につながります。若者の投票率が目立って伸びれば、次の選挙の時に立候補する人たちで若者の方を向いてくれる政治家も出てくるでしょう。
今回の選挙では、あまり意味がなくても次回のための布石になります。次回が無理でも、そのまた次…

変わらないと言ってやらなければ、いつまでたっても変わりません。世の中の仕組みで1度で簡単にきれいに変わるなんてことはそう多くありません。何度かトライしてやっと変えられるものです。

「誰かが世の中を変えられるように全て準備を整えてくれてあとは自分はスイッチを押すだけにしてくれる」なんて期待していてはいかんのです。



私の著書 - ズボラ投資
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