吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



運用方法

国内債券インデックスファンドの運用方法概要

このブログをごらんの皆様、国内債券インデックスファンドがどうやってインデックス連動を目指しているかって知っていますか?

TOPIXや日経平均に連動するような国内株式インデックスファンドの運用方法は知っている人も多いかと思います。
しかし、債券には株と決定的に違う「満期」という要素があります。このような要因を考えた時にどうやって運用されているのかご存知でしょうか?
インデックスファンド投資ブロガーにもなれば、知っている人もいるでしょうが、そうは多くないと思います。

そこでお勧めしたいのが次のレポート。
債券インデックス運用の現場から(ニッセイ基礎研REPORT 2010年9月号)

ニッセイ基礎研究所から発行されたレポートで、国内債券インデックスファンドでいかに運用制度を高めるかということを書いています。PDFにして6枚のレポートですが、概要が良くまとまっています。国内債券ファンドの運用方法について非常に参考になりました。

また、ファンドの運用方法の以前に、NOMURA-BPIの銘柄組み入れ基準からして知らなかったことが多数です。
NOMURA-BPIの主な銘柄組み入れ基準
1.国内発行の公募固定利付円貨債券
2.残存額面10億円以上、残存期間1年以上
3.A格相当以上の格付
4.新発債の組み入れ基準
   国債・・・発行月の翌月
   金融債・・・発行月の翌々々月
   その他・・・発行月の翌々月
残存期限1年以上の債券しか組み入れていないって知ってましたか?つまりNOKMURA-BPIでは償還まで組み入れる債券は無いということを私は恥ずかしながら知りませんでした。


以下はこのレポートのポイントのメモ

●5000以上の銘柄で完全一致は無理。サンプリングで運用
●債券の値動きの主要因は金利リスク信用リスク
●サンプリングのポイントはデュレーション信用リスクのグループ化
●インデックスと同じデュレーションにすることで金利リスクの一致を目指す
●債券を信用度を大括りでカテゴリーし、インデックスと同じウェイトで代表的銘柄を持つことで信用リスクの一致を目指す
●NOMURA-BPIは国債組み入れ月に急激にデュレーションが伸びる
●提示している運用方法が四半期に一度のリバランス
●インデックスは国債組み入れ月にデュレーションが伸びることから2・5・8・11月末のリバランスを推奨







インデックス運用が真に目指すベンチマークは? Vol.3

インデックス運用が真に目指すベンチマークは? Vol.1
インデックス運用が真に目指すベンチマークは? Vol.2からの続きです。

インデックスファンドは
・目論見書等に記載されているベンチマークへの連動を目指していない
・配当込みベンチマークに連動は目指していない

先の2回のエントリーで上のような可能性が極めて高いという話を書いてきました。

では、インデックスファンドが真に連動を目指すベンチマークは何なのでしょう・・・

先のインデックス運用が真に目指すベンチマークは? Vol.2では、
インデックスファンドのリターン
= (配当抜き)インデックス + 配当 - 信託報酬他の削減不可コスト - 変動コスト
(最後の変動コストは保管料や売買コストなどです)
と書きました。
結論として、私は「(配当抜き)インデックス - 削減不可コスト +配当(パッシブ受入)」と推測しています。

インデックスファンドの運用は以下のようになっているのではないでしょうか?
  1. 配当部分/削減不可コストを考慮せずに指数への連動性を高める努力
  2. 発生した配当はあるがままに受け入れ
  3. 信託報酬他の削減不可コストはあるがままに受け入れ
  4. 変動コストの削減
この中で1、4がインデックスファンドのパッシブ運用の中で努力できる(すべき)項目であると考えています。そして、ファンドマネージャーもこれに知恵と労力を割いていると推測しています。

QuickMoneyLifeの投信フォーカス【第111回】「知られざるインデックス運用の世界」をニッセイアセットマネジメントに聞くの中でも以下のような記述があります。
ファンドの運用成績(上表とグラフ)をみると、連動指数に対しプラス乖離している。何をどのように連動させるのか。

「ニッセイ日経225インデックスファンド」では基準価額の値動き(変動)を「日経平均」の値動き(変動)に連動させ、お互いの変動率が一致するよう運用する。ただし、「ニッセイ日経225インデックスファンド」では運用コスト(信託報酬)が基準価額から控除される。一方、日経平均は採用銘柄の配当金を考慮せずに株価のみで計算するのに対し、「ニッセイ日経225インデックスファンド」では組入銘柄の配当金が入る。この結果「ニッセイ日経225インデックスファンド」の基準価額の騰落率は、日経平均に採用銘柄の配当金を加え信託報酬を除いた騰落率と概ね一致する。

同様に「ニッセイTOPIXオープン」の値動きは「TOPIX」の値動きに連動し、配当金マイナス信託報酬が騰落率に上乗せとなる仕組みは同じだ。
インデックス - 削減不可コスト + 配当(パッシブ受入)への連動を目指すと明確には答えていませんが、少なくともそれを許容しているようには思います。


結論:
インデックスファンドが真に連動を目指しているベンチマークは「インデックス - 削減不可の必須コスト + 配当(パッシブ受入)」であると思われる


わざわざ3部作にするほどのものでもない話でしたが、書きなぐってみました。



インデックス運用が真に目指すベンチマークは? Vol.2

インデックス運用が真に目指すベンチマークは? Vol.1からの続きです。

前回は、インデックスファンドTSPや他の配当を含めない指数をベンチマークとしているインデックスファンドでも配当によるプラス効果を甘んじて受け入れてベンチマークを上回るパフォーマンスを出していることから、インデックスファンドは目論見書他に記載しているベンチマークに連動することを目指していないという仮説を立てました。
今回は、その仮説が正しいと仮定しての話です。

インデックスファンドが目論見書他に記載しているベンチマークに連動することを目指していないとするならば、インデックスファンドは真にベンチマークとしているのは何なのでしょう?

まず、配当込みインデックスが思いつきます。しかし、配当込みインデックスは違うと思いますし、そうであってほしいと願っています。
帰無仮説:インデックスファンドが目指している運用成績は配当込みインデックスである

インデックスファンドの運用では以下の式が成り立ちます。
インデックスファンドのリターン = (配当抜き)インデックス + 配当 - 信託報酬他の削減不可コスト - 変動コスト
(最後の変動コストは保管料や売買コストなどです)

売買コストなどの変動コストは、先物を利用したり、抽出法等を用いたり、デリバティブを利用することでできる限り少なくすることができます。その極限は0になります。しかし、投資信託では目論見書で明示している信託報酬コストや監査コストなど、絶対に削ることができないコストが存在します。
つまり、完全にパッシブ運用をすると、確実に配当込みインデックスよりコスト分だけアンダーパフォームします。
→結論:インデックスファンドは確実にかかるコスト分だけ配当込みインデックスに届かないので、帰無仮説は棄却されます。
納得しましたか?
納得しない方もいるかもしれません。
実は私も上の説明だけでは納得できません。上の論理の成立には、あくまで完全にパッシブ運用をするという条件がついています。
インデックスファンドがパッシブ運用せずに確実にかかるコスト分を挽回するような行動をとれば、配当込みインデックスへの連動を目指すことができます。

しかし!!
お気づきの方も多いでしょうが、その場合は別の大きな問題が発生します。
インデックスファンドは原則としてパッシブ運用を行うことを期待されています。インデックスファンドが信託報酬や監査報酬などの確実にかかるコスト相当分のアルファ(超過リターン)を狙いに行くことが正しい姿なのでしょうか。
"確実に"信託報酬や監査費用分を挽回する方法は無いはずで、そのリターンを得るためにはリスクが伴います。マイナスに作用する可能性も高い。
結果的に信託報酬や監査費用分を取り返して配当込みインデックスと同じだけのパフォーマンスを残せるかもしれませんが、それは結果論です。こんな運用をされていたら安心してインデックスファンドに投資できません。

でも、そのような運用をしている可能性はきわめて低そうです。実際のインデックスファンドの運用成績を見ると、新興市場などを除いて規模が大きいインデックスファンド間ではそれほどあまり差はありません。0.4%-1%近くの超過リターンを狙って運用しているにしては結果が安定しすぎています。

上のようなインデックスファンド=配当込みインデックスへ連動を目指すためのアクティブ運用のファンドということはなさそうです。

それでは、何に連動を目指しているのか・・・

(続く)




インデックス運用が真に目指すベンチマークは? Vol.1

インデックス運用とは、ベンチマーク(日経平均株価、TOPIXなど)と同じ値動きを目的とする運用です。 (モーニングスター)
トラッキングエラーとは[インデックス]ファンドのリターン(期待収益率)とベンチマークとする指数のリターンの乖離のこと。トラッキングエラーが小さいほど優れた運用と評価されます。 (楽天証券)
上はモーニングスターや楽天証券の説明ですが、一般的なインデックス運用の解説は上のようなものだと思います。でも、これって本当に正しいのでしょうか?


TOPIXに連動を目指すインデックスファンドTSPの過去10年のパフォーマンスを見てみます。
ファンドの騰落率(%)ベンチマーク騰落率(TOPIX)乖離幅
(ファンド騰落率-ベンチマーク騰落率)
14期(2000.2.14)55.057.6-2.6
15期(2001.2.13)-26.7-26.70
16期(2002.2.12)-22.3-22.70.4
17期(2003.2.12)-11.5-12.00.5
18期(2004.2.12)20.920.30.6
19期(2005.2.14)13.913.40.5
20期(2006.2.13)39.638.51.1
21期(2007.2.13)9.28.50.7
22期(2008.2.12)-26.2-26.80.6
23期(2009.2.12)-40.1-40.90.8
14期はインデックスを下回り、15期は±0だったものの、その後の8年は連続して0.4〜1.1%ほどインデックスを上回っています。
そして、以下は23期の運用報告書にあるコメントです。
  ベンチマークとの差異における主な要因は以下の通りです。
<プラス要因>
・投資先における株式配当金の受取り。
<マイナス要因>
・投資先における売買委託手数料などの諸経費。
・信託報酬などの諸経費
この結果からも浮かんでくる疑問があります。どうしてインデックスファンドTSPは0.4%〜1.1%ものトラッキングエラーを放置しているのでしょうか?仮にトラッキングエラーを最小にすることを善とするならば、予想配当率はあるのだろうからベンチマークに連動する程度にマイナスリターンを生み出しように努力するべきとなります。しかし、インデックスファンドTSPに限らず他インデックスファンドも配当分の超過リターンは甘んじて受けてしまっているファンドが多い。

そう考えると、インデックスファンドは目論見書他に記載しているベンチマークに連動することを目指していないということになります。


上が真だとすると・・・インデックスファンドが真に目指しているベンチマークは何なのでしょうか?


(続く)




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