国内販売のハチミツの多くに抗生物質―NGO調査 (インドチャネル)
非政府組織(NGO)のインド科学・環境センター(CSE。本部デリー)は9月15日、ハチミツの有名ブランド数社の製品が健康を害する高濃度の抗生物質に汚染されていると発表した。
 CSEの調査によれば、今回、国内市場に出回っている12ブランドを対象に6種類の抗生物質について試験を行った結果、11ブランドから抗生物質が検出された。

この記事あるようにインドでは蜂蜜の12ブランド中11ブランドから抗生物質が検出されたようです。
「インドの話か。衛生面もまだまだだし、仕方ないよね。」と終わってもいいのですが、それでは面白くありません。

 CSEのスニタ・ナライン所長は記者会見で次のように語った。「輸出向けハチミツについては抗生物質の含有量が規定されており、政府が健康・安全上の基準を満たしているかをチェックしている。しかし、国内向けのハチミツについては何ら基準がない。これは受け入れがたい事実だ」。

この点は重要な示唆を与えてくれます。
輸出入となると、(この場合は輸出ですが)政府などによるチェックが入ります。それ故に輸出入する企業はその基準を守ろうとしますし、基準値を超えていた場合は検査で引っかかります。(サンプリング検査なのですり抜けるものもあります)
日本では中国毒ギョーザ事件などが象徴するように輸入食品が基準値オーバーしていたケースなどはたくさんあります。そして「外国産は危険だ。国産にしないと」と言う人もいます。しかし、その単純思考が危険ということをこのニュースは教えてくれます。

このNGOの検査結果が真だとして、NGOが検査をしない限り国内の蜂蜜が危険だという情報は無かったのです。
日本の国内産食品も同じことが言えます。国内産食品には輸入食品で課されるような検査は行われません。検査が行われないのですから、検査で引っかかったと言う情報はありません。それで国内産は外国産より安全と言えるのでしょうか?
国内検査では大々的な検査は行われていません。保健所等が申し訳程度に検査をしていますが、残留農薬が基準値を超えていても大抵は検査無しで店頭に並びます。感情的な判断で誤った対応を取らないようにしたいものです。


ちなみにサンプリング検査で検査違反の割合を見ると面白い数字が見えます。
検査件数違反件数違反率(%)
中国882052590.29
ベトナム13963720.52
ノルウェー74350.67
スウェーデン16852.98
フランス5302310.58
イタリア3981401
ドイツ116950.43
アメリカ190371400.74
ブラジル1559161.03
オーストラリア188850.26
中国産の検査違反率は少ないですね。



== 2010年9月23日追記 ==
群馬の農家さんからのコメントへの返信でも書かせていただきましたが、国内産への検査が「農協等で申し訳程度に行われているだけ
」というのは、海外食品へ対して厳しく批判する基準で見た時の話です。