吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



販売会社

投資信託は直販で安くなるのか

shopping-cart信託報酬が安い投資信託を求めて、運用会社による投資信託の直接販売を求める声があります。
販売会社を通さずに売ることで販売会社に取られる費用(だいたい信託報酬の約半分)が削減されて、最終消費者である投資家に低コストで商品を提供可能になるという話です。家電や食料品など一般の商品でも卸など中間の業者を省くことで、そこで取られるマージンを減らして低価格で商品を提供している場合もあります。

また、投資信託の場合には、直販で低信託報酬の商品を提供している代表的な会社としてアメリカのバンガード (Vanguard)があり、このモデルを意識されての声でもあります。


では、投資信託は直販にすれば安くできるのでしょうか?
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「想いだけでも、力だけでもダメなのです」

「想いだけでも、力だけでもダメなのです」

熱意、正しい意志・・・大事です。
能力、技術・・・大事です。

しかし、どちらか一方だけでは成功しません。

やる気があっても能力が無ければ仕事では役に立ちません。人以上のやる気があっててもボクサーとして弱ければボクシングの世界で勝って稼ぐことはできません。稼げぬままに引退でしょうか。

逆も然りで、能力があっても正しい意志が無ければ活躍できません。人はずれた才能があってもその才能をアンダーグランドで使えば、表舞台で勝って稼ぐことはできません。


マネー/資産運用の世界も同じです。

熱意があっても知識が無いファイナンシャルプランナーでは、本来のお金の問題を解決する/アドバイスをするという目的では顧客の役に立てません。情熱があっても運用技術の無いファンドマネージャでは、本来の目的の資産を運用して増やすという目的では顧客の役に立てません。
正しく熱い意志があっても能力が無いとダメなのです。

その逆に、知識があっても顧客の役に立てようとせず、如何に巧いことやって顧客からお金をだまし取とうと考えるような人は非常に優秀な詐欺師になれるかもしれませんが、世間の役には立てません。
能力があってもそれを誤った方向に使ってしまってはダメなのです。

そういうわけで能力があっても顧客から手数料を取ろうとばかり考えるような大手販売/運用会社はダメですし、熱い想いはあっても運用実態がそれについてこられない運用会社もダメです。想いと能力が重なってこそのよい販売/運用会社です。

体力のある大手が良い商品を出してくれる、熱い想いを持った新興会社が実力を備えている・・・なんて進歩に期待したところですが。


コーディネーターのキラがフリーダムに乗るだけではダメなのです。モビルスーツが無ければ核もジェネシスも止められません。プロヴィデンスがあってもクルーゼが乗っては混沌をもたらします。
何のために戦うのかが分かったキラがいて、コーディネーター×フリーダムの力があるから地球軍とザフトを止められるのです。

「想いだけでも、力だけでもダメなのです」(by ラクス・クライン)





STAMの信託報酬引き下げの内訳が判明

先日のSTAMシリーズが信託報酬引き下げ (eMAXISと好勝負へ)で以下のように書きました。
以下は余談。

この信託報酬引き下げで気になるのは信託報酬のどの部分を引き下げたかです。
7月5日時点の発表では信託報酬のどの部分が引き下げられたのかが不明ですが、委託者(住信AM)分だけ引き下げたのでしょうか?それとも販売会社分も引き下げたのでしょうか?
委託者分だけだとすると住信AMはかなりのギャンブルに出たことになります。
STAM 新興国債券インデックス・オープンは税抜きで0.83%→0.65%と0.18%の引き下げですが、これは委託者分は0.38%→0.20%と約47%の値引きになります。今までの約2倍の資産を集めて従来と同等の収入です。

販売会社の取り分の修正にまで踏み込めたのでしょうか?
数日遅くなりましたが、この続きです。


7月30日に更新された目論見書などで、STAMシリーズの信託報酬の内訳(運用会社・販売会社・受託者の取り分)が判明しました。
そこで・・・7月30日以前の交付目論見書と7月30日に更新された交付目論見書から内訳を比較して簡単に表にしました。(カッコ内は税抜き)



信託報酬

信託報酬
ギャップ(差)
(新-旧)
ギャップ(比)
(新/旧)
STAM
TOPIX
信託報酬
合計
0.4830%
(0.46%)
0.4725%
(0.45%)
-0.0105%
(-0.01%)
0.978
運用会社 0.2100%
(0.20%)
0.189%
(0.18%)
-0.021%
(-0.02%)
0.9
販売会社0.2205%
(0.21%)
0.2310%
(0.22%)
+0.0105%
(+0.01%)
1.048
受託者0.00525%
(0.05%)
0.00525%
(0.05%)
変わらず変わらず
STAM
国内債券
信託報酬
合計
0.462%
(0.44%)
0.420%
(0.40%)
-0.042%
(-0.04%)
0.909
運用会社 0.2100%
(0.20%)
0.189%
(0.18%)
-0.021%
(-0.02%)
0.9
販売会社0.2100%
(0.20%)
0.189%
(0.18%)
-0.021%
(-0.02%)
0.9
受託者0.042%
(0.04%)
0.042%
(0.04%)
変わらず変わらず
STAM
J-REIT
信託報酬
合計
0.6720%
(0.64%)
0.5250%
(0.50%)
-0.147%
(-0.14%)
0.78125
運用会社 0.3045%
(0.29%)
0.2100%
(0.20%)
-0.0945%
(-0.09%)
0.690
販売会社0.315%
(0.30%)
0.2625%
(0.25%)
-0.0525%
(-0.05%)
0.833
受託者0.00525%
(0.05%)
0.00525%
(0.05%)
変わらず変わらず
STAM
グローバル
株式
信託報酬
合計
0.7770%
(0.74%)
0.6300%
(0.60%)
-0.147%
(-0.14%)
0.811
運用会社 0.3465%
(0.33%)
0.2415%
(0.23%)
-0.105%
(-0.10%)
0.697
販売会社0.3675%
(0.35%)
0.3255%
(0.31%)
-0.042%
(-0.04%)
0.886
受託者0.0630%
(0.06%)
0.0630%
(0.06%)
変わらず変わらず
STAM
グローバル
債券
信託報酬
合計
0.672%
(0.64%)
0.5775%
(0.55%)
-0.0945%
(-0.09%)
0.859
運用会社 0.315%
(0.30%)
0.2415%
(0.23%)
-0.0735%
(-0.07%)
0.767
販売会社0.315%
(0.30%)
0.2940%
(0.28%)
-0.021%
(-0.02%)
0.933
受託者0.042%
(0.04%)
0.042%
(0.04%)
変わらず変わらず
STAM
グローバル
REIT
信託報酬
合計
0.861%
(0.82%)
0.6825%
(0.65%)
-0.1785%
(-0.17%)
0.793
運用会社 0.399%
(0.38%)
0.2625%
(0.25%)
-0.1365%
(-0.13%)
0.658
販売会社0.399%
(0.38%)
0.3570%
(0.34%)
-0.042%
(-0.04%)
0.895
受託者0.0630%
(0.06%)
0.0630%
(0.06%)
変わらず変わらず
STAM
新興国株式
信託報酬
合計
0.8715%
(0.83%)
0.6825%
(0.65%)
-0.189%
(-0.18%)
0.783
運用会社 0.399%
(0.38%)
0.2625%
(0.25%)
-0.1365%
(-0.13%)
0.658
販売会社0.4095%
(0.39%)
0.3570%
(0.34%)
-0.0525%
(-0.05%)
0.872
受託者0.0630%
(0.06%)
0.0630%
(0.06%)
変わらず変わらず
STAM
新興国債券
信託報酬
合計
0.756%
(0.72%)
0.6300%
(0.60%)
-0.126%
(-0.12%)
0.833
運用会社 0.3570%
(0.34%)
0.2625%
(0.25%)
-0.0945%
(-0.09%)
0.735
販売会社0.3570%
(0.34%)
0.3255%
(0.31%)
-0.0315%
(-0.03%)
0.912
受託者0.042%
(0.04%)
0.042%
(0.04%)
変わらず変わらず
この数字からいろいろなものが見えてきますが、最大のポイントは2つ。

(1)販売会社の取り分も引き下げている
販売会社の取り分の修正にまで踏み込めたのでしょうか?
と書きましたが、ここの答えはYESでした。
この結果を踏まえると、既存の他投信(特に低コストを売りにするインデックスファンド)は販売会社分も含めて信託報酬が下がることも期待はできます。

(2)それでも運用会社が泥をかぶるのが基本
販売会社分も信託報酬は下がったのですが、やはり引き下げ分の多くは運用会社分です。表の右側に信託報酬引き下げ率として「ギャップ(比)」という項目を設けています。
8ファンドの信託報酬引き下げ率は次の通り。
  ・最大:22%弱
  ・最小:2%強
  ・平均:17%弱
運用会社取り分の引き下げ率を見ると次の通り。
  ・最大:34%弱
  ・最小:10%
  ・平均:25%弱

明らかに信託報酬の運用会社取り分が大きく減っています。
信託報酬引き下げは販売会社にも協力してもらえた点は素晴らしいことかと思います。しかし、この数字から見ると住信アセット・マネジメントが苦戦しているだろうことが推測できます。
売れ筋の商品なら、Apple Incのように販売会社に対して強く信託報酬引き下げを迫ることもできたでしょうが、この引き下げの内訳を見ていると住信AMが苦心していることが伺えます。


他にも気になった点は以下の2つ

(3)売れ筋商品(グローバル株式/新興国株式)で運用会社取り分が大きく低下
総信託報酬の引き下げも大きいので当然の話ですが、STAMシリーズで売れ筋のグローバル株式/新興国株式で運用会社取り分が30%以上下がっています。
これは住信AMにとっては厳しいですね。

(4)STAM TOPIXだけ販売会社の取り分が増えている
どういう意図でこの設定になったのか分かりませんが、STAM TOPIXだけ販売会社の取り分が増えています(0.21%→0.22%)。
どうしてここだけ販売会社取り分が増えたのか謎です。私のような変なところに注目する人を惹きつけるためなんてことはないでしょうが。


さあ、eMAXIS、CMAM(、SMAM、ニッセイ日経225)というライバルがいる中で、STAMのこの判断はどうなるでしょう?



野村の方針を運用会社はどう考えているのか? - 続き

(先のエントリーの続きです)

先のエントリーでは、「野村は顧客に次々と新ファンドを薦めていくので、設定後まもなくすると売り推奨されてしまう。しかし、集金力のメリットがそのデメリットを上回るので運用会社は販売を依頼するのではないか」という趣旨のことを書きました。

この仮説が"真"だとしてのさらなる仮説です。
私が運用会社の人間なら、これらのファンドの運用チームには若手や会社で使えない人材を集めそうです。

理由は単純です。
販売会社の営業力頼みで売って、数ヶ月後に次のテーマが出れば資金流出で縮小という短命なビジネスモデルのファンドです。それなら運用の巧拙はそんなに重要ではありません。設定直後が見せ場で、あとは粛々と運用していくだけです。
テーマに飛びついて買ったような顧客が多ければ、うるさく文句を言う人も少なそうです。。仮に顧客が損をしていても、優秀な営業が「今度はこんないいファンドが出ました。有望ですよ。これなら損を取り戻せると思います。」と違うファンドへ誘導してくれ、運用会社へ文句はこないでしょう。
そんなファンドなら若手の練習としては良さそうです。または本当は運用業務から外したいけど何故か残ってしまっている人がいれば、そのような人をアサインます。

もし、いきなり彼らに運用させるのは難しかったり、何かの間違いで資金が流出しなかったことを考えて最初は手柄を立てさせたいエース級を投入するかもしれません。しかし、明確な縮小期に入ってしまったら、エース級は使いたくないですね。
やはり、「営業力頼みのテーマ型ファンド=新人・三流FM用」が基本ですね。



今までテーマ型ファンドにはあまり興味が無かったので、注目してきませんでした。ましてやファンドマネージャなんて考えていませんでした。しかし、少し考えてみると、ファンドマネージャもあまりヨロシクないというデメリットもありそうですが・・・どんなもんでしょう?
各運用会社にとって、こういうテーマ型ファンドの位置づけはどうなっているのでしょうか?



野村の方針を運用会社はどう考えているのか?

先日のエントリーで、野村は新商品(新ファンド)を次々に投入して顧客の資金を次々にその新商品間を移動させているっぽい、ということを書きました。



さて、運用会社はこれをどう思っているのでしょう?

先日の2010年4月の資金流出ランキングトップ10に出てきて販売を野村に依頼している投資信託は、JPM世界鉄道関連株投信フォルティス中国環境関連株式投信


この2つは販売から間もないのですが、一気に資産が流出しています。これは運用会社としては嬉しくないですよね。
しかし、そんな運用会社に嬉しくないことを推奨している野村に依頼するには相応のメリットがあるはずです。ファンド設定時に資金をたくさん集めてくれるというメリットがそれほどまでに大きいのでしょうか!?

先日、鉄道関連の投資信託としてドイチェのDWS鉄道関連株式ファンドを三菱UFJモルガン・スタンレー証券が募集しました。これは野村が募集したJPM世界鉄道関連株投信との良い比較対象になりそうです。そこで、JPM世界鉄道関連株投信DWS鉄道関連株式ファンドの当初募集時に集めた金額を比較します。
  JPM世界鉄道関連株投信:1139.48億円
  DWS鉄道関連株式ファンド:81.68億円

野村(JPM世界鉄道関連株投信)の圧勝。
しかも野村の場合は募集上限が1200億円で、一部支店では途中で募集を締め切ったということですから、本気になればこれ以上にかき集められたのでしょう。

数ヵ月後には野村の営業に次のファンドを薦められて、販売を依頼したファンドから資金が逃げてしまったとしても、ここまで集金力が違うと文句は言えないのでしょうかね。


(少し内容はそれますが、次のエントリーに続きます)



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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私への連絡は下記メールアドレスまでお願いします
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