吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



証券取引等監視委員会

とんでもない運営の「みんなのクレジット」へ行政処分 - FX黎明期に被るクラウドファンディング

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すでに幾つかの投資関係のブログなどでも話題になっていますが,「みんなのクレジット」というクラウドファンディング (貸付型なのでその中でもソーシャルレンディング) に対して行政処分がくだされました。


「みんなのクレジット」の問題行為

株式会社みんなのクレジットに対する検査結果に基づく勧告について (証券取引等監視委員会)

詳しくは上記のリンク内に書かれているのですが,行政処分のポイントを私なりに整理すると以下の通り。
    • 集めたお金のほとんどは親会社やグループ会社の運用資金に使っていた
    • ファンドの返済資金に償還期限が来ていないファンドで集めたお金を使っていた (自転車操業/ポンジースキーム)
    • 担保120%確保と言いつつ,その担保は(価値のよく分からない)自グループの未公開株だったり,そもそも担保を取っていないものもあった
    • 高額なキャッシュバックキャンペーンの原資にファンドのお金を流用していた
    • 白石伸生代表がファンドのお金を自分の口座に移していたり,個人の借金の返済に流用していた
    • ファンドのお金を増資の資金として使っていた
イエローカード2枚とか3アウトとか言いたいのですが,ダメダメ過ぎてそれ以上です。


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顧客の金を自社の損失補てんに使った言語道断な「ばんせい証券」

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ばんせい証券、損失2億円を顧客に付け替え (NHK)
関係者によると、ばんせい証券は、顧客の「関東六県電気工事業厚生年金基金」(さいたま市)と契約し、商品先物系のファンドで約17億円を運用していた。

 ファンドは2009年4月、船舶関連の債権を約2億6000万円で購入したが、08年のリーマン・ショック以降の世界的不況の影響でほぼ全額が損失となった。契約に基づけば、損失のうち約2億5500万円は本来、ばんせい証券が負担するはずだった。
証券会社が自社が被るはずの損失を顧客に付け替えていたという何とも豪快な話が出てきました。
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証券取引等監視委員会がアブラハム・プライベートバンク(いつかはゆかし)をタコ殴り

先日の「いつかはゆかし」のアブラハム・プライベートバンクに行政処分勧告の続報が入ってきました。

証券取引等監視委員会の正式な発表がありました。
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アブラハム・プライベートバンク株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

この内容がかなり踏み込んだ内容になっています。

遅くとも平成22年8月から同25年5月末までの間、海外ファンドの募集又は私募の取扱いを行い、少なくとも、2,792顧客が海外ファンドを2,892件取得している状況が認められた。
顧客とファンド取得件数を1件単位で開示しています。

顧客による海外ファンドの取得に関しては、その大部分について、当社の取締役が自ら株主となって国外に設立したSagacious Trend International Co.,Ltd.(以下「STI」という。)が、海外ファンドの発行者、又は海外ファンドの発行者から委託を受けている運用会社との間の委託契約に基づき、当社顧客による海外ファンドの購入額に応じた報酬を受領しているとともに、STIが報酬を受領する都度、当社の100%親会社であるアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社(以下「AGH」という。)において、当該報酬と同額の債権がSTIに対して計上されている。
一部ですでに言われていたSageciousを経由した報酬取得スキームが明確に書かれています。

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証券取引等監視委員会の資料より


2番目の「著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為」においてもタコ殴りが続きます。

国内投信会社の積立商品と比較したとする雑誌広告の有名なグラフがありましたが、そこで「いつかはゆかし」が高々に誇っていた年15.34%なんて助言したことも顧客が取得した事実すらも無いと全否定です。
業界最安値宣言も、さらに安いサービスを認識しながら嘘ついてたと全否定。
「金融機関や運用会社から販売手数料等はもらっていません。」は当然ハンサードから迂回して報酬を受け取っていたと一刀両断。



これだけでも今までの疑惑がほぼ120%取り上げられた話ですが、証券取引等監視委員会はさらに一撃を加えています
(3)顧客の利益に追加するため財産上の利益を提供する行為

当社は、平成23年3月、投資顧問契約を締結した顧客から、過去実績から想定された投資実績に遠く及ばない等の理由で、当社が請求した助言報酬の免除等の依頼を受けた。

これを受け、当社は、当該顧客に対し、平成21年10月から同23年9月までの2年分に相当する助言報酬計9,397,882円を全額免除した。
これも完全にやってはいかん話ですね。



アブラハム・プライベートバンク株式会社は当然プレスリリースを出しています。
証券取引等監視委員会による行政処分の勧告について
弊社では平素より法令遵守に努めてまいりましたが、平成25年6月4日を基準日とした証券取引等監視委員会における検査の結果、証券取引等監視委員会により内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、行政処分等の適切な措置を講ずるよう勧告がなされました。
法令遵守を徹底し、ビジネスモデル特許を申請していたにも関わらず、誠に残念ながら、弊社のビジネスモデルに関して当局と見解が異なりましたので、この度の検査結果を厳粛に受け止め、改めて速やかに業務改善を行い、一層の内部管理体制の強化に努める所存でございます。またその他の指摘についても真摯に受け止め、業務改善して参ります。
法令順守に努めていたが見解の相違ということで、事実は認めるがそれが法令違反だとは思っていなかったという主張です。

資金迂回のスキームなんて企業設計とかと同じだと思いますし、損失補填で法令順守とは・・・



次回予告:【「いつかはゆかし」を推奨した方々】 (続報が無ければ)



「いつかはゆかし」のアブラハム・プライベートバンクに行政処分勧告

いつかはゆかし/アブラハムウォッチャーを自負する私が書かなくてはいけないネタが投下されました。

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アブラハム・プライベートバンク株式会社に対して証券取引等監視委員会が動いたようで、金融商品販売法違反で行政処分勧告がでるようです。


アブラハム処分勧告へ 監視委「投資助言を逸脱」 海外ファンド無登録販売と判断(日経新聞)
証券取引等監視委員会は投資助言大手アブラハム・プライベートバンク(東京・港)を行政処分するように金融庁に勧告する方針を固めた。金融商品販売業者の登録をせずに海外運用会社の商品を実質的に販売し、金融商品取引法に違反したと判断した。金融庁は、業務の一時停止を軸に業務改善を求める構え。一方、アブラハム側は「投資助言業は逸脱していない」と見解の相違を強調している。

これだけですと「ただしソースは日経」ですが、NHK時事通信なども報じています。


思ったより早く金融商品取引法違反の動きがきました。
安愚楽牧場、MRI投資など胡散臭さをぷんぷんさせながらもなかなか指導が入らずに破綻にいたってようやく表に・・・というケースを見ているとこの動きは私の想像をはるかに上回る早さです。

今回のポイントとなっているのは中立の投資助言と言いながら実は特定の運用会社からキックバックを貰ってファンドを販売していたかという点です。
監視委がアブラハムの関連会社と見ている海外企業が運用業者から手数料を受領。さらにアブラハムの親会社、アブラハム・グループ・ホールディングス経由で、事実上の販売手数料を還流させたと監視委は認定しているという。

具体的には、日経新聞の記事も書いてありますが、顧客にハンサード社のサービスを買わせてハンサードからキックバックを受けていたというところです。(ハンサードはIFAに手数料を払って顧客を勧誘するモデルなので通常営業です。)


そして、この手の報道では当然の流れですが、アブラハム社は「本日の日本経済新聞の報道に関して」というプレスリリースを出しています。とは言え、いつもなら「いつかは ゆかし」に対する一部ブロガーによる悪質なデマに対して、被害届の提出を検討」のように強気なのですが、今回は非常に控えめです。
本日、日本経済新聞にて、「証券取引等監視委員会がアブラハム・プライベートバンクに対して、投資助言業を逸脱しているとして処分勧告する予定」との報道がございましたが、当社弁護士より証券取引等監視委員会統括検査官に確認したところ「証券取引等監視委員会は、記事の内容、公表に至った経緯について一切関知しておらず、現時点において、アブラハム・プライベートバンクに関する勧告又は行政処分を行うか否かに関して何ら決定された事実はない。」との正式回答がございましたので、取り急ぎご報告申し上げます。

皆様にはご心配をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。


なお、アブラハム社に先立って類似の案件で企業設計という会社が2012年12月に処分を受けています。取引相手はハンサードではなくフレンズプロビデントというところでしたが「顧客をハンサード/フレンズプロビデントと契約させ別会社を迂回して手数料を受け取る」仕組みは同じです。

アブラハム社海外投資新聞なるウェブサイトを持っており、その中で「いつかはゆかし(アブラハム)」と「企業設計」との違いとは?という記事も書いているのが面白いところです。(この説明を読んで違いを認識する凄い方もいるのでしょうが、私にはよく分かりませんでした)

※余談ですが、海外投資新聞のHomeには以下のようなそうそうたる面々が並んでいます。
(1) 元大臣の竹中平蔵氏
(2) 2011年に『1ドル50円時代を生き抜く日本経済』を出版し、2013年には1ドル150円という緻密で正確な分析をされる浜矩子氏
(3) 「当座預金残高が10%増えると、予想インフレ率は0.44ポイント上がる」の日銀副総裁岩田規久男氏


今回の処分がどれほどになるかは近日中に明らかになりますが、このアブラハム社の海外金融商品販売によるキックバックモデルが崩れると事実上の退場宣告の可能性大です。

いつかはゆかし徹底検証 - アブラハム・プライベートバンクの財務・経営状況で書いたように、アブラハム社が表に出している収益は大幅にマイナスでした。(平成23年7月時点の情報ですが)
そこに出ていない収益源(海外関連会社を経由したキックバック)の重要さが良く分かります。
その後も新卒100人採用(実際には100人は採用できなかった模様)などコスト増の施策を打っているので、この事業に関してはまず詰んだと見て間違いなさそうです。


代表の高岡氏は「海外ファンドから一切、金銭を受領していない」と反論しているようですが、この後の展開もいつかはゆかし/アブラハム・プライベートバンクウォッチャーとしては目が離せません。
是非ともオープンな場でどういうことなのかをしっかり説明していただきたいものです。


次回予告:【「いつかはゆかし」を推奨した方々】



証券取引等監視委員会がSBI証券に行政処分勧告

私の投資信託のメイン口座はSBI証券。

そのSBI証券に対して証券取引等監視委員会が行政処分勧告を出したとのことです。

SBI証券に対しシステムリスク管理の不備で処分勧告=監視委 (ロイター)
証券取引等監視委員会は5日、ネット証券大手のSBI証券に対する処分勧告を金融庁に行ったと発表した。同社では多数のシステム障害が発生したが、その障害に関する記録や報告書の様式に不備があったり、長期間解決されずに放置された障害があったことなどが判明。監視委は、金融商品取引法第40条第2号の「金融商品取引業者に係る電子処理情報処理組織の管理が不十分でないと認められる状況」に該当すると判断した。

 監視委が検査した結果、2008年4月ごろから2010年2月5日までに188件のシステム障害が起き、SBIは社内規定にもとづく管理を行っていた。しかし、これとは別に592件のシステム障害が発生していたが規定に基づく管理がされず、うち33件で、顧客の取引に影響を与える可能性がある障害もあった。

 具体的には、外為証拠金取引の口座にアクセスが集中し売買処理が約1時間遅延したり、取引所からの約定通知が滞留して顧客に数十分間情報が提供されず、約1000口座が影響を受けたという。
SBI証券をメイン口座にしていると言いつつも短期売買を行わないので、このようなシステム障害の影響を受けず、意識していませんでした。

このあたりは、バフェット氏も「明日市場が閉鎖されても困らない」と言うように長期保有投資のメリットですかね。


しかし、それでも対応がしっかりしていないのは困りものです。SBI証券はしっかり対応してくれなくては。



私の著書 - ズボラ投資
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