吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



規制

「年齢差別禁止の規制」だけを設けてもほとんど効果がなさそう

就職内定率の低水準に思う「年齢差別禁止法」の必要性(山崎元のマルチスコープ/ダイヤモンド・オンライン)

どちらかというと一般的には規制緩和寄りの山崎元氏が、規制を設ける方向で意見を書いていたので目に止まりました。

自由主義的な競争原理を持ち出すと・・・「年齢や性別を基準にして採用制限をするような企業は、年齢が高い・女性であるという理由だけで能力がある人材を取り逃している。そのような能力の高い人材を取り逃している企業は競争社会からは自然淘汰される」なんて言ってもおかしくなさそうですが、違ったのは少し意外でした。

以下は山崎元氏の記事からの引用です。
  たとえば、同様の能力を持っている求職者に対して、23歳なら採用できるが、26歳なら不採用だというのは、明らかに差別的だ。企業としても、個人をより丁寧に評価すべきだろう。日本もそろそろ年齢による雇用上の差別を禁止すべき頃合いではないだろうか。もちろん、既卒業者で他の企業に勤めていた求職者も、分け隔て無く選考対象にすべきだ。

 候補者の選考に関して細かく規制で縛ることは望ましくないが、一定規模以上の事業所には、採用の際の選考基準の明示を義務づけることと、その中で年齢、職歴を基準にしないことを求めることが必要ではないだろうか。


私も応募要項に「23歳まで」と書くような露骨な年齢制限は規制されてもいいように感じています。しかし、企業の採用活動において年齢が一切の条件にならないという話は実効性があるのでしょうか?また、年齢を考慮しない能力評価の根拠に妥当性があるのでしょうか?

●実効性への疑問
全ての採用基準が定量的に測定できて点数化できるものなら能力での評価も可能でしょう。しかし、社交性やコミュニケーション能力のような測定が難しいものが選考基準になると、実は年齢を採用合否の判断に入れていても分かりません。企業は表向きは「コミュニケーション能力などを考えてAさんを選んだ」と言えます。
年齢差別禁止を設けただけでは、その実効性に疑問があります。

●年齢を考慮しない能力評価の妥当性への疑問
純粋にその時点の能力だけで評価するのは妥当かのように聞こえるかもしれません。しかし、本当でしょうか?
[16歳で3割25本80打点できる野球選手]と[38歳で3割25本80打点できる野球選手]で基準は同じになるべきでしょうか?
[14歳で100Mを10.1秒で走る選手]と[29歳で100Mを10.1秒で走る選手]は同じ評価であるべきでしょうか?
企業でも1年間の勉強で必要な知識を身につけてきた23歳と10年間の勉強でやっと必要な知識を身につけてきた33歳は同じ評価であるべきでしょうか?現時点では同じラインに並んでいてもその後には若い方が伸びると考えて採用してはいけないのでしょうか?
私は将来の伸びしろがあると思われる若い方の評価が高くても仕方ないと思います。この発想はいけないのでしょうか?
採用選考の判断から年齢を完全に切り離すのは難しいように感じています。


山崎氏も後ろの方で「正社員解雇のルール確立が必要」と書いていますが、このような雇用の流動化とセットでやらなければ、年齢規制は形骸化して変な違和感だけが残ることになりそうです。







金融庁のFXレバレッジ規制を擁護してみる (批判を批判してみる?)

##本エントリーはレバレッジ規制に主眼を置いており、それに
##付随する規制導入時に発生するその他の詳細について
##は考慮に入れていません


金融庁によるFXのレバレッジ規制に対して、FX業者は当然のことですが、FX投資家からも多くの批判の声が上がっています。

私の目に付いた多くの批判は以下のようなものです。(時間がたっているので、少し記憶が劣化しています)
1. 自己責任なんだから余計なお世話
2. 資金効率が悪くなる。FXで儲けられなくなる
3. そんなことよりもスリッページ他の規制をしろ


私もFXをやっていますので、感情的に分かるところはあります。でも、一歩引いて見ると、これはあまりにも自分中心主義に陥っていないか・・・と感じました。


1. 自己責任なんだから余計なお世話
確かに大原則に従えばその通りですが、それなら株式や他先物のレバレッジ規制はどうなんでしょう?
株式はたった3倍のレバレッジです。それでもFXの25倍規制のような不満の大合唱は出ていません。株式のような他投資対象から考えると、FXのレバレッジが異常すぎただけで、正常に戻ったとも言えます。25倍でもまだ異常値かもしれません。

他投資対象で高レバレッジが規制されていることを考えると、一概に「自己責任だから規制はおかしい」とは言えないでしょう。それなら他投資対象に対しても言わないと整合性が取れないのでは!?



2. 資金効率が悪くなる。FXで儲けられなくなる

基本の投資は、その商品の特性に応じて資金を投じるものです。
大きく儲けたければ、株のように値動きが大きいもの。
小さい値動きがよければ、国債のようなもの。

その基本に立ち返ると、株などと比較して値動きが少ない為替で大きく儲けたいということ自体が「国債は値動きが小さくて儲からない。100倍のレバレッジ掛けて買えるようにしろ」のように聞こえてしまいます。そんなことを言えば、「おかしなことをほざくな!!」と一括されそうなものです。
そもそもレバレッジという概念が自己資金以上の取引をすることなのですから、ある意味借金での取引です。どうしてもレバレッジを掛けたければ、自分で金をどこかから借りてきて投資すればいいとも言われます。自己資金の9倍のお金を借りてFX業者で25倍のレバレッジをかければ、元本から見れば250倍のレバレッジです。
企業経営者は自己資金以上に銀行などから借り入れて設備投資をしています。賃貸マンションなど不動産投資をしている人も銀行から金を借りてマンションを買っています。



3. そんなことよりもスリッページ他の規制をしろ

スリッページ規制やロスカットの徹底など、FX業者に対する監視ポイントがたくさんあるのは賛同します。1pip〜などと謳いながら許容スリッページを大きく取らないとほとんど約定しないような業者もたくさんあります。規制されるべきでしょう。
ただ、だからと言ってレバレッジが見逃されるものではないと思います。駐車違反をした人の言い訳を連想してしまいます。「殺人犯がいるから駐車違反を見逃せ」とは行きません。殺人も取り締まり、駐車違反も取り締まるべきです。
ですので、スリッページ他の問題を出してもハイレバレッジが正当化されるわけではありません。




タイトルで『金融庁のFXレバレッジ規制を擁護してみる』と銘打ってみたので、ちょっと金融庁の規制を擁護する立場の人になったつもりで書いてみたのですが、いかがでしょう。それなりにレバレッジ規制反対派の痛いところをついているのではないかと思います。

私はこの規制に関してはニュートラルな立場ですが、反対派の人はこの程度の意見には対抗しうる反論を用意しておかないと、あまり主張に正当性が認められないような気もします。



金融庁がFXの「ロスカットルール」義務付けへ。でも・・・

FXで「ロスカットルール」義務付けへ 金融庁 (NIKKEI NET)
金融庁は28日夕、外国為替証拠金取引(FX)の業者に対し、顧客が預けた金額以上に損失を被らないよう取引を中止させる「ロスカットルール」を義務付けることなどを内閣府令と監督指針に盛り込むと発表した。
金融庁はロスカットルールの義務付けを盛り込んできたようです。しかし、このロスカットルールの義務付けの具体的内容はどうなっているんでしょう。
単純に「ロスカットルールがあるよ」だけでは今とほとんど変わらない気がします。この中身が気になります。
 今回の主な改正内容は(1)ロスカットルールの整備・順守の義務付け(2)FXの区分管理を金銭信託に一本化(3)スプレッド(売値と買値の値幅)または手数料が特に低い取引での留意事項の明示――など。
また、今回の変更内容はロスカットだけでなくスプレッドや手数料が低いことにも留意事項もあるとのことで気になるところです。





そこで、ちょっと金融庁の発表資料『金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の一部改正(案)(新旧対照表)』を見てみました。



�検檻魁檻魁檻� 勧誘・説明態勢
 (3)店頭金融先物取引業者の説明責任に係る留意事項
  �� ロスカット取引
また、ロスカット取引が予定どおり行われなかった場合の損失のおそれ等について、適切な説明を行っているか。

�検檻魁檻魁檻� 店頭通貨関連デリバティブ取引等に係るリスク管理態勢
 (4)ロスカット取引に係る留意事項
�� 顧客の損失が顧客が預託する証拠金を上回ることがないように、価格変動リスクや流動性リスク等を勘案してロスカット取引を実行する水準を定めているか。
�� 取引時間中の各時点における円貨に換算した顧客のポジションを適切に把握し、上記�,凌綵爐膨饋┐靴疹豺腓砲蓮⇔祿阿覆�ロスカット取引を実行しているか。


こいつはどう読む!?読んでみてもイマイチ分かりません。
「ロスカット水準で例外なくロスカット取引を実行しているか」とありつつも、「ロスカット取引が予定どおり行われなかった場合の損失リスクの説明」も指摘しています。
ロスカット水準でロスカットを執行できなかった場合は、どういうことになるんでしょう?


誰か解説プリーズ・・・



次に気になるのは低スプレッドです。1pip〜どころか、0.5pip〜のような業者も登場しておりスプレッドに関する規制は興味があります。

【�検檻魁檻魁檻� 店頭通貨関連デリバティブ取引等に係るリスク管理態勢】にも『(5)低スプレッド取引に係る留意事項』とスプレッドの関する管理体制項目があるのですが、私の目を引いたのは以下の勧誘・説明について。


�検檻魁檻魁檻� 勧誘・説明態勢
 (3)店頭金融先物取引業者の説明責任に係る留意事項
  �� 低スプレッド取引
スプレッド又は手数料が特に低い取引(以下「低スプレッド取引」という。)を提供する店頭通貨関連デリバティブ取引等業者が、広告等でスプレッド又は手数料が低いことを強調する表示をしている場合には、例えば、以下のようなおそれが生じていないか。
 イ.他に顧客が支払うべき手数料、報酬、その他の対価又は費用があるにも関わらず、顧客が支払う対価又は費用が、実際よりも著しく低額であるかのように誤解させるおそれ
 ロ.顧客が注文時に指定したレートと実際に約定するレートとの相違(スリッページ)が生じ、広告等で表示するよりも高いスプレッドで取引を行うこととなるおそれ

これは・・・ほとんど実現しない低スプレッドを掲示しておいてスリッページでずれるような業者に対する規制ということのようです。
そうだとすると、現時点で人気の業者でも影響を受ける業者も結構あるのではないでしょうか。
インターバンク市場でのスプレッドがいくらかは知りませんが、ドル円0.5pipなどでは利益が出ないでしょう。最小スプレッドを提供しないことやスリッページを前提としているとしか考えられません。
そんな業者はこの規制で影響を受けそうです。



FX終了? 金融庁がレバレッジ規制に動く

FX、投機的取引に規制 金融庁、証拠金倍率20―30倍を上限に
(NIKKEI NET)
 金融庁は個人投資家に普及している金融商品「外国為替証拠金取引(FX)」について、預けたお金で何倍の売買ができるか示す「証拠金倍率」を規制する方針を固めた。
投機的取引を抑制するため、上限を20―30倍前後とする方向で調整する。

各所でも話題になっているようですが、金融庁がFXのレバレッジ規制を検討しているようです。

仮にこれが実現すると、瞬間的に高いレバレッジをかけての「GBP/JPY50万通貨買い!!20pipで利確!!」といったスタイルの投機はできなくなりそうです。
スワップ派でも、ベッグ通貨を利用したハイレバスワップ狙いが厳しくなりますね。


FX投資家からは、この規制案に対してネガティブな反応が多いようなのですが、私はどちらとも言えません。これは難しいところだと考えます。


この規制に真っ向から反対される方の一番強い主張としては「自己責任」でしょうか。私も基本的には「自己責任」ベースの考え方には賛成です。

しかし、ただのど素人の一個人が600倍ものレバレッジをかけて為替取引をできることが自己責任の範疇で済ませられることかというと、私は首肯できません。

この自己責任論を突き詰めると、レバレッジ数1千倍でも自己責任となりかねません。仮にドル円=100円として、スプレッドが0.2銭とかならば、レバ5万倍未満まで可能になります。
しかし、これは金融システム的には大問題ですよね。

普通の実需やリスクヘッジや為替予約ではそれほど高いレバレッジはかけません。そんな中、超短期の投機的投資でレバレッジ無制限とすると、100万円の証拠金でレバレッジ5000倍で50億円の為替取引などができてしまいます。こうなると、為替相場が超短期の超高レバレッジの投機資金が飛び交うだけの場所になってしまいかねません。

そして、9.11やそれを超えるような事態が発生しての相場急変が発生すると、数百倍のレバレッジをかけていては全財産を失う程度では損失がとどまらないことが十分に考えられます。
その結果、その個人が数秒で財産を失うだけやその顧客を持つ企業の損失だけで済むなら「どうぞご自由に。自己責任ですよ。」で済みます。

昨今の金融危機もディーラーという個人や金融機関という企業の自己責任で取引をやらせた結果が、この結果です。結局自分で責任を取れない範囲まで拡大しており、彼らが自由に振舞ったあげくに自己責任で収まりきらずに市場全体への悪影響を与えました。
そう考えると個人投資家のFXのハイレバレッジ投機を「どうぞご自由に」とはなかなか言えません。



そもそも、現在のルールやシステムは高レバレッジに対応していません。600倍のようなハイレバ業者がありますが、とてもそのサービスを支えるだけの体制は整っていないでしょう。
顧客側を規制しないのであれば業者への規制を強めなくてはいけないように思います。しかし、日本の現在のFX業者で、ハイレバレッジを想定したシステム健全性と補償能力を高い水準で備えた業者はほとんどないでしょう。

自己責任、自由経済主義が上手く機能するのは情報の利用可能性があることが前提です。しかし、「システムの安全性は大丈夫なのか?」「その業者の支払い能力があるのか?」などの情報があまり開示されていません。この情報の非対称性があっては自己責任、自由経済は厳しい。

かと言って、顧客最優先主義としてハイレバレッジかつ安心を追求した厳しいルールを導入すると、高いスペックのシステム導入&補償費用の積み立てで運用コストが高くなる。結果として業者は収入アップのためにスプレッドを広げざるをえません。これではハイレバレッジ投機で勝つのが困難になります。アプローチこそ違えどハイレバレッジ殺しにはかわりない!?




私の思いつき案ですが、審査でレバレッジが高くなるというやり方はいかがでしょうか。

車を運転するには免許が必要であり、免許を取るには試験に受かるだけの知識・スキルが必要です。
現在のFXでは形ばかりの審査で実情はほぼ無審査に近い。これは自己責任たる為替取引への参加が簡単すぎるようにも感じています。クレジットカードでさえもっと厳しい審査がありますし、仮に審査にパスしても限度額にはかなり厳しい制限があります。
レバレッジをきかせるということは人から借金をして取引をしているようなものですので、クレジットカード並みとは言いませんが、もっと厳しい審査基準を設けるようにしてもいいように思います。

無資格ではレバレッジ50倍まで。何らかの審査を経て免許を取ったりすればレバレッジ100倍まで・・・のようにレベルに応じて扱える範囲を広げるというのも一つのやり方では。
もちろん上の案には、どうやって審査するのか、機関投資家などばかりが有利になるという弊害等々の諸課題があるので、細かい点の検討は必要です。



最後に、
繰り返しになりますが、私個人の感想としては、今回の報道にあるような20-30倍での規制が正しいかは疑問です。それと同時に素人にレバレッジ600倍が開放されているような現状も問題だと思っています。


信託保全の話なども含めて、これから整理されていくのでしょうか。




※ついこの前にレバレッジが100倍まで拡大されたくりっく365のレバレッジがどうなるのかも気になります。



私の著書 - ズボラ投資
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