吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



荻原博子

年金運用の年利回りが何と驚異の+10.23%(+11兆2222億円)

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2012年度の年金運用報告が発表されました。

なんと驚異の+10.23%で、金額にすると11兆2222億円増です。

GPIFが運用を始めてから年間で最高の数字になるようです。
最悪だった平成20年度(2008年度)のマイナスが-9兆2481億円だったので、今年のプラスはそのマイナス分を返してもおつりがくる金額です。

以下にGPIFの報告書からいくつかグラフを抜粋させていただきます。上から順に
 (1)2012年度の運用損益
 (2)2012年度の利益率
 (3)各年度の運用損益及び通算損益
GPIF_h24_01
>GPIF_h24_02
GPIF_h24_03

減る時もあれば増える時もあるのが長期投資です。マスコミはこれをどう報道するか非常に楽しみです。

なお、GPIFが運用で利益を出した時と損失を出した時のマスコミの扱いの違いについては、梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーの公的年金の12年度10-12月期の運用は大幅プラス。でもマスコミ各社は……が参考になります。


さあ、2008年に9兆円の運用損だった時に「ほら見たことか」と鬼の首を取ったかのように喜んではしゃいでいた荻原博子先生、今こそ出番です。
 ●公的年金が消えていく?(荻原博子の"がんばれ!家計")







荻原博子理論が熱い (5%も投資で増やすのは難しいが、デフレで5%物価が下がれば5%の利子と同じ。だから貯金)

検索していてひっかかたのでご紹介。

このブログでも何度がご登場いただいている荻原博子氏。その荻原氏の記事がありました。
「60歳までに老後資金を貯める」は危険思想 (Family)

前半は老後資金や住宅ローンなどの話なのですが、「アンチ投資、貯金推奨派」の荻原氏だけあって、最後の2段落に反投資を書くことを忘れない。

 もちろん、余裕があるなら貯蓄をするのは無駄なことではないが、それを運用して少しでも増やそうとするのは考えものだと荻原さんは言う。
「今の日本経済はデフレの時代。デフレとは物の値段が下がり続けることで、物の値段が下がった分、貨幣の価値は上昇します。簡単に説明すると、今1万円の物が翌年には9500円で買えるということ。つまり、1万円を1年間、温存させるだけで、品物に加えて500円のおつりまでくるわけです。これは1万円をただ持っているだけで5%の利子がついたのと同じことになるんですね」

 それに比べて、超低金利のこの時代に、5%で運用できる金融商品は、大抵、リスクも高く、ヘタをすると損をする可能性も。
「バブル期には多くの人たちが株を買い、不動産に投資をしましたが、最終的に得をしたのは何にも手を出さなかった人たち。不況下にある今の時代でも、現金で地道に蓄えたほうが、最終的には得をするのです」

カッコの外は上島寿子氏の文章なので荻原氏が直接書いた内容ではありませんが、荻原節全開と言ったところです。

「デフレだと貨幣の価値が上昇する」は正しい。
「簡単に説明すると、(デフレだと)今1万円の物が翌年には9500円で買えるということ」という表現は現実と連動しない例として使うのはいいです。

しかし、現実の日本のここ10年(2002年〜2011年)のインフレ率推移は以下の通りで、物価指数(CPI)は101→99.7とわずかな物価下落にとどまっています。
 +0.90% → -0.25% → -0.01% → -0.27% → +0.24% → +0.06% → +1.38% → -1.34% → -0.72%, -0.29%

-5%というバーチャルなインフレ率を持ち出して「それに比べて、超低金利のこの時代に、5%で運用できる金融商品は、大抵、リスクも高く、ヘタをすると損をする可能性も」と現実世界の投資パフォーマンスと比較してはいかんです。

確かに年5%のパフォーマンスを出すのはそう簡単な話はなく、相応のリスクを伴います。これも全くもって正しい。
しかし、それ以上に5%のデフレで実質価値を5%高める方がはるかに困難です。(そもそも年率5%もデフレが進行していくような国になったらどうなる…)

記事中では5%という数字を基準として「デフレ vs 投資」比較をしていましたが、現実のインフレ率(デフレのパフォーマンス)の数字であれば、それほどリスクが高くない投資で稼ぐことは十分に可能です。例えば、10年国債をラダーで買っていけば十分でしょう。


投資を嫌うのはいいのですが、年率5%のデフレという架空の数字を持ち出して「5%を投資で稼ぐのは難しいから投資は危険」というような記事は賛同できかねます。



食品価格は1年でどれほど上がったか?

2008年1月11日のエントリーで経済評論家とされている荻原博子氏が、「小麦や原油などの値上がりを根拠に2008年は食費40%アップ」を唱えていたことを紹介し、疑問を投げさせていただきました。

【反論根拠】
○最終小売価格は、小麦や原油コスト以外のコストの比率が高いので小麦や原油が多少上がっても40%も変動しない
○値段が上がれば需給調整で代替品に置き換わるので、原油価格も青天井には上がらない



どうなったのか。


まず、2008年12月の物価上昇率(消費者物価指数=CPI)は101.1で1年前と比べて+0.2%です。ほとんど横ばいと言えるでしょう。


そして、食料の消費者物価指数は農林水産省のページにある『我が国における生鮮食品を除く食料の消費者物価指数の推移』を見ると、食品全体で104.5。生鮮食品を除く食料で104.6です。1年前と比べて約4ポイントのアップです。確かに食品価格は急激に上昇しましたが、40%には遠く及びません。

このように全体で見ると4%程度の値上がりなので、すでに40%という極端な数字には届かないのですが、ひょっとしたら荻原家で食べる食材に限っては40%強なのか!?ということに一縷の望みを託して、個別商品の小売価格の全国平均値の推移を見てみましょう。

通常店頭価格の全国単純平均値の動き 平成21年1月分

チーズで37%、マーガリンが30%、かまぼこが21%程と頑張って値上がりしてくれています。しかし、それでも単品でさえも40%の値上がりには届きません。



素人の私でさえ、全世界的大干ばつや戦争や経済封鎖などで極端な供給不足が起こらない限り物価上昇は無限には続かないことは分かっているわけで、事象ながらも経済評論家を名乗る荻原氏はあまりにも無責任な発言でしょう。福澤アナウンサーなども一生懸命物価上昇を煽っていましたが、どうなんでしょう。ちょっとこれはあまりにも無責任な言いっぷりでは・・・なんて思います。

叩きたい人間の発言は露骨なまでに編集して報道しておいて、「無責任」呼ばわりするクセに、自分の発言については一切責任を持たないというスタンス。そんなにテレビ局ってえらいのか・・・



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