吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



社債

現金を23兆円持つアップルが社債を発行して資金を集めるのは?

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アップルといえば,多くの現金を保有しているキャッシュリッチな企業です。そのアップルが,社債を発行して資金を集めるようです。
また,上記2つの記事はアップルに注目した記事ですが,その記事の中ではマイクロソフトについても触れられており,マイクロソフトも1030億ドル(11兆3300億円)の現金を持っていて,170億ドルの社債を発行するとのことです。


なぜ,大量の現金を持っている企業が社債を発行して現金を集めるでしょう?


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格付とデフォルト確率

さて、ここ数年は1年満期で利率1.8〜1.9%のSBI債が人気です。

とはいえ、社債は企業のリスクもあります。
元本保証がある同じSBIグループの住信SBIネット証券の1年定期預金がキャンペーンなどを含めると0.5%前後というところでしょうか。
元本保証の預金より1.3-1.4%高い利回りを得るために、企業のデフォルトリスクをそれをどう考えるべきか。格付から少し考察してみます(というか提案まで)。


SBIホールディングスはR&Iが格付けを発表しており、BBBとなっています。このR&IのBBBという格付がどれほどの安定度があるのでしょうか?

R&Iのサイトにはデフォルト実績関連データという情報があります。
ここでは2011年5月27日現在では、2010年6月29日現在のレポートが最新として掲載されています。

以下はその最新資料に書かれていた1年後のデフォルト確率を抜き出したものです。これを見ると面白い。2つの考え方ができそうです。
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10年全体を見ると2000年〜2005年の6年間はほとんどBBB格はデフォルトしていません。デフォルトしたのは2001年コホートの0.39%(1社)のみです。
この10年で単純平均すると、BBB格の1年後のデフォルト確率は0.32%というところです。(本当は全体のデフォルト数÷全体のサンプル数の方がいいのでしょうが面倒くさいので省略)
これだと、0.32%の確率で発生する1年後のデフォルトリスクで1.3-1.4%のプレミアムを引き受けていることになります。


もう1つの見かたとして、SBI債が発行されだした2006年からのデフォルト率を見てみます。2006年からのBBB格のデフォルト率は以下のようになります。
2006年:0.51%
2007年:0.00%
2008年:0.58%
2009年:1.73%

サンプル数の都合などもあるのでしょうが、0%〜1.73%とけっこうなばらつきがあり、2000年〜2005年と比較するとだいぶデフォルト率が上がっています。
4年間の数字を単純に平均すると1年後のデフォルト確率は0.705%です。0.705%の確率で発生する1年後のデフォルトリスクと1.3-1.4%のプレミアムをどう考えるか。この条件で考えると、危険な投資なにおいがします。


SBI債は人気の債券ですが、悪くはないが別に取り逃がしても惜しくはない債券というのが私の印象です。

格付けが必ずしも債券の信用度を正しく表しているわけではありせんが、このように考えてみるのは面白いところです。



企業はキャッシュが潤沢にあっても自由に使えるわけではない

以前も似たような記事を書きましたが、今日このテーマで話すことがありましたのでもう一度。

キャッシュを潤沢に持っている企業も数多く有ります。しかし、そのような企業がわざわざ金利支払いが発生する社債を発行して資金を調達することがあります。

一般家計の話から考えると、「なんで手持ちの現金を使わずにお金を借りるの?意味が分からない」と思うかもしれません。しかし、これは合理的な行動です。

手持ち資金を使わずに社債を利用するのは税金の関係です。多くのキャッシュを持つ企業は世界中でビジネスを行っています。
その結果、本社のある国以外の国で多くの利益を積み上げることもあります。しかし、この利益を本国に戻してしまうとその時点で税金がかかってしまいます。
仮にアメリカ企業が新興国で稼いだ利益1兆円をアメリカに戻そうとした時に法人税が35%だとすると、3500億円も税金で取られてしまいます。そのような場合、企業は外国で稼いだお金がアメリカに送金せずに外国に留まるという判断もします。

外国に1兆円のキャッシュがある状態でアメリカ企業買収を考えたとします。アメリカでお金が必要になります。その時に、外国のキャッシュを本国に送金して税金を取られた残りを使うより、社債を発行して資金を確保した方が得という局面が生まれます。

このように利益への課税を引き伸ばしながら、企業は特別な減税政策をやってくれることを虎視眈々と狙っているのです。
不景気になると企業は売上げも落ちて大変だというのは真実ですが、不況でこのような本国還流の税金を引き下げてくれると、好景気で稼いだ利益をまとめて還流して節税するチャンスでもあります。



社債のゼロクーポン債は無いわな

今日は(も)独り言です。



ゼロクーポン債
期間中の利払いが無い代わりに、購入時の価格を額面よりも安く、償還時には額面金額を受け取れる債券です。期中の利払いが無く、複利効果で増えていくのでこっそり人気の商品です。

しかし、ゼロクーポン債はアメリカ国債が代表的で、他にも世界銀行発行のものなど公債的な性格のものが少しだけあるくらいです。このようにゼロクーポン債の発行は極めて限られています。一般企業が発行しているところを目にすることはほとんどありません。日本でも金融債としてワリシンくらいですか。

一般企業のゼロクーポン債もあったら・・・なんて思うこともありますが:

「額面100万円。期間10年。購入金額50万円」なんてゼロクーポン債を大量に発行しても10年間は利払いが無いだから、ある意味ただで資金を集められる。
こうなると、返済ののことは後で考えるとして資金を集めるというモラルハザードを起こす企業が出てきてもおかしくない。
一般企業の金融商品としては成立しなさそうです。



債券って面白い!? SBI債おかわり

4月1日に売りに出されて、販売数日で売り切れた第1回・第2回のSBI債。

その人気に応えて(?)第3回・第4回のSBI債が昨日4月10日8:30から売り出されたようです。利回りは第1回・第2回と同じで以下の通り。
 ・第3回(満期6ヶ月):1.80%
 ・第4回(満期1年):1.96%

参考:SBI債(愛称) 商品・売出概要(SBI証券)

前回は数日で6ヶ月、1年共に売り切れたように今回も人気商品となるのでしょうか?

私は4月6日のエントリーで書いたように購入見送りです。



それにしても、先の4月6日のエントリーを書く時にも少し調べただけですが、債券も面白いですね。日本証券業協会で発表されている毎日の公社債の売買参考価格なんてみていると、「この会社のこの債券がこの利回りか〜」などといろいろ発見があります。

資金が無いと取引に参加すること自体が難しそうですが、個別債券も個別株と同じくらい面白そうです。むしろ株より渋い読み合いになって、やってみると債券の方がハマる人も結構いるんではないでしょうか?



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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