最近は、日本企業が日本人を採用せずに外国人を積極採用することが多くあります。
日本企業が海外に工場を作ることもあります。
パナソニックは外国人を多く採用していますし、シャープも今後は日本人雇用が1/5になるかもと発言しています。

このような日本企業の動きに対して「CSR(企業の社会的責任)を果たしていない」と文句を言う人もいますが、これは少し視野が狭い。

社会を日本という地域に限定するならば、日本に貢献することがCSRであり、日本人雇用はCSRかもしれません。「日本人を雇用しない=CSR果たしていない」という人は自覚/無自覚に関わらずこの社会=日本という立場に立っています。

この立場では、日本外に仕事を展開し、その地域に雇用を創出して地域にも経済効果が波及して貧困生活から抜け出せるようにすることはCSRではないのです。日本人の雇用を守れるかどうかが社会貢献となります。
より一般化すると「日本人の利益に貢献すること=社会貢献」です。
日本人の利益が最大化されれば外国がどうなろうと知ったことではないという立場です。突き詰めれば、日本人の雇用が守られて資源を手に入れられて豊かに暮らせれば、世界で多数の餓死者が出ようが構わないという立場です。


さて、上のような考え方はCSRなのでしょうか?

国の責務を考えると自国及び国民の利益を守ることが究極的な目標としてもいいのかもしれません。

しかし、企業の社会貢献は国や国籍を越えるというのが私の意見です。
トヨタが日本で工場を持って日本人の雇用を創出するのも社会貢献ですし、日産がタイで工場を作ってタイで雇用を創出するのも社会貢献です。
日本国外を主要拠点とする企業が日本法人を立ち上げて日本人の雇用を創出するのもCSRでしょう。私を含め日本国内で100万人以上(2007年データ)の雇用がこの手の外資系と呼ばれる企業によって確保されています。アメリカ系企業が日本人を雇うとCSRに反するというのはおかしな話です。

企業は日本企業、アメリカ企業、韓国企業のように国名をつけて呼ぶことがありますが、本来は無国籍です。
あるアメリカ企業でアメリカ人のジョンが雇用されていればCSRだが、日本企業に買収された途端にジョンを雇用されていることは反CSRとはならないでしょう。

便宜上、日本企業と外資系企業という呼び方を使いますが、本質は同じはずです。