吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



相談

保険の有料相談は合理的。それが通用するか・・・

最新の『週刊 ダイヤモンド 2011年 5/7号』の「安心の保険 生保 損保 共済 入り方と見直し 総点検」という特集がありました。

その中に後田亨氏が出ていたので、ここでのネタにさせていただきます。


保険の代理店などで行われる保険相談は「無料相談」が一般的です。そんな中、後田亨氏は「有料相談」を行っています。

・保険代理店A:相談は無料
・保険代理店B:相談は有料

一見すると、代理店Aの方が親切で代理店Bは金の亡者のようにも見えます。しかし、保険代理店の収益源を考えると、一概にそうとは言えません。

保険代理店はビジネスであり収入を得る必要があります。相談料が無料なら他で稼ぐ必要があります。それは保険を販売することによる手数料収入です。
保険代理店が取り扱う様々な保険会社の様々な商品には手数料が設定されています。保険代理店は保険を売ることで保険会社からお金を受け取っており、これが収益となっています。

そうすると、手数料が高い商品を売ることが保険代理店の利益に繋がり、顧客にとって良い商品ではなく代理店にとって良い商品(手数料が高い商品)を勧めるインセンティブが働きます。如何に相談という名の商談で顧客に手数料の高い保険に入るように誘導するかが相談員の腕の見せ所になってしまいます。
これは顧客にとって大きな問題です。相談に乗ってもらいたいのに高い商品を売りつける商談の場とされてしまいます。この利害の対立を解決(緩和)する方法が「有料相談」です。

保険代理店が手数料に目がくらんでしまうのは、収益源がそこしかないからです。無料相談では、どんなに効果的なアドバイスをしても、「あなたは保険に入る必要はありません」では1円にもなりません。

一方、相談そのものを有料にしてしまえば、「あなたは保険に入る必要はありません」と言いやすくなります。適切なアドバイスをすることで評判が良くなれば無理に商品を売らなくても相談だけで稼ぐことができます。

これは顧客にとっても良いことです。相談料をケチった結果として手数料が高い保険(顧客にとって不要で不利な保険)を売りつけられる危険が下がります。無駄に高い保険に加入してしまうと、相談料などではすまない無駄な出費になりかねません。

保険代理店も労力を割いている相談で稼ぐことは合理的であり本望でしょう。それが顧客のメリットに繋がるのであれば一石二鳥です。

しかし、相談に行く顧客の側には「まずは無料がいい」という意識は強く、後田氏の有料相談もまだまだ試行錯誤の発展途上のようです。無料がいいという意識を変えて有料相談に来てもらうハードルは低くありませんが、良い保険の世界のためには有料の方が良いと思いますので、「有料相談」が広まることに期待しています。

●参考:後田 亨オフィシャルサイト







実際に投資している人に相談すべきか?

投資の世界には限りませんが、相談するのは自らその世界に関わっている人(特に現役の人)に相談すべきという意見があります。
これには正当な根拠があります。

●経験者はその世界を知っているので詳しい
●実際に投資している人は自分のお金がかかっているので無責任な発言はしない

これは一般的には正しいです。
しかし、実際に投資していない人がダメとは言い切れません。実際に投資している人にはポジショントークという重大な問題があります。

実際に投資している人は、「自分のやっていることが正しい、効率的だ、合理的だ」と思っていることが多いでしょう。金価格が上がると思っているから金に投資しています。長期分散投資が合理的だと思っているから投資します。そうすると自分の正しさを主張するための様々な理由をもってきます。
投資手法については、長期分散投資派であれば、ミューチャルファンドのアクティブファンドの多くがインデックスファンドを上回れないことで、アクティブ投資より低コストインデックスファンドの優位性を謳うことがあります。
自分が保有しているポジションとなれば、ゴールド投資をしている人は各国政府が流動性を過剰に供給しているので無国籍通貨と呼ばれるゴールドの価格が上がる、と流動性供給を強調します。

これらは1つの真実を表しています。しかし、それが正しいとは言えません。

相場は複数の複雑な要因で動いているので、一つの理由は金価格の上昇要因でも他要因を合わせると金価格は下がるかもしれません。アクティブファンドのファンドマネージャが勝てないことも必ずしもアクティブ投資家が努力で勝つことが不可能であることを示していません。アクティブファンドの運用者が無能なのかもしれません。
このように実際に投資している人に相談すると、その人の思想が強く反映された答えを貰う可能性が高くなります。実際に投資をしていない人であれば、利害関係がないので中立的な立場から意見が言えるかもしれません。


タイトルの『実際に投資している人に相談すべき?』の回答ですが、答えは『どちらとも言えない』となります。
前述したように、投資している人/投資していない人、どちらにも長所と注意点があります。どちらかに聞けば万全ということはありません。

強いてアドバイスをするならば、「上のような特徴(特に注意点)に心に留めながら相談してほしい」でしょうか。



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