吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



理性の限界

自民党圧勝の選挙制度に不満があるなら『理性の限界』はお勧め

 

先の12月16日に行われた衆議院議員選挙は自民党は294議席を獲得し、自民党の圧勝に終わりました。
あまりに勝ち過ぎたので公明党(31議席)と合わせると2/3を超えてしまい、キャスティング・ボートを狙った第三極は少し涙目というところでしょうか。

このように自民党の圧勝に終わった衆議院選挙ですが、いろいろと不満も出ています。「そんなに自民が支持されているわけではない」とか「勝ちすぎだ」とか言われています。そして、それを小選挙区制度という選挙制度の問題であるという声も聞こえてきます。

以下のように小選挙区において自民党は43%の得票率で79%の議席を獲得しています。
2012_Senkyo_Tokuhyoritsu

※日本経済新聞の自民、得票率43%でも圧勝 乱戦が後押しより抜粋

これは勝者が1人という小選挙区の特性です。理屈の上では20%の得票で100%の議席を占有することも可能です。(全選挙区で9人の候補者が立候補して、自民党候補者のみ20%で他8人は10%なら、全選挙区の当選者は自民党)
かつて1993年のカナダ下院選挙では与党が169議席⇒2議席という大惨敗になったケースもあります。

さて、こういう得票率と議席数のアンバランスさを見て「小選挙区という制度がおかしい」という意見もありますが、以前に「完全に公平な投票など存在しない」と書いたようにそんなに簡単ではありません。


過去にも紹介しましたが、選挙が終わった今だからこそ何度でも紹介したいのが『理性の限界』。
投票に限った本ではありませんが、投票に関して書いた章は完璧な投票方法など存在しないことを非常にわかりやすく解説してくれています。
各種選別方法のメリット・デメリットを理解した上で、国政選挙はどういう制度であるべきかを考えてみても面白いのではないでしょうか。

 







完全に公平な投票など存在しない

「投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤー」の投票結果を見て思ったこと(?)です。

日本の議員選挙でも複数の投票方法があるように投票には様々な方法がありますが、完全に公平な投票方法など存在しません。

●1人1票で最多得票者が当選の小選挙区制の問題
5人の候補がいて、100人の投票者がいたとします。
 ・Aさん:40人が支持していて、60人が最も嫌っている。 ⇒40票獲得
 ・Bさん:39人が支持していて、61人は5人中2番目にいいと思っている ⇒39票獲得
投票者の過半数から最悪の当選者というレッテルを張られているにも関わらずAさんが当選します。最も当選して欲しくない候補という基準で選べば1位になる候補が当選したことになります。

●不支持票(マイナス票)を設ける
上のような問題を避けるために当選させたくない候補へ不支持票(マイナス票)を投じられるようにすればいいという主張もあります。しかし、これも問題です。
 ・A候補:支持票1000票、不支持票1000票
 ・B候補:支持票1990票、不支持票2000票
 ・C候補:支持票10票、不支持票0票
上のような結果の時にC候補が当選になります。これはA候補とB候補が有力候補で競っていて、C候補は誰もが存在を無視するような泡沫候補の場合です。ブッシュとゴアが接戦で争っていたら、誰もが存在を無視していたアリゾナのジョンソンさんが大統領になってしまうようなことが発生します。
全候補に好き嫌いの順位をつけて点数制にする場合も同じようなことが起こりえます。

●勝ち抜き制
複数の候補があるときに2つの候補を比べていって勝ち残ったものを選ぶ方法です。
 ・Aさん: 中華>フレンチ>イタリアン
 ・Bさん: フレンチ>イタリアン>中華
 ・Cさん: イタリアン>中華>フレンチ
3人の人が上のような選好度だとします。
まず中華とフレンチ比較するとAさんとCさんは中華を選択するので、中華が勝ち残ります。中華とイタリアンを比べるとBさんとCさんはイタリアンを支持するのでイタリアンが勝ち残ります。このようにイタリアンが一番に選ばれます。
ところが、まずフレンチとイタリアンを比較するとAさんとBさんの支持により、フレンチが残ってイタリアンは負けます。次に勝ち残ったフレンチと中華で比較すると中華が勝者になります。
同様に中華とイタリアンからはじめた場合には、フレンチが残ります。
このようにトーナメントのようにして良い方を比較していったはずなのに組み合わせによって結果がバラバラになります。


このように投票方式には完璧な方法はありません。


○参考 (2年ほど前に読んで、このことを明確に理解させてくれた1冊です)



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