先の12月16日に行われた衆議院議員選挙は自民党は294議席を獲得し、自民党の圧勝に終わりました。
あまりに勝ち過ぎたので公明党(31議席)と合わせると2/3を超えてしまい、キャスティング・ボートを狙った第三極は少し涙目というところでしょうか。
このように自民党の圧勝に終わった衆議院選挙ですが、いろいろと不満も出ています。「そんなに自民が支持されているわけではない」とか「勝ちすぎだ」とか言われています。そして、それを小選挙区制度という選挙制度の問題であるという声も聞こえてきます。
以下のように小選挙区において自民党は43%の得票率で79%の議席を獲得しています。

※日本経済新聞の自民、得票率43%でも圧勝 乱戦が後押しより抜粋
これは勝者が1人という小選挙区の特性です。理屈の上では20%の得票で100%の議席を占有することも可能です。(全選挙区で9人の候補者が立候補して、自民党候補者のみ20%で他8人は10%なら、全選挙区の当選者は自民党)
かつて1993年のカナダ下院選挙では与党が169議席⇒2議席という大惨敗になったケースもあります。
さて、こういう得票率と議席数のアンバランスさを見て「小選挙区という制度がおかしい」という意見もありますが、以前に「完全に公平な投票など存在しない」と書いたようにそんなに簡単ではありません。
過去にも紹介しましたが、選挙が終わった今だからこそ何度でも紹介したいのが『理性の限界
投票に限った本ではありませんが、投票に関して書いた章は完璧な投票方法など存在しないことを非常にわかりやすく解説してくれています。
各種選別方法のメリット・デメリットを理解した上で、国政選挙はどういう制度であるべきかを考えてみても面白いのではないでしょうか。