吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



澤上篤人

やはりファンド側の澤上篤人氏は好きになれない その2

(前回の続き)

今回も、澤上篤人氏の著書である『長期投資でご機嫌な人生を』から澤上氏の言葉を引用し、それと実際のさわかみ投信/さわかみファンドの運用がどうなっているかを比べるような形で進めていきます。


P84-85
 冬に向かう前に、長期投資家は保有株を70%から80%は利食っておく。利食った資金は現金運用にまわす。
 景気が過熱気味になってきた段階から「保有株を売って現金の比率を高めていく」のは、理に適った投資行動である。この時点では金利水準が相当に高くなっており、現金運用で十分な投資リターンが得られる。
ほう、長期投資家は冬になる前に保有株を70%から80%は利食うのですか。それならさわかみ投信は冬に向かう前にどうしたのでしょう? [Answer:70%から80%も利食った事実は全くない。近似値すらない。]


P122-123
買ってはいけない暴落相場もある
 景気が相当に回復し、いまや絶頂という時期までは株式を目一杯かかえ込んでいて構わない。しかし、その景気もやや過熱気味になってきた段階からは、新規の株買いは要注意。そろそろ実りの秋。株式投資も利食い優先の段階に入っていく。
 ここから先は、株価が何かの悪材料で暴落しても買わない方がいい。実りの秋が終われば、寒い冬が到来するだけなのだから。
 もっとも、相場追いかけ型の短期張り投資家は、絶好の押し目と判断し、買い出動するに違いない。ここまでの壮大な上昇相場の熱気も残っているので、「まだまだいける。この大相場は終わっていない」とばかり、どうしても買い向かいたくなる。
 われわれ長期投資家は、もう手を出さない。なにしろ、まだ景気は悪く株価も安い間にたっぷり買っておいた。それ得十分すぎるほどの投資収益も得たのだ。これ以上は欲を膨らまさない方がいい。
 むしろ、ここできちんと利食って、現金を手にしておかないと、次の不況局面で思い切った買いができない。
悪い冗談にしか聞こえません。
さわかみファンドは、2007年夏までの株価上昇局面では現金比率が高めで、2007年夏からの景気悪化局面では株式比率が100%近い水準でした。そして、2007年時点でサブプライムローンという悪材料で株価が暴落した時に絶好の押し目と判断して買い出動しています。
これは、さわかみファンド 成長の記録グラフでもそれは読み取れますし、後述しますが『あとがき』にて澤上氏自身が買いまくったと書いています。

澤上氏のいう「われわれ長期投資家」が誰なのか理解しがたい。さわかみファンドは、澤上氏がこの著書の中で長期投資家の行動として取り上げているような行動を全く取っていない。むしろ、澤上氏が著書の中でダメ出ししている相場追いかけ方の短期張り投資家の行動こそがさわかみファンドにピッタリ当てはまる。
どうしてこれで「われわれ長期投資家」と言えるのかが不思議です。


P153
1952年から2006年までの54年間、日本株投資は年平均で13.7%にもまわっている。それも、いつどの時点で投資しても13年ぐらい経つと、自然に年13.7%前後の成績に収れんしてくるのだ。
 年平均13.7%という株式投資の収益率は、あくまで過去の実績に過ぎないが、いつどこで100万円を投資しても、15年後には686万円に増えてしまう計算となる。
いつどの時点度投資しても13年経つと年平均13.7%の利回りですか。そんな澤上氏の目には約10年で年平均1.3%くらいのファンドはどう見えているのでしょうか?
ここから3年で年平均65%位ずつ増えていって年平均13.7%になるというのでしょうか!?
さわかみファンドに100万円を設定以来15年間投資すると15年後には686万円に増えてしまうのでしょうか?


P220 - あとがき
 だからといって、なんでも構わないから投資をはじめれば良しということではない。ある程度きちんとお金が増えてくれなければ、投資する意味がない。
 投資運用は「結果が出て、なんぼ」の世界である。難しい理論を並べたり、最新の運用テクニックを駆使したところで、運用成績が積み上がってこなければ世の中のお役に立たない。
澤上先生、立派なことを言われてます。
その通りです。結果を出してなんぼの世界です。ビレッジだの応援だのと高尚なことを言っても運用成績が積み上がってこなければ意味がありません。さて、澤上氏の基準に照らし合わせるとさわかみファンドは結果が出ているのでしょうか?


 現に、7月後半から8月にかけて、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け住宅ローン)問題で有力ヘッジファンドがいくつか解約停止に陥り、世界の金融市場は大時化に襲われた。各国の株式市場も暴落した。
 われわれ長期投資家は、1ヶ月前は想像もできなかった安値で、将来好望株を好き放題に買いまくった。
最後。澤上氏は2007年8月前後に買いまくったことで鼻高々に自慢しています。やっちゃいました。
上でも書きましたが、これにはP122-123ページの澤上氏の言葉をささげたい。

≪相場追いかけ型の短期張り投資家は、絶好の押し目と判断し、買い出動するに違いない。ここまでの壮大な上昇相場の熱気も残っているので、「まだまだいける。この大相場は終わっていない」とばかり、どうしても買い向かいたくなる。≫



澤上氏は、投資理念だけ語っている分には啓蒙活動的でそれなりにいい評価をできます。しかし、実際のファンドの運営・運用に関わってしまうと全く評価が逆になります。







やはりファンド側の澤上篤人氏は好きになれない その1

##取り上げられるのは有名税と言うことでお願いしたい

やはりファンド側の澤上篤人氏は好きになれません。
基本理念だけを語られている分にはいいのでしょうが、言動の不一致がどうしても気になって心の狭い私には許容できない。


今回の参考文献は澤上氏の著書の『長期投資でご機嫌な人生を』です。
また、エントリーを読む際にはさわかみファンドのさわかみファンド 成長の記録グラフを参考にしていただきたい。


『長期投資でご機嫌な人生を』は2007年10月10日に初版が発行されました。この本を読むと澤上氏自信の言動の不一致を感じて仕方ありません。



まずは長くなりますが【はじめに】から。
 ちなみに、前書<2001年発行の『株安の今こそチャンス - 成功する長期投資』>の「はじめに」を続けてみよう。
 -個人はもちろんのこと、金融機関にしても長期スタンスで構える投資運用が、どれほど大きな成果をもたらしてくれるか実感したことがない。
 だから、これだけの超低金利下でも相変わらずに預貯金にしがみつき、年1.4%にもまわらない国債を買っている。(本書にて注釈を加えると、現在1.6%〜1.8%程度だから、値下がり損となっている。)
 いま預貯金では、どれだけガンバッても雀の涙ほどの利子しかつかない。また、こんな低金利状況で国債投資したところで、わずかばかりの利金収入しか得られず、将来の金利上昇局面で大損するだけである。(注釈・その傾向がすこしずつ表面化してきている。)
 こんな買い場はメッタにないと、それこそゴキゲンで目一杯買っている。(注釈・実際、株価全般はその後66%ほど上昇した。弊社の「さわかみファンド」は107%の成績を上げた。買っていて良かったわけだ。
( )で、わざわざ前書の引用に注釈をつけているが痛々しい。
年1.4%程度の国債や預貯金投資を雀の涙とボロクソに叩いていますが、その超低金利時代のさわかみファンドの設定来パフォーマンスは2009年7月10日現在で基準価額は11,232円、年利1.17%程度です。株価は2009年3月の底値からだいぶ回復しているのにです。
107%のパフォーマンスと誇らしげに書いていますが、その後はがけを滑り落ちるかのような散々な結果となっている。年利1.17%でよく年利1.4%の国債や預貯金をそれだけボロクソに言えるな・・・と。

 以上が前書の「はじめに」だ。現在、株価はずいぶん戻してしまった。だが、もう遅いと思うなかれ。本書で詳述するが、世界的にインフレマグマは溜まってきており、ここからが株式投資の本番である。
「ここからが株式投資の本番である。」ですか。基準価額が20000円弱の時にここからが本番と言って1年ちょっとで基準価額10000円割れでしたが、どう本番だったというのでしょうか。


P52-P55
年率12,3%の運用成績を上げているファンド・マネージャは日本にいない
日本の機関投資家の運用成果は?
 日本には、投資運用のプロを自認する株式専門家や、機関投資家ファンド・マネージャは数多いが、6年とか10年の期間をならして、年平均12%ぐらいの運用成績を上げている人はほとんどいない。<中略>
 それにしても、日本の機関投資家全般に運用成績はお粗末きわまりない。世界の水準からみても、恐ろしく低い。
 たとえば、(財)日本証券経済研究所によれば1952年から2006年までの54年間で、日本株市場の平均収益率は年13.7%にも達する。

では、なぜ日本の機関投資家は全般に運用成績がお粗末なのだろう?
 その理由は彼らなりにいろいろ並べ立てているけれど、やはり彼らは「長期の株式投資ができない」という点に変わりはない。<中略>

安く買っておいて、高くなるのを待つだけのことなのに
 こちらは、のんびりと長期投資に取り組んで、6年とか7年で2倍になればもう十分に満足してしまう。あれこれ無理することはない。
 そんなのんびりペースの運用で、日本の機関投資家ファンド・マネージャたちよりはるかに高い運用成績を上げられれば、これまた愉快千万ではないか!
思わずさわかみファンド批判か!!と思えるような内容です。
さわかみファンドは10年の期間をならして年平均12%ぐらいの成績を残していません。10年通算でようやく12%ほどです。そりゃ、10年かけて12%の収益しかあげられないファンドなら、6年とか7年で2倍にもなれば満足しなきゃ強欲すぎです。
何やら他ファンドを批判して自分達が凄いと書いているつもりなのでしょうが、脳内の妄想パフォーマンスと実績が一致していないので全く説得力がありません。全部自分に返ってきています。設定来10年で基準価額が10000円→11232円のファンドのCEOが、他ファンド・マネージャに対して散々な放言をしているのが不思議なものです。


(続く)



預金は立派なインフレ対策 (まだこの手の輩がいるのか・・・)

関連エントリー
インフレから資産を"守る"最善策は? (2008年2月22日)
第90回 個人金融資産あるあるといわれているが(澤上篤人「さわかみ経済教室〜中長期の資産形成〜」)
インフレで資産を減らしたくなかったら、長期運用するしかない
かつて終身雇用や年功序列の賃金体系が磐石で、毎年のベースアップも当り前だった頃なら、ひたすらまじめに働いていさえすれば、そこそこの財産づくりはできた。家計で余ったお金は、銀行や郵便局へ預けておくだけで十分だった。金利も高かったので、満期まで保有していればすばらしい利殖となった。
ひとつ、はっきりしていることがある。デフレ経済下では預貯金の存在価値は高いが、世の中がインフレ気味となってくると辛い。モノの値段が上がり、大事に抱えていた預貯金も購買力が下がってしまう。
こういった時期、長期投資家は株式をたっぷり買っておこうとする。インフレ傾向が強まってモノの値段が上がってくるといっても、多くが企業の売上げにスライドしていってくれる。つまり、本格的な長期投資はインフレに乗って資産価値を保全することになる。

これ、変です。澤上氏の言っていることは事実と異なります。

Diamond Onlineのこの記事【図表1】1年定期金利と物価上昇率の推移を見ると一目瞭然ですが、預金金利と物価上昇率の関係は以下の通りです。
○終身雇用・年功序列磐石期
  →オイルショック時に 預金金利 < 物価上昇率
○成果主義導入後
  →金利規制緩和で 預金金利 > 物価上昇率


「ひとつ、はっきりしていることがある」と言っていますが、インフレになると預貯金の購買力が下がるんでしょうか。これは嘘もいいところです。

金利は基本的に物価水準に合わせて動く。物価が上がれば預金金利も上がります。
上の【図表1】1年定期金利と物価上昇率の推移の1980年以降の物価上昇率と預金金利の推移の通りです。インフレで購買力を減らしたくないだけなら1年定期預金は立派な対象です。



ひとつ、はっきりしていることがあります。金融機関の営業は販売時と運用時の手数料目当てに、資産運用しないことの危機を嘘八百を駆使して煽ってくる。


個人投資家保護のために金融商品取引法は改正されました。自社商品の営業の時に嘘をついて買わせる様なことをすればアウトかもしれません。しかし、このような自社商品を直接販売営業しない場合については対象外です。
上で紹介した嘘含みのコラムにも次のような注意書きが書いてあります。
本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。

しかし、ダイレクトに商品営業をしていないからといって、ファンドのCEOなどが、自社商品の競合商品について事実と異なることを言って非難することが許されていいのでしょうか。
このあたりは何か腑に落ちません。



私の著書 - ズボラ投資
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