吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



毎月分配型

余力のないグロソブが分配金を35円から20円に引き下げていた

「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」 分配金のお知らせ (2014年1月17日)
さて、当ファンドは、2014年1月17日に第193期の決算を迎え、当期の分配金(1万口当たり、課税前。以下同じ。)をこれまでの35円から20円と致しましたことをご報告申し上げます。
基準価額が5000円前後をウロウロする中で35円分配を続けてきたグロソブですが、この1月から分配金を20円に引き下げていました。続きを読む







SBI証券で「投資信託定期売却サービス」開始

ビッグニュースです。

昨年9月のエントリー(投資信託の自動解約サービス)でも導入を希望していた投資信託の定期売却サービスをSBI証券がこの2012年3月16日から開始します。

プレスリリース:投資信託定期売却サービス開始のお知らせ
投資信託定期売却サービスとは、当社で保有いただいている投資信託(※1)を、申込金額と申込日の設定を行うことで、「定期的(毎月もしくは隔月)に売却し、一定の売却代金を受け取りたい」というお客様のニーズにお応えするためのサービスです。
たとえば定年退職されたお客様が、積立投資で長年蓄積させてきた投資信託を、そのまま運用を継続しながら、年金の補完として少しずつ売却して現金を受取るという形でご活用いただけます。


これは大きい。プレスリリース中にもあるように投資信託を定期的に取り崩していきたいというニーズは確かに存在します。そして、毎月自動積み立てが喜ばれるように、毎回の手続きを自動でやってくれるということに価値を置く人もいるでしょう。
従来はそのようなニーズには毎月分配型くらいしか応えるものがありませんでした(一部証券会社ではサービスがあったものの取扱投信が貧弱でなかったに等しい)。

SBI証券では1200本超と多くの投信を取り扱っており、これは日本における本格的なサービス開始だといって差し支えありません。

毎月分配型投信には「運用会社が勝手に払戻額を決めてしまう」という致命的な問題がありました。
分配金が大きく引き下げられたり、客寄せのために分配金を増やしたり・・・と運用会社の都合で払戻金が決まっていました。制度上は毎月分配型と言いつつも分配金を0にすることも可能です。

ところが、自分で金額を設定できる定期売却サービスの場合は違います。自分で払い戻して欲しい金額を設定できます。大きな進歩です。

自動積み立てをやっているような他証券会社も追従してくれることに大いに期待したい。


※注意
本サービスの対象は、「金額買付」および「積立買付」でお買付(他社移管も含む)いただいたファンドとなります。「口数買付」でお買付(他社移管も含む)いただいたファンドは当サービスをご利用いただけません。
また、積立買付を設定中のファンドは、設定解除後に当サービスのご利用が可能となります。



毎月分配支持論・・・

(この際、この機会に一気にシリーズで書いておこうと思っています) 

やはり、毎月分配投信支持論がおかしく感じられます。

「将来は分からない」「結果が全て」という意見がありますが、これは違うでしょう。

結果が全て  
その時点の判断の良し悪し評価を否定し、最終成果の「儲かったか」という結果だけで判断する主義者は日常生活でどうしているのだろうか?
【こどもが宿題をやるかの是非も問えない。宿題をやらなくても人生に成功することもあるから。人生の結果が出ないと小学校の宿題をやるべきかも分からない。】
【期限内でも食中毒を起こすこともあり、期限切れでも食中毒にならないこともある。だから賞味期限切れを出されても食中毒にならない限り文句を言うべきではないし、食べる時点では賞味期限内でも賞味期限切れでもどちらでもよい。将来はどうなるか分からないから。】
結果で判断するということはこのような判断になりそうですが、このような考えで日常を過ごしているのでしょうか?
結果のみ主義者は現状の状況判断を一切否定していることになり、思考停止ではないでしょうか。

将来が分からないという方便 
確かに将来は分かりません。しかし、今の時点で判断をするときにはその時点での情報で有利/不利の判断はできます。
明日にオバマ大統領が殺されるかは分かりません。しかし、これが実現するかしないかという賭け(オッズは同じ)にお金を賭けるなら実現しない方に賭けるのが有利でしょう。将来は分からない(殺される可能性は0ではない)からどちらに賭けるのが有利かは分からないというのは詭弁でしょう。
そのような人は仮にこのギャンブルをやらなくてはいけないときに、どっちに賭けても同じだというのでしょうか?
投資においても何が儲かるかという将来は決まっていませんが、事前判断の良し悪しは存在します。


投資は儲けるためにやるものです。では儲けるという将来の結果を残すために今できることは何でしょうか?(今を無視し、結果だけにこだわる人は、今何をすべきかという視点が欠如しています)

儲かるためには儲かりそうな商品や仕組みを選ぶのが良いはずです。
仕事でも仕事を成功させるには、成功しそうな手順を探して実行するでしょう。「どんな手順でも将来は分からないからどんな方法でもいいよ」なんてことはないはずです。
それならば、ロトのように胴元の取り分が多い商品などは極力避けるべきでしょう。
つまり、「儲けるが勝ち」のために現時点でできることは「儲けるために有利な商品や手法を採用すること」です。
 
大事なのは事実に目を向け、その事実を元に判断することです。
競馬や宝くじをやることは否定しません(私も長年の競馬ファンです)。ただ、投資/ギャンブルとして儲かりにくいという事実は受け入れるべきでしょう。自らが投資しているものの欠点への指摘に耳を貸さず理解しようとしないことは関心しません。
無分配型の投資信託も信託報酬というコストがかかってしまうというマイナス面があります。これを受け入れた上での総合的メリットがあるかという話をしなくてはいけません。(だから実現可能性があって手間が低いなら、個別分散が有利とも言えます)

投資は自己責任であり、どういう投資をしようと個人の自由です。
しかし、「自分の投資方法の欠点を認めた上で、自由に投資をすること」と「将来は分からないし、自分の方が上手くいく可能性もあるだろう。個人の自由だから文句を言うな」は全くの別物だと考えます。

(これにていったん完結予定)



分配金は利益確定効果で有利?

分配金は現金化でリスク低減効果がある?」では、分配金による現金化がリスク低減にはつながらないと書きました。

今回は、「分配金は利益確定効果がある」を取り上げます。

結論を先に言うと、命題を棄却します。
利益確定効果肯定派の意見としてあるのは、「利益を確定しておいて、安くなったときに買い戻せば有利に投資できる」というものです。
しかし、ここには非常に大きな問題があります。

(1) 利益確定は難しくない
「利益確定は難しい」という意見も聞きます。これはおかしいでしょう。
安値で投資することができる優秀な人で利益確定が難しいはないでしょう。安値で投資することが可能な人という前提を置きつつ、利益確定が難しいという発想は不思議です。

投資信託における個人投資家の行動は「利益を確定しすぎ」です。利益を確定が難しいのではなく、「利益を確定せずに利を伸ばすことが難しい」のです。(このブログでも紹介しましたが、投資家が利益が出ているファンドを売りすぎていて、そのまま保有するよりもパフォーマンスが低下しているという研究が多数報告されています)


(2) 頻繁な利益確定はパフォーマンスを向上させない
上の(1)の後段でも少し触れましたが、頻繁な利益確定はパフォーマンス低下の原因になります。しかし、個人投資家は利益を確定しすぎていて、投信リターンよりも投資家リターンが低くなるという結果を招いています。
リバランス効果を検証するデータでも毎月/四半期のように短期間で利益を出ているファンドを売却して安くなっているファンドを買っていくとコストを考慮しなくても、利益を伸ばしたリバランスよりパフォーマンスは良くないというデータがあります。


(3) 安値圏での投資が可能なのか?
「安値圏での投資が有利」という主張を肯定するには、安値圏での投資が可能である=相場の安値圏を判断できるという前提が必要になります。プロのファンドマネージャですら困難である相場判断ができるという前提です。
そんな相場の判断がきっちりできるような優秀な人を前提において、「分配金をためて安く買えば有利」というのはおかしいでしょう。相場の高い安いを判断できる人であれば、無分配型でも素晴らしいパフォーマンスを残します。
また、安値の購入資金を確保できるという点だけ見ても先のエントリーで書いたようにアセット・アロケーションで十分です。


無分配型のリバランスでOK
「利益確定効果&安値購入」は無分配型のリバランスで代替が効くもの(むしろ効率的)です。
ポートフォリオのリバランス時には高くなっているファンドの配分を減らすので、利益確定効果があります。そして、安くなっているファンドを購入するので、安値での購入効果があります(さらに下落する可能性はあります)。
当然、同一ファンドだけを見ても、好調時で高ければ売却、不調で安ければ購入になります。

「分配型の分配金ストック&タイミング投資」も、「無分配型リバランス」も完全な方法ではありません。しかし、個人投資家の投資データや、わざわざ毎月損しているファンドまで現金化しないことなどを含めて「無分配型リバランス」の方がシンプルかつ効果的でしょう。

・アセットアロケーションでリスクコントロールはできます。
・リバランスで利益確定効果は得られ、安くなったものを買う効果もあります

確かに毎月分配型で利益確定&安くなった時に購入を狙った投資は可能です。
しかし、「リンゴをノコギリで切ることができる/できた」と言っても、だから「ノコギリはリンゴを切るのに適している」とは言わないでしょう。明らかにリンゴを切るなら包丁の方が適しています。



次に欲しい投資信託は毎月分配型

投資信託のバリエーションも増えてきました。

STAM(住信)、eMAXIS(三菱UFJ)、Funds-i(野村)というファンドシリーズも出て新興国株式/債券などの投資対象へ低コストで投資できるようになってきました。
MSCI Kokusai/Emerging連動のETFも出ましたし、新興国単独国のETFも出ました。私が投資しない対象ですが金のような商品ETFも多数登場しました。

このように急激に投資環境が整備されている投資信託/ETF界ですが、次に提供されるべき投資信託は何でしょうか。

私が欲しいと考えるのは『低コストなインデックスファンドの多(毎月)分配型』です。

低コストなインデックスファンドは多数出てきましたが、それらは基本的に低分配を運用方針としています。これらは資産形成世代には有力な投資対象です。
しかし、資産を取り崩す世代にとっては低分配型の投信が良いとは限りません。
必要に応じて自分で必要額を解約すればいいのでしょうが、高齢者がその作業を毎回行うのも面倒でしょう。そんな時に毎月や隔月で自動的に分配金という形で換金してくれるファンドがあると便利です。
毎月の投資の手間を省くための自動積立投資が良いというのであれば、その逆の自動解約投資(多分配型)があってもいいはずです。


低コストなインデックスファンドの多(毎月)分配型
資産運用会社さん、こんな投資信託を作りませんか?


●関連エントリー:(今の)毎月分配型ファンドの何が悪いか



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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