吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



格付け

アメリカがAAAを失う (S&Pが格下げ)

今日はイタリアスーパーカップなので、その前にブログ更新。

S&Pが米国債を「AAプラス」に格下げ、最上級失うのは史上初 (ロイター)
アメリカがついにAAAの格付けを失ったとのことです。
この影響のほどは定かではありませんが、マイルストーンとしては大きなものなので、このブログでも触れておきます。

これでS&PのAAAは以下の国(地域)になります。
 ・Australia (オーストラリア)
 ・Austria (オーストリア)
 ・Canada (カナダ)
 ・Denmark (デンマーク)
 ・Finland (フィンランド)
 ・France (フランス)
 ・Germany (ドイツ)
 ・Guernsey (ガーンジー)
 ・Hong Kong (香港)
 ・Isle of Man (マン島)
 ・Liechtenstein (リヒテンシュタイン)
 ・Luxembourg (ルクセンブルグ)
 ・Netherlands (オランダ)
 ・Norway (ノルウェー)
 ・Singapore (シンガポール)
 ・Sweden (スウェーデン)
 ・Switzerland (スイス)
 ・United Kingdom (イギリス)

アメリカの格下げ予想は出ていましたが、それでもアメリカの格付けを下げることなどできないだろうという楽観論もあったので、市場にマイナスの影響はありそうです。

問題はこの影響ですが、このアメリカの格付けで株価は大きく下がるのでしょうか?もし、大きな調整があるならば長期投資家は投資のチャンスです。(参考:長期投資家は円高・株安を喜ぼう)

私は大きな調整は来ないと思っているのですが、どうでしょう。







SBI社債売切!! これってどうなの?

正直、社債市場については良く分かりません。株式市場さえも良く分かっていませんが、それ以上に良く分かりません。


そんな中、4月1日に発売されたSBIホールディングス社債(6ヶ月1.80% / 1年1.96%)が販売数日で売り切れたとのことです。

この社債は、お得な商品だったんでしょうかね?

社債市場についてはよく分からない素人の吊られた男は「あまり有利な商品でない」と判断しました。


(1)格付けから
サブプライム関連証券やAIGなどの例もあるので、格付会社の格付けがそのまま当てになるわけではありませんが、まずは格付けが気になります。日本格付協会(JCR)の格付けを見ると、SBIホールディングスの格付けは以下のようになっています。
 ・長期:BBB/ネガティブ
 ・短期:J-2


日本証券業協会売買参考統計値/格付マトリクス ダウンロードから2009年4月1日の格付マトリクスをダウンロードしてみました。
  ・2009年4月1日時点の格付マトリクス

日本格付け協会の格付けに対する残存期間1年の債券の利回りを見てみると以下の通り。

格付け 年利回り
AAA0.675%
AA0.987%
A2.871%
BBB7.934%
BBN/A
B730.569
BBBだと7.934%だそうです。Aでも2.871%。

格付けが必ずしも企業の健全性や安全性と一致しないことは重々承知しています。しかし、このような差がある中で、BBB格付けのSBIホールディングスの社債で1.96%はあまり有利な条件には思えなかったりします。



(2)同業他社のCDSから
J-CDSから2009年4月1日時点のCDS参考値一覧表を抽出しました。
  ・2009年4月1日時点のCDS参考値

ここにSBIホールディングスのCDS情報は見つかりませんでしたが、同業の証券会社として、 大和証券グループ本社、日興シティホールディングス、日興コーディアル証券、野村ホールディングス、野村證券という日本を代表する大手証券会社がリストされていました。

ここにJCRの格付けを加えて、各大手証券会社の情報をまとめると以下。
企業長期格付け短期格付けCDS
大和証券グループ本社A+/ネガティブA-390.00
日興シティホールディングス#A-/方向性不確定#J-1/方向性不確定422.50
日興コーディアル証券#A-/方向性不確定420.00
野村ホールディングスAA-/ネガティブA+-425.40
野村證券AA-/ ネガティブA+-421.00
長期格付けでもAA-やA-、短期格付けでもJ-1です。そんな大手である野村、大和、日興でもCDSが400bps程度です。SBI証券より安全性は高いと思われる野村でさえ400pbsのプレミアムが妥当という評価になると、年率1.96%にはちょっと手が出せません。

それともこれが機関投資家と個人投資家の待遇の差ということでしょうか?仮に機関投資家だから条件が有利になっているのだとすると、債券投資というのはだいぶ個人投資家に不利にできているように思えてしまいます。
確かに株でも機関投資家に優先的に割り当てられる優先株などがありますが、そんなには酷くないように思えます。


(3)ただの感覚
株価も回復傾向で金融危機も和らいだかに思える局面かもしれませんが、依然として金融機関に対しては不安が大きい時勢です。3月末までの住信SBI銀行の1年定期の0.9%を考えると、年利1.96%ということはこの環境下でプレミアム1%強ということです。
それはちょっときついかな・・・と。




私の今のレベルの理解だと、SBIホールディングス社債はパスだったのですが、実際はどうなんでしょうね?このあたりは債券投資について少し調べれば分かる気がするのですが、勉強不足です。



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