吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



株価指数

MSCI China上位10社で見る「時価総額」と「浮動株調整後の時価総額」の違い

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先日書いたあなたのその時価総額はどんな時価総額でしょうか? (時価総額型インデックス, 株式を時価総額比で保有)がありますが,ちょうどいい具体的な事例をあげられそうなので実例を出して見たいと思います。

アジア時価総額、中国企業が躍進 IT、金融が存在感(日経新聞)

この日経新聞の記事で,2017年12月29日時点のアジアの時価総額トップ50社がランキングされており,中国企業は28社リストされています。

一方,MSCI ChinaのFact Sheetを見ると, こちらも2017年12月29日時点のMSCI Chinaの組入トップ10社がリストされています。

この2つのリストを見比べると,「時価総額」と「浮動株調整後の時価総額」がどれほど違いそうか少し見えてきそうです。
そこで表を作ってみると「時価総額」と「浮動株調整後の時価総額」でだいぶ違うことが分かりました。
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「時価総額(時価総額加重平均)インデックス」が欲しい

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株価の動向を知る指標として、株式指数(インデックス)があります。
代表的なものは以下のようなものです。
    • 日本株: 日経平均/TOPIX
    • アメリカ株: ダウ30種工業平均/S&P500

これらのインデックスにはいくつかタイプがありますが、主に以下のタイプなので、時価総額型インデックスが手薄になっています。
    • 浮動株調整時価総額加重型: TOPIX, S&P500, その他MSCIの各種インデックス、等
    • ダウ式平均株価: 日経平均(日経225)、ダウ30種工業平均
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インデックスファンドの連動対象ベンチマークの「配当込み/配当除く」を1枚の表にまとめてみた (2015年12月版)

ベンチマーク

インデックスファンドが連動を目指す株式指数のベンチマークが「配当込み」「配当除く」なのかという点については幾度か言及しています。
整理を試みたものもあります。その中で2014年9月にまとめた表があるのですが、最近の低信託報酬インデックスファンドシリーズの登場もありましたので、2015年12月版としてアップデートしてみました。日経225インデックスeまでです。
インデックスファンドのベンチマーク 2015年12月版
※クリックで画像は拡大します

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インデックス投資は平均なのか? (2)

前回のエントリーで、簡単なモデルのシミュレーションに基づいて以下のような考察をしました。

・インデックス投資は必ずしも市場平均にはならない
・アクティブ投資の平均は市場平均ではない


そして、「純粋な時価総額インデックスの場合は市場平均に追従できそう・・・」というところで終わりました。

それでは時価総額インデックスへ投資することで、市場の成長と連動する結果を残すことが可能なのでしょうか?

結論から言うと、「時価総額インデックスへの投資は困難」となりそうです。

日本を代表する株価指数であるTOPIXは時価総額型の株価指数ですが、浮動株基準株価指数です。浮動株基準株価指数は浮動株を基準にしてウェイトを決めるので、浮動株が少ないと時価総額比よりも過小評価されることになります。

少し具体例を見てみます。時価総額及び浮動株調整後の時価総額を、トヨタ自動車とNTTドコモで比較してみます。(12/1にYahooファイナンス及び野村のサイトで取ったデータです)
●時価総額
 ・トヨタ:8,888,938百万円 (2011/12/1)
 ・ドコモ:6,014,970百万円 (2011/12/1)
●1306(TOPIX連動ETF)の組入比率
 ・トヨタ: 21,880万円 (2011/11/30)
 ・ドコモ: 7,270百万円 (2011/11/30)

時価総額では1.5倍弱の違いですが、浮動株調整後では3倍近い違いです。
TOPIX連動のインデックスファンドやETFに投資をしても必ずしも時価総額に連動するとは限らないのです。

また、世界の主要な国の株価指数も浮動株基準株価指数になっています。
日本の個人投資家が国際分散投資で使用しているMSCIのインデックスも浮動株基準株価指数です。

世界の時価総額企業ランキングで見ると、中国の企業が上位のぞろぞろ顔を出します。しかし、MSCIのAll Country Indexなどでの中国の比率は低い。これは、中国企業の株は固定株が多いので浮動株だけで考えると世界的に比率が低くなっています。一方、浮動株が多いアメリカは時価総額よりも大きな割合になっています。


理屈の上では時価総額比率のポートフォリオを構築することは可能でしょう。
しかし、各国株価指数もMSCIもFTSEも浮動株ベースとなっている現状で、個人投資家が時価総額比率の国際分散ポートフォリオを構築することは極めて難しいと思われます。自分で時価総額通りの比率でポートフォリオを作ることは現実的ではありません。

株価単純平均型インデックスは必ずしも市場平均ではありませんが、TOPIXやMSCI連動のパッシブ運用も市場の成長分に完全連動とはいかないようです。


(次でまとまるだろうか)


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インデックス投資は平均なのか?

「インデックスファンドを持って長期保有していると市場(全投資家)の平均を取れる」

こんな話があります。私もこのようなことを言っています。
しかし、少し考えてみるとこれは正確ではない、と思うわけです。

簡単なシミュレーションをしてみます。

【シミュレーションで使うモデルの前提条件】
 ・A,B,C,Dの4つの株式で市場が構成されている
 ・ある時点(T0)での株価はA,B,C,D全て同じ
  →株価単純平均インデックスではA,B,C.Dに均等投資
 ・T0における時価総額は、A=400,B=300,C=200,D=100(市場全体=1000)
 ・インデックス投資は以下の2種類のインデックス投資を想定する
  1. 総額インデックス投資
  2. 株価単純平均インデックス投資
 ・それぞれのインデック運用のシェアは10%ずつ
  →アクティブ運用の比率は80%
Index_Active試算_0
(参考)日本株の代表指数であるTOPIXと日経平均で、時価総額に"近い"のがTOPIX、単純平均に"近い"のが日経平均です。


上記の条件で4パターンのシミュレーションをしてみます。
≪パターン1≫時価総額が小さい株が上昇した場合
≪パターン2≫時価総額が大きい株が上昇した場合
≪パターン3≫時価総額が小さい株が下落した場合
≪パターン4≫時価総額が大きい株が下落した場合



≪パターン1≫時価総額が小さい株が上昇した場合
Index_Active試算_1
市場平均 +10%
時価総額インデックス +10%
単純平均インデックス +25%
アクティブ +8.1%

このような結果になりました。
時価総額インデックス=市場平均ですが、単純平均インデックスは+25%と大きく市場平均を上回っています。そして、アクティブは+8.1%と市場平均を下回っています。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【+17.5%(インデックス) vs +8.1%(アクティブ)】です。

≪パターン2≫時価総額が大きい株が上昇した場合
Index_Active試算_2
市場平均 +40%
時価総額インデックス +40%
単純平均インデックス +25%
アクティブ +41.9%

今度は単純平均インデックスが+25%と市場平均を大きく下回り、アクティブは+41.9%と市場平均を上回りました。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【+32.5%(インデックス) vs +41.9%(アクティブ)】です。


おまけで、株価が下がった場合も検証してみます。

≪パターン3≫時価総額が小さい株が下落した場合
Index_Active試算_3
市場平均 -5%
時価総額インデックス -5%
単純平均インデックス -12.5%
アクティブ -4.1%

相変わらず時価総額インデックス=市場平均ですが、単純平均インデックスは-12.5%と市場平均を大きく下回り、アクティブは-4.1%と市場平均を上回りました。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【-8.75%(インデックス) vs -4.1%(アクティブ)】です。

≪パターン4≫時価総額が大きい株が下落した場合
Index_Active試算_4

市場平均 -20%
時価総額インデックス -20%
単純平均インデックス -12.5%
アクティブ -20.9%

単純平均インデックスは-12.5%と市場平均を大きく上回り、アクティブは-20.9%と市場平均より悪い成績に。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【-16.25%(インデックス) vs -20.9%(アクティブ)】です。


このシミュレーションの結果から考えると、「市場の時価総額が+40%になると運用者全体の資産が+40%になる。パッシブは平均だから+40%、アクティブ全体も+40%。」という話はちょっと違うようです。

純粋な時価総額インデックスの場合は市場平均に追従できそう・・・・・・長くなったので、今回はここまで。


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