元々は紙媒体で読んだ記事ですが、日経ビジネスから。
クライスラー、GMの命運を握るUAW
「労組がオーナー」の矛盾
あまり気にしていませんでしたが、GMで約40%、クライスラーに至っては過半数の株をUAWが保有なんですね。
労働組合が筆頭株主(GMの場合は政府の次点ですが大株主)というのはどうなんでしょう？
日経ビジネスの記事中にも書かれていますが、そうなってしまうと労使交渉やストライキの相手が自分という不思議な状態になります。
企業内部の組織構造として一般的には、CEOを筆頭とする経営陣がいて、管理職がいて、末端に平社員がいます。上位からの指揮命令や決定によって末端の業務内容や待遇が決定されます。本来なら、この構造で弱小の末端労働者が極端な不利益をこうむらないために労働組合があります。
しかし、この会社のケースでは末端の労働者達のもう一つの顔(組合員)になるとその会社の大株主でオーナーです。彼らはCEOの処遇を決定する権限を持ちます。これは何か不思議な現象ではないでしょうか？
労働者たちに不利な処遇がされそうになれば、組合は株主としての顔を使ってCEOに迫れます。経営陣が労働者に厳しい方針を取れなそうですね。
ただでさえ、お互いの主張をぶつけ合って妥協点を見つけ出すようなアメリカ式では、株主の権利を手に入れてしまった組合の横暴がありそうで怖い。
そして、ロイターの記事(〔焦点〕米政府とUAWの自動車メーカー支配株保有、大きなリスクもたらす見通し )にもありましたが、UAW自身が株主という立場と組合という立場のジレンマにどう立ち向かうのかにも興味がわきます。
クライスラー、GMの命運を握るUAW
「労組がオーナー」の矛盾
最大のポイントは、債務の株式化（デット・エクイティ・スワップ）による負債の大幅削減を打ち出したことである。そのスキームは米政府（財務省）からの融資とUAWが運営する医療保険基金の拠出義務のそれぞれ半分を株式に転換するというもの。クライスラーも同様の手法を取る方針。米メディアの報道によれば、クライスラーの場合はUAWが55％と過半を占めることになる。GMの場合は米政府の比率が50％で「ガバメントモーターズ」と皮肉られるほどだが、UAWの株主構成比率も39％と高い。この資本構成は、破産法適用の場合でも、回避した場合でもほぼ変わりがないと見られる。
あまり気にしていませんでしたが、GMで約40%、クライスラーに至っては過半数の株をUAWが保有なんですね。
労働組合が筆頭株主(GMの場合は政府の次点ですが大株主)というのはどうなんでしょう？
日経ビジネスの記事中にも書かれていますが、そうなってしまうと労使交渉やストライキの相手が自分という不思議な状態になります。
企業内部の組織構造として一般的には、CEOを筆頭とする経営陣がいて、管理職がいて、末端に平社員がいます。上位からの指揮命令や決定によって末端の業務内容や待遇が決定されます。本来なら、この構造で弱小の末端労働者が極端な不利益をこうむらないために労働組合があります。
しかし、この会社のケースでは末端の労働者達のもう一つの顔(組合員)になるとその会社の大株主でオーナーです。彼らはCEOの処遇を決定する権限を持ちます。これは何か不思議な現象ではないでしょうか？
労働者たちに不利な処遇がされそうになれば、組合は株主としての顔を使ってCEOに迫れます。経営陣が労働者に厳しい方針を取れなそうですね。
ただでさえ、お互いの主張をぶつけ合って妥協点を見つけ出すようなアメリカ式では、株主の権利を手に入れてしまった組合の横暴がありそうで怖い。
そして、ロイターの記事(〔焦点〕米政府とUAWの自動車メーカー支配株保有、大きなリスクもたらす見通し )にもありましたが、UAW自身が株主という立場と組合という立場のジレンマにどう立ち向かうのかにも興味がわきます。
オートモーティブ・コンサルティング・グループのプレジデント、デニス・ビラグ氏は、UAWが支配株主となれば、株主としての利益と雇用を守るという利益の間で板挟み状態になると指摘。
「この状況は好奇心をそそる可能性がある。労組が指名した取締役会役員はどうすればいいのか。組合員を支持するのか、組合員の怒りに直面するのか」と疑問を投げ掛けた。
