吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



日経平均

この2015年8月と9月の相場は暴落だったのか?暴落ではなかったのか?

crash
この8月、日経平均は8月24日に895円安になったように日々の相場の変動は大きく、全体的にも8月10日の直近高値の20808円を頂点に8月25日には17806円まで下落しました。(終値ベース)
9月も比較的大きな上下動を繰り返しながら下値を切り下げて9月29日には16930円と17000円を割り込みました。
【参考】895円安の日経平均、今後のポイントは何か (2015/8/24, 東京経済Online)

ニュースでは「暴落」「大幅下落」などという言葉が躍る日がたくさんありました。投資関係のブログでは「暴落だ、大変だ」というような声もあれば、「暴落じゃないよ」という声もありました。

では、この時の相場は暴落だったのでしょうか?
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資産運用/投資において「過去の実績」と「将来の期待」は明確に分けるべし

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投資において「どうやったら儲かるか」を考える時、過去の実績を過大評価してはいけません。


少し投資から離れます。
サッカーのようにプロスポーツの世界では、前年に活躍すると翌年の契約では給与が上がったり、ビッグクラブからオファーが来ることが一般的です。
香川真司はドルトムントでの活躍が認められてマンチェスター・ユナイテッドからオファーが来ました。ハメス・ロドリゲスはワールドカップでの活躍が認められてレアル・マドリードが高額の移籍金で獲得しました。
これは「過去の実績が、ある程度将来の結果を保証する」という前提に立っている判断です。この傾向は正しく、一軍で活躍した選手はリザーブチームでくすぶっている選手よりも来年も活躍する可能性は高いのがプロスポーツの世界です。
これはプロスポーツに限りません。素晴らしい演奏をした演奏家は次のコンサートでも素晴らしい演奏をする可能性は高く、うちの娘にコンサートで演奏をさせて素晴らしい演奏をする可能性は0です。
仕事においても前回素晴らしい翻訳をした人は次回も素晴らしい翻訳をする可能性大ですし、美味しいと評判のレストランの料理は明日も美味しいでしょう。

しかし、投資の世界にこれを持ち込むと話は違ってきます。

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日経平均連動インデックスファンドは日経平均採用銘柄を買ってない (ドヤッ

インデックスファンドに投資をする身としてはなかなかに面白いブログ(外国株・外国債券のノーロード投信で稼ごう)を知りました。インデックスファンドに対しては良い思いを持っていない人のようですが、非常に興味深い。

その中で今回取り上げたい興味深いのはリスクマネジメントという記事。

詐欺師に騙されやすい人は表面しか見ない人、思い込みが激しい人、常に自分が正しいと思う人で、投信の種類は関係なく、毎月分配型を買うから詐欺師に騙されやすいというのはただの偏見でして、
詐欺師にだまされやすいタイプを分析されております。

そして同じ記事中に次のような記述があります。
ちなみにインデックスファンドの方が詐欺師に騙されやすい人が買うタイプです。日経225に連動するファンドと謳っていても、中身は225種の日経平均採用銘柄を買っていない擬似インデックスですし、信託報酬が安いって詐欺師に騙されやすい人は喜んで買うけど、騙されにくい人は安いのには裏があると疑って買おうとしません。

日経225に連動するファンドと謳っていても、中身は225種の日経平均採用銘柄を買っていない擬似インデックスとのことです。

大事なことなので繰り返します。

日経225に連動するファンドと謳っていても、中身は225種の日経平均採用銘柄を買っていない擬似インデックスとのことです。

これは非常に興味深い。

では公募投信の日経平均連動インデックスファンドで信託報酬最安で私が保有しているニッセイ日経225インデックスファンドの投資銘柄を見てみましょう。最新の運用報告書から保有銘柄を抜き出してみました。
nisseinikkei225_stocks



・・・そういえばわざわざ調べなおさなくても以前にも分析済みでした^^;
※参考:日経平均を保有するとは?(インデックスファンドの中身を見てみる) vol.1


さて、いずれにしてもニッセイ日経225インデックスファンドは日経平均採用の225銘柄を購入しています。(入れ替えがあれば保有銘柄を入れ替えています)
なお、各銘柄の保有株数はみなし額面一覧に応じた株数(額面500円だと額面50円の1/10)になっており、比率も日経平均のウェイト通りです。

で、上記のブログ記事に戻ると日経225に連動するファンドと謳っていても、中身は225種の日経平均採用銘柄を買っていない擬似インデックスだそうです。

これだけだと、このファンド特有といわれても困るので、他の日経平均連動インデックスファンドも見てみると公募投信の中で純資産総額が最大のインデックスファンド225(日興アセットマネジメント)を見ても日経平均で規定された比率どおり225銘柄に投資しています


それを踏まえて・・・日経225に連動するファンドと謳っていても、中身は225種の日経平均採用銘柄を買っていない擬似インデックスだそうです。


さすがは下記のようにご説法をいただけることはあります。
詐欺師に騙されやすい人は表面しか見ない人、思い込みが激しい人、常に自分が正しいと思う人で、投信の種類は関係なく
日経225に連動を目指すインデックスファンドの運用の表面しか見なかったのでしょうか、思い込んでしまったのでしょうか、中身を見ずに自分が正しいと思ってしまったのでしょうか。
いずれにしても詐欺にだまされやすい人を有限実行していただけるとはさすがです。

なお、この箇所のみならず他の記事では、地震保険は火災保険の50%まで(=不動産価値の50%)しかカバーされないなどのリスクがあるのですが、以下のように発言されるあたりにも「(地震保険という字面の)表面しか見ない、(保険料を払えば100%カバーされるだろうという)思い込みが激しい」面を覗かせており抜かりはありません。
不動産投資をしている人達は地震保険に入っているから大丈夫



さらにインデックス以外は駄目だとして、インデックスを買わそうとする。その為にはろくに調べようともせずに、思い込みで他のファンド、運用方法を悪く言う。
上のような記述がありましたが、「中身は225種の日経平均採用銘柄を買っていない」発言などと照らし合わせると「さらにインデックスは駄目だとして、インデックスを買わせまいとする。その為にはろくに調べようともせずに、思い込みでインデックスファンドファンド、運用方法を悪く言う。の方が適切に思えます。


●おまけ
リスクマネジメント的には、資金を回収しやすい毎月分配型の方が、投資対象として有りがたい物になります。

これはリスクマネジメント的にはダウトです。リスクマネジメントでは、なるべく自分でリスクをコントロールできる方が望ましい。毎月分配型は運用会社に資金のフローを一部任せてしまうのでリスクをコントロールしにくくなります。まったく分配しなければ自分でフローを完全にControllableなのに、Uncontrollableな要素を入れるのはリスクマネジメント的には良くない方向です。


「小遣い稼ぎブロガーの暴走」という記事を書かれていましたが、アフィリエイトをペタペタと貼り付けたブログ(あるブログは1366x768の解像度で見て、ファーストビューどころか下に2回スクロールしても最初の記事のタイトルにたどり着かないほどのボリューム)をいくつか運営されているようですので、応援しています。



ひふみ投信を日経平均(ニッセイ日経225インデックスファンド)と比較した考察

R&Iファンド大賞2013 / 優秀ファンド賞
R&Iファンド大賞2012 / 最優秀ファンド賞
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2012 / 3位
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2011 / 4位


何かと注目を集めているひふみ投信


結い2101も同じようにR&Iファンド大賞、投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Yearで上位に来ますが、純資産総額ではひふみ投信は○十億円と大きく差をつけています。
これはリターンの高さやファンドマネージャの藤野氏の積極的な活動などによるところも大きいでしょう。

さて、そんな注目を集めるようになったひふみ投信ですが、最近は日経平均などにパフォーマンスで劣後したことなども話題になっています。

そこで、実際のところどんなもんかとひふみ投信を日経平均連動のインデックスファンドである日経ニッセイ225インデックスファンドと比較してみました。(期間は設定された2008年10月〜2013年7月)

まず、該当期間のチャートは以下の通り。(起点を10000に揃えています。以後のチャートは全部同じ)
hifumi01

設定来からではひふみ投信ニッセイ日経225インデックスファンドを69.15%アウトパフォームしており、立派な成績です。ベンチマーク比で勝っても仕方ないとかいう意見もありますが、絶対的にも98.22%のプラスリターンです。
絶対的なリターンも5年弱で2倍近く、同アセットの株式インデックスに対しても69%ものアウトパフォームというのは非常に優秀なファンドです。








これだけだと「ひふみ投信って凄いね」です。この吊られた男の投資ブログにそんな内容を期待している人はいないですよね…

そこで、少し切り口を変えてみます。

直近1年間、その前の1年間、さらにその前の1年間…と1年間ごとのパフォーマンスで区切ってみました。そのグラフは以下の通り。(1つだけ2008年10月〜2009年7月と10カ月の期間)
hifumi02

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5つの期間に分けられ、直近1年は負けていますが残り4年はひふみ投信がニッセイ日経225インデックスファンドに勝っています。
hifumi08


特にひふみ投信運用開始後の10か月では25.91%と大きな差をつけています。ここが大変興味深い。

「設定来」もしくは「2008/10/1〜2009/7/31」のグラフに目を凝らすと面白いものが見えてきます。

ひふみ投信設定直後ニッセイ日経225インデックスファンドと大きな差が付いています。
月次リターンを見ると以下のようになってなっています。
hifumi07


上で「ひふみ投信運用開始後の10か月では25.91%と大きな差」と書きましたが、ひふみ投信運用開始後の1か月(2008年10月)で24.62%もの差がついていました。

設定来のパフォーマンス差が69.15%ですが、この最初の1ヶ月を除いて2008年11月からのパフォーマンスで見ると、依然としてひふみ投信の方が上回っていますが、その差は25.47%まで縮小します。


■ちょっと厳しくひふみ投信を評価する■

日経平均と比較して全体的に良好な成績を残しているひふみ投信ですが、冷静な評価を促すためにも厳しく見てみると以下のようなことが言えそうです。

(1) 設定来での日経平均を上回る好成績は異常値とも言える初月の差の貢献が非常に大きく、過大評価してはいけない
ひふみ投信運用開始直後にドカっと資金を入れた人は別ですが、多くの人は違います。(2008年10月31日時点の純資産総額は1.88億円)
つまり、多くの投資家はひふみ投信のこの神がかった銘柄選定の恩恵を受けていません。そして、その後5年近く運用していますが、いまだこの素晴らしい銘柄選定能力は再現されていません。


(2) 独立系投信の先がけ(さわかみファンド)の影がちらつく…
さわかみファンド
昨年12月にさわかみファンド vs 日経平均(ニッセイ日経225インデックスファンド)でも比較しましたが、さわかみファンドは設定直後は日経平均に対して優勢で、その後は徐々に…というトレンドです。

さて、ひふみ投信
年間の成績を比較しましたが、多少の凸凹はありながらも「ひふみ投信-日経平均」は右肩下がりのトレンドです。ファンドの資産規模の大きさによって運用が難しくなりだしたのでしょうか。
これだけで判断するのは早計ですが、設定後は日経平均に対して優勢だが徐々にその差が詰まって…はさかわみファンドの影がちらつきます。

今後にも注目していきたいところです。




「含み損=積立額多め」「含み益=積立額少なめ」のシミュレーション (日経平均&ダウ平均)

以下のシミュレーションを行ってみます。
  ●1984年1月~2013年7月の期間
  ●日経平均及びダウ平均それぞれで
  ●以下の2つの手法を実施した場合
    ●毎月30,000円/300ドルを積立(ドルコスト平均法)
    ●含み益なら10,000円/100ドル積立、含み損なら50,000円/500ドルの積立

ようするに、ただのドルコスト平均法ではなく、含み損の時に多めに買い付けて、含み益の時には少な目に買い付けようという手法のバックテストです。
 ※「変則型ドル・コスト平均法」の利用について(Kapokの資産運用)に触発された内容です


【日経平均】
まず日経平均で上の2つのルールで積み立てていった場合の最終的な結果です。
simulation_n04

含み損/含み益で投資額を変える方が少ない投資額で評価額は高くなっています。(Kapokさんと数字が違うのはソースデータの違い?買付タイミング等のアルゴリズムの違い? とはいえ話の大筋には影響ないのでこれで良しとします)
含み損の時(安い時)に積み立てた効果が良い方向に出ています。

以下は各種グラフ
simulation_n01
simulation_n02
simulation_n03



【ダウ平均】
次に今回の本題。
ダウ平均(ダウ30)で同じルールで積み立てていった場合の結果です。(ドルなので10000円→100ドルのように金額はならしています)
simulation_d05

これはなかなかに困った結果になりました。投資額が2,77倍と大差がついてしまいました。

以下のグラフを見ると分かりやすいかも。
simulation_d01
simulation_d02
simulation_d03

損益を見てもらうと分かりますが、ドルコスト平均法も変形型もどちらも投資の早い段階から含み益になってあとはずっと含み益のままです。
変形型は、投資を開始した1984年の8月に500ドルを投資したのを最後に、その後の347か月はずっと100ドルの積立になりました。ようするに投資額を変動させると設定したものの、単なる月100ドルのドルコスト平均法になってしまいました。
そして、投資に回す予定の月200ドルはどんどん投資されずに積み上がっています。


含み損/含み益で投資額を変える方法は、1984年~2013年の日経平均のようにある程度のレンジで上下するような値動きをしたモノには有効そうです。
しかし、ダウ平均のように上下変動はありつつもある程度上昇してしまったものに対しては使い勝手がよくなさそうです。(暴落待ちで暴落が来ずに上がって知ってしまった場合と同じ)



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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