吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



日経ビジネス

増税、補助金の削減、政府支出圧縮などはGDP対比の債務を増やす

『日経ビジネス 2011年5月23日号』のNouriel Roubini氏とStephen Mihm氏の寄稿から
個人貯蓄を増大させるために民間消費と公的支出を抑制すること及び、民間と公的債務を減らすために緊縮財政を実施することも、選択肢に入らない。民間部門は消費を控えて貯蓄を増やすことはできるが、これは「ケインズの倹約のパラドックス」として知られている現象をただちに引き起こす。
 つまり、生産賞が低下し、GDP対比での債務が上昇する、というものである。IMFなどの最近の研究によれば、増税、補助金の削減、非効率的なものも含めた政府支出の圧縮は、短期的には成長を妨げ、債務問題を悪化させると見られている。
(欧州各国の債務の増加がテーマ)

政府の債務問題(債務の対GDP比)と倹約のパラドックスを結び付けて考えたことはありませんでしたが、確かにその通りです。政府が支出を減らせば、GDPは落ち込みます。そうすると「債務/GDP」で表される債務の対GDP比は、分母のGDPが小さくなるので上昇します。
さらに非効率なものも含めた政府支出の圧縮でも債務問題を悪化させるというのは面白い示唆です。

日本も債務の対GDP比が大きくなっており、財政危機が叫ばれています。これに対応しようとする場合にはこの倹約のパラドックスによる債務/GDPの増加には注意が必要でしょう。
これを意識せずに単純に「支出を圧縮すれば債務が減るから債務の対GDP比が減るはず」という思惑でいると面倒なことになりそうです。







PCの性能向上がCPIを押し下げる

『日経ビジネス』(2011年3月28日号)の「気鋭の論点」から。


2000年から2010年の10年間でCPIは2.6ポイント下がっています。102.2(2000年)→99.6(2010年)。

私はソースに当たっていませんが、日経ビジネスの記事によるとパソコンが2ポイント押し下げているとのことです。つまり、パソコンの下落幅が±0であれば下落幅は0.6ポイントだったとなります。

日経ビジネスの記事にもありますが、この現象はPCの実際の価格が下がっているとことによるのではなく、性能が上がったことが原因です。
パソコンの価格はヘドニック法という方法で計算されており、市販価格は同じでも性能が上がるとCPI計算上の物価指数が下がります。2000年→2010年の10年間で、デスクトップPCが1/25、ノートPCが1/50になっているようです。
テレビなどの電化製品でも同じような性能向上によるCPI低下が起こっています。

価格が上がっていてもそれ以上に性能が向上することで、CPI計算上ではマイナスになることもありえるのです。PCもCPIの計算上では数十分の一になっていますが、消費者がPCを購入する時の金額が数十分の一になっているわけではありません。

CPIは物価変動を示す重要な統計数字ですが、単純に物価変動率とイコールと考えるのではなく、そのクセを理解しておくことが重要になりそうです。



顧客満足度3位の大垣共立銀行

先日、日経金融機関ランキングが発表されました。

1位 ソニー銀行
2位 住信SBIネット銀行
3位 大垣共立銀行
4位 りそな銀行
5位 埼玉りそな銀行
6位 セブン銀行
7位 三井住友銀行
8位 みずほ銀行
8位 イオン銀行
10位 新生銀行


このニュースを見て、ソニー銀行や住信SBIネット銀行といったネット銀行について話をする人は多いようですが、3位の大垣共立銀行が軽視されている気がします。岐阜の地方銀行というせいでしょうが、トップ10にネット銀行が1、2位に入り、他は大手銀行がランクインする中で地方の一銀行が3位というのは立派です。過去には1位になったこともある銀行です。

そんな顧客からの評価は高いが全国的にはマイナーな大垣共立銀行に関してタイミング良く『非効率経営の時代/大垣共立銀行−顧客殺到、行列のできる銀行』という記事が日経ビジネスにありました(また日経ビジネスからのネタです)。
ランキング作成が日経ですから、日経ビジネスが歩調を合わせてきたのでしょう。

大垣共立銀行は、同じ岐阜の地方銀行である十六銀行をライバル視しているためか、いろいろ面白い取り組みをしています。

●銀行員でさえATMが休みの日が分からないのだから、顧客はいつATMが動いているのか分からない→だったら365日稼動にしてしまえ
●コンビニを参考とした店舗
●シングルマザー応援ローン
●ATMルーレットゲームサービスで当たると手数料無料や現金プレゼント
●移動ATM車
●等々・・・

その結果、預金残高も十六銀行を超えたようですし、今では岐阜を代表する銀行として十六銀行と双璧と言っても差し支えないでしょう。都心にいると、つい「メガバンク vsネットバンク」となりがちですが、このような特色ある地方銀行があるというのもいいことです。
メガバンクも大垣共立銀行のような第3の道から学べるところも多いのではないでしょうか。全て模倣できるとは思いませんが、全てが「規模が小さいからできることでメガバンクでは適用できない」なんてこともないでしょう。



最近の新入社員がだらしないのは企業が悪い

日経ビジネス2011年1月3月号の記事で目を引いた記事です。

『新・金融立国ニッポン』という特集の中で、底入れへの「1人1策」というコーナーがありました。この中でライフネット生命保険社長の出口治明氏のコメントが少し目を引きました。

 日本人の若者の英語力を引き上げるのは簡単だ。小学校から英語の事業を行うことでも、ネーティブの先生を増やすことでも何でもない。日本経済団体連合会が、加盟企業は120点満点のTOEFLで100点以上の学生しか採用しませんと宣言すれば、日本の大学生は必死になって英語を学ぶ。

 最近、若手社員が海外に行きたがらないと嘆く金融機関の経営者が多い。「今の社員は」と若者のせいにしているが、実は問題は経営者自身にある。本気で海外経験が重要だと思うなら、10年間で3カ国の経験を積んだ社員でなければ管理職にしないと宣言すればいい。海外子会社の経営に携わった経験がない管理職は役員になれないという明確なルールを作ればいいのだ。
 現実には、日本の金融機関では社長の近く、つまり本社から離れずにいた人が偉くなるのが実態だ。役員の経歴を見れば一目瞭然。経営企画や社長室、人事部にいた人が出世する。そういう現実を見ている若手社員が、わざわざ海外を希望するはずなどないのだ。

経団連がTOEFL100点以上で縛るような話は現実的ではありませんが、面白い提言です。
人間があるスキルを習得しようとするのはそこにインセンティブがあるからです(一部道楽でやる人もいますが少数派)。そのように考えた時に就職や出世や給料がエサにされれば確かに勉強するでしょう。

特に後段の話は正鵠を射ています。欲しいという学生を活かす体制が用意されてもおらず、しかもその基準に満たない学生を採用しておきながら企業が文句を言うのは筋違いでしょう。海外でバリバリ働く人が欲しいのであれば、海外でバリバリ働くと、多い給与がもらえたり、出世できたりする仕組みが用意されていないと話になりません。
外国語ができるという理由で海外を転々と回されて、一方本社では英語ができない人間が本社ローカルルールを熟知していく。そして最終的には本社ローカルルールに染まった人間が経営陣になる。こんな話では英語をまともにやることも海外に行くというモチベーションが湧かないのも一理ある。



千葉景子元法相は好きではないが、一見の価値有

日経ビジネスの2010年11月8日号の「敗軍の将、兵を語る」は前法務大臣の千葉景子氏でした。この人の考え方などはあまり好きではないのですが、強く賛同する意見がありましたのでご紹介。

大阪の特捜の証拠捏造と民主党の小沢氏の検察審査会による起訴について書かれていましたが、検察が司法の一端を担っている構図になっていることに問題を提起していました。これは私も同じ意見です。

小沢氏のように検察審査会による起訴という例外はありますが、一般的に刑事裁判では検察が起訴して裁判が始まります。裏返すと検察が起訴しない限り有罪にはなりません。
そして、起訴された場合の有罪率が99%ということは、事実上検察が起訴・不起訴を判断した時点で有罪か無罪かの審議が確定しているのです。そして起訴された時点で有罪は99%確定です。

まず、ここで問題となるのは、ほぼ確実に有罪に持っていける案件しか検察が起訴していないことです。
「司法の場/裁判で白黒つける!!」なんて言葉もありますが、刑事裁判に関してはこの言葉は当てはまりません。裁判は量刑を決める場であって、白黒つけるのは検察です。
時々何かの間違いで1%以下の確率で司法の場で白黒つけることになってしまうこともあるようですが・・・

このような検察が有罪か無罪かを判断する状況はよいのでしょうか?裁判や司法制度のそもそもの趣旨は有罪・無罪判定の役目が裁判に求められているはずです。検察が有罪といえば(99%以上)有罪で、無罪といえば(100%)無罪という制度でいいのであれば、刑事裁判における裁判所の役割は量刑を認定するだけになってしまいます。

検察が有罪・無罪を実質的に判定して有罪率99%超という状況では「この証拠だと有罪に持ち込める確率が80%だから起訴しない」という判断になっています。これだと有罪の確率が80%の事件は100%無罪ということです。不思議です。
個別案件に関しては「疑わしきは罰せず」が大原則です。個別の裁判で「この容疑者は有罪っぽい。80%程度は有罪だと思うんだけど、無罪かもしれない」という状況下では無罪です。しかし、裁判にかけて何らかの新たな証言や展開によって有罪になる可能性が80%ならば、これは疑わしきは罰せずの原則に反しません。

日本人の裁判にかけられた≒犯罪者という認識は1日では変わりません。しかし、検察が有罪・無罪を判断している現況には違和感があります。
検察が不起訴と判断すれば社会的地位がそれほど傷つけられずにすむのであれば、その検察の位置づけを裁判所にする努力をすべきでしょう。裁判の場に起訴されたからといって有罪だとは限らないと。
私は海外フットボールファンですが、海外の選手はレイプや暴行容疑で被告になることがあります。しかし、それだけでいきなり社会的制裁を受けるようなことはあまりありません。ナンパされて一夜を過ごした女性がレイプされたと言っているだけのケースもあります。起訴されたという事実だけで選手にペナルティを与えたり、出場停止にすることはありません。「「司法の場/裁判で白黒つける」です。チームとして処罰するのは、チームとしてその選手に問題があったということを把握してクロだと確信できた時だけです。
日本以外の国でも裁判で有罪になるまで一切社会的制裁を受けないわけではありませんが、ある程度は改善できるはずです。

また、もう1つよく言われる問題点は99%の有罪率を誇るために、裁判所での無罪判決が検察官には許されない失敗なので、起訴した案件は何が何でも有罪に持っていくインセンティブが生まれ、有罪へのストーリーをでっち上げることです。これも司法の場で白黒つけるという本来の立場へ少し天秤が揺れれば改善されるのではないでしょうか。

刑事裁判の件数が増えるという課題がありますが、対応するために司法に関わる人数を増やすというような対応に期待します。



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