データを読むときの注意点です。

前期比、前年比、など前の期間と今回の期間の数字を比較することがあります。そして、今期は良かった(悪かった)などと判断します。しかし、そのデータには罠が潜んでいます。その罠に陥らないように注意が必要です。(参考:吉本佳生氏の『数字のカラクリを見抜け!』にも書かれています)


【商品Aの売上数の前年と今年の比較】
 ●前年: 18600個
 ●今年: 21300個

年末の集計でこのような数字が出たとします。前年と比較して今年は14.5%売上が増えています。
これを持って年末の納会で営業部長が「今年は去年より良かった。来年もこの調子で頑張ってくれ」と言えるのでしょうか?


実はここに罠があります。各月の売上推移をみると実は以下のようになっています。
Data_sample1

去年は1月の1000台に始まって、毎月売上数を増やしています。
一方、今年は2050台に始まって、毎月売上数を減らしています。じり貧状態です。
去年末は月間2000台も売れていたのに、今年末は1500台しか売れていません。つまり、去年末より今年末は状態が悪化しています。
「去年は製品が世の中に知れ渡って売り上げ台数が順調に伸びていた。しかし、今年になるとライバルが類似商品を発売したのでシェアを奪われつつある」という危機的な状況なのかもしれません。
「今年は去年より良かった。来年もこの調子で頑張ってくれ」と言っている場合ではありません。


このように一定期間に区切ったデータを使う時には非常に注意が必要です。
ある期間同士を比べる場合には、その期間内の推移が重要な意味を持つ場合があります。
特に前期の中で大きく上昇して終わった場合、次期は大きく上昇した数字から始まるので下駄が履かされた状態です。期間内のトレンドが下落傾向でもそれを1単位として集計すると数字としてはいい数字になってしまいます。

※通常の会社では月間の売上推移も見ているでしょうから、上の例のようなアホなことが起こるとは思いませんが、一例です

ある期間で区切ったデータ同士を比較する時には、その単位期間内の動きも気にする必要があります。(その内部での動きに意味があるのかないのか?あるならばどう見るべきか?)


なお、吉本佳生氏の『数字のカラクリを見抜け!』はこれ以外のパターンでもデータの読み方の注意点が示されています。お勧めです。