吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



政府

日本政府の原発・放射線対策はそんなに悪くない (続き)

前回の『日本政府の原発・放射線対策はそんなに悪くない』はBLOGOS Financeにも転載されましたが、こういうテーマはBLOGOS Financeでの反響が大きいですね。

そこでBLOGOS Financeに寄せられたコメントを一部紹介しつつ、少しだけ続きというか補足。


「政府の対応が悪くないことと、東電及び政府の広報活動が下手なせいで余計な被害が出ていることは両立します」(nutsack5866さん)
その通り。広報活動に限らず、内部を含めた情報伝達や管理問題で作業者たちも上手くやれば受けなかった余計な被害が出ていることはあります。ただ、それを避難対応方法などと混同するのは間違いで、nutsack5866さんの両立するという意見は的確です。


「では30km圏内の人は何を食べて何を飲んでいけばいいの?補給物資もろくに来ないのに。仕事は?収入は?不明者の捜索は? 「安全=生活できる」ではありませんよ。」(modorigessさん)
こういう感情的な話は良くないでしょう。あった食料を食べればよいし、状況が長期化しそうなら30km圏外に退避させれば良い話です。これは前回のエントリーでも書いたように状況に応じて対応を変化させること。(そう言っているそばから生活維持の問題から30km圏外への退避が出ました)
被災地の病院でも移送にはリスクが伴うので病院内に残していた患者も、状況の長期化によって移送リスクを取って退避を開始しました。このように時間軸も含めた対応の変化は重要です。そして、30km圏外に脱出していても地震以降に仕事も収入は無かったでしょうから仕事や収入の話は何ら関係ないはずです。


「危機管理の基本は大きくとって縮小だろうが。小さくとって拡大じゃねぇよ。どこで勉強したんだ?リスクを追いかける限り拡大する局面では対応しきれない。上杉はともかく、こいつはもっと酷いと思う。」(jeep54さん、pingoezさん)
これは危機管理を間違えて理解しています。勘違いしそうな人がいると困りますが、対策を大きく取るのはある局面での判断です。
「津波の高さが1mだと予想されたら3mの高さの津波を想定して避難する」
これが危機管理を大きく取るということです。これには時間経過や情報変化による状況の変化が考慮されていません。
一方、私が話したのは状況の変化があった場合です。1mの予想が出た後に予想が3mに変われば、5mの高さを想定した避難にします。予想が5mに変われば8mを想定した避難にします。これが私の言っている危機管理の変化です。
将来の状況変化も含めて「危機管理の基本は大きくとって縮小だろうが。小さくとって拡大じゃねぇよ。」という主張では、上のような1mの津波が予想されるケースで初めから5mの津波を想定した避難が必要になりますし、5mより大きくなるかもしれない可能性を考えるとどれだけの対応をすればいいのかが分からない。「(1m程度の津波が来るから)皆、家を飛び出して高台の上まで走って逃げろ!」と言うわけにもいかないでしょう。
リスクが拡大する局面ではその拡大速度に負けないように対応を変化させていくことが重要です(1mの津波に対して3m、3mの津波には5m、5mの津波には8mのように)。
このように、ある局面での対策を大きく取ることと、状況によって変化させることはX軸とY軸のようなものであり、同じ軸で比較されるものではありません。


「ずるずると危険範囲を広げ、避難行動を繰り返さなくてはならないことは望ましいことではないのも確か。」(coolbee75さん)
その通りだと思います。本来なら早めの段階でケリをつけておければBetterでした。そのあたりは原発の現場での対応によるところで少し違う問題ですが、望ましくなかったことは確か。


「広範囲且つ一様に広がる放射性物質の飛散のリスクと局所的な軍事行動や治安悪化のリスクが同じなのか?」(pesceverdeさん)
リスクは完全に同一ではないですが極めて近いし、軍事行動の方が危険かもしれません。特定箇所の原発から放射性物質が漏れて広範囲に広がるように、局地的な軍事行動も国家や世界規模の戦争に繋がるリスクをはらんでいます。むしろ、原発の方が原発から一様に広がると分かっている分だけリスクは分かりやすいかもしれない。局地的な軍事行動の場合は、信念を同じとする者が全くの場所で立ち上がる可能性がある(テロなどはその例)。自分の生命へのリスクが高まり、それが拡大する恐れがあるという重要な点では同じです。


今回の地震や原発の件の政府対応にはいろいろ問題はあります。ただ、問題があるからといって全ての対応が問題と言われてしまうのはおかしな話です。「政府や東電のお偉いさんは悪、現場で作業している人は善」という簡単な話ではありません。
冷静な判断が必要でしょう。

この件は、ここまで。
次のエントリーは投資の話に戻ります。







日本政府の原発・放射線対策はそんなに悪くない

地震ネタが多くて自分でも少し嫌なのですが、これは書いておきたい。(言葉も汚くなります)

政府の原発に関する退避などの対応について「どんどん変わるのはおかしい」とか言う人たちがいますが、その考え方がおかしい。(今回はあえて言い切る)

私が異議を言いたいこの手の主張の代表的なものとして以下の記事を参考とさせていただきます。
海外諸国と日本政府、避難範囲50kmの差 ――枝野官房長官に「安全デマ」を問い質す
本日、オバマ米大統領は在日米国人に対して、福島第一原発の80キロ圏外に出るように指示を出しました。80キロは世界中の政府が最低限の基準としているものです。ということはオバマ大統領や他国の首脳が言っていることが間違いなのでしょうか。それとも日本だけが違うのですか?
アメリカはじめ、イギリス、フランスなど多くの国が、福島第一原発の80キロ圏外への避難を指示している。ところが、日本政府は30キロです。この間の50キロをどうとらえればいいのか、当然ながら地域の住民の方は非常に不安に感じている。海外の政府が正しいければ、日本政府が対応を変更するか、逆に日本政府が正しいのだったら、海外の政府に対してデマを流すなと抗議するか、どちらかにしていただきたい。
1週間前、枝野長官は3キロ圏外への退避と仰いました。それが次に10キロ、その次に20キロ、またその次に30キロと増やしていったんです。それが国際的に不信感を生む結果になり、住民も不安になっている原因ではないんですか。


全部上杉氏の質問なのですが、トンでもない理屈です。

●自国と外国で対応が違うのは当たり前
海外と日本の対応の違いは、上杉氏の記事中でも書いてありますが枝野氏が答えているとおりです。
これまでも何度も申し上げてきているが、海外におられる自国民保護という観点からは一般的に求められている水準よりもより保守的な水準でさまざまなことを指示をするというのが、私はそれぞれの政府の当然の対応だと思っております。私が同じ立場に、つまり国外で同種の事態が生じて、日本国民の退避についてさまざまな判断をするに当たっては、科学的、客観的に適切だと思われるのを超えて、 さまざまな指示をすることは当然、政府の責任としてあり得ると思っております。

自国と外国では対応が違うのは当たり前です。
日本の外務省も世界各国や各地域に対して注意を促しています。エチオピア、チャド、コンゴ民主共和国、グルジアなどでは退避勧告も出しています。では、日本政府が日本人に退避勧告を出しているこれらの地域の国民達も退避しなくてはいけないのでしょうか?そんなことはありません。そこが基盤であるかないかは大きな判断の違いです。枝野氏が回答しているようにそこに留まる必然性が低い外国人であれば、わざわざそのリスクを取るまでもなく保守的な判断になります。
それを「外国政府が正しいか」「日本政府が正しいか」の二元論に持っていくのは幼稚と言わざるを得ません。
どの選択肢を取るかは責任やコストなどによります。旅行に来ているだけの人とそこに長年の住居がある人では違います。日本人が退避しているからと言ってエチオピア人が同じように退避すべきだとは言えないはずです。ところが上杉氏のような思考回路を持つ人は「日本政府がそういっているのだからエチオピア人も退避しろ」「いや、エチオピア人が退避していないのだから日本人に退避勧告を出している日本政府は間違っている」と言っているのです。
これは明らかに幼稚な主張です。


●対策は状況の深刻度で変わるのは当たり前
3キロ、10キロ、20キロ、30キロと退避の距離が広がっていったことがいけないかのような主張をしていますが、それは違うでしょう。状況に応じた対応は危機管理の王道です。
 ・深刻度レベル1 - 対応A
 ・深刻度レベル2 - 対応B
 ・深刻度レベル3 - 対応C
 ・深刻度レベル4 - 対応D
 ・深刻度レベル5 - 対応E
 ・深刻度レベル6 - 対応F
 ・深刻度レベル7 - 対応G
問題が起こった時の対応策はこんな感じになっています。深刻度に応じて対応を使い分けるのは当然です。将来的には深刻度が7になるかもしれませんが、深刻度1の段階で深刻度7と同じ対応をするのは愚かです。

A国がB国と戦闘を始めた時点で、A国の国民は最高レベル被害を想定した国外脱出をする必要はありません。相手国に押されてきて自国近くへ戦線が近づいてきたら疎開をすることを検討してもいいはずです。そして、自国がいよいよ危なくなりそうだという時になって国外脱出でしょう。タイとカンボジアで小競り合いの戦闘が起きましたが、これと同時に国民全員に国外脱出せよというのは極端です。(たとえ最終的には2国間の全面戦争になってどちらかの国が焦土になっても)
身体に菌が入ったときにはまずは薬で殺菌します。将来的には身体が腐りだして切断しなくてはいけない可能性もありますが、初期の段階でいきなり切断する医者はいません。常識ある医者なら薬で対応しようとするでしょう。そして、ダメだというときには切断という判断に移ります。
上杉氏は上のような状況に応じて対応を変えた政府や医者を「判断をコロコロ変えておかしい。はじめから切断と言え」「国境で戦闘が起こった。全面戦争になって国土が焦土になるかもしれないから国民に国外退去を命じろ」と言うのだろうか?
原発問題の深刻度に応じて対応を変える(状況が悪化するにつれて避難範囲を広げる、状況が良くなれば避難範囲を狭める)のは当然の話です。このような変更をすることが信用を下げるという発想はロクでもない。
今回の避難範囲を拡大の対応によって被害が大きく拡大したのだろうか?避難の警告が遅れて3km内にいた住民たちが被曝して健康被害が大量発生したようなことがあるのでしょうか。

このような危機管理のイロハもしらない輩が、マスコミやジャーナリストという肩書きを背負って不安を煽るような報道をしていることが「住民も不安になっている原因」の1つでしょう。「距離が広がることは当たり前のことで、きわめて合理的なことですよ」とジャーナリストが大好きな「事実」を報道すればいいのです。


確かに、危機管理の基本原則に従っているということをアピールできていないことは政府の拙い対応です。また、今回の地震が起こる以前から危機管理とは、そういう原則に従ってやるものだという意識を国民に植え付けられてなかった長年の積み重ねが原因ということもあるでしょう。

ただ、自分の無知を棚に上げて、政府をヒールに仕立てて自分は正義の味方かのような振る舞いをするマスコミやジャーナリストなる人たちは気に入りません。政府に政府の責任を求めるのであれば、ジャーナリストにはジャーナリストとしての責任があるでしょう。無知と自分の安っぽい正義感を振りまくことがジャーナリストの責任なのでしょうか?


上杉氏については、【計画停電よりも「節電」で対応を!】とトンでもないことも言っているので、記者クラブ以外は電波ジャーナリストということなのでしょう。(節電呼びかけで足りないから計画停電なんだよと・・・)



国のバラマキは悪くないっしょ

バラマキ

政府の支出(富の再配分)の中で、ほとんど特に制限を設けずにお金を配るとこのように批判されます。しかし、私はバラマキはそんなに悪くないと思います。
この考えの前提条件は下記です。
 ●国は資産の適切配分をコントロールできない(計画経済の失敗等)
 ●横への融通が利かない個別最適は全体最適を阻害する(生命保険は結婚祝いには使えない)


バラマキが批判されますが、政府が富の再分配でいろいろ手を出して成功するケースはほとんどありません。上にも書いたように計画経済の失敗がその代表例です。
グリーンピアやかんぽの宿などに代表される政府関与施設の失敗も身近な例です。国鉄なんてものもありました。
国営企業や施設運営に限らず、資金をどう使うかという行為全体に対してこのような下手さは当てはまります。

子ども手当は使途も定められていないので、パチンコでも預金でも外食でもできてしまうので問題視する意見がありますが、使途が定められていないから良いのです。
国が使途を定めると悪化の原因になります。その使途に組み入れてもらおうとする業界からの圧力と族議員による利権誘導合戦が始まるでしょう。
また、使途を限ったところで、ほとんど意味がありません。従来から月に5万円預金して教育費に10万円使っている家庭があったとします。子ども手当を教育バウチャーで配っても意味がありません。バウチャー2万円+現金8万円=10万円が教育費に支払われます。そして、預金が7万円に増えるか他の支出に回るだけです。パチンコかもしれません。結局は現金で配るのと同じことです。

(1)余計な利権争い、(2)バウチャー作成・配布コスト、(3)バウチャーが適正利用されたかのチェック、(4)バウチャーの換金業務・・・とこれだけ無駄が発生します。公務員は、バウチャー該当団体かの審査にX人月、バウチャー適正使用チェックにY人月、換金業務にZ人月必要・・・などと公務員の雇用を確保できるので嬉しいでしょうが、それだけです。

他のブログのコメントでも書かせていただきましたが、政府が将来有望な分野へ資金を投じるなどというのも難しい話です。おかしな話です。政府に将来が有望な分野を見極める能力があるのでしょうか?
生き馬の目を抜くように収益機会を求めている投資銀行やヘッジファンド、ベンチャーキャピタルがあります。製造業でも儲かる商品は何かと日々考えています。彼らがこぞって一生懸命考えているにもかかわらず簡単には将来有望な分野は分からないのに、それを政府が見極められるというのはあまりにも楽観的過ぎます。審査を民間に委託するといっても政府の息がかかっていたケースでうまくいくことはほとんどありません。政府が主導権を持ったままで民間を使ってもそこには大いなる非効率が紛れ込んでいます。
初めから民間に任せるなら国は金だけ出せばいいのです。金以外を出すとなると民間がせっかく競争原理に従って判断した結果に介入するのですから、ろくなことになりません。


資金の有効活用は原則として民間に任せた方が上手くいくケースがほとんどです。政府の役割は次のようなものでしょう。
(1)余りにも無秩序に悪用されないような最低限のルールを作ること
(2)有望分野を見つけるような民間活動が活発になるような下地をつくること(規制緩和等)

中国や韓国などでは国と企業が手を組んで特定の領域で成長しているというような話も聞きます。しかし、企業が活動しやすいような環境を作るのが企業の役割です。韓国政府がサムスンに投資基準を押し付けたり、どこにいくら投資しろと指示はしません。


国の富の再配分は、最低限のルールを設けた上でバラマキでそれなりに効率的にできると思います。



有効な円高対策はあるのか - 政府・中央銀行への過剰な期待/依存は禁物では?

最近の円高進行を受け、政府や日銀に対して何らかの対策を取れという意見も多くなっています。

この意見はどうなんでしょう?

確かに急激な円高は日本の輸出企業にとっては大きなダメージで、多くの悪影響があることには異論はありません。
しかし、悪影響があるからといって今の日本の政府や中央銀行がここから何らか大きな対策を取るべきかには疑問を感じています。


まず、日本の中央銀行たる日銀に今の円高に対応する策はあるのでしょうか?

金利引き下げ余地はほとんどありません。欧米各国のように危機前に数%もあれば金利を大きく引き下げられたでしょうが、元から0%台の日本では金利引き下げはほとんど使えません。
国債買い取りも毎月1兆8000億円=年20兆円強という規模で市場から買い取っています。2003-2004年の60兆円以上という保有残高には届いていませんが、2010年7月末の国債保有残高は約55兆円にまで増えています。
これらの政策を見ていくと、(2006、2007年あたりには多少の引き締め政策に傾倒しましたが)今までの日銀は世界的に見ても、すでに「低金利+量的緩和」政策を実施しています。
なお、国債買取に関してアメリカにふれておくと、2009年にFRBが実施した米国債買取が3000億ドル(現レートで26兆円程度)規模で、最近再開した国債買取でも市場の予想は年間で2000億〜3000億ドル規模とのことです。FRBの場合は事実上の政府保証といわれたMBSなどもあるので国債の金額だけで簡単には比較できませんが日銀に近い数字です。

欧米のように通貨安政策を取れと言いながら、為替市場への直接介入を要求する意見は話になりません。欧米諸国は為替市場へ直接介入をしているのか?




金利は最低水準、量的緩和もしている。国債はFRBと同じ規模で買い取り。これ以上何ができるでしょうか。

国債買取額を更に増やすのでしょうか?もちろんやろうと思えばできるはずですが、それで本当にいいのでしょうか。
中央銀行が国債を買い取りさえすれば問題が解決して万事OKなら世界各国の中央銀行が際限なく国債を買い取っているはずです。しかし、FRBもバランスシートを意識して大胆な買取策は打ち出せません。ヘリコプター・ベンも学者時代と違ってFRB議長になったとたんに現実路線に変わっています。

短期的に目先の円安誘導だけを考えれば、国債買取残高を大幅に増やすとか、ヘリコプターから金をばらまくような手段があるでしょう。輪転機をフル回転させて今年中に発行紙幣残高を今の倍にしてその増えた分を国民に全部ばらまくような手を取ったら円安になるのではないでしょうか。しかしヘリコプター・ベンさえも、過激な政策の副作用を恐れているように、為替さえよければ他はどうなってもいいというものではありません。

そんなに簡単にうまく円安誘導する政策があるようには思えません。今の為替の状況は劇薬を投入すべきまで危機的な状況なのでしょうか??


※今の政府や日銀の政策がベストだと言っているわけではありません



事業仕分け

政府の行政刷新会議による事業仕分けが終わりました。
最近はあまりテレビなども見てはいないのですが、その限られた時間の中で見た報道では仕分けの内容については特に詳しい報道はされていませんが、とりあえず、結果は以下。

行政刷新会議ワーキンググループ事業仕分けの評価結果
事業仕分け第1弾 評価コメント集
事業仕分け第2弾 評価コメント集

第1会場日程評価結果
第2会場日程評価結果
第3会場日程評価結果

政権取得直後で政権運営の仕方が分からない民主党ということや初めての試みということもあって難しかったのでしょうが、個人的にはイマイチ評価していません。

劇場型と言われようと公開したところは良かった点と言えます。しかし、その中身はちょっとお粗末だったように感じます。
  • 対象候補選定プロセスが不明確
    今回の対象となった約15%程度の事業については公開されても、それ以前の対象選出の時点が不十分では本来の趣旨が揺らぎかねない。残り85%の中に本当に無駄だが誰かが切りたくないものが対象外で温存されて、必要な人もいるが効果が薄いものが削減されているかもしれない。
  • 基準が不明瞭
    「無駄を削減する」という言葉だけで不明瞭。WGの仕分け作業前の行政刷新会議でも共通の基準を持つことが重要などとは言われていたが、実際にはそのような基準があったようには見受けられなかった。
    事業やプロジェクトの多くは簡単に「無駄or無駄でない」に二分はできない。大体どのプロジェクトにおいても効果はある。企業でプロジェクト実施においてはROIなどの指標を使って優先順位をつけるか、基準を設ける。今回の各事業仕分けのコメントなどを読んでも統一された基準が示されておらず、個別案件ごとに無駄か無駄でないかの審議がされている印象がぬぐえない。そのため、どうしてAはいいのにBはダメなのかが分かりにくい。
  • 短期目標?中期目標?長期目標?
    今回の事業仕分けの目標が分からなかった。短期的に財源を確保したいのか、長期的なプライマリーバランスを考えての話なのかも不明。事業仕分けのコメントを見ると長期的な対応をうたうような文言も見られるが、これを現政権の長期政策にもっていくという話は聞こえてこない。
  • 途中で中途半端に口を挟んではいけない:菅副総理とスパコン
    ノーベル賞のネームバリューのためか大きく取り扱われたスパコン事業。ここでWGの結論に対して菅氏が異論を唱えました。
    確かに当初から最終的には政治判断でWGの結論が最終結論ではないとは言っていましたのでそれには問題はありません。
    問題となるのは「途中で」「特定事業だけに」意見したということです。
    なぜ途中でスパコン事業に関してWGの判断見直しに言及したのでしょう?他事業に関してはWGと異なる判断をしないのでしょうか?そして、後で政治的判断を下すのであれば、ここで特定項目だけ介入にもつながるような発言をする必要は無かった。これでは何のためのWGか分からない。
  • WGレベルでは聖域が有った
    「政治的判断が必要」という理由でWGでは結論が下されなかったテーマがあった。聖域無き議論とするのであれば、ここで結論を出すべきだっただろう。今回選ばれたWGメンバーごときでは結論を出せないのであれば、結論を出せるような人を揃えるべきだった。会議において当初からあるレベルの人の判断が必要ということが予想されているならば、そのレベルの人を連れてくるべき。そのレベルの人がいないがために結論を出せないというような会議はナンセンス。(現実的にはいろいろな都合などもあるのでしょうが)

他には、廃止や削減対象となった事業が本当に無駄かという議論が欲しいところですが、それは政治的判断でしっかりなされることに期待してみます。

今回はパイロットで、次回からが本番なら今回程度の内容で十分な成果とも言えますが、これが本番と言われるとやはり不満が残ります。



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
連絡先
私への連絡は下記メールアドレスまでお願いします
tsurao@gmail.com

tsuraolife_banner_s

follow us in feedly

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ


Recent Comments
ブログ内記事検索
PR
お勧め銀行・証券会社
■証券会社■
○SBI証券

○セゾン投信


■銀行■
○住信SBIネット銀行


■401k(確定拠出年金)■
○SBI証券
タグ
Archives