吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



年収

若者よ、大企業は素晴らしいぞ 2015

Dow30 ダウ30 大企業


2011年にどう考えても中小企業より大企業がいいという話をブログで書きました。一般的に、大企業の方が待遇もいいし、雇用も安定しているぞということを中心に大企業の良さを書きました。

2015年版として一つ追加したい。続きを読む







企業型確定拠出年金の掛け金上限年収比例案に寄せて - 企業型確定拠出年金の実態

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日経新聞にて確定拠出年金、年収比例に 掛け金上限10〜20%(日経新聞) と報じられました。
厚生労働省は運用成績によって将来もらう年金額が変わる確定拠出年金で、掛け金(保険料)の上限額を見直す。年収の10〜20%を上限額とする方向で検討する。

これに対する反応もいくつかネット上で見ました。もちろん賛否両論なのですが、まずは企業型確定拠出年金の運用実態を見てみたい。

これを見るのに一番いい資料は企業年金連合会の確定拠出年金に関する実態調査でしょう。

この調査は2006年から行われており、最新版は2013年の第4回の資料です。この資料をベースに「掛け金の限度額が年収比例」に関係ありそうな項目を見てみます。(※第4回の資料はサイトから直接ダウンロードできませんが、簡単な申請フォームを記入するだけでメールで入手できます)
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昨今の賃金低下の傾向を見るとほぼ全員が負け組?

昨今の日本の賃金低下では、低所得者が増えて絶対的貧困者が多きく増えたわけではありません。また、有名大企業勤めのサラリーマンの年収があがったわけでもありません。上位〜中位層の所得が減って全体の平均が押し下げられているというのが、賃金低下の傾向です。

平成21年版 労働経済の分析 ─賃金、物価、雇用の動向と勤労者生活』に第3-(2)-7図 年齢階層別年間収入があります。
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これを見ると分かるように、年収のちょうど上位10%に当たる層の年収は30〜34歳を境に1997年と2007年で大きく乖離しています。
(仮に大企業の年収は全部中小企業より高いとすると)大企業の雇用者数が雇用者全体の30%と言われていますから、上位30%が大企業の雇用者になります。その中の上位1/3が全体の上位10%となるので、上位10%というと正にイメージするような典型的な大企の正社員というあたりでしょう。
1997年ならば、上位10%に位置すると50代にもなれば年収は1000万円を超えるあたりでした。これが2007年では大きく下がっています。世間では大企業の正社員と非正規社員で格差が拡大したというストーリーも語られますが、実は大企業の正社員も待遇は悪化しています。

そして、次に注目すべきは中位層。全年代で1997年からの10年間で年収が大きく減少しています。
また、上位10%では20代のうちは1997年と2007年に大きな乖離は無く、30代から拡大していました。しかし、中位層においては20代から相応の開きがあります。このように20代においては特に中位層の没落が大きいと言えそうです。
第3-(2)-8図 雇用者の年間収入の分布 (25歳〜39歳) でも分かるように中位層が減ってフラットになっている様がよく分かります。
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第3-(2)-7図 年齢階層別年間収入に戻ると、下位10%の層は20代で多少の差はあるものの大きな違いは見られません。

「勝ち組と負け組みに分かれた」というセリフも聞きますが、このようなグラフを見ると大企業正社員を含んで、ほぼ全部が没落組でここに勝ち組はいないように思えます。少なくとも給与所得者の上位10%程度では勝ち組とは言えないような状況のようです。
この10年間で踏みとどまったのは、それ以上落ちるのが難しかった下位層くらいです。そういう見方をすると、1997年〜2007年はちょうど下位10%に位置する人とちょうど上位10%に位置する人の差が縮まった10年間だったと言えるかもしれません。

就職活動中の大学生には夢の無い話!?



低所得者ほど結婚すべきかもしれない

「低所得が理由で結婚できない人が増えている」

このような意見が数年前から世間では広まっています。
女性から見た時に結婚相手の男性は収入が低い人よりは収入が高い人の方がいいでしょう(ここでは他要素は考慮しない)。
また、男性にしても、低所得だと生活が不安でなかなか結婚に踏み切れないという思考も働くでしょう(家族を養うというだけではなく、自分の趣味のためのお金を確保できないという考えもありそうです)。

この理由の妥当性は別にしても、少なくともデータからは低所得者ほど結婚できないという現象が起こっていることは分かります。

ここからが本題。
このような、高所得者ほど結婚して低所得者ほど独身、という現象は経済的合理性から考えると格差拡大に繋がっている可能性があります。

一般的に日常生活においても企業と同じく規模のメリットが働きます。「一人暮らし×2人」より「2人が一緒に暮らす」方が生活費は安くなります。
2人で一緒に暮らすとまず住居が安く済みます。2人で住んでもトイレや風呂やキッチンの広さが倍必要になることはありません。家電や家具に関しても洗濯機や掃除機も倍は必要になりません。その他に光熱費なども安くすみます。

このようなコスト削減効果は所得が低いほどインパクトが大きくなります。年収5000万円の人が同居して風呂やキッチンの分や洗濯機の分節約できてもあまりインパクトはありません。しかし、低所得といわれる年収であれば、ここで発生する節約効果の影響は大きくなります。月に数万円支出が削減できるだけでずいぶん生活の余裕が変わってきます。

しかし、低所得ほど結婚していないのが現実。結婚せずとも同棲してたりや親元に住んでいる場合もあるでしょうが、そのような人がいることを考慮しても1人世帯の割合は低所得者ほど少ないでしょう。
生活費の効率化という経済的合理性だけから考えると、低所得の人ほど同居を進めるべきかと思うのですが、逆に高所得者ほど効率化のメリットを享受している姿が浮かび上がります。

結婚は生活費削減のための手段ではなく生活費の効率化の観点からだけで語れるものではありません。しかし、低所得者ほど結婚しにくく、高所得者ほど結婚しやすい現状は経済格差を拡大させる方向への圧力になっているかもしれません。



どこまで年収1000万超世帯を狙い撃ちするのか

また子ども手当に所得制限とか言ってやがるのか・・・』とも書きましたが、その続き!?

政府税調:高所得者に照準 控除見直し議論着手−−全体会合 (YOMIURI ONLINE)
 会合では、財務省の尾立源幸政務官が所得税見直しの論点を説明。「所得税の累進性と所得再分配の機能を回復するため、控除の見直しに取り組むことが必要」と訴えた。所得税は本来、所得に応じて税負担も重くなる「累進課税」を基本にしていた。だが、自民党政権下で各種控除が拡大され、累進性が弱まるとともに、税収が減少する要因になっている。
小宮山洋子副厚生労働相は「配偶者が働くか働かないかにかかわらず公平な制度にすべきだ」として、

その通り。変な控除をつけているせいで税収も減っています。配偶者控除の見直し、というか廃止は賛成です。

「すぐに全体を、とは言わないが廃止の方向性を出していただきたい」と訴えた。政府税調は、来年度からの子ども手当の上積みの財源として、年収1000万円以上の世帯について同控除を廃止する方向で検討を進める。

でも、これはないでしょう・・・何で年収1千万円以上の世帯を狙い撃ちで1000万以下は制度を温存?
年収1000万だと控除廃止で38万×20%(所得税)+33万×10%=10万9千円の負担増です。
年収990万だと控除を受けられるのでその10万9千円の恩恵にあずかれます。


そもそも配偶者控除という制度がおかしな制度です。
・家庭A:夫の年収500万、妻の年収400万
・家庭B:夫の年収900万、妻は専業主婦

上の2つの世帯で家庭Bの妻の存在に対して控除が与えられるのはどういう理由からでしょうか?内定が出ずに採用されないというケースもありますが、基本的に大人が社会で働くか働かないかは個人の選択です。女性がまともに金を稼ぐ仕事に就くことが困難であるならまだしも、今はそこまでではありません。結婚して働かないことで優遇される理由が分かりません。
どちらの世帯も生き方の違いですが、どちらかを優遇しろと言われたら、私はむしろ両親共に社会で働き、子どもも育て、家事や育児も2人でこなしている家庭を優遇したいという気持ちになります。

「すぐに全体を、とは言わないが」なんていわずに配偶者控除は一括してすぐに廃止すればよい。低所得者に配慮しているのかもしれないが、所得が低くなればなるほど所得税率も下がるので影響は小さい。こういう控除を減らして課税ベースを広げて給付にまわす方が所得に応じた富の再配分効果は大きい。


それにしても気になるのは年収1000万という数字です。
給与所得控除についても年収1000万が基準ということで(給与所得控除が青天井なことは議論の余地有ですが)、どれだけ年収1000万強の世帯を狙い撃ちしたいのか。
年収1000万超でも本当に余裕のある年収数千万という世帯は極少数で、ボーダーに近づいて余裕が少ないところほど世帯数は多い。このゾーンを狙い打つような政策でいいのだろうか?
富の再配分の原則に従うならば所得税が累進課税であるように緩やかに高所得者から負担が増えていくべきなのだろうが、年収1000万で大きな崖のような差を設けようとする意義が分からない。
仮に年収1000万円をボーダーとすると、子ども手当や配偶者控除によって年収900万円台後半と1000万円台前半では手取り所得が逆転する現象も出てくるだろう。

ここまで何でもかんでも所得制限をつけようとすると「確定拠出年金で年収1千万円以上なら掛け金の税額控除は廃止、特別法人税を徴収」なんて話があってもおかしくない。



私の著書 - ズボラ投資
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