就活ネタが続きます。
「思考力や行動力のようにある項目を欲しい人材の要素に挙げておきながら、それで明らかに劣る人材が内定を取って、優れた人材が不合格なことがあっておかしい」というような話も聞きます。
しかし、この批判は少し違います。
受験など点数制のペーパーテストならその通りです。問題ごとに配点があり合計得点で合否が決まります。基本的に順位は1位から最下位まで一列に並び、その順位で採用が決まります。
しかし、企業の採用基準の場合は違います。思考力が大事だからといって思考力が優れた順に並べて取ったり、単純に総合点が高い順に取るとは限りません。
下記は極めて単純なイメージです。思考力、行動力、情熱という3つの評価軸があり、10人の応募者から5人を選ぶ場合を考えます。(実際にこんなきれいに点数化はしていないかもしれませんが、あくまでイメージです)
大学受験モデルだと総合点評価で、総合点の数字が高い5人が選ばれます。
しかし、企業がそう選ぶとは限りません。「思考力がある学生は欲しいし、行動力がある学生もほしい、そして情熱がある学生もほしい。」これが企業の本音です。
10人の候補者が上記の評価だった場合に注目してほしいのは、情熱の項目と一番下のJです。
10人の候補者を受けて企業はこう思います。
「今年の学生は思考力と行動力に関してはそれなりの人材は集まったな」
「でも、情熱が感じられる学生は少なかったぞ」
「思考力や行動力はあまり感じられなかったけど、情熱という1点に限ってはJさんは良かったね」
「でも、思考力や行動力がある感じではなかった…」
「そうだね。でも、ああいう情熱を持った人は周りに良い影響を与えるから重要だよ」
「Jさん以外でそのような影響を与えられそうな人はいなかった」
「うーん、じゃあ熱意のある新人がいない弊害も大きいのでJさんに内定を出そう」
「そうすると、Eさんは残念ということで・・・」
「Eさんはかわいそうだけど仕方ないね」
こんな裁量が働くこともあり得るのです。
では、情熱さえあれば合格するのかというと違います。
あくまでその時の他候補者とのバランスなどによって変わりえた話です。思考力と行動力に優れて余裕で内定のAさんの情熱度がもう少し高ければJさんは落ちたかもしれません。
総合点の順位順方式だと合格が決まっているAさんの点数がさらに上がっても下位の順位には影響はありませんが採用の論理では違うことがあります。
EさんとJさんの順位は2人の直接的な能力比較というよりも、他内定者の能力がどうなっているかに依存していたのです。それによって合否の決め手が総合点か情熱かに変わりました。
このような論理が働く場合、以下のように合否ラインの人同士の比較をしても別の回答になり得ます。
・他候補者(Aさん)の情熱が高かった場合
Q:なんでJさんが落ちてEさんが合格したんだ
A:Eさんの方が総合力が高かったから
・他候補者(Aさん)の情熱が低かった場合
Q:なんでEさんが落ちてJさんが合格したんだ
A:Jさんの方が熱意があったから
回答だけ見れば、総合力と言ったり、熱意と言ったりでバラバラのように聞こえます。しかし、裏には全体的なバランスを考慮しているという事情がありもするのです。
企業は応募者の中で一番優秀な人と同じ人のコピーが欲しいのではありません。同じ方向性で偏るのではなく、違った個性のある人材を求めてもいます。
フランス語を話せる候補者が多ければフランス語ができるというメリットが埋没するかもしれませんが、フランス語が話せる人材がたまたまいなければフランス語が話せるだけで1人や2人採用されるかもしれません。
このような全体のバランスという視点を持たずに「合格の基準を明確で客観的なものにしろ」というのは無理な話です。
あなたは友達の選びの基準を明確で客観的な指標に絞ることができますか?
「思考力や行動力のようにある項目を欲しい人材の要素に挙げておきながら、それで明らかに劣る人材が内定を取って、優れた人材が不合格なことがあっておかしい」というような話も聞きます。
しかし、この批判は少し違います。
受験など点数制のペーパーテストならその通りです。問題ごとに配点があり合計得点で合否が決まります。基本的に順位は1位から最下位まで一列に並び、その順位で採用が決まります。
しかし、企業の採用基準の場合は違います。思考力が大事だからといって思考力が優れた順に並べて取ったり、単純に総合点が高い順に取るとは限りません。
下記は極めて単純なイメージです。思考力、行動力、情熱という3つの評価軸があり、10人の応募者から5人を選ぶ場合を考えます。(実際にこんなきれいに点数化はしていないかもしれませんが、あくまでイメージです)
大学受験モデルだと総合点評価で、総合点の数字が高い5人が選ばれます。
しかし、企業がそう選ぶとは限りません。「思考力がある学生は欲しいし、行動力がある学生もほしい、そして情熱がある学生もほしい。」これが企業の本音です。
10人の候補者が上記の評価だった場合に注目してほしいのは、情熱の項目と一番下のJです。
10人の候補者を受けて企業はこう思います。
「今年の学生は思考力と行動力に関してはそれなりの人材は集まったな」
「でも、情熱が感じられる学生は少なかったぞ」
「思考力や行動力はあまり感じられなかったけど、情熱という1点に限ってはJさんは良かったね」
「でも、思考力や行動力がある感じではなかった…」
「そうだね。でも、ああいう情熱を持った人は周りに良い影響を与えるから重要だよ」
「Jさん以外でそのような影響を与えられそうな人はいなかった」
「うーん、じゃあ熱意のある新人がいない弊害も大きいのでJさんに内定を出そう」
「そうすると、Eさんは残念ということで・・・」
「Eさんはかわいそうだけど仕方ないね」
こんな裁量が働くこともあり得るのです。
では、情熱さえあれば合格するのかというと違います。
あくまでその時の他候補者とのバランスなどによって変わりえた話です。思考力と行動力に優れて余裕で内定のAさんの情熱度がもう少し高ければJさんは落ちたかもしれません。
総合点の順位順方式だと合格が決まっているAさんの点数がさらに上がっても下位の順位には影響はありませんが採用の論理では違うことがあります。
EさんとJさんの順位は2人の直接的な能力比較というよりも、他内定者の能力がどうなっているかに依存していたのです。それによって合否の決め手が総合点か情熱かに変わりました。
このような論理が働く場合、以下のように合否ラインの人同士の比較をしても別の回答になり得ます。
・他候補者(Aさん)の情熱が高かった場合
Q:なんでJさんが落ちてEさんが合格したんだ
A:Eさんの方が総合力が高かったから
・他候補者(Aさん)の情熱が低かった場合
Q:なんでEさんが落ちてJさんが合格したんだ
A:Jさんの方が熱意があったから
回答だけ見れば、総合力と言ったり、熱意と言ったりでバラバラのように聞こえます。しかし、裏には全体的なバランスを考慮しているという事情がありもするのです。
企業は応募者の中で一番優秀な人と同じ人のコピーが欲しいのではありません。同じ方向性で偏るのではなく、違った個性のある人材を求めてもいます。
フランス語を話せる候補者が多ければフランス語ができるというメリットが埋没するかもしれませんが、フランス語が話せる人材がたまたまいなければフランス語が話せるだけで1人や2人採用されるかもしれません。
このような全体のバランスという視点を持たずに「合格の基準を明確で客観的なものにしろ」というのは無理な話です。
あなたは友達の選びの基準を明確で客観的な指標に絞ることができますか?