「バラマキ政策」
語感が良くないですね。ネガティブな印象を含みます。
今の日本で、そのバラマキの代表のように言われているのは民主党が進めようとする「子ども手当て」で間違いないでしょう。バラマキ政策とも言われるくらいですから、ネガティブな意見が多い。
でも、吊られた男は民主党の子ども手当てそのものには疑問がありますが、基本的にはこのような理念には賛成です。
子ども手当て反対派の意見として、以下のような意見を聞きます。
(1)遊興費に使ってしまう親もいる
手当てを配っても、その分だけ酒やパチンコやブランドバックなどに使ってしまう親もいる。
(2)金持ちにまで配るの?子どもがいない世帯との不公平
金持ちの子持ち世帯に手当てを配って、ワーキングプアで結婚できない人には手当てがないのは不公平。
(3)財源はどこから?
しかし、(3)の財源問題を除いた(1)(2)の批判は少し議論が必要だと思われる。
(1)遊興費に使ってしまう親もいる に対して
この批判は、子どもがいることで手当てが貰えても、その手当てが子どものために使われないのでは意味がないということ。
しかし、その理屈でいうと扶養や児童手当という現行制度にもその矛先が向かうべきではないだろうか。現行制度でも子どもがいれば扶養控除、特別扶養控除があり、税金が減免されます。これは子ども手当て同様に子持ち世帯への優遇です。児童手当も給付されます。
しかし、これらの制度によって子どもがいるがために貰えるお金が子どものために使われるとは限りません。当然、遊興費等に使ってしまう世帯があるでしょう。
「子どもがいるだけで優遇しても子どものためになるとは限らない。無駄遣いする親もいる。だからダメだ」というのであれば、現行制度もその問題を持っているので反対すべきと考えます。しかし、現在の制度をやめろという声はあまり聞こえません。何故でしょう?
(2)金持ちにまで配るの?子どもがいない世帯との不公平 に対して
これも(1)でも書いたように、現行制度に対しても当てはまる話。
現行制度でも子どもがいれば、扶養控除、特別扶養控除があり、これは高所得者でも関係がない。高所得子持ち世帯は控除を受けられるが、ワーキングプアで結婚できず子どもも持てない人はこの控除を受けられない。しかも、高所得者ほど税率が高いので、控除を受けた場合に高所得者ほど減額される税金は大きい。
不公平感だけ言うなら、年収2000万円の夫と専業主婦の家庭は配偶者控除を受けられる。年収が250万しかない夫を助けるために妻も働いて200万円稼ぐ家は配偶者控除を受けられない。この方が不公平な気もします。配偶者控除がなくなればこの2つの家庭で配偶者控除による不公平はなくなります。
このように考えると、世帯構成による不公平感から批判する人も(1)と同様に現行制度の扶養控除・特別扶養控除制度などにも反対すべきでしょう。しかし、「子ども手当て反対。扶養控除、特別扶養控除も反対」というような話はあまり聞きません。何故でしょう?
(3)財源はどこから? に対して
これは今の民主党の態度に対しては真っ当な批判だと思います。
民主党も「無駄遣いを削減して捻出」という曖昧な机上の理論だけしか示しておらず、一大イベントの事業仕分け等も不発。民主党内からも財源について疑問視する声も上がっている始末で財源確保は怪しいところです。
ここは民主党(というか日本国民)が、日本をどういう国にしたいかというビジョンを描いて、その上で話すべき問題でしょう。先の別エントリーでも書きましたが、たとえば高齢者優遇社会から子ども優遇社会にするという話をしての上であれば、財源確保が難しいとは思えません。
現状では高齢者向けの社会保障費は右肩上がりで増え、児童向けはほとんど増えていません。しかし、家族レベルでは、子どものお稽古のためにお父さんはビールを我慢している世帯がたくさんあります。孫のために年金からお年玉を出しているおじいちゃんおばあちゃんもいます。これを拡大し、社会として子どものためなら上の世代が多少は我慢するという倫理観が広がれば、数兆円程度の子どものための財源を確保することはそれほど難しいことではないでしょう。
少し話がそれます・・・
賛成意見は少ないかもしれませんが、私は高齢者等の終末期医療費を削減することはありだと考えています。
昨年、親族の1人が病院で亡くなりました。彼女が亡くなるまでにさまざまな延命措置がとられました。何度も死を覚悟してくださいといわれた上で、何週間も何ヶ月も心臓は動き続けました。しかし、その措置で延命しても彼女が社会的に復帰できる望みは0の延命措置です。このような状況になった患者の家族からすれば1日でも長く生きていてほしいという気持ちがあるでしょう。しかし、これには医療費がかかっています。このような患者1人にかけられた社会保障費の一部を「これからの人生がある人」へ移転することで、全体としてはより大きな効果を得られるのではないでしょうか。
残酷かもしれませんが、財政が厳しい時にはトリアージは必要でしょう。
話は戻ります。
上の終末期医療は一項目に過ぎませんが、このように国家・社会として何を優先すべきかという議論なくして、いきなり子ども手当てを配るということだけを示しているのは民主党の失策でしょう。(選挙対策という意味では正しいのかもしれませんが、国家100年の計としてという意味で)
どういう国家にするか、何を優先するかを示してほしいものです。
さて、いろいろ書いてきましたが、私は「子ども手当て」のような制度には賛成です。【子どもがいれば無条件で○円を配る】というのはシンプルです。
扶養控除・扶養特別控除・配偶者控除・児童手当・・・子ども手当て言われている批判の多くはこれら制度にも当てはまります。しかも、現行制度の方がはるかに複雑怪奇で世帯の条件によって不公平感が生まれます。
そして、複雑怪奇になるほど変な抜け道が誕生したり、中間コストがかかったりします。
シンプルなバラマキ政策はいいと思いますよ。
特に子ども関連は賛成です。
語感が良くないですね。ネガティブな印象を含みます。
今の日本で、そのバラマキの代表のように言われているのは民主党が進めようとする「子ども手当て」で間違いないでしょう。バラマキ政策とも言われるくらいですから、ネガティブな意見が多い。
でも、吊られた男は民主党の子ども手当てそのものには疑問がありますが、基本的にはこのような理念には賛成です。
子ども手当て反対派の意見として、以下のような意見を聞きます。
(1)遊興費に使ってしまう親もいる
手当てを配っても、その分だけ酒やパチンコやブランドバックなどに使ってしまう親もいる。
(2)金持ちにまで配るの?子どもがいない世帯との不公平
金持ちの子持ち世帯に手当てを配って、ワーキングプアで結婚できない人には手当てがないのは不公平。
(3)財源はどこから?
しかし、(3)の財源問題を除いた(1)(2)の批判は少し議論が必要だと思われる。
(1)遊興費に使ってしまう親もいる に対して
この批判は、子どもがいることで手当てが貰えても、その手当てが子どものために使われないのでは意味がないということ。
しかし、その理屈でいうと扶養や児童手当という現行制度にもその矛先が向かうべきではないだろうか。現行制度でも子どもがいれば扶養控除、特別扶養控除があり、税金が減免されます。これは子ども手当て同様に子持ち世帯への優遇です。児童手当も給付されます。
しかし、これらの制度によって子どもがいるがために貰えるお金が子どものために使われるとは限りません。当然、遊興費等に使ってしまう世帯があるでしょう。
「子どもがいるだけで優遇しても子どものためになるとは限らない。無駄遣いする親もいる。だからダメだ」というのであれば、現行制度もその問題を持っているので反対すべきと考えます。しかし、現在の制度をやめろという声はあまり聞こえません。何故でしょう?
(2)金持ちにまで配るの?子どもがいない世帯との不公平 に対して
これも(1)でも書いたように、現行制度に対しても当てはまる話。
現行制度でも子どもがいれば、扶養控除、特別扶養控除があり、これは高所得者でも関係がない。高所得子持ち世帯は控除を受けられるが、ワーキングプアで結婚できず子どもも持てない人はこの控除を受けられない。しかも、高所得者ほど税率が高いので、控除を受けた場合に高所得者ほど減額される税金は大きい。
不公平感だけ言うなら、年収2000万円の夫と専業主婦の家庭は配偶者控除を受けられる。年収が250万しかない夫を助けるために妻も働いて200万円稼ぐ家は配偶者控除を受けられない。この方が不公平な気もします。配偶者控除がなくなればこの2つの家庭で配偶者控除による不公平はなくなります。
このように考えると、世帯構成による不公平感から批判する人も(1)と同様に現行制度の扶養控除・特別扶養控除制度などにも反対すべきでしょう。しかし、「子ども手当て反対。扶養控除、特別扶養控除も反対」というような話はあまり聞きません。何故でしょう?
(3)財源はどこから? に対して
これは今の民主党の態度に対しては真っ当な批判だと思います。
民主党も「無駄遣いを削減して捻出」という曖昧な机上の理論だけしか示しておらず、一大イベントの事業仕分け等も不発。民主党内からも財源について疑問視する声も上がっている始末で財源確保は怪しいところです。
ここは民主党(というか日本国民)が、日本をどういう国にしたいかというビジョンを描いて、その上で話すべき問題でしょう。先の別エントリーでも書きましたが、たとえば高齢者優遇社会から子ども優遇社会にするという話をしての上であれば、財源確保が難しいとは思えません。
現状では高齢者向けの社会保障費は右肩上がりで増え、児童向けはほとんど増えていません。しかし、家族レベルでは、子どものお稽古のためにお父さんはビールを我慢している世帯がたくさんあります。孫のために年金からお年玉を出しているおじいちゃんおばあちゃんもいます。これを拡大し、社会として子どものためなら上の世代が多少は我慢するという倫理観が広がれば、数兆円程度の子どものための財源を確保することはそれほど難しいことではないでしょう。
少し話がそれます・・・
賛成意見は少ないかもしれませんが、私は高齢者等の終末期医療費を削減することはありだと考えています。
昨年、親族の1人が病院で亡くなりました。彼女が亡くなるまでにさまざまな延命措置がとられました。何度も死を覚悟してくださいといわれた上で、何週間も何ヶ月も心臓は動き続けました。しかし、その措置で延命しても彼女が社会的に復帰できる望みは0の延命措置です。このような状況になった患者の家族からすれば1日でも長く生きていてほしいという気持ちがあるでしょう。しかし、これには医療費がかかっています。このような患者1人にかけられた社会保障費の一部を「これからの人生がある人」へ移転することで、全体としてはより大きな効果を得られるのではないでしょうか。
残酷かもしれませんが、財政が厳しい時にはトリアージは必要でしょう。
話は戻ります。
上の終末期医療は一項目に過ぎませんが、このように国家・社会として何を優先すべきかという議論なくして、いきなり子ども手当てを配るということだけを示しているのは民主党の失策でしょう。(選挙対策という意味では正しいのかもしれませんが、国家100年の計としてという意味で)
どういう国家にするか、何を優先するかを示してほしいものです。
さて、いろいろ書いてきましたが、私は「子ども手当て」のような制度には賛成です。【子どもがいれば無条件で○円を配る】というのはシンプルです。
扶養控除・扶養特別控除・配偶者控除・児童手当・・・子ども手当て言われている批判の多くはこれら制度にも当てはまります。しかも、現行制度の方がはるかに複雑怪奇で世帯の条件によって不公平感が生まれます。
そして、複雑怪奇になるほど変な抜け道が誕生したり、中間コストがかかったりします。
シンプルなバラマキ政策はいいと思いますよ。
特に子ども関連は賛成です。