オーストラリアの洪水や世界的な投機マネーの流れもあって、小麦・大豆・トウモロコシなどの価格が大きく上がっています。これらに投資している人は嬉しい悲鳴でしょう。

また、このような食料価格高騰に合わせて日本でも食料価格が暴騰するかのような論調もありますが、これは誤りです。小麦・大豆・トウモロコシ価格の上昇はインフレ圧力ですが、影響力は小さいというのが正しいところで、それほど騒ぐ必要はありません。

以前も紹介しましたが、『食料品の原材料と製品価格の変化に関する分析』というレポートによると、原材料価格が最終的な食料価格に及ぼす影響度はそれほど大きくないのです。
 ●小麦1%値上がりにつき生産コストは0.08%上昇。
 ●粗糖1%の値上がりにつき生産コストは0.589%上昇。
 ●豆類1%の値上がりにつき生産コストは0.0662%上昇。

小麦の価格が50%値上がりしても、小麦を原料とする製品の生産コスト上昇は4%にとどまります。(データが古いので今の数字とは違うかもしれませんが、原材料価格よりも日本国内でかかっている加工・保管・物流コストなどの影響の方がはるかに大きいことは変わらないでしょう)
ですから、先物市場で食料価格がある程度上がってもそれほどインフレを気にする必要はありません。そもそも消費者が使うお金で食料品に向けられるのは全体の一部に過ぎませんし、原材料価格高騰の影響を受ける商品はさらにその一部に過ぎません。

輸入原材料を加工する食品業者にとってはこの原材料価格の高騰は経営の死活問題かもしれません。
しかし、食料品を消費するだけの消費者にとっての影響度は小さいのであまり気にしなくていいでしょう。(もちろん、何倍〜何十倍にも原材料価格が上がれば最終価格へ無視できない影響がありそうです)