吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



報道

記録的大雪と報道 - 今回の積雪災害をリアルタイムで報道すべきだったのか

image_snow
日本ではこの2月に関東や東北などを中心に記録的な大雪に見舞われました。
積雪記録の観測史上最高を更新した地域が多数あります。甲府などでは大きな騒ぎになりました。

天下の上杉隆御大が山梨の大雪災害がぜんぜん報じてられていないとも書いていますが、今回の大雪でこのような「ちゃんと報道されていない。しっかり報道せよ。」という意見は散見されます。
※上杉隆大先生の立派な活躍はこちらなどをご参考に ⇒ 前代未聞の過去記事の一括訂正


しかし、これは「取材して放送すればいい」とそう単純な問題ではないでしょう。

以下に報道すべきか悩ましい理由を挙げてみます。

続きを読む







恒例の年金損失報道

年金運用、10年度は2999億円の赤字 (YOMIURI ONLINE)
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は6日、2010年度の運用で2999億円の赤字が出たと発表した。

他にも日経新聞、朝日新聞、産経新聞、毎日新聞など大手新聞社やロイターなどもこぞって報道しています。1年前には2009年の黒字報道もありましたが、明らかに損失報道の方が取り扱いが大きい
これがマスコミの基本姿勢です。
このバイアスには大いに注意する必要があります。



がんワクチン報道を巡る朝日新聞の見苦しい言い訳

10月15日に朝日新聞が報じたがんペプチドワクチンに関する記事が波紋を広げていますが、それに対する見苦しい言い訳が書いてあります。

【オピニオン】 臨床試験を考える 被験者保護する仕組み必要(asahi.com)
 「がんワクチン臨床試験」をめぐる記事で朝日新聞が最も伝えたかったことは、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から改善すべき点があるということです。

この言い訳記事書いた大牟田透氏は日本語が不自由なのでしょうか?
言い訳記事でもリンクをはっている10月15日の元記事をどう読めば、「薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から改善すべき点がある」を伝えたかったとなるのでしょうか?
どこにも、薬事法の規制を受ける臨床試験があって、このがんワクチンのケースは薬事法の規制を受けない臨床試験だというようなことが分かるような記述はありません。臨床試験に関わる人たちは理解できるかもしれませんが、一般人にそれを前提として知っておけということか?
10月15日の文章では一番伝えたいことが全く伝わりません。わざわざインタビューを受けた人たちが「意図しない編集をされた」と言うような編集をしたり、別の臨床試験と今回の試験が同一とも読めるようにしたり、「因果関係があれば」という前提条件を切り落とすような編集をわざわざした意味も理解に苦しみます。

 記事で取り上げた臨床試験では、ワクチンを使った膵臓(すいぞう)がん患者で消化管出血が起き、輸血されました。入院期間が延び、医科研は「重篤な有害事象」として扱いましたが、医科研が提供した同種のワクチンで臨床試験をしている他の施設には情報を伝えていませんでした。

 医科研によると、患者はその後、いったん退院しました。問題の根幹ではないので記事では詳述しませんでしたが、がんワクチンの臨床試験では必ず消化管出血が起きる、あるいは、命にかかわる副作用が出ると、報じようとしたわけではありません。

散々問題視した事例がどういう状況だったのかが問題の根幹ではない?自分にとっては根幹ではない、そういう意図はないから「がんワクチンの臨床試験では必ず消化管出血が起きる、あるいは、命にかかわる副作用が出る」と解釈されるような書き方をしてもいい?

 自分が治験・臨床試験の対象だったら、「副作用とは断定できないが消化管出血が起き、入院期間が延びた患者がいる」という情報は、参加を考える上で一つの重要な判断材料になります。病院外で家族とともに過ごせる貴重な日々が短くなるかも知れないからです。

自分が治験・臨床試験の対象だったら「ワクチンを投与された人が消化管出血を起こした!!」だけではなく、「すい臓がんの末期の患者では消化管出血は良く起こる病気の症状。ワクチンを投与された人でもこの症状が起こった人がいた」と"正しい情報"を知りたいですね。そもそも病気の症状がどういうものかという情報がないと、ある症状が出た時にワクチンのせいかの判断がつきません。

 現在の患者の利益を損なわず、新しい薬や治療を一刻も早く実用化するにはどうしたらいいか。その知恵が問われています。今回の報道がそのための重要な一石になると信じています。

患者団体が間違った不安を感じさせるなと抗議しています。現在の患者の利益を損なわないとはどういう意味でしょうか。患者達を無用に不安に陥れて本来の正しい情報に基づいた判断ができないようにすることは患者の利益を損なっていないという認識なのでしょうか。そうだとすると大牟田透氏の日本語と私の日本語はあまりにも異なる言語なのかもしれません。

そういえば、先の記事では≪厚労省は朝日新聞の取材に対し「早急に伝えるべきだ」と調査を始め、9月17日に中村教授らに事情を聴いた≫≪厚労省調査は今も続いている。≫なんて厚労省があたかも医科研を糾弾する朝日新聞側のサポートとして書いていました。
しかし、「因果関係があれば、早急に伝えるべきだ」というのが正確なところで、朝日新聞側が勝手に前提条件を切り落としたということが分かったとたんに、掌返しで島雅典・臨床研究情報センター長に「薬事法の適用を受けない臨床試験を可能にしているのは研究者、医師の無理解と厚生労働省の怠慢です。」と言わせて厚労省叩きに問題すり替えです。




著作権法の話もありますが、末端とはいえ一応は医療に関わる身としてこの件には強く不満がありますので、記録保持のためにasahi.comから朝日新聞社の報道記事全文をここに記録させていただきます。

10月15日の朝日新聞の記事
 東京大学医科学研究所(東京都港区)が開発したがんペプチドワクチンの臨床試験をめぐり、医科研付属病院で2008年、被験者に起きた消化管出血が「重篤な有害事象」と院内で報告されたのに、医科研が同種のペプチドを提供する他の病院に知らせていなかったことがわかった。医科研病院は消化管出血の恐れのある患者を被験者から外したが、他施設の被験者は知らされていなかった。

 このペプチドは医薬品としては未承認で、医科研病院での臨床試験は主に安全性を確かめるためのものだった。こうした臨床試験では、被験者の安全や人権保護のため、予想されるリスクの十分な説明が必要だ。他施設の研究者は「患者に知らせるべき情報だ」と指摘している。

 医科研ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔教授(4月から国立がん研究センター研究所長を兼任)がペプチドを開発し、臨床試験は08年4月に医科研病院の治験審査委員会の承認を受け始まった。

 朝日新聞の情報公開請求に対し開示された医科研病院の審査委の議事要旨などによると、開始から約半年後、膵臓(すいぞう)がんの被験者が消化管から出血、輸血治療を受けた。医科研病院はペプチドと出血との因果関係を否定できないとして、08年12月に同種のペプチドを使う9件の臨床試験で被験者を選ぶ基準を変更、消化管の大量出血の恐れがある患者を除くことにした。被験者の同意を得るための説明文書にも消化管出血が起きたことを追加したが、しばらくして臨床試験をすべて中止した。

 開示資料などによると、同種のペプチドを使う臨床試験が少なくとも11の大学病院で行われ、そのすべてに医科研病院での消化管出血は伝えられていなかった。うち六つの国公立大学病院の試験計画書で、中村教授は研究協力者や共同研究者とされていたが、医科研病院の被験者選択基準変更後に始まった複数の試験でも計画書などに消化管出血に関する記載はなかった。

 厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」は「共同で臨床研究をする場合の他施設への重篤な有害事象の報告義務」を定めている。朝日新聞が今年5月下旬から中村教授と臨床試験実施時の山下直秀医科研病院長に取材を申し込んだところ、清木元治医科研所長名の文書(6月30日付と9月14日付)で「当該臨床試験は付属病院のみの単一施設で実施した臨床試験なので、指針で規定する『他の臨床研究機関と共同で臨床研究を実施する場合』には該当せず、他の臨床試験機関への報告義務を負いません」と答えた。

 しかし、医科研は他施設にペプチドを提供し、中村教授が他施設の臨床試験の研究協力者などを務め、他施設から有害事象の情報を集めていた。国の先端医療開発特区では医科研はペプチドワクチン臨床試験の全体統括を担う。

 厚労省は朝日新聞の取材に対し「早急に伝えるべきだ」と調査を始め、9月17日に中村教授らに事情を聴いた。医科研は翌日、消化管出血に言及した日本消化器病学会機関誌(電子版)に掲載前の論文のゲラ刷りを他施設に送った。論文は7月2日に投稿、9月25日付で掲載された。厚労省調査は今も続いている。

 清木所長は論文での情報提供について「朝日新聞の取材を受けた施設から説明を求められているため、情報提供した」と東大広報室を通じて答えた。(編集委員・出河雅彦、論説委員・野呂雅之)




後期高齢者医療制度報道に喝!!

この4月から施行された後期高齢者医療制度に対しての報道が多いですね。特にそのほとんどは「老人を見殺しにする制度だ」「よく分らない」とネガティブな報道です。


この報道やその報道にのってこの制度に文句を言っている一部の方々にかなりムカつきです!!いくつもポイントはあるのですが、主に以下の4点でしょうか。

(1)多くの日本国民はこれを支持していた
(2)今さら文句言うなよ
(3)制度を分からずに的外れな非難多すぎ
(4)ていうか、日本だぜ


(1)多くの日本国民はこれを支持していた
この法案が成立したのは小泉内閣時です。さらに言うと郵政民営化をきっかけとした衆院解散後。この時の選挙では自民党&小泉氏が圧倒的な支持を
集めて当選しました。(私は民主党に投票しました)
つまり、彼の改革路線が支持されたわけです。当時の小泉氏の「改革」に医療費削減、特に高齢者医療費の削減は含まれていました。

そんな改革を支持するか?支持しないか?と言われた時に多くの国民が支持したわけです。その結果、小泉氏は多くの国民に支持された医療費改革を遂行しました。当時、小泉氏の医療改革を非難する声はマスコミからも一般人からもあまり聞こえませんでした。
つまり多くの国民は支持していたわけです。どうしてマスコミは多くの国民に支持されて成立した制度だと言わないのでしょうか?

石原銀行の件も同じでしたね。
石原銀行救済も都知事選の争点であり、それを都民は支持したんですよね。それなのに支持された政策を実行したら急に文句って・・・


(2)今さら文句言うなよ
上でも書きましたが、小泉内閣時に成立した法案です。その時にマスコミもあまり文句を言いませんでした。少なくとも地上波のテレビで各テレビ局がこぞって取り上げることはありませんでした。

ええっと・・・制度制定側から見ると、平成18年6月に法案を通してから施行直前まで、医師会などの反対はあっても、マスコミや一般からの大きな反対は無かったわけです。制度成立や制度の内容も公開されており、一般の老人は別にしてもマスコミなどはその内容を把握していたはずです。
その上で反対がないのだから、そりゃ施行に向けて準備を進めますよ。そしたら施行の段階になって反対って、それはあんまりでないの?
だったら前から言ってよ。1年以上(2年近く)も期間あったんだからさ。

何の為のマスコミですか?何のためにあれだけの人がいて、高給をもらっているんですか?
どこぞの閣僚のバンソーコー問題とか、殺人事件の犯人の心の闇だとかを調査して報道する時間があったのですから医療制度に関する重要法案などたくさんの人を割いてその内容を理解しているはずですよね?
上のようなバンソーコー報道をする時間もあったのですから、医療制度を取り上げる時間が無かったとは思えませんし・・・


(3)制度を分からずに的外れな非難多すぎ
これは簡単。批判するなら概要くらいわかってから反論しましょう。テレビ番組で制度をろくに分からずに文句言っている人多すぎです。(荻○博子氏 他)

「かかりつけ医が総合的に1人の高齢者をみると言うが、1人の医師がすべての症状をみられるのでしょうか。」なんて的外れな批判もあります。誰もかかりつけ医が全部の症状を見るなんて言っていませんが、何か?
かかりつけ医での問題は別にあると思うのですが・・・

それに政府が「全体の7割の人の負担額は増えない」との見解に根拠が無いと非難しつつ、じゃあどれくらいの人の負担が増えるのかという話になると、マスコミはある特定のモデルケースだけを示して「こんなに負担が増えるのです」なんて主張しています。
相手にマクロな統計的な数字を要求しながら、自分はミクロな数字では話がかみ合っていません。彼らは真正のバ○なのでしょうか?


(4)ていうか、日本だぜ
これは一番ですか。日本の医療制度は世界でも有数の厚遇制度ですよ。そういえば、各種問題でよく世界標準として比較に出されるアメリカは保険に入っていない人が多数です。年金運用でアメリカを例に出してこれが世界標準ですと言った荻原さん、どうして医療問題ではアメリカを例に出さなかったのでしょうか?

世界でもトップクラスに厚遇されている医療制度のサービスレベルが多少悪くなっても、まだまだ高水準です。

しかも、ここからが大事ですが、日本は少し前には日本国債の格付けがボツアナと同格にされた国で、他先進国と比べるとかなり低いレベルです。
##今は確かS&PでAA、ムーディーズでA1だったかな
つまり、世界的に日本という国はそれくらい財政的にも危ない国という判断を下されているのです。世界最高水準の医療を提供している場合でないのです。

ワーキングプアを救って、高齢者も手厚く保護して、子供の教育を充実させて・・・いや、立派なことです。是非とも全部を実現できれば嬉しいことです。しかし、世界でもこれをほとんど実現できている場所はありません。夕張市より財政が悪いとまで言われてしまう日本という国ですべて実現するのは困難です。

もはや日本は日の出づる国ではありません。
そこら中が古くなっている築60年のマンションです。
昔作った制度は古くなっていろいろ変更が必要です。
かといってリノベーションするお金は無いのです。
何かの補修にお金を使うと他にお金を使えないのです。
それくらいこの国は危機的状況なのです。

そんな国で高齢者の医療費削減は仕方ないと思います。DRコンゴでこんな文句言っても頭おかしい人と思われますよ。国力を考えると今の日本が国民を支えることは無理です。




いずれにしても、マスコミは文句を言うならちゃんと調べて適切なタイミングで言ってくれよ・・・
そして、日本人は自分で情報を入手してその内容を検討することを忘れすぎていませんか?
遥か昔は力無きものが食料を狩れずに死亡したので無力は罪でしたが、今は知です。無知は罪です。

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へにほんブログ村 為替ブログ FX初心者へ

@吊られた男



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
連絡先
私への連絡は下記メールアドレスまでお願いします
tsurao@gmail.com

tsuraolife_banner_s

follow us in feedly

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ


Recent Comments
ブログ内記事検索
PR
お勧め銀行・証券会社
■証券会社■
○SBI証券

○セゾン投信


■銀行■
○住信SBIネット銀行


■401k(確定拠出年金)■
○SBI証券
タグ
Archives