吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



国内債券

債券も案外リスクは高い

世間一般における投資の代表は株式でしょう。
とは言え、投資の市場としては債券市場は巨大であり、分散投資でも債券アセットは主要アセットです。


言葉の定義一つの話かもしれませんが、債券をどういう位置づけで考えるかは人によって違うように見えます。特に国内債券(やヘッジ付き外国債券)のようにあまりリスクが高くないとされるアセットの扱いです。
そんな国内債券のリスクについてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資料を見ると、以下の資料の10ページ目にわかりやすい表があります。

 ●第19回運用委員会『基本ポートフォリオの検証について』
gpif_risk


この推計によると5.40%が国内債券のリスクになります。
だいたい2/3の確率で期待リターン±5.40%の枠内に収まるということですが、言い換えれば確率的に1/3はこの範囲内に収まらないということになります。

この数字をどう捉えるかにもよりますが、それほどリスクが低いと言える数字には見えません。

国内債券は株式と比較すれば明らかに低リスク資産です。しかし、それなりのリスクがある点は見過ごせません。
なお、短期資産もリスクも3.72%とそれなりになっています。







冬のボーナスシーズンを控えるが、定期預金/国内債券アセットに期待できず

ゼロ金利政策の影響もあり、日本の10年国債の利回りも低位安定しています。
そろそろ冬のボーナスシーズンを狙った定期預金キャンペーンも出てくるかというところですが、これでは今夏以上に期待できません。この夏は比較的高金利を提供する住信SBIで1年定期が0.5%でしたが、これを下回りそうな勢いです。定期預金の魅力が低下ですね。
国内債券アセット(定期預金含む)をどう考えたものか。
生活防衛資金が常にすぐに全額を引き出せるようにしておく必要はないが、定期預金との金利差がここまで縮むとわざわざ定期預金に預けるのも悲しくなる。

国内債券投信もこの低金利下ではあまり魅力はありません。さすがに金利低下余地も少ないので債券価格の上昇も余り期待できません。かといって金利が上がれば簡単に損になります。


こういう金利環境があるからこそ、SBI債に人気が集まるんでしょうね。



退職金・企業年金等をどうポートフォリオに組み込むか?

サラリーマンの場合は退職金・企業年金があるところがあります。
この制度は私の会社にもあります。


しかし、この制度があることを考えた時、ポートフォリオとの関係を悩んでしまいます。


確定拠出年金は比較的簡単です。通常の投資と同様にポートフォリオに組み込んでしまいます。運用商品が投資信託や元本保障の定期預金・保険であり、基本的には通常の投資と同じく考えて良いと思います。
大きな違いは、確定拠出年金は(1)課税されないこと、(2)引き出すことができないこと、がありますが長期投資のポートフォリオとして考える時にはあまり大きな影響はありません。




悩んでいるのは、一応確定給付年金に分類されているキャッシュバランスプラン


キャッシュバランスプランでは、法律上は利息付与額の計算として以下の4種類が認められています。
 (ア)  定率
 (イ)  国債利回り等(消費者物価指数や賃金指数も可)
 (ウ)  (ア)と(イ)の組み合わせ
 (エ)  (イ)や(ウ)に上限、下限を設定したもの


定率にするなら従来の確定給付年金でいい気がするので、この中で(ア)定率だけを選択している企業はあるのだろうか・・・という疑問がわいてくるが、それはここでは置いておきます。
私が今勤める会社のキャッシュバランスプランでは国債利回りを参考にしています。上限、下限も定められているので、上記の区分では(エ)に該当します。


さて、上記条件のキャッシュバランスプラン。付与される利息が国債利回りを参考にしているということは、バブル時代のように国債利回りが高い時にはキャッシュバランスプランの利回りが高く、バブル崩壊以降のゼロ金利時代のように国債利回りが低い時には利回りが低くなります。
毎月積み立ててられているので、日頃の投資信託購入と同じようなモノです。
そうすると、国内債券アセットとして考えていいようにも思います。


しかし、上で"いいようにも思います"と書いたように、「キャッシュバランスプラン=国内債券アセット」とは素直に言えません。

≪気になる点1:短期的な動きが国内債券アセットと逆≫
国内債券では金利が上昇すると債券価格が下落する、つまり損失になります。
しかし、キャッシュバランスプランの場合は金利が上昇してもキャッシュバランスプランの積立額価格は下落せず、金利上昇分だけその後の利回りは増加します。
金利が低下した場合の動きも同様です。

≪気になる点2:上限があること≫
キャッシュバランスプランで利率の上限がある場合、インフレ率がある程度以上高くなった時に、そのキャップ制度によって国債利回りを大きく下回ることもあり得ます。


1点目に関しては、長期的には国内債券もキャッシュバランスプランも金利変動のメリット・デメリットも共に受けるので、あまり気にすることは無いと考えています。
しかし、2点目は無視できません。インフレ率が高くなった時に利回りが低下するどころか実質で価値が下落することさえあると考えると、国内債券と同じように考えることをためらってしまいます。


現在の低金利状況下では、あかたも国内債券アセットのように考えて良さそうなのですが、長期的には悩んでいます。



国内債券ファンドの意義を考えてみる

長期分散投資

この投資手法において、よく言われる分散投資先は以下の4つ。

1. 日本国内株
2. 外国株
3. 日本国内債券
4. 外国債券



初心者向けの投資本では、上記4アセットに1/4ずつ均等投資でも良いと書かれていることもあります。


でも・・・個人投資家の投資先として国内債券アセットの地位は圧倒的に低い。
投資にはホームカントリーバイアスがあるとまで言われているにもかかわらず、多くの人にとっては他の3アセットがメインで国内債券はおまけのようなものとなってしまっています。

さらに国内債券アセットに投資しても、それが投資信託ではなく、MMFや国債、時には個人向け社債などに資金が向っていることが多く、明らかに投資信託の中で国内債券というアセットは弱小勢力です。


そんな国内債券というアセット、そんなにダメですか?
意外とできる子ではないでしょうか。


■「国内債券クラスはとりあえずMMF」との比較
こんな人もいるかと思います。
MMFは30日経てば解約手数料もかからずにすぐに引き出せるので、流動性も高く、金利も預金に比べて高めな商品です。いい商品だと思います。
しかし、長期分散投資という観点から見たときに、MMFと比較しても国内債券ファンドは見劣りしないどころか勝っているとさえ言えます。

MMFも国内債券ファンドも、日本国内の債券を束ねたファンドと言うことでは同じです。違いは、MMFは短期債券、国内債券は長期債券ということです。
その結果、国内債券ファンドでは短期的には価格下落リスクを引き受けることになります。しかし、これは他アセットから比較すると微々たるモノで、よほど急激に金利が上がらないと大きく損はしません。そして、ある程度の長さで区切れば、国内債券ファンドの利回りはMMFをまず上回ります。
国内債券ファンドはこの低金利下でもそれなりのパフォーマンスを出しています。STAM国内債券やeMAXIS国内債券では期間が短いので、数年単位のパフォーマンスが取れないので、信託報酬が0.42%の野村国内債券インデックスファンドでパフォーマンスを見ると以下のとおり。(2009年11月末)
 1年:2.5%
 3年:2.0% (年率平均)
 5年:1.2% (年率平均)
まずまずですよね。少なくともある程度の期間のリターンにおいてはMMFを上回る可能性はきわめて高い投資対象です。

流動性にしても投資信託ですので解約から数日以内には現金化できます。銀行預金、MRF、MMFほどの流動性はありませんが、数日の間は我慢が効く人なら十分な流動性でしょう。


■「国内債券クラス→金利の高い定期預金」との比較
利回り勝負だと定期預金もできる子です。今の金利状況でも税引き前で1年定期で年1%弱程度の金利がつきますし、日本振興銀行の5年定期では1.7%です。(税引き前)

しかし、定期預金は固定期間を預けきらないとその予定された金利はもらえません。もちろん、その期間預けきると決めたから定期預金にしているのでしょう。それでも何か理由があってそのお金が必要になるかもしれませんし、リバランスしづらい。
国内債券投信では1年の期待利回りが1%強もあり、短期的なマイナスはあっても年単位で見ればほぼ元本保証に近い。そして、数日以内に現金化できるので流動性では圧倒的に上回っています。




このようにMMFや定期預金と比較しても国内債券ファンドは意外と優れたできる子だと思います。



でも、投資信託の国内債券クラスを持ち上げた私が、現時点では日本債券アセット代わりに定期預金を使っている身だったりもします^^;
今後はどうしたものかな・・・



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