吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



国内上場

日興AMのKOKUSAI, EMERGING ETF整理

さて、私も2本のエントリーを書き、他のブログでも多くのエントリーがあった日興アセット・マネジメントのMSCI KOKUSAI, MSCI EMERGING連動ETFの件です。
【私の2本のエントリー】
 ・日興AMから先進国株、新興国株を対象とした国内ETF登場(FoF)
 ・日興AMの先進国/新興国株式は二重課税


いろんなブログを見ていると大きく分けて2つの意見があるように思います。
 (1)低コストのメジャー指数連動ETF歓迎!期待!
 (2)課税問題等への懸念と失望!



私の2つのエントリーを分類すると1本目が(1)(2)の中間で、2本目は(2)に比重を置いたものになるでしょう。


さて、そんな日興AMのETFをどう考えるかですが、率先して懸念事項を指摘している張本人の吊られた男でもありますが、そんなに悪いとも思っていません。
現状は税制を考えると仕方ないところもあるでしょう。また、中田たろうさんが確認された際に日興AMの担当者が回答された先物利用には希望があると感じています。

インデックスファンドにおいて、取引コストを下げるために現物株だけでなく一部先物を利用していることはそれなりに知られており、私も知っていました。
しかし、国内ETFの場合の外国株式への外国での課税を考える時には、完全に抜け落ちていました。
##シンプレクスのETFのエントリーを書いているとき



理論上は、先物は配当が無く配当分を考慮した価格形成になるので、先物を利用すれば配当分の利益を得たまま配当への課税を逃れられます。
先物の世界に詳しくありませんので、ファンドがこのような運用をした場合に実際の利益がどうなるのかは分かりませんが、理論上は結構いけそうな気がします。ただし、先物の場合はロールオーバーを繰り返すコストなどがあって現物とは違うコストが発生するのでしょう。現物と比べていいこと尽くめだったら、現物株など運用せずに先物を使うはずですから・・・
そう考えると税制面での不利をある程度は緩和してくれる可能性が見えてきます。ここが先物利用には希望があると感じた点です。

ただし、先物比率が高すぎると(1)ただでさえ流動性が低そうな国内上場ETFが(2)現物拠出でなくファンドオブファンズ形式で(3)さらにマザーファンドの内容も先物、と資産の裏づけがどこにあるのかよく分からないようなETFになる危険性もあるのかもしれません。
理屈の上では先物の先には現物が裏づけとなるので大丈夫なはずなのですが・・・


シンプレクスのダウETFとも合わせて、これらのETFの「コスト」や「乖離」がどうなるかは非常に気になるところです。まあ、この辺りは一回りして決算が出て見ないとよく分かりませんので、今後のウォッチ対象ですかね。


いずれにしても、このように細かい点で語れるようになったということはその商品たちが基本的にはいい商品ということでしょう。
信託報酬1%超の毎月分配ソブリン債券のようなファンドとは違いますね。







日興AMから先進国株、新興国株を対象とした国内ETF登場(FoF)

水瀬さんのブログ(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)で知りましたが、日興アセットマネジメントからMSCI KOKUSAI、MSCI EMERGINGに連動するETFが登場するとのことです。
共に信託報酬は0.26%とTOK,VWOを意識したような低コストな設定になっています。これで流動性が確保されれば、TOKやVWOを買わずにこの新ETFに資金が流れてもおかしくありません。

投資信託/ETF投資をしている多くのブロガーの方々がこのことを取り上げられています。
ついにMSCIコクサイ、MSCIエマージングに連動するETFが国内上場! (梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)
やっと、先進国と新興国のETF(かえるの気長な生活日記。)
MSCIコクサイとMSCIエマージングに連動するETFが国内上場(ホンネの資産運用セミナー)
衝撃の金融新商品(サラリーマンの蓄財日記〜間違いなく億万長者になれる〜)
MSCIコクサイとエマージングに連動する分散型海外指数連動ETFが遂に今月下旬に日本上場か!?(経済的自由を実践する男のブログ)
噂のETF2本・ニュースソース(NIKKEI NET)(早期退職を夢見る人の確定拠出年金)
MSCIコクサイ、MSCIエマージングに連動する国内ETFが登場!! by日興アセット(チョイワル添乗員資産運用日記)
複数国の株価指数連動 日興アセットが上場投信(こぐま経済研究所ブログ)
日興アセットがMSCIコクサイ/MSCIエマージングに連動するETFを上場(新興国株式投資家20代ゲーマー社長の資産1億円への道)
日興からMSCIコクサイとエマージングのETFがFOFで(雄牛と熊と欲豚と)
日興AMからMSCIコクサイとMSCIエマージングに連動するETFが東証上場(Passiveな投資とActiveな未来)
日興アセットマネジメントからお年玉!(MSCIコクサイETF上場)(Zelkovaのインデックス投資)
TOK/EEM連動のETFが国内に上場(矢向町のインデックス投資家)
東証にMSCIコクサイ、MSCI EM上場(About Money,Today)
日興AMから先進国と新興国ETF(愚者の資産運用)
2010年1月29日『上場MSコク』、2月24日『上場MSエマ』が上場予定!(rennyの備忘録)
MSCIコクサイ、MSCIエマージングETF上場について(VMaxの投資のブログ)
海外株価指数に連動するETF2本上場(くつの投資メモ)
東証に先進国株式ETF、新興国株式ETFがついに上場へ(カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!)
びっくりニュースとびっくり発言(投資十八番)
「先進国株式」と「新興国株式」の外国株式ETFが上場(はるちゃんちのありふれた日常)
先進国22カ国と新興国22カ国の外国株に投資するETFが国内初上場へ!(レバレッジ投資実践日記)
遂に来ましたか!!!(SINCE 1962・・・)
日興AMが日本初の「MSCIコクサイ」と「MSCIエマージング」に連動するETFを設定(初心者の投資信託ブログ)
待望のETFが国内上場!(iwashiの頭も信心から)
ETF:1680(上場MSコク)、1681(上場MSエマ)登場!(元気な引きこもりのブログ)
東証に「MSCIコクサイ」と「MSCIエマージング」に連動するETFが上場!(幸せなお金持ち的日記)
東証に新外国株ETF(勝率ゼロの資産運用ブログ)
東証にMSCIコクサイ&エマージングETF遂に登場!(Site.M from 新所沢)
日興AMが日本初の「MSCIコクサイ」と「MSCIエマージング」に連動するETFを設定(さつきだ錬金術師)
東証に先進国株式、新興国株式ETFが上場へ!(インデックス投資日記@川崎)
MSCIコクサイ、MSCIエマージングに連動するETFが国内上場(もーまがBlog)
東証に先進国ETFと新興国ETFが上場(The Goal)
東証に「先進国株式」と「新興国株式」の海外株式ETFが上場!(サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみました。)
複数国の株式市場にまとめて投資できる外国株ETFが初上場(日興アセットマネジメント)(米粒インデックス投資家のちいさな資産運用)
日興アセットの先進国株式指数連動ETF(投資信託、株、マネーの情報チェック)
MSCIコクサイ、MSCIエマージングに連動するETFが東証に登場!!!(NightWalker's Investment Blog)
外国株式ETF「先進国株式」と「新興国株式」(Sivoir's Portfolio)
「MSCIコクサイ」と「MSCIエマージング」 ETF(Porco Rosso Financial Weblog)
東証にMSCIコクサイ、MSCIエマージング連動ETFが登場(中小企業サラリーマンの投資生活)
画期的なETF、ついに登場。(自給自足を目指して投資っ子。)
バトンは渡された(おやじダンサーのひとりごと)
日興アセットが複数国の ETF を上場へ(乙川乙彦の投資日記)
MSCIコクサイに連動するETFが東証に上場!(ある貧乏人の投資信託物語)
エマージング&コクサイETFがついに国内上場(小金持ち父さんの資産設計塾(?))
10年1月の1306へのリレー(中田たろうの投資日記)


なお、日経朝刊に掲載されていたとのことですが、現時点では日興アセット・マネジメントからもプレスリリースが出ています↓

「先進国株式」と「新興国株式」、2本の外国株式ETFを設定
〜 日本で初めての「MSCIコクサイ」と「MSCIエマージング」に連動するETF 〜


・・ただでさえ極東の片隅でブツブツ呟いているだけで価値の低いブログで普通に紹介しただけではさらに価値がありません。そこであえて細かいところを書かせてもらいます。
当ファンドは、主に投資信託証券に投資を行い
純資産総額に対して年率0.2625%(税抜 0.25%)程度を乗じて得た額が実質的な信託報酬となります。信託報酬率の内訳は、当ファンドの信託報酬率が年率0.1575%(税抜き0.15%)以内、投資対象となる投資信託証券の組み入れに係る信託報酬率が年率0.105%(税抜き0.1%)程度となります。上記の他に、信託財産で保有する上場投資信託証券の貸付を行った場合は、受け取った品貸料に0.525%(税抜き0.5)以内を乗じて得た額を収受します。
※受益者が実質的に負担する信託報酬率(年率)は、投資体調とする投資信託証券の組入比率や当該投資信託証券の変更などにより変動します。
どうやらこの2つのETFもシンプレクスのダウETFと同じようにファンドオブファンズのようです。現物拠出の海外株ETFは難しいのでしょうか。
・参考エントリー:海外株を対象とした国内ETF作成は難そう

FoFということで特に気になるのは、その影響です。
現物拠出している機関投資家が裁定取引できないので、NAVと市場価格が乖離しやすいというデメリットはあるでしょう。
加えてシンプレクスのダウETFであったような「租税上のルールで不利にならないか?」も気になります。仮にダウETF同様に配当金に30%の余計な税金が掛かるならば、低信託報酬を帳消しにしかねません。このあたりはどうなんでしょう?
また、他にファンドオブファンズであまり知られていない懸念点はあるのでしょうか?

気になるところです。



(外国株インデックスが上場されても)国内上場ETFに期待できない吊られた男

先の海外株を対象とした国内ETF作成は難しいというエントリーで、国内ETFで海外株インデックスに(妥当な条件で)投資するのは難しそうだということをつぶやきました。

そんなエントリーを書いたせいで、国内上場ETFに期待していない自分を再確認・・・。そこで、(主要株式インデックスに連動する)国内ETFにあまり期待できない理由をレポートの紹介ついでに書いてみます。
   ・私がETFを高く評価しない関連エントリー :ETFは過大評価では!?

昔は国内ETFへの期待は今より遥かに大かったのは事実です。
しかし、いろいろ知っていくうちにその期待はしぼみ、今年の3月〜4月頃にこのディスカッションペーパーを読んだ時に、国内ETFに期待するのは厳しいという意識になりました。
このディスカッションペーパーは金融庁の金融研究研修センターが発表している「我が国ETF市場のマーケット・マイクロストラクチャーと投資家の注文行動」というディスカッションペーパーで、2009年3月に公表されたものです。
・「我が国ETF市場のマーケット・マイクロストラクチャーと投資家の注文行動」
  岩井 浩一 金融研究研修センター研究官

さらに先のエントリーを書いたことに触発されて金融研究研修センターのページを訪れると【「金融危機後の金融・資本市場をめぐる課題」の公表について】 (2009年7月22日)の中に新たなディスカッションペーパーがありました。
第V章の「投資信託、ETFに関する問題について」という中の「実証ファイナンスの視点からみた投資信託市場を巡る論点整理」です。

これらのペーパーを読んでみると、単純に日本にMSCI KOKUSAIやMSCI Emerging Marketという主要株式インデックスに連動するETFが上場したとしても投資する気になれません。


これらのペーパーで挙げられている日本市場の問題点は下記。
  1. ETFの保有資産に関する情報開示において現金部分が開示されていない
  2. Indicative NAV(ETFが保有する株式等の時価推定値)が利用されていない
  3. 流動性義務を負ったマーケットメーカーが不在である
  4. ETFデリバティブ市場が未発達である
  5. 法定開示において詳細な乖離情報を開示することは求められていない
この中で、特に大きな問題となっているのは2のIndicative NAVと3のマーケットメーカー不在の話ですね。


欧米市場のIndicative NAVの話。
日中の価格情報の提供を通じて裁定取引を円滑にすると共に、投資家間の情報格差を減じるために、Indicative NAV44が利用されている。Indicative NAVとは、構成銘柄の直前の約定価格情報を基にして15秒毎に算出されるETFの時価推定値であり、情報ベンダー等を通じて投資家に伝達されている。
ドイツでは、ETFスポンサーは最低でも60秒毎にIndicative NAVを算出し、自ら市場参加者に公開するか、第三者の情報ベンターを通じて公開することが求められている。


欧米市場のマーケットメーカーの話。
欧米取引所はETFの取引に流動性提供義務を負ったマーケットメーカーを利用している。取引所は流動性提供に関する具体的な内容を定量的に定め、流動性提供に関する契約をマーケットメーカーと取り交わす。典型的な契約内容は、?ビッドアスクスプレッドを一定幅以内に維持する、?一定の注文サイズ以上の注文には必ず気配値を提示する義務をマーケットメーカーに負わせる、?これらの義務を一定以上果たした場合には売買手数料の割引を行う、というものである
契約の実効性を確保するために、欧米の取引所はマーケットメーカーの履行状況を常時(日中)監視している。また、マーケットメーカーの履行度合いに応じて格付けを付与している取引所もある。
ドイツ証券取引所では、マーケットメーカーが義務を遵守しているかを定期的に検証しているほか、マーケットメーカー間の相互比較を可能とするために、マーケットメーカーに対する格付け(AA格〜DD格)制度を利用している。付与された格付けはマーケットメーカーだけではなく市場参加者にも公表されている。


全部の取引所が上の全要素を備えているとは言いませんが、それでも日本と比べるとずいぶん違います。


これだけやっても
米国では、ETFの気配値が普通株に比べて余りに頻繁に変化するために、15秒毎に算出されるIndicative NAVでは不十分であるとの意見も出始めている。
中小型株指数や海外株価指数に連動するETFについては、裁定取引が阻害されているとの指摘もあり
このような問題指摘が出ているようです。


これを踏まえて考えると、日本の市場に主要株式インデックスに連動するETFが誕生してもあまり期待を持てません。
今のまま「はい、MSCI KokusaiのETFを上場したよ」と言われても使い物にならなそうです。
市場の流動性は無い、取引価格の乖離は大きい、となり、公募投信と比べて数十ベーシスポイントの信託報酬セービング分を上回るマイナスが発生する可能性が高い。長期投資においてETFを薦める投資指南書に書かれているようなETFのメリット享受は都市伝説(?)になりそうです。



将来的に各種条件が整った上での国内ETF拡充ならば歓迎ですが、現時点ではこのようにETFが有効なツールとなるための課題があまりにも大きく、私は国内ETFにはあまり期待していません。




なお、今回の記事で参考にさせていただいた金融研究研修センターのディスカッションペーパーに関連したいくつかのエントリーを最後に紹介させていただきます。



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