日経ビジネスの2011年6月20日号の「敗軍の将、兵を語る」に安田佳生氏が登場していました。
(社長をしているワイキューブ社の民事再生法適用)

安田氏はベストセラーになった『千円札は拾うな。』の著者として有名です。



端的に言うと、勢いで成功して調子に乗って失敗した典型例です。
お金は借りられるだけ借りろとか人材への投資、という本に書かれたことを見事に実践して失敗しました。


日経ビジネスにも書いてありますが、会社に社員専用の高級バーを作ったり、150万円するビリヤード台を2台置いたり、パティシエを常駐させてケーキを配ったりしていました。
このような福利厚生を充実させることによって、売上高が20億円の時に福利厚生と人件費だけで20億円使っていたとのことです。

稼いだ金をすべて福利厚生と人件費に使っていて、会社の運用資金はどこから出ていたか?銀行からの借り入れです。
しかも、その借入金を堅実な事業資金に回していたかというとそうではありません。自分のやりたいことや会社のブランド力向上のために恵比寿に第2オフィスを作ったりとやりたい放題です。
「投資をする」と言えば聞こえはいいですが、ただお金をばら撒いていただけです。自身も書いているように事業に直結しないことにお金をばら撒いていました。そして、銀行が貸し渋りだすと事業は苦しくなって「千円札でも拾いたい」ような自転車操業になってしまい民事再生法へ一直線。


この会社の歴史を見ながら『千円札は拾うな。』を読むといろいろ勉強になりそうです。
この本は読んだものの買っていないので手元にはありませんが、また読みたくなってきました。
「良い本」もいいですが、こういう本も"いい"ですね。