吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



努力

インデックス投資が情弱の投資だとして,情報強者になると何が嬉しい?

情報弱者

すべての投資家は情弱である (The Arts and Investment Studies)

上のブログも一つ念頭に置いて読んでいただけると面白いかもしれません。

インデックス投資は,具体的にはインデックスファンドを活用して広く国際分散投資して持っておくだけ (※細かくはリバランスやリスクに応じたリスク配分の見直しなどもありますが割愛) ということで「インデックス投資家は思考停止」「インデックス投資家は情弱(情報弱者)だ」のような批判があります。

毎日のように各社のIRを読み込んでいたり世界経済の情報に目を通している人でもインデックス投資はできるので,インデックス投資している人を思考停止している人や情報弱者と決めつけるのは乱暴だな…とも思うのですが,それはちょっと脇道なのでおいておきます。

情弱で何が問題なのか?

インデックス投資家の中には情弱でない人もいるでしょうが,ここでは「インデックス投資家には情弱が多い」を前提条件とします。では,情弱だと何が問題なのでしょうか。

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真剣に取り組む≠常に深刻な顔

良く感じることです。

何か物事に真剣に取り組むこともあるでしょう。
 ●会社の経営を何とかしようとして真剣に経営に取り組む経営者
 ●成績を上げようとするスポーツ選手

そんな彼らが歯を見せて笑っていたり、くだらないジョークを言っていたりすると「真剣さが足りない」のように怒る人がいます。これが不思議で仕方ありません。

24時間365日しかめっ面で、笑顔を浮かべないように顔をひきつらせていれば成果が上がるというものでもありません。
スポーツ選手はトレーニングするときは真剣にトレーニングします。しかし、それ以外となればそこでしかめっ面をしていても意味がありません。むしろ、オンとオフを使い分けることでうまくバランスを取ることになります。

ところが、それが成果の向上につながらないところでも「常に深刻な顔していろ」「真剣なら24時間365日笑うな」のような要求をする人がいます。
努力努力でひたすら歯を食いしばって練習することが美徳という根性論のようなものが根底にあるのでしょうが、私はこれを支持できません。



証券投資では努力して超過リターンを狙わない

先日の『私が努力を認めたくない理由』というエントリーに、私も通りすがりですがさんから【投資は、努力しても「平均」を狙うんですよね。】とコメントをいただきました。

これを見て、何故証券投資でα(超過リターン)を追求する努力をしないのかをしっかり書いてこなかったことに気づかされました。
そこで、私が何故証券投資の世界でαを狙う努力をしないのかを書いてみます。

その根底には「自分でコントロール可能に注力すべき」という考え方があります。管理可能なものにはいろいろな手を打ちますが、自分の範疇を超えているものにあれこれ手を打とうとしても無駄ですので、手を抜くかあきらめます。

例えば、新ITシステム導入のプロジェクトマネージャだとします。
無事にシステムを導入するためにステークホルダーマネージメントをしてUser RequirementをコントロールするのはPMの責任範疇でできますしプロジェクトを成功させるのに効果的です。しかし、「会社が買収されてトップダウンで買収先の企業のシステムに統一されることが決まって担当プロジェクトがボツになる」ことはコントロールできません。PMはそういうことに関しては労力を割くべきではありません。PMがプロジェクト発足時に将来的に企業買収が起こって相手側の経営陣のトップダウンの一言でプロジェクトが止まることに対応するために買収防衛策に苦心しだしたら、その人はPM失格です。

投資における努力も「PMの企業買収対抗」に近いと感じています。努力がリターンの向上に繋がるならば努力する意義があります。しかし、努力することでリターンは向上するのでしょうか?
パッシブ派が拠り所とする、「プロの一端であるアクティブファンドのファンドマネージャでさえインデックスを上回れない」「プロ達や努力しているセミプロの集まった場が市場であり、努力だけではその平均は上回れない」という話はかなりの説得力があります。何年も優秀な成績をたたき出してきた著名投資家が急にパフォーマンスが悪くなることもよくあるという話も聞きます。投資成果が運でなく実力だということを証明するには何十年もかかるという話も聞きます。

確かに、
アクティブ全体でのパフォーマンスはインデックスに収斂しますが、その中で努力して勝ち組になれるかもしれません・・・
アクティブファンドのファンドマネージャはボンクラなのかもしれません・・・
ファンドという構造が投資を不利にさせているのかもしれません・・・
このような可能性は否定し切れません。

しかし、「努力がαを生み出す」が真である可能性が高いとは思えないのです。私が想定する「努力でαが得られる説が真実である可能性×努力でコントロール可能だった場合のα」はかなり低いのです。

そのように考えた時、私がそこに労力を振り向けるかというと、他の事を優先します。
ベンチャーを起業して自社株を持っているならば、自分の努力が保有株式の価値を高めることができるので努力もします。しかし、証券投資においては・・・α追求のためへ努力する気になれないのです。



私が努力を認めたくない理由

世の中には努力を高く評価する意見もあります。しかし、私は努力は高く評価しません。
あつまろさんのブログ『あつまろのこだわり資産運用』にて、私はあまり努力を評価したくない・・・とのことをコメントもしました。
理由はいろいろありますが、主には2つ。

(1)努力は手段であり、目的ではない
そもそも努力は、ある目標を達成したいから行う手段です。
ピアノコンクールで優勝するために一生懸命努力する、これが本来の努力の位置づけです。努力とは目標を達成するための手段の一つにしか過ぎません。ある手段を実行したことが褒められるべきなのでしょうか?

「2週間以内に英語で提案資料をまとめる」という指示を受けた時に達成すべき目標は「英語で提案資料を作ること」です。
●Aさんは徹夜で辞書を引きながら一生懸命資料を作成しました。D評価の資料ができあがりました。その結果、この会社はコンペに負けました。
●Bさんはその内容も英語にも精通した人に作業を依頼しました。A+評価の資料ができあがりました。その結果、この会社はコンペに勝ち受注を勝ち取りました。

Aさんは褒められるべきでしょうか?「君は一生懸命やったのは知っている。素晴らしい」でいいのでしょうか?そこまでいかなくても「一生懸命やってダメだったんだから仕方ないさ。」でいいのでしょうか?
私が評価する立場であれば、Aさんの評価は高くありません。Bさんのようなやり方あるのにそれをせずに、自分で努力するという誤った手段を選択した分だけ評価が低くなるかもしれません。
成果だけではなく手段が評価されるとすれば、手段が適切かです。努力が目標を達成するために適切な手段で無かった場合は褒められたものではありません。


(2)努力賛歌主義への嫌悪感
世間では、努力至上主義とでも言うような努力賛歌が幅を利かせている気がしています。しかし、これは真実でしょうか?

ウサイン・ボルトが早いのは彼が世界で一番努力をしたから。朝原が9秒台で走れないのは9秒台で走る選手より努力が足りないから。
●柔道で古賀稔彦が小川直也に勝てなかったのは古賀稔彦の努力が足りなかったから
●ロマーリオがサッカー史上屈指のFWだったのは、彼の努力が世界中のほとんどのサッカー選手より多く努力したから
●高橋尚子や野口みずきが自身のガードランナー/ペースメーカーより遅いのは彼女たちの努力が足りないから


そういうことなのでしょうか?
私はそんなことはないと考えます。野口みずきが市中の市民ランナー(トップクラス)より遅いのは努力が足りないからとはとても思えません。持って生まれた男性と女性という身体能力における才能の差が大きいはずです。
マンチェスター・ユナイテッドの名選手であるRyan Giggsの「才能だけでプレーできることはあるけれど、自信だけでプレーすることはできない」にあるように、結果を残すには努力だけではどうにもならない壁が存在しています。
才能だけ、もしくは才能と多少の努力だけで、多大な努力をした凡人を上回ることができる人は存在します。凡人同士の間でさえも必ずしも努力の量が結果とは一致しません。
また、1でも書きましたが、努力しているといっている人はただ無能なだけではないか感じることさえあります。
ある人が要領よく効率的な方法で目標を達成しているのに、無駄の多い方法で無駄に時間を掛けてやっている人もいます。私も非効率的な方法で作業して無駄に時間を浪費していることが多々あります。
1日でカタをつけた要領のいい人と、3日も掛けて残業もして一生懸命やった私を比べて、私が高く評価される理由はありません。「吊られた男は本当に仕事が遅いな。こんな仕事1日か2日で片付けられるだろ」と言われるのがオチです。
こういうことがあるので、努力=成功と単純に結びつけるような努力賛歌主義に嫌悪感を抱いています。


もちろん、「努力できる」という特性はその人の個性として評価はします。ただ、努力したという行為そのものには点数をあげたくないところです。



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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