吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



円高

円高進展

ドル円が従来の最高値である79円75銭を超えて、76円台まで突っ込んできました。

生保や損保の外国資産売却などもまことしやかに囁かれていますが、以下のような日経新聞の記事があり、生保や損保が外貨建て資産を特別に売却したという話はないとのことです。

地震保険を扱う損害保険各社は「手元資金は潤沢で、外貨資産を売却して円に戻す必要はない」(三井住友海上火災保険)、「円の買い戻しはしていない」(東京海上日動火災保険)と否定している。
基金の運用資産の4割は国債で、円高で為替差損が膨らみかねない外債の売却よりも「手元資金や流動性の高い国内資産を現金化する」(損保幹部)
生命保険各社も死亡保険金や入院給付金の支払いが増える見通しだが、「外貨資産を売って円に換えているという事実は一切ない」(日本生命保険)。ある大手生保関係者は「今の円高は異常。外貨資産を買うタイミングだ」と話している。

損保や生保の現金化が本当だったとしても最終的に数千億円から数兆円という規模ですし、円高の真相はこの噂を思惑とした仕掛けがあると考えるのがよいところでしょうか。


個人的な投資方針は、外貨建資産への臨時の追加投資はもう少し円高が進んだ場合に考えたいところです。あまり早期に突っ込んでしまった場合、さらにそこがあった場合に資金が無くなります。また、私個人の事情では、すでに日本株への臨時投資と募金で今月は資金難になっています。







続・無理をしてまで日本国内雇用を守る必要は無いと思ふ

無理をしてまで日本国内雇用を守る必要は無いと思ふにhideさんからコメントをいただきました。

以下がhideさんのコメントです。
海外出張に平社員でもビジネスクラスのチケットを用意してくれるような会社に勤めている人ならではの発想ですね。
マリ―アントワネットのパンがだめならケーキほどではないのでしょうけど、自分は安全地帯にいてこその目線と思ってしまいます。円高の状況でどれだけ困っている人がでているか考えたことがありますか?
私自身は輸入業者ですから今の円高は追い風です。それでも日本の今後を考えると心配になります。
管理人さんがおっしゃるように変化に対応できる人ばかりではないのですよ。そういう出来ない人は管理人さんの会社にはいないのでしょうけれど。

これに対して少し補足をさせていただきます。
まず、先のエントリーは「国が国内雇用を守るべきか」という問いかけに始まり、「国内雇用だけではなく、国外でも日本人が働けるように働きかけるべき」という結論を出しています。
円高の状況で困っている人がたくさん出てしまっているからこそ、国が変化へ対応できるように支援すべきと考えています。

製造業の輸出産業はレッドオーシャンです。
かつて日本は先進諸国の同業他社と戦いました。初めはトヨタの車がGMにはるかに及ばなかったように品質で劣っていました。しかし、その後の追いつけ追い越せの努力の結果、安いのに高品質という日本ブランドを確立し、その後は価格が高くなっても世界一という地位を勝ち取りました。
しかし、今では日本がかつてのアメリカです。韓国や中国のような近隣諸国の製造業がかつての日本のように急激な勢いで成長してきています。少し前には安かろう悪かろうだった中国製も今では十分な品質を持っています。
このようなことを考えると、かつては日本の発展を大いに支えてきた製造業はレッドオーシャンであり、日本が武器としていた競争優位性が失われています。
さて、その分野に資源を投入すべきでしょうか?

企業が自社の中心事業であったが競争優位性が失われつつある分野に資源を投入すべきでしょうか?その事業部で働いている社員の雇用はこれで守れるでしょうか?
それよりはその企業が持っていて将来性があると思える事業に資源を移して、現在の中心事業部で働いている人材をそちらに移すべきではないでしょうか。

私が国に期待したいのもこれです。


(やり方があまりにも露骨で方々から非難の声も上がっていますが、)一つ参考になるのは中国の事例です。
アフリカ諸国へ中国がODAで支援し、事業は中国企業が引き受けて労働者も中国からやってくる中国人というやり方です。中国でも稼げなくて困っている人がいます。そのような人がアフリカで仕事にありつくことができます。このやり方だと国内に需要が無くても国外で雇用な場を作ることができるのです。
しかも、これをある程度大きな規模で長期的に行うとさらなる波及効果があります。そこで働く中国人たちを目当てに自力でアフリカにわたる中国人も出てきます。
昔であれば、独力でアフリカに行くのは困難であり、行ったとしても成功は困難でした。しかし、現地に多くの同国人がいて彼らの助けを借りることができます。彼らに対する商売のメドが立ちます。そうすることで正のスパイラルが発生します。中国のやり方を完全にまねるべきではないですが、十分に示唆を与えてくれます。

今の日本では、一般の日本人が独力で海外に出て仕事を見つけるのはハードルが高すぎます。hideさんも言われているように、そんな大きな変化に自力で対応するのは難しいという人が多数でしょう。言語の壁、文化の壁、仕事が見つかるかの不安、etc。
だから、政府がそれを助けるべきなのです。自分で海を渡って仕事を見つけるのが難しいのだから政府が支援すればいいのです。これだけで仕事を見つけられないという不安は除去できます。

このようにレッドオーシャンでの消耗戦は避けて、新たなブルーオーシャンに飛び出す手助けをしてあげることは政府として意義のあることではないでしょうか?
また、このブルーオーシャン戦略によって外に出る人が増えることによって国内にとどまる人にもメリットが生まれます。今までは多くの人数で限られた国内雇用を争っていましたが、数も減るので競争が弱まります。

国内で現在の産業で雇用を確保するのが大変ならば、外部や違う産業で雇用を確保しようとするのは、戦略の王道だと思うのですが・・・



無理をしてまで日本国内雇用を守る必要は無いと思ふ

・円高が進んで日本の輸出企業が為替でダメージを受けている
・企業が日本から出て行くと国内の雇用が減ってしまう

⇒日本の雇用を守るために何とかするぞ



このような意見を聞きます。確かにある程度はやるべきだと思います。

しかし、何が何でもやるべきかと言うと疑問を感じます。自然の流れに反して無理やり通貨安に持っていくことが正しいことなのでしょうか?2007年まではデフレにも関わらず通貨安という好条件が重なって輸出企業が史上最高益をたたき出しましたが、それを目指すべきでしょうか?
雇用を守る企業に湯水のごとく補助金をつけてまで雇用を確保させるべきなのでしょうか?

これはNoだと思います。
そんなことを言うと「輸出企業の支援をやめてどうするんだ?内需だって増やそうと思って増やせるものではない。国内の雇用が失われるぞ」という反論もあるでしょう。

でも、それでもいいと思います。

日本という国家が成すべきことは何でしょうか?
世界平和とか大きな夢も語れますが、国の存在意義の根本は国民の幸せ、日本の場合は日本国民の幸せでは無いでしょうか。(一部の国のように支配者層の幸せが最優先という国もあります)

日本国民の幸せを目的とした時に、日本国内の雇用を守ることは必ずしも目的に達する道とは限りません。Out of Boxの考え方をしてみましょう。


質問:日本国民が幸せになるためには日本国内に雇用がある必要はあるのか?
この質問を少し変えると「国内で国民の雇用を確保できない国の国民は不幸か?」とも言えます。
私はNoだと思います。日本国民は日本国内で雇用されなくても幸せになれます。従来の枠を取り払って考えれば、国内に雇用が無いならば、海外での雇用を増やせばいいのです。

「今後の輸出企業は厳しい。内需も簡単には増えない。日本人1億2000万人を支える雇用は国内で確保できない。」
いいではないですか。日本では1億人を支える雇用しかなくても残り2000万人が海外の雇用で支えれていて幸せならいいでしょう。世界には自国で自国民の雇用を確保できない国はあります。その国は自国内で雇用を生み出せない限り国民が不幸かというとそんなことはありません。他国で就職して幸せになっている人もたくさんいます。

日本人がアメリカで就職すればいいのです。カナダで就職すればいいのです。ヨーロッパで就職すればいいのです。シンガポールで・・・
強制移住させる必要はありませんし、そんな権限は国にはありません。ただ、日本人が海外で働きやすくなるようにしましょう。自国で雇用が無い国の国民は他国で働くためのスキルを身につけます。そして、国内で雇用されるより幸せな人生を得る人がたくさんにいます。国家はそのスキルアップの支援及び諸外国との交流の上での障壁を取り除くことに尽力すればいいのです。
アメリカで雇用されて幸せに暮らしているインド人はいます。最近だと日本に来ている人もいます。私の家の周りにも多くのインド人がいます。けっこういい給与はもらえています。
日本人も彼らと同じく海外でで雇用されるようになればいいのです。もちろん、これで全員を救えるわけではありません。雇用されたいと思えば全員が雇用されるわけでもありません。また、国内にとどまりたい人もいるでしょう。だから内需拡大にも努めるべきです。「輸出企業を取るか、内需を取るか」のような二者択一ではありません。
輸出企業を支援するわけではないが、特別邪魔をするわけでもない。内需も増やそうとする。国外での雇用を増やそうとする。全方位的に日本人が幸せになれる道を探すべきだと言うことです。これらは共存可能です。全部やっても全てが救えるわけではありませんが、それでも効果はあります。
日本国内の輸出産業だけに特化してそこで雇用を確保しようとする、旧来の古き良き時代を維持しようとすることが正しいことなのでしょうか?
昔で言えば、日本では政府がさまざまな支援を駆使して石炭から石油という流れに抗って炭鉱労働者を守るべきだったでしょうか?日本政府がさまざまな支援を駆使してコモディティ製造業は先進国から新興国へという流れに抗って製造業の輸出企業を守るべきでしょうか?
いきなり全部を切るようなハードランディングはやる必要はありませんが、そこまでして古き良き時代を守るべきではないでしょう。強いストレスは伴いますが、環境の変化に合わせて変わるべきではないでしょうか。


日本での雇用が減れば税収が減る、という意見もありますが問題ありません。海外で暮らしている人が増えれば、支出も減ります。仮に6000万人が日本で暮らして、6000万人が海外で暮らしていれば、日本国内の支出は6000万人分です。

もう、日本は国内だけで日本人を満足させるだけの雇用を確保できない国になりつつあるのです。それを受け入れて、日本人が他国でも満足のいく雇用を確保できるような政策も平行的に行うべきではないのでしょうか?日本の労働・雇用問題はそこまで来ていると思います。



ドル余り

ドル余りと言っても、マクロ経済の話ではありません。我が家の話です。


先月の出張のために両替したドルが大きく余っています。
2週間以上の出張で全部自分払いとなれば、そこそこ使うだろうと思って$500両替して行ったのですが多すぎました。
余裕を持って両替したので余ることは想定内でしたが、それにしても余り過ぎです。ホテルのチップとタクシーくらいでしか現金は使わず$350くらいは残っています。

米ドルの金利が高ければ再両替してでも外貨MMF/FX/外貨預金にした方がタンス預金よりいいかもしれませんが、今の金利ではそれだと不利になりそう。そこでもったいないのですが、今はタンス預金として眠っています。

次に米ドルが利用可能な地に行く予定は決まっていませんが、来年の海外旅行でまたグアムかハワイあたりに行くかもしれません。その時に使うことに期待。
Eggs'n Thingsも原宿に出来てしまったのでホノルルに行く理由も1つ減ってしまいましたが、またホノルルマラソンに出るという理由を作っていこうか・・・と計画中です。



外貨預金が人気とのこと

投資家は外貨預金へ ドルお買い得、円安に転じれば値上がり益 (MSN産経ニュース)
15年ぶりの高水準に達した円相場が外貨預金の増加に拍車をかけている。7月末の外貨預金残高は2カ月ぶりに過去最高を更新。その約半分を占める個人の外貨預金も過去最高水準だ。
 日銀が8月末に発表した統計によると、7月末時点の国内銀行の外貨預金残高は約10兆4690億円。残高は2年前のリーマン・ショックを受けた昨年3、4月に9兆3千億円台まで落ち込んだが、その後は残高が増え続け、データがある平成11年4月以降で過去最高となった。個人による外貨預金は7月末で約4兆7854億円。
円高に振れた時によくある傾向ですが、外貨預金の残高が増えているようです。
円高進行前と比べれば有利な状況ですので、外貨預金の残高が増えるのは経済合理性からして自然なことですね。

そんな中、個人の場合は外貨預金より外貨MMFの方が為替差益の税金などを考えると有利ではないか?などと思いつつもこういうニュースを読んでいます。

どれだけの人が外貨MMFに流れているんでしょうか。
ロイターのニュースによると2010年7月末の外貨建てMMF残高は1兆7858億円とのことですが、外貨預金と外貨MMFでどれほど流れているかが気になります。



私の著書 - ズボラ投資
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