前のエントリーである『公務員の給料は高すぎるのか?』は予想外に反響が多かったので、追加エントリーです。
まず大事なのは公務員のサービスに何を要求するかです。
世の中には政府(地方自治体含む)でないと実施が難しかったり、政府がやった方が望ましいとされるサービスがいくつかあります。警察、消防、国家防衛、道路計画や維持管理、上下水の整備、税金の徴収や管理、公共教育の計画管理等々。電力や電車などは国によって違うところですが含まれることもあります。
このような政府が行った方が良いとされるサービスを実施するのが公務員の仕事でしょう。(厳密に言えば、国家防衛のための兵器開発は民間企業が担っていたりもしますが、中心という意味では自衛官と考えます)
上のようなサービスには安定供給が期待されます。
「今年はリソース不足なので、警察業務は停止します」「今年はリソース不足なので確定申告の還付は行えません」「今年はリソースがあるのでたくさん取締りをやります」なんて話では困ります。
そのようなサービスを提供するために公務員がいると考えると、継続的にそのサービスを提供するにはどういう仕組みにするべきかを考える必要があります。
公務員が同種のサービスを提供する多くの企業のうちの一つであれば、大した問題はありません。公務員がダメでも他の企業が行えばいいことです。
しかし、問題なのは公務員のサービスは替えが効かないことです。
競争がある分野の民間企業であれば、1社のサービスが停止しても替えがあります。Just in Time方式で部品の在庫を持っていないメーカーが部品供給ストップで業務を停止しても他メーカーがいます(トヨタ、日産、ホンダの代わりにはGM、フォードなどがいます)。また、民間企業は必ずしも毎年の業績が安定している必要もありません。今年はダメでも来年頑張ればいいとも言えます。しかし、上に書いたように公務員のサービスでは「一昨年、去年は裁判できなかったけど、今年はその分たくさん裁判をこなした」では困ります。
・公務員のサービスは替えが効かない
・公務員のサービスは安定している必要がある
公務員のサービスは、自動車メーカーのように部品供給が止まったから生産ストップとするわけにはいかず、サービス供給のための資源を確実に確保できるようにしなくてはなりません。リソースの基本はヒト、モノ、カネですが、安定的にヒトを確保できるでしょうか?
安定的に人材を確保できるだけの魅力的な条件を掲示することが重要です。そうすることで安定的に人材が応募してきてヒトの面でのリソース不足のリスクを回避もしくは軽減できます。
私の関連する業務関係で独立行政法人の例ですが、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の審査官は不足しています。これは待遇が十分ではないからです。本来であれば産学の世界で生まれた最新のセオリーなども用いた審査に対する知識も持って対応できる人材がいなくてはならないのですが、そんな人は民間なら遥かに高い水準の収入を得られます。
そうすると人材が集まりません。独立行政法人医薬品医療機器総合機構の年収は民間全体の平均よりははるかに高いですが・・・その結果、新薬等の審査に遅れが生じたりもします。
いずれにしても、普通の民間企業と違って安定的にサービス提供を要求されるとなると、その安定性のためのコストが余計にかかるのが自由経済の世界の流れでしょう。
部分的にバス運転手の給与が安定性を維持する以上に高すぎるならそこは是正されるべきです。ただ、そういう部分の問題を全体の問題と同一視されるべきではありません。
(対極とまでは言いませんが、私自身はいきなり全社員が集められて「ここはクローズすることが決まった。これは最終決定だ」と言うような外資系の民間企業で働いています。また、親族も民間企業の倒産で仕事を失ったりもしています。ですのでポジショントークで公務員を擁護するつもりは一切ありません。)
まず大事なのは公務員のサービスに何を要求するかです。
世の中には政府(地方自治体含む)でないと実施が難しかったり、政府がやった方が望ましいとされるサービスがいくつかあります。警察、消防、国家防衛、道路計画や維持管理、上下水の整備、税金の徴収や管理、公共教育の計画管理等々。電力や電車などは国によって違うところですが含まれることもあります。
このような政府が行った方が良いとされるサービスを実施するのが公務員の仕事でしょう。(厳密に言えば、国家防衛のための兵器開発は民間企業が担っていたりもしますが、中心という意味では自衛官と考えます)
上のようなサービスには安定供給が期待されます。
「今年はリソース不足なので、警察業務は停止します」「今年はリソース不足なので確定申告の還付は行えません」「今年はリソースがあるのでたくさん取締りをやります」なんて話では困ります。
そのようなサービスを提供するために公務員がいると考えると、継続的にそのサービスを提供するにはどういう仕組みにするべきかを考える必要があります。
公務員が同種のサービスを提供する多くの企業のうちの一つであれば、大した問題はありません。公務員がダメでも他の企業が行えばいいことです。
しかし、問題なのは公務員のサービスは替えが効かないことです。
競争がある分野の民間企業であれば、1社のサービスが停止しても替えがあります。Just in Time方式で部品の在庫を持っていないメーカーが部品供給ストップで業務を停止しても他メーカーがいます(トヨタ、日産、ホンダの代わりにはGM、フォードなどがいます)。また、民間企業は必ずしも毎年の業績が安定している必要もありません。今年はダメでも来年頑張ればいいとも言えます。しかし、上に書いたように公務員のサービスでは「一昨年、去年は裁判できなかったけど、今年はその分たくさん裁判をこなした」では困ります。
・公務員のサービスは替えが効かない
・公務員のサービスは安定している必要がある
公務員のサービスは、自動車メーカーのように部品供給が止まったから生産ストップとするわけにはいかず、サービス供給のための資源を確実に確保できるようにしなくてはなりません。リソースの基本はヒト、モノ、カネですが、安定的にヒトを確保できるでしょうか?
安定的に人材を確保できるだけの魅力的な条件を掲示することが重要です。そうすることで安定的に人材が応募してきてヒトの面でのリソース不足のリスクを回避もしくは軽減できます。
私の関連する業務関係で独立行政法人の例ですが、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の審査官は不足しています。これは待遇が十分ではないからです。本来であれば産学の世界で生まれた最新のセオリーなども用いた審査に対する知識も持って対応できる人材がいなくてはならないのですが、そんな人は民間なら遥かに高い水準の収入を得られます。
そうすると人材が集まりません。独立行政法人医薬品医療機器総合機構の年収は民間全体の平均よりははるかに高いですが・・・その結果、新薬等の審査に遅れが生じたりもします。
いずれにしても、普通の民間企業と違って安定的にサービス提供を要求されるとなると、その安定性のためのコストが余計にかかるのが自由経済の世界の流れでしょう。
部分的にバス運転手の給与が安定性を維持する以上に高すぎるならそこは是正されるべきです。ただ、そういう部分の問題を全体の問題と同一視されるべきではありません。
(対極とまでは言いませんが、私自身はいきなり全社員が集められて「ここはクローズすることが決まった。これは最終決定だ」と言うような外資系の民間企業で働いています。また、親族も民間企業の倒産で仕事を失ったりもしています。ですのでポジショントークで公務員を擁護するつもりは一切ありません。)