『日経ビジネス 2011年5月23日号』のNouriel Roubini氏とStephen Mihm氏の寄稿から
政府の債務問題(債務の対GDP比)と倹約のパラドックスを結び付けて考えたことはありませんでしたが、確かにその通りです。政府が支出を減らせば、GDPは落ち込みます。そうすると「債務/GDP」で表される債務の対GDP比は、分母のGDPが小さくなるので上昇します。
さらに非効率なものも含めた政府支出の圧縮でも債務問題を悪化させるというのは面白い示唆です。
日本も債務の対GDP比が大きくなっており、財政危機が叫ばれています。これに対応しようとする場合にはこの倹約のパラドックスによる債務/GDPの増加には注意が必要でしょう。
これを意識せずに単純に「支出を圧縮すれば債務が減るから債務の対GDP比が減るはず」という思惑でいると面倒なことになりそうです。
個人貯蓄を増大させるために民間消費と公的支出を抑制すること及び、民間と公的債務を減らすために緊縮財政を実施することも、選択肢に入らない。民間部門は消費を控えて貯蓄を増やすことはできるが、これは「ケインズの倹約のパラドックス」として知られている現象をただちに引き起こす。(欧州各国の債務の増加がテーマ)
つまり、生産賞が低下し、GDP対比での債務が上昇する、というものである。IMFなどの最近の研究によれば、増税、補助金の削減、非効率的なものも含めた政府支出の圧縮は、短期的には成長を妨げ、債務問題を悪化させると見られている。
政府の債務問題(債務の対GDP比)と倹約のパラドックスを結び付けて考えたことはありませんでしたが、確かにその通りです。政府が支出を減らせば、GDPは落ち込みます。そうすると「債務/GDP」で表される債務の対GDP比は、分母のGDPが小さくなるので上昇します。
さらに非効率なものも含めた政府支出の圧縮でも債務問題を悪化させるというのは面白い示唆です。
日本も債務の対GDP比が大きくなっており、財政危機が叫ばれています。これに対応しようとする場合にはこの倹約のパラドックスによる債務/GDPの増加には注意が必要でしょう。
これを意識せずに単純に「支出を圧縮すれば債務が減るから債務の対GDP比が減るはず」という思惑でいると面倒なことになりそうです。