吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



信託財産留保額

インデックスファンドコスト(信託報酬/信託財産留保額まとめ)

インデックスファンドシリーズたちのコスト比較です。
ここではファンドとして定められている信託報酬及び信託財産留保額を書いています(税抜)。
インデックスファンド信託報酬/信託財産留保額

これを作ったきっかけは、SMTとインデックスeの違いが分からず、調べることになったからです。

パッシブ(インデックス)投資家の中で各シリーズの信託報酬は分かっていても、信託財産留保額がどうなっているかを把握している人は少ないのではないでしょうか。
信託財産留保額は金融機関に取られるコストではありませんが、ファンドの違いになりますので無視しないでね。







投信の信託財産留保額とコストへの誤解は多い?

・先のエントリーの信託財産留保額関係への喰いつきがよかった
・別ブログのエントリーでも信託財産留保額に言及するコメントが多かった(私含む)


こんなことが今回のエントリーを書くきっかけです。


どうやら世間一般では信託財産留保額への誤解が多いように思います。


誤解として一番基本的なものは信託財産留保額をコストとして認識しているようです。


誤解1:信託財産留保額は販売・運用側のためのものじゃないの?
あるブログでも信託財産留保額が「客の立場でなく運用する立場のための仕組み」というコメントがありました。しかし、これは違うでしょう。
信託財産留保額は客から客の手にお金が渡るだけです。購入時や解約時にファンドの中にお金を置いていき、それを顧客全体で分けるのが信託財産留保額です。
信託財産留保額は1円も販売会社や運用会社の懐に入りません。当然信託財産留保額を取ることで運用者の給与が上がったり、運用会社の経費を増やして節税できることもありません。
だから、信託財産留保額は販売・運用する立場のための仕組みではありません。



誤解2:そうは言っても信託財産留保額はコストだよね?
上で「信託財産留保額は販売・運用する立場のための仕組みではありません」と書きました。それではどうして信託財産留保額なんてものを設定するのでしょう?

これは、先のエントリーでも紹介したピクテ投信の信託財産留保額に関するコラムを再び紹介し、これを元に説明させていただきます。
「信託財産留保額」という言葉をご存知でしょうか。信託財産留保額というのは、投資信託の申込時または解約時に徴収される金額で、徴収された金額はファンドの信託財産に組入れられ、受益者共有のものとなります。これは申込または解約をする受益者の資金の出入りに伴う売買に係る費用等をまかなうためのものです。信託財産留保額を徴収しない場合、資金の流出入に伴う売買に係る費用は、ファンド全体の投資コストとして他の受益者にも負担をかけることになります。信託財産留保額はこうした受益者間の不公平を低減するための制度です。
ピクテの説明にもあるように、ファンドの購入・解約が発生した時には、ファンド内部の有価証券の売買にコストがかかります。投資信託というスキームでは、この売買コストをファンド全体で負担します。つまり、信託財産留保額が無いと、そのファンドを保有し続けている受益者は資金の流出入がある毎にそのコストを割勘させ続けられるのです。一方、後からファンドに入ってきてすぐに出て行った人は、その売買コストのほとんどを他受益者に負担させて逃げていくことになります。


これでは分かりにくい?ということもあるかと思いますので、ピクテのシミュレーションをご紹介。

以下はピクテ投信の信託財産留保額に関するコラムに書かれた2009年10月20日から2010年4月23日までの、ボベスパ指数(円換算)の実際の値動きを使用して計算したシミュレーションです。
●ボベスパ指数(円換算)を「指数」、信託財産留保額を徴収するファンドの基準価額を「基準価額A」、徴収しないファンドの基準価額
を「基準価額B」とする。「基準価額A」および「基準価額B」は費用に関する要因以外は「指数」と同じ動きをするものとする。
●指数は略式で「当日のボベスパ指数の終値×当日東京時間17時のレアル円レート」で算出する。
●スタート時点のファンドの純資産総額を10億円とし、その後毎営業日1億円の資金の純流入が続き、費用を控除した全額が即日投
資されるものとする。
●信託報酬を年率0.945%として簡便的に毎営業日その1/245が費用として差し引かれるものとする。
●スタート時点の純資産総額およびその後毎営業日の純流入資金の2%が金融取引税として差し引かれ、残額に対して0.6%の取引コスト(株式取引費用と為替取引費用)が差し引かれるものとする。「基準価額A」はスタート時点の純資産額およびその後毎営業日の純流入資金の2.6%が信託財産留保額として加算されるものとする。
●ここでの前提条件以外の費用・税金・その他の基準価額変動要因は含まれないものとする。
※これらの前提およびこの資料でのシミュレーションはあくまでよりよくご理解いただくため参考情報であり、実際の投資信託の費用率・費用額・税率等とは異なります。また、ここではわかりやすくするために簡略化した計算方法を用いており、実際の投信計理とは異なります。将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

pictet_simulation

 わずか半年程度の期間にこれだけの差が生じています。仮に当初2.6%の信託財産留額が差し引かれたとしても、例えば基準価額が10,000円であればその額は260円となりますが、シミュレーション期間末の基準価額Aと基準価額Bの差は10,639円-9,680円=959円にもなっています。
フォント等形式は当方で一部修正

信託財産留保額を設定した場合と設定しない場合でこれだけの差が生じています。信託財産留保額2.6%の差で959円(約9〜10%)の差です。
本来ならインデックスに連動するファンドのはずなのに、2009年10月20日に投資した人はコストのせいだけでインデックスから約9〜10%もアンダーパフォームしてしまいます。約半年という期間です。
これは運用の巧拙を考慮せずに信託報酬と売買コストだけを考慮したシミュレーションですので、長期で保有している人はその後の人のコストも背負ってあげたのでこれだけ損をするということになります。

これはフェアなのでしょうか?

多くの人は「フェアではない」と言うかと思います。
長期保有者がその後から入ってくる人のコスト、短期売買者のコストを負担するというのは原則論に立ち返ると間違っています。
「株式買い付け時に2.6%のコストがかかるならば、各自が自分の資金を投じた時に2.6%のコストを負担すべき。そして、売却時にもそれに関するコストを負担すべき」
これがあるべき姿ではないでしょうか?

それを実現するのが信託財産留保額です。
上のピクテのシミュレーションにもあるように、実際の売買コスト相当の信託財産留保額を設定することによって、各自が自分の資金を投じた時と売却時に、自分の資金に応じたコストを負担仕組みを実現できます。

このように信託財産留保額は、長期で保有する人を守る仕組みとして機能します。


信託財産留保額は決して敬遠するものではなく、長期で保有する人にとっては自分を守ってくれるものだという認識を持ってもよいのではないでしょうか。



信託財産留保額は低い方がよいか?

投資信託を購入、保有、売却/解約する時にかかるコストとして、以下のようなものがあります。

(1)購入手数料
(2)信託報酬(+売買手数料等を含む保有コスト)
(3)信託財産留保額

ここで、ちょっと信託財産留保額に注目してみます。

・・・と言うのも、(1)(2)のコストは販売会社や運用会社に支払うものであり、投資家にとっては純粋に徴収されるだけの手数料ですので、安い方がいいに決まってます。
##まあ、それで収益悪化で運用会社や販売会社が
##解散ともなると少し問題は複雑ですが・・・


しかし、信託財産留保額は運用される資産に残るので、投資家間で分配される性質のものです。そうすると投資家全体として見れば、信託財産留保額がいくらであろうと損得はありません。

こんなことを考えると、投資家は投信を購入/選ぶ時に信託財産留保額をどう考えればいいのでしょう。

以下のような同じアセットのインデックスファンドが2つあったとします。違いは信託財産留保額だけです。

 AファンドBファンド
購入手数料0%0%
信託報酬 0.75%0.75%
信託財産留保額0%0.3%

この場合、どちらを選んだらいいのでしょう?

信託財産留保額は解約/売却時に引かれるので、パッと見ると信託財産留保額が無い方がいいように思えるかも知れません。

しかし、少し考えてみると投資信託を保有している間は解約/売却していく人達から信託財産留保額をもらっているわけです。つまり、信託財産留保額があると保有期間のパフォーマンスが上がります。

そうすると、[保有期間中にもらえる信託財産留保額]と[解約/売却時に支払う信託財産留保額]の2つを天秤にかけて、どちらが多くなるかが重要なわけです。


【結論】
○他投資家の平均保有期間より長く保有する場合
  (≒ 長期的に保有する場合)
  ⇒「もらえる額>支払う額」なので、信託財産留保額
    がある方が有利。
○他投資家の平均保有期間より短く保有する場合
  (≒ 短期保有の場合)
  ⇒「もらえる額<支払う額」なので、信託財産留保額
    が無い方が有利。


つい、信託財産留保額がある投資信託は敬遠してしまうかもしれませんが、長期投資家の方は信託財産留保額が高く設定されている投資信託の方が有利かもしれません。


0.数%の細かい話ですが気になったので書いてみました。


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