吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



保険

確率を無視して「こういうケースがあるから…」と特定の結果/ケースで語る愚

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「がんになった時にまとまったお金が振り込まれて助かった。だからがん保険には入っておくべき」
「Aというタイプの金融商品で儲かった。だからAはいい。」
「Xというパターンは起こり得る。その時にはBがお得/有利だからBが悪いとはいえない」

よくあるテンプレートです。

保険金を受け取れるような困った事例が発生したストーリーを話して、「保険に加入しましょう」と薦めるのはベタな保険営業の展開です。

投資の話では下落相場があると「預金が正しかった」などという言説もよくあります。
私のブログの中で藤沢数希氏を取り上げ、比較的注目を集めた都合がよい期間を選んだデータに騙されるなでも書きましたが、ある時点での結果を持って過去の判断の良し悪しを語るのは愚かです。(その過去の時点で将来に起こる事象を予見できていたなら別)

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山崎元氏の獨協大学の「金融資産運用論a」春学期試験問題の回答を考えてみる




楽天証券の「ホンネの投資教室」に第226回 真夏の運用常識テストとして、山崎元氏が獨協大学にて担当されている「金融資産運用論a」の春学期試験問題が掲載されていましたので、アルコールの入った頭で少し回答を考えてみました。(文字数制限はシカト)
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何かあった時に備えるために、何もない時が不幸では困るんです

生命保険に代表される保険。医療保険に加えて、最近では就労不能などに対応する保険もあります。火災保険、地震保険、自賠責等々の保険もあります。
また、資産運用の世界でも国家デフォルトなどに備えて、無国籍通貨のゴールドへの投資のようなものもあります。

これらは「何かあった時」に備えるものです。何かあった時への対策を取っておくことは良いことです。

しかし、何かあった時の備えにコストをかけすぎてはいけません。

単純な入院のみならず、成人病になった場合、がんにかかった場合、鬱になった場合、女性特有の病気になった場合、通院治療の場合…といろいろな「何かあった時」に備える保険があります。
しかし、そのような万が一の備えを充実させるほどコストは嵩みます。それが何もなかった時の生活を逼迫しては本末転倒です。

万が一に備えて、万が9999が苦しくなっていいのか。それは釣り合っているのでしょうか。


財政破綻に備えたゴールド投資等もそうです。金価格のチャートを見ても分かりますが、ゴールドはそれなりに過激な値動きをします。

株式投資等をやっている一部の人々はいますが、預貯金が資産のコアという人が大多数です。
彼らが国家破綻というリスクに備えたいとして、預金をゴールドに振り向けるということは普段のリスクが大きくなることを意味します。
万が一に備えるためだけに日常を余計なリスクに曝すことは賛同できません。


保険にしろ資産防衛にしろ、「万が一」に備えることは重要です。しかし、備えることと同じくらい、「万が9999」のための資金を確保することも重要です。



「預金」「保険」「債券」「年金」「投資信託/ファンド」などの言葉の持つイメージに気をつけて

世の中にはいろいろな金融商品があります。

普通預金、定期預金、外貨預金、仕組預金、生命保険、医療保険、がん保険、介護保険、学資保険、国債、普通社債、転換社債、仕組み債…

そんな中、世間一般には言葉の持つ響きとして、以下のような順位で安全性が高く堅実と思われているのではないでしょうか。特に4番と5番の間には大きな隔たりがありそうです。

1. 預金
2. 保険
3. 年金
4. 債券
5. 投資信託/ファンド
6. デリバティブ


販売会社はプットオプションを仕組み預金として組成すれば、「プットオプション売りのオプション料」という非常に危険な投資方法を預金の金利という安全そうな言葉に置き換えることができます。
それによって「プットオプションの売り」という取引は嫌だという人にも「(プットオプションが組み入れられた)仕組み預金/債券」を営業して買ってもらうこともできるわけです。

日経平均リンク債なんてオプションの売りであり、とても素人に勧められるような資産運用商品とは思えないのですが、なぜか素人こそ買っている(素人に売ることができる)という不思議…

「年金」や「保険」についても似たようなことが言えます。「投資信託」は怖くても「変額年金保険」とすると信頼が高くなることもあります。これに販売が銀行員だとさらに信頼性アップでしょうか。


このように言葉が持つイメージを巧く利用することはマーケティングにとって重要です。
しかし、それは売り手側の論理であり、買い手側である個人投資家はそのようなイメージに惑わさらないようにすることが大事です。



「ライフネット生命の代理店手数料開示」に関する後田亨氏の良コラム(日経)

 ・ライフネット生命が風穴 代理店手数料開示の意義 (日経「保険会社が言わないホントの保険の話」)

いつも読んでいる日経電子版の後田亨氏のコラム「保険会社が言わないホントの保険の話」ですが、特にこの10月26日のライフネット生命が風穴 代理店手数料開示の意義は興味深い記事。

ライフネット生命が10月4日にその代理店手数料を開示した(月額保険料の7.5%、最長60ヶ月=最大で5年間で年間保険料の37.5%)ことは他でも報じられました。ライフネット生命の手数料水準は相対的に安い水準のようで保険業界の関係者以外からはかねがね好意的な反応です。
このコラムではオリックス生命のCUREと比較していますが、オリックス生命のCUREは最大で年間保険料の103%(5年間)ということで、他の報道と同じようにライフネット生命の手数料が安くて代理店があまり儲からないレベルだということを書いています。

しかし、私がこのコラムを推す本質はそこではありません。

以下のような記述があります。

手数料に注目すると、ライフネット生命の商品の方がお客様にとって有利なように感じられると思います。しかし、現実はそれほど単純ではありません。次の表を見てみましょう。「CURE」の方が「じぶんへの保険」より保障内容が手厚い上に低価格であることが分かります。(「じぶんへの保険」の手術給付金はオプションですが、比較条件を近づけるため給付金ありのプランにしています)
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これ大事です。テストに出ます。

重要なポイントだけを繰り返します。
「CURE」の方が「じぶんへの保険」より保障内容が手厚い上に低価格であることが分かります。

なんと代理店の受取手数料が5年間で年間保険料65.5%相当も違うのに、オリックス生命の方が保証内容が手厚くて保険料が安いのです。


単純に「代理店の手数料安い=顧客のこと考えている=ライフネット生命万歳」となりがちですが、このコラムでは代理店手数料のみに縛られずに最終的な商品の質をしっかりと比較しています。図らずしも、ライフネット生命は代理店の手数料が安いことを開示したことで(少なくともオリックス生命に対しては)他の要素が高く設定されることも明らかになりました。

それに気づかせてくれる良いコラムです。


なお、これだけ書くとまるで私がライフネット生命を批判しているかに聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。付加保険料の開示に始まったライフネット生命が進めている保険のコスト開示は非常に高く評価しています。

(その多くが保険相互会社で始まり、その形態を維持する会社もあるのが保険会社です。その存在が契約者に対して情報を公開しないというのは何か筋が違うんじゃないかとも思ったりしています)



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