一般論として書きます。
「就活学生はまずは大企業を目指すべきです」
最近の新卒内定率の低さにつけこんでか、大企業を叩いて学生は中小企業を目指すべきかのような意見が多く目に付くようになりました。
※参考:『城繁幸氏の発言に考える、オピニオンリーダーが過激になっていく理由』
そこで当たり前の話を書いておきますが、どう考えても一般的には大企業の方が有利です。
まず、各種データから示されるように大企業と中小企業では給与が違います。以下は平成21年の民間給与実態統計調査の結果です。
あきらかに規模に応じて給与が増えていきます。また、福利厚生などについても大企業の方が手厚い傾向が強くなっているので、報酬では大企業を選ぶのが極めて合理的です。
日本を代表する大企業の正社員ともなれば、そこそこの給与はもらえます。30代で年収1000万円が見える企業もありますし、そこまでいかなくても30歳でまず年収400万円は超えます。
世の中にはワーキングプアが増えているという話もあり、ワーキングプア層の人生への満足度が高いという話はありません。そして、30歳で400万円以上はもらえる大企業社員はワーキングプアには含まれず、非正規社員や中小企業社員などとなります。
大企業の終身雇用が崩れてきたことを理由に大企業を批判する向きもありますが、それを悪だといえば中小企業の方がもっと悲惨です。中小企業で終身雇用を考える方が無謀でしょう。
仕事の楽しさについても誤解があります。自立してユニークな試みをしている中小企業もありますが、多くの中小企業は大企業の依頼を受けたり、多くの妥協の末に仕事を受注しています。だからこそ下請けイジメという言葉があり、それを規制しようとする法律まであります。大企業の支配下にある中小企業は多く、顧客である大企業の言いなりです。このような大企業の満たす要求に応えることに精一杯な中小企業では自由な仕事はできません。
また、ブラック企業と言われる仕事環境の劣悪さでは中小企業も負けていません。2ちゃんねる発で映画化も書籍化もされた『>ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』という話もありますが、仕事環境が劣悪な中小企業は多数あります。大企業にも劣悪な労働環境はありますが、中小の方がその比率は多いでしょう。
先日、大企業代表のような企業に勤める知人たち何人かとも食事をして話をしてきましたが、全員が全員大企業肯定派です。給与はいいし、福利厚生はいいし、大きな仕事ができるし、リストラされても転職できそうだし・・・といい話ばかりです。
このように、個別企業の善し悪しは別にして、集団として比較した時には一般的には大企業の方がよいでしょう。
巷で増殖している「中小企業はいいぞ」という人たちの意見は重大な欠点があります。
確かに個別の企業を見ていけば中小企業でもいい職場はあります。大企業だと組織の歯車になる年代でも自由に自分のやりたいことをできる職場もあります。
でもね・・・そういう会社に勤めて自由な発想をできて楽しく仕事ができる人は、ある程度の能力があって大企業を受けても採用されるような人です。
選択可能な環境で中小企業を選ぶのは個人の選択です。しかし、大企業を批判して中小企業を狙えという人たちが話しかけているのは、なかなか内定を取れないような学生です。中小企業に行けば誰でも自由に仕事ができて稼げるわけではありません。能力があるからこそ自由に仕事ができて、大企業勤めの同期より稼ぐこともできるのです。その能力がない人に向かって安易に中小企業でいいというのは、優しい顔をして弱った人と更に叩く行為に他なりません。
不況による大企業のリストラのニュースや就職難を幸いとして、大企業叩きをするのはまだ構いません。
しかし、それをネタに社会のことなど分かっていないほとんどの大学生を中小企業に進めようとする行為は賛同できません。
「大企業がいい時代なんて終わった。これから中小企業だ」は違います。
もちろん、やりたい事が決まっていて中小企業を目指すような人は上の話は当てはまりません。上の話は何も社会のことなど分かっていない95%の大学生を念頭においての意見です。
「就活学生はまずは大企業を目指すべきです」
最近の新卒内定率の低さにつけこんでか、大企業を叩いて学生は中小企業を目指すべきかのような意見が多く目に付くようになりました。
※参考:『城繁幸氏の発言に考える、オピニオンリーダーが過激になっていく理由』
そこで当たり前の話を書いておきますが、どう考えても一般的には大企業の方が有利です。
まず、各種データから示されるように大企業と中小企業では給与が違います。以下は平成21年の民間給与実態統計調査の結果です。
1〜9人 : 344.3万円 10〜29人 : 407.5万円 30〜99人 : 405.7万円 100〜499人 : 429.3万円 500〜999人 : 473.2万円 1,000〜4,999人 : 507.4万円 5,000人以上 : 542.5万円 |
あきらかに規模に応じて給与が増えていきます。また、福利厚生などについても大企業の方が手厚い傾向が強くなっているので、報酬では大企業を選ぶのが極めて合理的です。
日本を代表する大企業の正社員ともなれば、そこそこの給与はもらえます。30代で年収1000万円が見える企業もありますし、そこまでいかなくても30歳でまず年収400万円は超えます。
世の中にはワーキングプアが増えているという話もあり、ワーキングプア層の人生への満足度が高いという話はありません。そして、30歳で400万円以上はもらえる大企業社員はワーキングプアには含まれず、非正規社員や中小企業社員などとなります。
大企業の終身雇用が崩れてきたことを理由に大企業を批判する向きもありますが、それを悪だといえば中小企業の方がもっと悲惨です。中小企業で終身雇用を考える方が無謀でしょう。
仕事の楽しさについても誤解があります。自立してユニークな試みをしている中小企業もありますが、多くの中小企業は大企業の依頼を受けたり、多くの妥協の末に仕事を受注しています。だからこそ下請けイジメという言葉があり、それを規制しようとする法律まであります。大企業の支配下にある中小企業は多く、顧客である大企業の言いなりです。このような大企業の満たす要求に応えることに精一杯な中小企業では自由な仕事はできません。
また、ブラック企業と言われる仕事環境の劣悪さでは中小企業も負けていません。2ちゃんねる発で映画化も書籍化もされた『>ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』という話もありますが、仕事環境が劣悪な中小企業は多数あります。大企業にも劣悪な労働環境はありますが、中小の方がその比率は多いでしょう。
先日、大企業代表のような企業に勤める知人たち何人かとも食事をして話をしてきましたが、全員が全員大企業肯定派です。給与はいいし、福利厚生はいいし、大きな仕事ができるし、リストラされても転職できそうだし・・・といい話ばかりです。
このように、個別企業の善し悪しは別にして、集団として比較した時には一般的には大企業の方がよいでしょう。
巷で増殖している「中小企業はいいぞ」という人たちの意見は重大な欠点があります。
確かに個別の企業を見ていけば中小企業でもいい職場はあります。大企業だと組織の歯車になる年代でも自由に自分のやりたいことをできる職場もあります。
でもね・・・そういう会社に勤めて自由な発想をできて楽しく仕事ができる人は、ある程度の能力があって大企業を受けても採用されるような人です。
選択可能な環境で中小企業を選ぶのは個人の選択です。しかし、大企業を批判して中小企業を狙えという人たちが話しかけているのは、なかなか内定を取れないような学生です。中小企業に行けば誰でも自由に仕事ができて稼げるわけではありません。能力があるからこそ自由に仕事ができて、大企業勤めの同期より稼ぐこともできるのです。その能力がない人に向かって安易に中小企業でいいというのは、優しい顔をして弱った人と更に叩く行為に他なりません。
不況による大企業のリストラのニュースや就職難を幸いとして、大企業叩きをするのはまだ構いません。
しかし、それをネタに社会のことなど分かっていないほとんどの大学生を中小企業に進めようとする行為は賛同できません。
「大企業がいい時代なんて終わった。これから中小企業だ」は違います。
もちろん、やりたい事が決まっていて中小企業を目指すような人は上の話は当てはまりません。上の話は何も社会のことなど分かっていない95%の大学生を念頭においての意見です。