吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



三菱UFJ投信

eMAXIS新興国株式 ダメ出しは早計かな!?

私も先のエントリーで書きました。多くのブロガーの方も書かれています。


eMAXIS新興国株式の信託報酬以外のコストが高い!!


しかし、これだけでeMAXIS新興国株式にダメ出しするのは早計、というのが私の今の判断です。


まず、一般的な話として、設定時には余計にコストがかかる可能性があります。規模が小さいうちはカストディアンに払う保管料の総資産に占める割合も高くなるでしょう。このあたりは次回の決算を見ても何らかの改善がみられるかと思います。



ただ、それよりも気になるのは決算書の中身です。
決算書によると、eMAXIS新興国株式インデックスの期間中のパフォーマンスは-2.1%であり、ベンチマークとの乖離の説明をまとめると以下のようになっています。


【ファンドのパフォーマンスとベンチマークとの乖離要因】
ベンチマーク-2.5%
ファンドのパフォーマンス-2.1%
ファンドの管理コスト等による影響-0.1%
組入比率要因-0.2%
銘柄選択要因+0.7%
(マザーファンドの)コスト要因-0.2%
その他の要因+0.2%
    ◎コスト要因
     売買にかかるコストおよび保管料等による影響
    ◎その他の要因
     その他配当・利子収入などによる影響


不思議です。
これを読む限りでは、かかったコストは以下の2つだけとも読めます。
  ○ファンドの管理コスト等による影響:-0.1%
  ○マザーファンドのコスト要因:-0.2%

単純計算では-0.3%になります。仮に両項目の最大値を想定しても-0.15%(弱)と-0.25%(弱)なので、-0.4%弱です。最小で想定すると-0.05%と-0.15%の-0.2%です。
これが3ヶ月の決算なので4倍しても、-0.8%(最小)〜-1.6%(最大)
仮にこの計算が正しいとすると、巷で言われているような単純計算で4%超になるような数字にはなりません。十分に優秀な数字です。




これは私が何かを見落としているからだと思うのですが、何でしょう・・・

私は参加しませんが3/10のブロガーと三菱UFJ投信の会議で、このあたりが明らかになることを期待しています。







eMAXISの決算

じゅん@さんの投信で手堅くlay-up!eMAXISインデックスファンドシリーズの運用報告書というエントリーで知ったのですが、eMAXISの決算が出ました。

そこで設定から1月末までの3ヶ月間の費用についての記載があります。
詳しくはじゅん@さんのエントリーに譲るとして、雑感を。


TOPIX、日経平均、国内債券、国内REITは信託報酬が10-11円でその他コストが0ときわめて優秀です。
これらの4ファンドは信託報酬が0.42%です。基準価額が1万円前後ということを考えると0.42%の3ヶ月分だと0.105%≒10円となりますね。
先進国株式、先進国債券は信託報酬が15-16円でその他コストが1円と優秀。
これらの2ファンドは信託報酬が0.63%ですので、0.63%×1/4=0.1575%≒16円ですね。


先進国REITと新興国株式については、年金積立やSTAMの先例からもその他コストが大きくなるだろうとは想定していました。そして先進国REITの信託報酬15円/その他コスト13円は予想の範疇です。

しかし・・・新興国株式の信託報酬15円/その他コスト86円は予想外です。
設定時だけの費用が大部分を占めているなら4Qでならすとある程度緩和されますが、そうではなく恒久的にかかるコストの割合が多いとなると、コスト面で厳しい。
このあたりは次の決算を待つこともできますが、近々にブロガーとのミーティングがあるようなのでそこで何らかの説明がされることに期待です。

ただし、決算書にコスト要因は△0.2%と書いてあるのは気になります。信託報酬+その他コストの101円であれば0.2%ではすみません。コスト要因は信託報酬のみの記載なのでしょうか?そうするとその他コストの86円の要因がどこに書かれているのかが気になります。
これはコストの問題というよりは決算書の記載内容の定義の問題ですが、決算書を読む場合にはその定義が分からなければ意味がありませんので、はっきりしたいところです。



eMAXISシリーズ 総資産50億円突破

私も先進国株式、新興国株式のアセットで投資しているeMAXISシリーズ。
どうもシリーズの8本のファンドの合計で資産総額が50億円を突破したようです。(^o^)/


eMAXIS-20100302



個別で見ると、新興国株式が20億円突破、先進国株式が10億円を突破しています。

2009年10月末の設定で2010年3月頭に50億円突破(運用開始時に5億円の自己資金を入れているので、増分は45億円)をどう捉えるか。

大手証券会社の投資信託の場合は設定時点で数百億円を集めるファンドもあります。それと比較すると4ヶ月で1/10以下というのは大したことはないかもしれません。しかし、ネット販売限定ということなどを考えると悪くない水準だと考えていますが、皆さんはどう考えますでしょうか?



今の日本の投資信託環境では、コストが最安水準のeMAXISシリーズを吊られた男は応援しています。



eMAXIS vs グロソブ

2010年1月25日時点でeMAXISシリーズ8本の合計資産額が34億円を突破しています。

稼ぎ頭のeMAXIS新興国株式インデックスファンドは13億円超になりました。
設定時点で100億以上を集める野村などの大手証券会社の大型ファンドなどとは比べ物になりませんが、着々と資産を積み上げているようです。
先行するSTAMシリーズとは客を取り合うような形になっており、外国株を対象とする国内ETFの参入もありますが、今後の総資産額の増減には注目しています。




ここからが今日の本題です。


上で大型ファンドといいましたが、日本を代表する大型ファンドといえば何といってもグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)、通称グロソブです。


「eMAXIS vs グロソブ」は注目の対決です。



何故「eMAXIS vs グロソブ」が気になるかというと、その運用会社にあります。
 ・グロソブ→国際投信投資顧問
 ・eMAXIS→三菱UFJ投信

国際投信投資顧問、三菱UFJ投信共に三菱UFJフィナンシャル・グループの一員です。

グロソブに代表される国際投信投資顧問の投資信託の考え方とeMAXISの投資信託の考え方は全く違うかと思います。

●グロソブ/国際投信投資顧問
信託報酬を引き下げても、お客さんにとって、たいしたメリットにならないと思う。それよりは販売会社とともに、セミナーなどを通じた情報提供に力を入れていくべきだと考える」 (山内氏)

●eMAXIS/三菱UFJ投信
幅広い品揃え」と「低く設定された信託報酬」。
自分自身で投資を考え、実践する投資家のみなさまに本当に必要なものは何か? 投資の基本に立ち返って私達が考えた答えがここにあります。


両者の考え方はかなり違います。

コストに関しては、低くてもメリットにならないと言う国際投信とメリットと言うeMAXIS。
販売会社と協力したセミナーなどの情報提供が重要と言う国際投信とコストが掛かることを避けてネット販売だけのeMAXIS。


同じグループの中で、このようにコンセプトが全く異なるスタイルなのですが、両者はうまく生存できるのでしょうか?



eMAXIS -「ネット投資家向け投資信託を考える」ブロガーミーティング報告

11月6日に開催されたeMAXIS設定にあわせて開催された三菱UFJ投信の「ネット投資家向け投資信託を考える」ブロガーミーティングに参加してきました。

全体的な構成は当初のアジェンダ通りで以下の通り。
(1)プレゼンテーション
    企業の紹介、投信業界の現状、新商品の説明
(2)質疑応答
(3)個人ワーク、グループディスカッション
(4)意見交換会


私の曖昧な記憶を頼りにメモ。


(1)プレゼンテーション
三菱UFJ投信の方(代田氏)のプレゼンでした。
まずは三菱UFJ投信の現状(業界順位、取り扱い資産の割合など)が説明され、その後はeMAXISのコンセプト、ETFブランドのMAXISのコンセプトの説明がありました。

○eMAXISの出発点
現状の投信顧客はリタイアメント層の大口投資がメインストリーム。しかし、資産形成層の小口投資が拡大中。資産形成層は年金不安&ネット世代
→ネット投資家向け投信のチャンス

○ネット投資家向け投信の要件
  • シンプルな商品を豊富に品揃え
    →市場を代表するインデックスで多数の商品
  • ノーロードかつ魅力的な信託報酬水準
     →目論見書の申込手数料が0 & ほぼ最安水準の信託報酬
  • 複利志向の分配方針
     →分配は最低限に抑える

○eMAXISの信託報酬について
シンプルさを追求して国内は40ベーシス、海外は60ベーシス。今後に設定するものも同じ方針にしたい。

○MAXIS(ETF)戦略
現時点で保有コストは最安のETF。
資産クラス、スタイルを拡充していく。MAXISとeMAXISは補完関係。
→将来的にはeMAXISにあるようなアセットのMAXISが誕生?

○プレゼンテーションでのその他メモ
  • 無分配はできない
    租税法で明確に規定されているわけではないが、利益が出ているのにずっと無分配にすることはできない。分配する必要が生じた 時には最低限の分配をすることになる。
  • eMAXISは目論見書の時点で申込手数料が0
    ライバル(?)のSTAMは目論見書上の申込手数料は最大3.15%。
  • eMAXISの知名度
    今インターネットで"eMAXIS"で検索するとブログの記事が上位で、eMAXISの専用ページが下のほうに表示されてしまっている(笑)
  • ETFの流動性
    ETFでは流動性が問題視されるが、出来高≠流動性。場外・相対取引があるので、出来高だけで流動性は測れない。


(2)質疑応答
Q:採算ライン/当面の目標の資産高は?
A:安定的にやっていけると言えるラインは500億円。
 (テレビ東京で500億円と言ったところ、3ヶ月で500億円と付加
  情報を足されてしまい困ったとのこと)

Q:資産が集まらないから償還ということは?
A:断言はできないが、中長期(10年)というスパンで考えているので
  すぐに償還ということはない。

Q:既存同種ファンドと別にeMAXIをS立ち上げたのは何故?
A:既存投信の条件変更では約款の変更などの手間がかかる。
  また、運用実績があると分配実績などがあり簡単に方針の変更は
  できない。投資家の方々に訴えるためにも1から作った方が良いと
  判断した。


(3)個人ワーク、グループディスカッション
三菱UFJ投信の方とブロガーが混ざる形で2グループに分かれてQ&Aに近い形のディスカッションでした。私がいた方のグループを中心にメモ。
  • ここでも質疑応答でも出た話だが存続が心配という声有り。
  • [ブロガーリクエスト]配当込みベンチマークとの比較、その他コストまで含んだ過去のコスト実績を簡単に見られるように情報提供してほしい。
  • [ブロガーリクエスト]過去の運用報告を全部見られるようにしてほしい。
  • 利幅が薄い商品だけあって、販売会社(ネット証券)との交渉はそれなりに大変な模様。当初は販売開始時にネット証券大手4社体制で販売したかったが残念ながら1社だけ脱落とのこと。
  • [ブロガーリクエスト]欲しいファンド
    • バリューインデックス
    • フロンティアマーケット株式
    • 各地域別インデックス株式
    • 低コストなアクティブファンド
  • 直販には顧客の管理他のコストがかかるので、直販はやらない。運用に特化することで低コストを実現していく。
  • 信託財産留保額の設定は社内でも運用部門と営業部門などで議論があったところ。信託財産留保額0のファンドは、ぶら下がるベビーファンドがたくさんあり総資産が積み上がっているマザーファンドがあるアセット。これらのファンドは過去の実績からも、eMAXISだけでは解約超過でも他ベビーファンドの動きがあるのでマザーファンドでは売却は不要となる可能性が高い。そのために解約者の売却コストはそれほど継続保有投資家の負担にはならない。信託財産留保額が設定されているのはそのような大きなマザーファンドが無いアセット。


(4)意見交換会
  • 投資家教育は販売側の役目で、運用会社としては直接は関われる分野ではない。しかし、そのためのツール提供はしていく。
  • 現在は特に宣伝は打っていない(各ネット証券でバナーを貼ってもらっているくらい)だが、もう少しアピールしていく予定。


吊られた男が個人的に三菱UFJ証券の方と話をした中でのファンドの運用体制についてのメモ
  • ファンドの運用はチーム体制
  • 運用チームは主にアセットによって分かれている
  • チームで複数の類似ファンドを運用している(必ずしも類似なら全部同じチームがやるというわけではない?)


eMAXISについての吊られた男の評価
このミーティングは「ネット投資家向け投資信託を考える」ブロガーミーティングということで、決してeMAXISのミーティングではなかったのですが、やはりメインテーマはeMAXISということで、eMAXISへの評価です。
##簡単に褒めると「どうせ宣伝してなんて言われているんだろ」と
##思われそうなので、あまり褒めたくはないのですが・・・

eMAXISと三菱UFJの考えは好評価します。
一部ではeMAXISより信託報酬が低いファンドもありますが(私も投資しています)、現状では最高クラスのファンドシリーズだと思います。ノーロード&低信託報酬ということもありますが、信託財産留保の無いファンドも顧客へのコストインパクトが無い(小さい)ことをしっかり考えているようにファンドのベースとなる考えもしっかりしています。
「コストを抑えるために直販はしない」というような考え方も好きです。

良くできたファンドブランドですし、良いブランド戦略だと思います。


なお、私は販売開始日からeMAXIS新興国株式を買い始めています。


吊られた男が要望したこと
  • あったら良さそうなファンド
    • フロンティアマーケット株式
      このエントリーでも書いたように、新興国(MSCI KOKUSAI)までだと必ずしも将来が有望されそうな国々まで入っていないので
    • 各地域別インデックス(orアメリカ除くインデックス)
      KOKUSAIはアメリカ比率(約50%)が高すぎるという声が多い。EUROPEやPACIFIC ex JAPANのような地域別のインデックスがあれば、それを買い足すことでアメリカ比率を下げられる。または、WORLD ex USAやEASEA(=EAFE ex JAPAN)あたりは面白そう。
    • バリューインデックス
      あったら面白い。最近では単純なアクティブorインデックスだけでなく、コア&サテライト戦術も知名度を得てきている。サテライトに使えそう。
    • eMAXISのような低コストアクティブブランド
      バリューインデックスに同じ。

  • 情報提供
    • 配当込みインデックスとの比較
      ベンチマークではないが、ベンチマークと同様に配当込みインデックスとの比較があると嬉しい。

    • コスト実績実質コストの過去の実績を分かりやすく公開して欲しい。(私のSTAMの実質コスト調べのエントリーにアクセスが多かったが、需要がありそう)今は決算報告書から計算しないと分からないのが困る。



・三菱UFJ投信のeMAXIS専用サイト



私の著書 - ズボラ投資
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