吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



レポート

杉田浩治氏の『投資信託の制度・実態の国際比較』は投資信託制度国際比較の決定版? 

toushin_report

日本証券経済研究所は投資信託などに関するレポートを出していますが,ここには面白いレポートがいくつかあります。

以前にもオプトイン⇒オプトアウトによって投資へ誘導するなどで紹介させていただきました。

そんな日本証券経済研究所のレポートですが,最近も面白いレポートがありましたので,ご紹介したい。
杉田浩治氏の投資信託の制度・実態の国際比較というレポートです。これまでも何回かに分けて発行していましたが,それをまとめた全96ページの大作になっています。
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本を読もう。いやいやレポートを読もう

最近のインターネットの世界にたくさんの情報があふれています。
インターネットニュースのみならず、私もその情報垂れ流しの一人ですが、Twitterや2chなどの掲示板やQAサイトやブログなど、多くの情報があふれています。この中にはくだらない情報もありますが、有意義な情報もたくさんあります。
私も含め、このような環境にあると、ニュースサイトやブログなどで得た情報である程度満足しがちです。

そんな中で「本を読みましょう」という意見も多く聞きます。私も賛同します。
本には多くの有益な情報が詰まっています。1つのテーマに絞って校正をして書かれているだけあって、読みたいテーマが決まっている時には明らかにテレビやブログやニュースサイトなどが提供する情報より有用です。(もちろん、本全てが優れているわけではない)

例えば、
●インデックスファンドの有用性について


●放射線の人間への影響について(安全派よりな立場)


これら1冊でその分野は完璧とは言いませんが、ブログやTwitterでしたり顔で書き散らかされている情報を何日、何週間にわたって追うよりもしっかりとした情報を得られます。本は依然として有用です。


ここまでは序文。

その上で、「レポートを読む」ことを強く推奨したい。これが本題。
上にも書いたように本も良いですが、本も情報のサマリーであることが多くなっています。また、読み物ということでやや冗長的です。その分だけ論理やデータの裏づけが薄くなっています。
そこで推奨したいのが「レポートを読む」こと。

(忙しくて読めていませんが)先日見つけて面白いと思っているレポートは、労働政策研究・研修機構(JILPT)の『最低賃金の引上げによる雇用等への影響に関する理論と分析』です。このレベルの情報はブログなどではなかなか手に入りません。

野村総研の『NRI国際年金研究シリーズ』などは諸外国の年金制度など、ブログレベルではなかなか手に入らないような情報が提供されています。
海外の年金情報でも「簡単なものがいい」という人には『諸外国における公的年金役割後退の対応策』(野村資本市場研究所)のようなレポートもあります。これも概要レベルですが諸外国の年金制度についての記述があり有用です。


レポートを読むことは、ネットサーフィンをしてブログやQAサイトなどを飛び回るよりも効率的に有用な情報を入手できます。ブログは「僕はこう思う」「あの人はこう言っている」という話であり、自らデータを分析して公表しているようなブログはほとんどありません。データ好きを公言する私もなかなかそこまでする気にはなりません。
レポートでは研究成果などを正確に伝えることが目的となっており、実際に分析や理論の検証を行っているので、一般の本よりも更に深いレベルの知見が手に入ります。(一般書が参考資料として挙げているのが、主に研究レポートなどなので、当然と言えば当然ですが)


放射線関係では、チェルノブイリ事故のデータをUNSCEAR(国連科学委員会)が2008年に報告した『Health effects due to radiation from the Chernobyl accident (2008)』なども参考になりました。
原典は英語なのですが、健康被害部分だけサマリーして翻訳したものが、『国連科学委員会報告2008年チェルノブイリ事故の放射線の健康影響について』として国立がんセンターのページにも掲載されています。
国立がんセンターのサイトにある日本語版を読んでから、原典の該当箇所と思われる部分にあたって、その前後を読んでも面白いかと思います。

このようにレポートには非常に役立つ情報が散りばめられています。こんな素晴らしいモノが無料で配布されているのですから、読まない手はありません。
 (※ブロガーはネタ集めにもなります)



[メモ/JETROのレポート] 『欧州の雇用制度一覧』、『欧州フロンティア諸国の投資環境比較』 by JETRO

欧州各国の雇用制度一覧
欧州フロンティア諸国の投資環境比較

これらは興味深い資料ですので、メモ。

労働問題などを語る時によく「欧米は〜」などと書かれていることは多いが、実際にその内容が示されていることは少ないので、特に上の資料は使えます。
下の資料もなかなか情報が出てこない欧州のフロンティア諸国の環境の概要を知る基礎資料としては非常に使えそうです。



以上、メモでした。



『ETFと市場の流動性 -出来高増加のために必要なもの-』

ETFと市場の流動性 -出来高増加のために必要なもの-

こんな興味深いタイトルのレポートがありました。


総合的な内容については個人的にはかなりがっかりだったのですが、面白い示唆もあったのでそこだけご紹介。


 銘柄によるばらつきはあるが、一般論として、銘柄数や、出来高は増加傾向にあるが、必ずしも、出来高の絶対水準は大きく増えていない。
まずはこのように(大証上場ETFの)出来高が多くないという認識を持っている。世間一般と共通の認識だろう。

 はじめに、この問題に対する筆者の結論を述べれば、これらのETF に関しては、流動性が少ないため、価格が理論価格と乖離し、そのことが、ますます流動性を少なくさせている可能性があると思われる。
先の文に続けて、問題に対する結論としてこれが書かれているが、結論なのかは少し疑問。増加傾向にあるが増加スピードが鈍いに対する結論が、流動性が低下しているではどうにも釣りあわない。マイナス要因ということではあっても・・・増えてはいるんだよねと。ここでちょっと興味を失った。

しかし、次は少し面白い。これが本題。
 一般的に、ETF の乖離を減らすには、同じ指数を対象とした先物取引があって、ETF の裁定取引が活発化し、理論価格との乖離が少なくなることが必要である。
ETFの出来高/流動性増加には先物を入れての裁定取引を刺激することが重要と言うのは面白い示唆だった。

本当にそうなのかは疑問があるところだが、
「同じ指数に連動する商品を複数用意する、アービトラージャーを引きつける。」
これにはある程度の説得力を感じる。

このレポート筆者の渡辺信一氏は先物に限定しているが、これはETFでもいいのかもしれない。同じ指数に連動するETFを2つ用意するのもありなのかも。一見、「同じ指数に連動するETFが2つあっても意味ない」と感じるかもしれないが、そうすることでアービトラージが活発になって、流動性が増して乖離率が下がるかもしれない。

これは面白い示唆だった。



おまけ
6 結論
 最近上場されたETF に関しては、流動性が少ないため、価格が理論価格と乖離し、そのことが、ますます流動性を少なくさせている可能性があると思われる。
 一般的に、ETF の乖離を減らすには、同じ指数を対象とした先物取引があって、ETF の裁定取引が活発化し、理論価格との乖離が少なくなることが必要である。
 したがって、日本でETF を普及させるには、言い換えれば、ETF の出来高を増やすには、銘柄の魅力を増やして、流動性を高めることが必要である。
最後の1文が疑問。ここまで分析や説明をしておいて、どうして「銘柄の魅力を増やして、流動性を高めることが必要である。」という文で結ぶのか。これは課題ややりたいことであって、そのために先物を出すとかそういう話ではなかったのか・・・



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