吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



リフレ

インフレ率と失業率の関係 (続・やはりよく分からないデフレが治れば何でもできる論)

先の「やはりよく分からないデフレが治れば何でもできる論」の後篇です。

前回はインフレ率のみを載せましたが、その時に景気がどうなっているかを比較してみたいと思います。比較する指標として庶民の景気の目安になりそうな失業率を並べてみます。(GDPを使うと、GDPが増えても雇用が増えないとか給与が増えない…で意味が無いという反論も出る)

下の背景黄色部分がインフレ率と失業率の相関係数です。同年と書いたのはその年のインフレ率と失業率の相関係数です。
※インフレ率と失業率の相関なので、相関係数が高いとインフレ率が上がると失業率が上がる関係
Inflation_employee

これを見る限り、インフレ率と失業率の間の相関は-0.66〜0.63となっておりバラバラです。少なくとも同時期のインフレ率と失業率の間には明確な関係は読み取れません。

因果関係があっても効果が出るのに時間がかかることもあります。
時間差を考慮して「ある年のインフレ率が1年後の失業率に影響を与える」のではないかと考えた場合の相関係数も計算してみました。それが、「1年後」です。
データが10年分での分析ですので、1年後にずらすと「2011年のインフレ率→2012年の失業率」が最後となってN数が9になっています。これを見てもインフレ率と失業率に明確な傾向はなさそうです。

上のようにマイルドなインフレを実現していながらも高い失業率と財政問題を抱える国を見ると、デフレを克服してマイルドなインフレになれば一気に全てが解決するかのような話には大いに問題があるように思えます。







やはりよく分からないデフレが治れば何でもできる論

選挙の争点の一つに日銀法の取り扱いが出てくるように日銀の政策が注目を集めています。
さらに言うと、デフレ克服に向けた日銀のさらなる緩和に注目が集まっています。「日銀がデフレ対策をしないから日本は長年苦しんで不況なんだー」という勢力すらあり、彼らはデフレが諸悪の根源でデフレさえ解決すれば全てがうまくいくかのような主張すらしています。

しかし、インフレ・デフレと好景気・不景気の関係(The Goal)ではイギリス及びアメリカが取り上げられていますが、非デフレ(数%程度のインフレ)の国でも景気に大きな問題を抱えている国が多々あります。

注目を集めているいくつかの先進国の過去10年のインフレ率のデータを見てみました。(発展途上国は急成長&高インフレの国が多く比較には不適と判断したため)
Inflation_Rate
(データはIMF The World Economic Outlook 2012/10 Edition。2012年は予測値)

敢えて国名は伏せましたが6か国を抜粋しています。多くの国は2009年にインフレ率が下がって、いくつかの国ではマイナスになるほどでしたが、その後インフレ率はプラスに戻って1%〜4%台というところです。B国あたりは2009年の前が2%〜3.5%で、そこに戻ったというところか。
A国の2010年、E国の2011年のように4%というのは少し高いかもしれませんが3%台くらいまではマイルドなインフレと言えるのではないでしょうか。(実際各国が好景気に沸いた2005-2007年は2-3%台)

A〜Fに国名を入れると下記の通りです。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインとユーロ圏で話題の国々及び、インフレ・デフレと好景気・不景気の関係(The Goal)も取り上げられたイギリスとアメリカです。
Inflation_Rate

ポルトガルやスペインは2009年のインフレ率マイナスから見事に立ち直ってインフレ率はプラスですが、日本と違って景気や雇用の状況が素晴らしいという話は聞きません。

このヨーロッパの問題諸国のインフレ率を見る限り、デフレを克服さえすれば景気は良くなるというストーリーが成立するようには思えません。



リフレ派(絶対デフレ退治派)に嬉しいニュース

2011年3月1日の報道ステーションを見ながらエントリーを書いています。
報道ステーションでも取り上げられていますが、「日本の不況脱却にはデフレ退治」とされる方々には嬉しいニュースが続いています。

コーヒー価格が上がっています。

タイヤ大手もタイヤを値上げしました。
燃料サーチャージも上がりました。
ガソリンも上がりました。
小麦の政府売り渡し価格も上がりました。
少し変わり種では高齢者の自動車保険料も上がりました。
私立高校の学費も値上がりしました。


これらのように各種商品値上げのニュースが出ています。まだ一部の商品のわずかな価格だけなので全体への影響は小さいですが、徐々に物価上昇の芽が出ています。
小麦、コーヒー、トウモロコシ、大豆などはもっと投機筋に頑張ってもらって今から何倍にも上がることに期待でしょうか。そうなれば嫌でも最終価格を上げざるを得なくなります。
原油も最近はいい感じで右肩上がりですので、最高値を超えて1バレルあたり200ドル越えになってくれれば物価上昇圧力はかなり強まります。

これで日本でインフレが発生すれば景気回復ですかね。



「景気悪化とデフレ」=「インフルエンザと咳」だろう

先のエントリーで皮肉ったエントリーを書いたように、デフレ脱却絶対主義とでも呼ぶべき一部の過激なリフレ派に賛成できません。(アクセス数を増やすにはもっと極端な例にしても良かったかもしれないとは思いますが、それでは信憑性が薄まるので、現実性を残してみました)
デフレ脱却絶対主義者は景気低迷の根源はデフレであり、それさえ解決すれば何とかなるかのような論調です。

でも、違うでしょう。

1週間熱が出て、咳も出るインフルエンザがあったとします。デフレは咳のようなものです。デフレは企業の人件費抑制やそれに伴う消費の減退、投資の縮小などによって引き起こされた現象です。いきなり好景気の真っ只中に突然デフレが現れて、それが景気を悪化させたわけではありません。

確かに咳は苦しい。無ければ無い方がよい。しかし、

(1)咳を止めてもインフルエンザは治らない
上にも書いたように、デフレと景気悪化の関係は咳とインフルエンザの関係。景気が悪化しているからデフレになったのであり、デフレを食い止めることは咳を止める程度で症状は楽になるが景気悪化(インフルエンザ)そのものを解消する決め手ではない。
咳も苦しいから無ければ無い方が良いが、咳さえ止めれば全てがよくなると考えるのは間違え。

(2)咳を止める薬には副作用がある
咳を止めるためにどこまで対策を取るべきだろうか?
例え咳を止めることができたとしてもそれ以上に身体にダメージを与える薬を飲ませるべきではない。インフレに誘導する政策でもその対策による危険性が効果以上に大きいならば効果があってもやめるべきということになる。


一部のリフレを主張する人はどこまでこういうことを考えているのだろうか。



消費税はデフレ対策の切り札

日本のデフレを問題視する意見もありますが、1つ強力な切り札があります。

消費税率引き上げは一石二鳥のデフレ脱却方法です。

過去の消費税設定時や5%への引き上げ時などには見事に増税効果で物価が上昇しました。金利引き下げや量的緩和では効果の程は怪しいですが、広く消費者物価にかかってくる消費税率を上げるとかなり確実に物価引き上げ効果を生みます。

「来年から消費税を2%引き上げる」とすれば、それは2%に近いインフレ効果を生みます。最近の-1%〜0%程度のインフレ率を考えると消費税2〜3%程度引き上げるとリフレ派が主張する緩やかなインフレを引き起こせそうです。

ただし、このやり方の問題は税率を引き上げた時しか効果が続かないことです。一度税率が7%になってしまえば、その翌年も同じ税率なので税率引き上げ分の物価上昇が発生しません。だから一気に10%引き上げて終わりにしてしまうとエコポイントと同じく需要の先食いとなり、税率アップ後に反動がきます。

そこで、更に翌年も2〜3%消費税を引き上げれば、またインフレ圧力をかけることができます。このように毎年消費税率を2%程度ずつ引き上げ続けていけば継続的にインフレに持っていくことも可能です。国が毎年2%ずつ10年にわたって消費税を引き上げると決めれば、毎年2%ずつ貨幣価値が減価していくと考えてどんどん消費を喚起できるかもしれません。

しかも、消費税率を引き上げることで税収増加も期待できそうですから、国の債務削減も狙えて一石二鳥です。

「デフレが日本の諸悪の根源で、どうしても是正しなくてはいけない」というリフレ派の人はこの案を声高に主張してもいいと思うのですが、なかなか聞きません。
デフレが経済停滞の根源ならこれほど効果的な政策もそうはないと思うのですが・・・



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