吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



マネックス証券

マネックス証券が中国国債を取り扱い開始だが

マネックス証券のアナウンスにあるように、マネックス証券が個人投資家向けに中国国債の取り扱いを開始しました。

【通貨】人民元
【利率】年1.00%
【利払日】年2回
【満期】2013年12月1日(既発債)
【申込単位】50万元単位
【申込期限】2011年1月20日(木)〜2011年1月24日(月)9:00

マネックス証券では通常と異なる「抽選」を用いているように募集額以上の応募があることを見込んでいるようです。香港での個人投資家向け募集でも募集額の倍以上の応募があったようなので、強気に出るのも頷けます。

しかし、私はこの商品にはあまり魅力を感じません。

Bloombergのニュースにもありますが、機関投資家の応募でも3年債で年1%となっているので、個人投資家向けが特別劣っているわけではありません。

そのような債券ですが、利率と中国国内の金利の差は気になります。中国はインフレ期待抑制のために金利を引き上げています。中国国内でも短期金利で数%です。
「人民元切り上げ」は実現性の高そうなシナリオで魅力的です。しかし、利率が低いのは人民元高期待分が織り込まれてます。

これを考えるとそれほどの魅力を感じなくなります。1人民元あたり20銭という為替手数料を考えると、少し厳しいところです。


中国国債の取り扱いを始めたマネックス証券はいい仕事をしています。個人投資家には投資の選択肢が増えました。しかし、中国人民元は少し人気過剰でしょう。







"MONEX VISIONβ" ブロガーの声に登場させてもらいました

著名投信ブロガーに聞く!MONEX VISION β』なる企画があり、この第4回に登場させていただきました。(最近でこそアクセス数も多少は増えているものの著名投信ブログに程遠い気がしているのですが、図々しく登場させてもらっています。)

ここでまず注目して欲しいのは(?)、私のポートフォリオ。
このブログでは主に個人口座の投資信託・ETFだけのポートフォリオを公開しておりますが、MONEX VISIONベータの記事では国内債券替わりの定期預金や普通預金なども含めています。より、【吊られた男の資産完全公開!!】に近い形です。


MONEX VISIONβに関してはコメントに書いてあることが、まとめた印象です。

特に素晴らしいと思ったのは【将来のリターン予想が年平均にされがちなところが、このツールは通年表示】というところです。山崎元氏などが良く指摘するように"単年度表示にしてリスクは縮小するような錯覚"を与えるような図の作り方をするのではなく、ちゃんと長期で拡散していくことが分かりやすく素晴らしいです。

また、「どのような方にオススメしますか?」であまり変な宣伝的になっても嫌だったので書かなかったのですが、一番オススメしたいのは「内藤忍氏の『資産設計塾』を読んで、各投資商品の大体の概念と分散投資が重要だと感じた人。でも、どうやってリスクとリターンを計算すればいいのか分からないから計算ツールが欲しいと思っている人」です。内藤忍氏は自分の著書の中に「さて、それでは分散投資でリスクとリターンがどうなるかMONEX VISIONβで確認してみよう」と書いてもいいくらいだと思います。
お互いにこれを意識して作っているのではないかと思えるくらいジャストフィットしている印象があります。


現時点ではβということですから、更なる進化も期待しています。私が期待したいのは玄人向け機能。いろいろな個人投資家の人もリスク・リターン計算やポートフォリオ計算ツールを作っていますが、MONEXがそれと同じ土俵で終わりでは芸がありません。ただ入力したポートフォリオのリスク・リターンを計算するだけではなく、その先が提供されることに期待したいです。



MONEX VISION βを試し中

MONEX VISION β

マネックスから提供されている資産設計アドバイスツールですが、何人かのブロガーが取り上げていたり、マネックスからこのツールのリリースに関して連絡があったりとしているので、試しています。
いろいろお試し中ですが、直感的に使えることや、想定リターンが単年リターンでは通年という点などいい点があります。その一方で、「ここがこうだったら・・・」と感じる点もあります。

ある程度触ってみたら、まとめエントリーを書く予定です。



マネックスが東証コロケーションサービス利用開始 - 最近のマネックス証券けっこう好きかも

ネットのニュースでも取り上げられているので知っている人も多いかと思いますが、マネックス証券が「東証コロケーションサービス」の利用を開始したそうです。

なお、プレスリリースのタイトルにあるようにこれはネット証券初とのこと。
オンライン証券初「東証コロケーションサービス」の利用開始について(プレスリリース)


※コロケーションサービスとは?
英語にするとそのままColocation Service。
IT/ICTに詳しい人は知っているかもしれないが、一般的にはなじみの無い言葉でしょう。これは、【顧客のサーバや通信機器を、自社の施設内(データセンター等)に設置するサービス】です。

今回のマネックスが東証コロケーションサービスを利用する場合は、マネックスの注文処理用のサーバーを東証内に置くことになります。

Q:コロケーションサービスを使うことで何が変わるの?
A:通信処理が早くなります。板情報の取得や注文処理にかかる時間が短くなり、よりリアルタイムでのやり取りが可能になります。


コロケーションの仕組みを聞けば分かる人が多いと思いますが、なぜコロケーションだと早くなるのかをつらつらと書いてみます。

板情報取得を例に挙げて、どうやって私たちエンドユーザの元までデータがやってきているかを簡単に分けると次の5つのステップに分けられます。
Step1:東証システムで板情報を計算
Step2:ネットワークを通じて顧客(マネックス)のシステムへデータ送信
Step3:マネックスのサーバで受け取った情報を処理する
Step4:インターネット回線を通じてエンドユーザの情報端末(PC)へ情報送信
Step5:エンドユーザの情報端末(PC)で受信データ処理&画面表示
さて、この5つのステップで証券会社ではどこを改善できるでしょうか?
Step1は無理です。これは東証のシステムの問題です。アローヘッドが導入されたようにここは東証が対応する話で証券会社は手を出せません。
Step3は分かりやすく可能です。証券会社のシステムなのですからこの処理速度を上げることで、時間短縮できます。
Step4も無理です。これはエンドユーザが利用する回線の話になりますので、証券会社は手を出せません。物理的に遠いところからアクセスされていれば、そこまでインターネット回線を通じてデータを送るので時間がかかります。
Step5も無理です。これは当たり前で、ユーザがどんなスペックのPCを使うかという話で証券会社は手を出せません。

残ったStep2が、今回のコロケーションサービスで対応した部分です。上のStep4でエンドユーザのPCが物理的に遠いと時間がかかると書きましたが、これはシステム間でも同じことが言えます。
同じデータセンターで数メートルの距離でデータ通信するとデータはすぐに届きますが、あるデータセンターのシステムから数十km離れた別のデータセンターのシステムにデータ送信すると距離が離れているので時間がかかります。
そこで同じ東証内に東証のシステムとマネックスのシステムを置くことで時間の短縮化が可能になります。

アローヘッドになって、処理の短縮化はけっこう重要だと思います。アローヘッドではミリ秒レベルで情報が変わっていくので、デイトレーダーのような人には板情報取得や注文処理の速度は重要です。
特定のアルゴリズムに従って細かい差益を積み重ねようとしても通信時間がかかっていては、その注文処理を出すまでに時間がかかってしまい約定しなかったり、思っていないレートで約定したりすることがあるでしょう。


この東証コロケーションサービス利用は、いいサービス変更でしょう。
BOOM証券買収といい、こういうマネックス証券の動きは好きです。

少し前までは
 ・楽天→先陣を切るイノベーター
 ・SBI→同業他社(楽天)のサービスに常に追いつき、常に最安水準の料金を掲示
 ・マネックス→上記2社に時々ついていけない
というイメージでした。昔からマネックス証券を使っている人は「マネックスは昔は革新的でユーザのことを考えていて・・・」という人がいますが、最近は上のような状況だったでしょう。現在もマネックスが楽天証券やSBI証券の提供するサービスについていけていません。
そこでマネックスはどうするのかと思っていましたが、BOOM証券買収や東証コロケーションサービス利用のように差別化へ向かったのはGoodです。どうせ取扱商品拡充&手数料競争では楽天&SBIに勝てそうにありません。勝ち目の無い舞台へ上がるより、こういう差別化に挑戦する方が面白いでしょう。

エンドユーザにしても嬉しい話です。安い手数料が良ければ楽天やSBI、特殊なサービスを利用したければマネックスと使い分けができます。
最近のマネックス証券の動きはけっこう好きです。



「ピクテの新インデックスファンドシリーズに関する説明会」に参加してきました

5月10日にピクテ投信×マネックス証券で開催された「ピクテの新インデックスファンドシリーズに関する説明会」に参加してきました。

説明会のスピーカーは次の2名でした。
 ◎ピクテ投信投資顧問株式会社 北根久之氏
 ◎株式会社マネックス・ユニバーシティ 内藤忍氏


説明会はピクテの新ファンドである以下の2ファンドが優れている点(高品質)の紹介を軸に話は展開したのですが非常に興味深い良い説明会でした。
 ※ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ - 中国H株
 ※ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ - ブラジル株


ピクテ新ファンドの高品質な点に従った説明会内容のサマリです。


●ピクテ新ファンドのここが高品質 - その1
購入時の信託財産留保額がある
ブラジルファンドでは購入時2.6%、解約時に0.6%、中国H株では購入時・解約時共に0.4%の信託財産留保額が設定されています。

投資信託の仕組みとして、流入してきた新規資金で株式等を買うのにかかる手数料は新規投資した人だけでなく、投資信託内の全投資家での割勘になります。そうすると昔から投資している人は、新規流入資金があるたびに割勘をさせられるのでコスト負担が大きくなります。
そこで、コストに見合った信託財産留保額を設定したとのことです。これによって以下の2つを実現しているとのことです。
  (1)先行投資者の不利益が無くなる
  (2)しっかりと指数と連動する運用

「これだけだとよく分からない!!」という方は、当日にも配布された、ピクテの下記コラムに詳しく書いてありますので、これをお読みいただけると分かるかと思います。信託財産留保額を設定しないと基準価額がそれだけでインデックスからどんどん乖離していってしまうというシミュレーションが書かれています。(私個人の意見では、このコラムは投資信託投資家必読。)
インデックス・ファンド・コラム - 信託財産留保額



●ピクテ新ファンドのここが高品質 - その2
注文を受けて確実な購入と売却をして基準価額に反映
一般的に日経平均連動投信の場合、当日3時までに受け付けた注文までは当日の日経平均の価格に連動した基準価額で約定します。

(予想通りの話ですが)しかし、実は投資家が午後3時前に出した注文は販売会社が当日分として受け付けても株式市場にはオーダーされていないとのことです。実際は注文を販売会社が数時間で集計して午後5時くらいに運用会社にどれだけのオーダーがあったかを連絡するとのことです。そして、運用会社は翌日に市場で取引をしていることのことです。

本来なら、ある日に投資家から出された投信の買い注文は翌日朝に株式市場で株式売買が成立していますからその価格が基準価額として反映されるべきでしょう。しかし、当日約定分の基準価額はその日の夜に算出されてしまい、買い注文を出した投資家はその日の夜のうちにいくらで買えたかということが分かってしまいます。つまり、この原則論と矛盾した部分は投信の不安定さとなっているようです。
そして、これは日本株に限らず、中国株のように注文受付締め切り→市場クローズまでの時間が短いファンドだと起こる事とのことです。

ピクテの新ファンドではこういう手順前後を除くために中国H株では当日約定分は11時までの注文としたそうです。そうすることで当日に注文を受けたものは、市場で売買をしてから基準価額を算出して投資家にいくらで買えたかを提示する。
従来の手法は「未知なんだから設けることも損することもある。まあ大きくは指数から乖離しないからいいじゃん」だったのですが、原則論に立ち返るとピクテの新ファンドの方法が正しい手順でしょう。



●ピクテ新ファンドのここが高品質 - その3
基準価額算定のための為替算出に近いレートでの為替交換を実現
外国株式に投資する投資信託の基準価額の算出は「株式の当日終値×翌日の為替レート」となっています。
しかし、投資家が注文してからの投資信託内のお金の動きは、そんなきれいになっていないようです。
以下は一般的なブラジル株式投資の投資信託の解約手続きの資金の流れ。

 ・投資家が解約注文を出す
 →翌日にファンドで株式を売却する
 →4営業日後に現金(レアル)なって返ってくる
 →ファンドでレアルを円に両替

さて、この流れだと実際に為替交換するのは翌日ではなく4(5)日後です。そうすると基準価額の計算で算出したレートと実際の取引レートは違います。この[実際の取引レート]と[基準価額算出時の計算レート]の違いは、その2で書いた「当日注文が約定翌日に取引されている」こと同様にファンドのインデックスとの連動不安定にさせる要因になっていることが分かります。

しかし、ピクテ新ファンドでは、即時為替取引をできるところを見つけたとのことで基準価額算出時の為替レートに近いレートで両替できる仕組みを組み込んでいるとのことです。
これも、その2同様に、ピクテの新ファンドの方法は正しい手順だと思います。



●ピクテ新ファンドのここが高品質 - その4
自動売買をしていない
投資信託の中には、自動売買と言って、注文を受けたら自動的に両替→株式買付や株式売却→両替をやっている投資信託があるようです。これだと注文を認識次第、即に取引を開始できるのでタイムラグを解消できます。しかし、この方法には差し引きができないという欠点があるようです。100万円の購入と100万円の売却があった時に差し引けば取引しなくてもいいのに、自動売買だと両方の取引をしてしまうので余計なコストがかかってしまいます。

そこで、ピクテ新ファンドでは、自動売買は採用せずに、差し引きをやりつつ間に合わせるような仕組みにしているとのことです。



基本的には上のようにピクテの新ファンドがインデックスファンドの本質を満たすためにしている工夫の紹介で話が進みました。このように投資信託の仕組みに踏み込んだ話だったので、非常に勉強になりました。上に記載していませんが「株式売買コストは運用報告書のコスト欄に明記されるが、為替両替コストは運用報告書を見ても分からない」などおもしろい話がありました。
非常に有意義な説明会でした。


●会場での質疑
「インデックスファンド"シリーズ"と言うことは今後も追加ファンドも出るのか?」と質問しましたが、追加は考えているとのことです。ただし、どういうファンドかは事前には回答できないとのことです。

また、他の方から「マネックス証券以外の取り扱いは考えているのか?」という質問もありましたが、他の会社がやる気があれば取り扱い先が増えることはあるとのことです。
マネックス証券に口座がないが、これらのファンドを買いたい人は自身が口座を持っている証券会社での取り扱いが望まれますね。



参加した説明会などの商品を褒めるとちょうちん記事を書いているようで嫌なのですが、私の意見としては、ブラジルやインドへの投資を考えている人は、変なアクティブを買うよりこのファンドを買った方が良さそうというものになります。


なお、私は単一国としてのブラジルや中国にはそれほど大きな魅力を感じていませんが、これのインド版が出たらETFにするか投資信託にするか強く迷います。市場価格とNAVの乖離が大きくなりがちなETFの現状を考えると投資信託で保有したい気もしてくるファンドシリーズです。
(ブラジルや中国に魅力を感じないとか言いつつ、中国H株とか少しだけつまみそうな自分もいます)


インド版が出てくれないかな・・・



私の著書 - ズボラ投資
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