吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



ファンド

2011年12月時点で最も複雑な投資信託

最も複雑な仕組みを持っている公募投資信託はどのようなものでしょう?
スノーボードのハーフパイプでどんどん難易度の高い技が増えていくかのように、投資信託も複雑な商品が増えています。

投資対象は先進国の株式や債券のみならず、商品や新興国債券やCBなどにも拡大しました。
為替ヘッジプレミアムを利用した通貨選択型という2階建ての仕組みも生まれました。
そして、今ではオプションの売りを使ったカバード・コール戦略を組み合わせた商品まで出ています。

1,2年前ならば2階建て商品で勝負になったのですが、今ではレベルが上がって3階建てでないと勝負にならないレベルです。
そんな中で、私が選ぶ現時点の候補は以下4つ。


●エントリーNo.1 : 野村グローバル高配当株プレミアム
新技開発といえば何をおいても野村AMです。野村AMから候補を出さないわけにはいきません。その野村AMを代表する最高難易度商品として、このファンドをとりあげたい。
「高配当株」+「通貨選択型」+「カバード・コール戦略」としっかりと3階建ての基準はクリアしています。
さらにこのファンドには凄い点があります。それは為替ヘッジプレミアムをかける通貨を、ファンドマネージャが何十の通貨の中から5つを選ぶということです。
ファンドマネージャが選択し、選択通貨の候補が多い(野村AMの資料によると2011年8月末時点で、以下の30通貨)というのは際立った特徴です。
[対象通貨] カナダ、米国、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、中国、韓国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、日本、タイ、チェコ、ポーランド、デンマーク、ロシア、ユーロ圏、スウェーデン、ハンガリー、英国、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、南アフリカ、トルコ


●エントリーNo.2 : ダイワ米国株ストラテジーα(通貨選択型)
野村に続くのはダイワでしょう。ダイワからはNo1の野村のファンドと類似コンセプトのこのファンド。
「米国割安株」+「通貨選択型」+「カバード・コール戦略」という3階建てです。
こちらは野村の商品より王道です。為替ヘッジ通貨選択は投資家自身が選びますし、円・豪ドル・レアル・米ドルの4通貨と選択肢も少なくなっています。
特徴といえるのかはわかりませんが、ドイツ銀行グループが独自に開発したクロッキーモデルなる分析手法で割安と判断される40銘柄を選定するそうです。


●エントリーNo.3 : 楽天USリート・トリプルエンジン
ネット証券で人気の3階建て商品です。楽天証券に限らずSBI証券でも売上ランキングの上位に顔を出してきます。
「米国REIT」+「通貨選択型」+「カバード・コール戦略」の3階建てです。3階建ての特徴は先に語った2つのファンドと同じです。
このファンドの場合は、米国REIT部分がリンク債を使って投資している点がちょっとしたポイントでしょうか。


●エントリーNo.4 : T&D通貨トレード新興国社債
先の3つは全て3階建てファンドでしたが、このファンドは通貨選択型の2階建てです。しかし、ここで候補に出すくらいですので普通の2階建てとはわけが違います。
≪ここが凄いよT&D通貨トレード新興国社債≫
 1. 投資アセットが新興国の社債
 2. 米ドルとユーロはブルだけではなくベアも選択可能
まず、新興国の社債というアセットがすでに高難易度です。高配当株、米国株、US REITなどとはわけが違います。
次に通貨選択型でベアがあるのは初めてではないでしょうか?
2階建てではありますが、それぞれのフロアに際立った特徴があるファンドです。



これたのファンドを見ていても更なる進化が考えられます。野村とT&Dのファンドの考え方を組み合わせると面白いことになりそうです。
「新興国社債の劣後債を買い、豪ドル・ルーブル・ルピーをロングし、ペソ・レアルをショートして、何かのオプションを売る」なんてファンドもできそうです。こうなってくると、どんな値動きをするのかもはやよく分かりません。

2011年はまだ残っていますが、2012年にはどんなファンドが出てくるのでしょうか。







投資信託の拡大へアクティブファンド

以下でほとんど思っていることを言われてしまいました。

インデックス・ファンド並みの手数料のアクティブ・ファンドがあってもいいはずだ。

アクティブ運用は、大きなアナリスト部隊と多大な調査コストが掛かり高く付くのだというのは運用会社の言い訳だ。現実には、社内のアナリストに頼らないファンドマネージャーが多数いるし、システムに対する負荷も、数百・数千銘柄の売買が一気に生じるインデックス・ファンドの方が大きい。

仮に手数料は掛かるのだとしても、投資顧問を見ると運用に対する手数料は資産残高が数百億円単位になると十数ベイシス(前半)だ。たとえば、運用会社が15ベイシス(1ベイシスは百分の1%)、受託銀行が5ベイシス、販売会社が取る代行手数料が15ベイシスで、35ベイシスくらいの信託報酬でもちろんノーロードのアクティブ・ファンドは十分成立するはずなのだ。こうした手数料のファンドでも、残高が1兆円になると、運用会社と販売会社にそれぞれ毎年15億円の収入をもたらす。1兆円という残高は、米国のミューチュアル・ファンドを見ると、それほど非現実的な金額ではない。

また、金額さえ十分に集まるなら、インデックス・ファンド並みの手数料のアクティブ・ファンドがあっても全くおかしくない。


山崎氏も書かれているように、より低コストなアクティブファンドがあってもいいはずです。
チョクハン投信のほとんどは弱小運用会社ですから多大なコストをかけた調査などもできていないはずです。それでも現在はいい成績を残しているファンドもあり、決してコストをかけた投信が銘柄選択や投資タイミングで優れているようには見えません。

個人が簡単にアクセスできない新興国株にアクセスできるようにする仕組みやパフォーマンス改善のためのデリバティブ利用などは、運用の工夫でしょう。こういう方向でアクティブファンドを工夫することは非常によく分かります。
しかし、複雑な仕組みを設けることで、特別にリターンやリスクを改善しないにも関わらず各仕組みの中で顧客から手数料を中抜きしていくようなファンド作りに邁進するのはやめてほしいところです。(投資信託に限らず金融商品全般に言えることです。)

そもそも、最近の革新的な商品(米国ハイイールド債をレアルでヘッジするようなファンド)は投資のプロですらやりたい運用だとは思えないのですが・・・



アクティブ運用が平均狙いのインデックス運用に勝てない理由

投資信託の世界で「アクティブファンド vs インデックスファンド」は神学論争のようなものです。
しかし、アクティブ運用がインデックス運用にリターンで勝つことはまず無理でしょう。

狭義の定義をすれば、世の中の運用スタイルはアクティブ/インデックスだけではないのですが、ここでは単純化するためにすべての運用がアクティブかインデックスだとします。
 ・インデックス運用 = 平均を狙う受動的な運用スタイル
 ・アクティブ運用 = 絶対利益追求も含めた積極的な運用スタイル

アクティブ運用とインデックス運用を学校のペーパーテストの点数に置き換えてみます。ただし、通常のテストと違って「黙って平均点をもらう(=インデックス投資)」という選択肢があります。
アクティブ投資の結果とは個々人がテストを受けて得られる点数です。
学年全体の平均点は「個々人がテストを受けて得られる点数」の平均点になります。それが「平均点をもらう」という選択肢を選んだ学生の点数になります。

クラス全員の平均点=インデックス投資の平均点=アクティブ投資の平均点です。
アクティブ運用が頑張って総点数が増えれば平均点もあがるので、インデックス運用の点数も上がります。
ですから、アクティブ運用はインデックス運用を上回れません。

中にはすばらしい点数を取る人もいるでしょう。しかし、(アクティブの)平均が平均を超えてしまうことは起こりえません。
だから「アクティブ運用 vs インデックス運用」という全体の比較ではアクティブ運用は平均点狙いのインデックス運用を超えません。

さらに、投資の場合にはコストがかかります。
一般的にアクティブ運用のコストはインデックス運用のコストより高いので、アクティブ運用はインデックスファンドにリターンで劣ります。(逆に言えば、アクティブ運用のコストがインデックス運用のコストより低ければ上回れるチャンス有りです。)



毎月分配支持論・・・

(この際、この機会に一気にシリーズで書いておこうと思っています) 

やはり、毎月分配投信支持論がおかしく感じられます。

「将来は分からない」「結果が全て」という意見がありますが、これは違うでしょう。

結果が全て  
その時点の判断の良し悪し評価を否定し、最終成果の「儲かったか」という結果だけで判断する主義者は日常生活でどうしているのだろうか?
【こどもが宿題をやるかの是非も問えない。宿題をやらなくても人生に成功することもあるから。人生の結果が出ないと小学校の宿題をやるべきかも分からない。】
【期限内でも食中毒を起こすこともあり、期限切れでも食中毒にならないこともある。だから賞味期限切れを出されても食中毒にならない限り文句を言うべきではないし、食べる時点では賞味期限内でも賞味期限切れでもどちらでもよい。将来はどうなるか分からないから。】
結果で判断するということはこのような判断になりそうですが、このような考えで日常を過ごしているのでしょうか?
結果のみ主義者は現状の状況判断を一切否定していることになり、思考停止ではないでしょうか。

将来が分からないという方便 
確かに将来は分かりません。しかし、今の時点で判断をするときにはその時点での情報で有利/不利の判断はできます。
明日にオバマ大統領が殺されるかは分かりません。しかし、これが実現するかしないかという賭け(オッズは同じ)にお金を賭けるなら実現しない方に賭けるのが有利でしょう。将来は分からない(殺される可能性は0ではない)からどちらに賭けるのが有利かは分からないというのは詭弁でしょう。
そのような人は仮にこのギャンブルをやらなくてはいけないときに、どっちに賭けても同じだというのでしょうか?
投資においても何が儲かるかという将来は決まっていませんが、事前判断の良し悪しは存在します。


投資は儲けるためにやるものです。では儲けるという将来の結果を残すために今できることは何でしょうか?(今を無視し、結果だけにこだわる人は、今何をすべきかという視点が欠如しています)

儲かるためには儲かりそうな商品や仕組みを選ぶのが良いはずです。
仕事でも仕事を成功させるには、成功しそうな手順を探して実行するでしょう。「どんな手順でも将来は分からないからどんな方法でもいいよ」なんてことはないはずです。
それならば、ロトのように胴元の取り分が多い商品などは極力避けるべきでしょう。
つまり、「儲けるが勝ち」のために現時点でできることは「儲けるために有利な商品や手法を採用すること」です。
 
大事なのは事実に目を向け、その事実を元に判断することです。
競馬や宝くじをやることは否定しません(私も長年の競馬ファンです)。ただ、投資/ギャンブルとして儲かりにくいという事実は受け入れるべきでしょう。自らが投資しているものの欠点への指摘に耳を貸さず理解しようとしないことは関心しません。
無分配型の投資信託も信託報酬というコストがかかってしまうというマイナス面があります。これを受け入れた上での総合的メリットがあるかという話をしなくてはいけません。(だから実現可能性があって手間が低いなら、個別分散が有利とも言えます)

投資は自己責任であり、どういう投資をしようと個人の自由です。
しかし、「自分の投資方法の欠点を認めた上で、自由に投資をすること」と「将来は分からないし、自分の方が上手くいく可能性もあるだろう。個人の自由だから文句を言うな」は全くの別物だと考えます。

(これにていったん完結予定)



分配金は利益確定効果で有利?

分配金は現金化でリスク低減効果がある?」では、分配金による現金化がリスク低減にはつながらないと書きました。

今回は、「分配金は利益確定効果がある」を取り上げます。

結論を先に言うと、命題を棄却します。
利益確定効果肯定派の意見としてあるのは、「利益を確定しておいて、安くなったときに買い戻せば有利に投資できる」というものです。
しかし、ここには非常に大きな問題があります。

(1) 利益確定は難しくない
「利益確定は難しい」という意見も聞きます。これはおかしいでしょう。
安値で投資することができる優秀な人で利益確定が難しいはないでしょう。安値で投資することが可能な人という前提を置きつつ、利益確定が難しいという発想は不思議です。

投資信託における個人投資家の行動は「利益を確定しすぎ」です。利益を確定が難しいのではなく、「利益を確定せずに利を伸ばすことが難しい」のです。(このブログでも紹介しましたが、投資家が利益が出ているファンドを売りすぎていて、そのまま保有するよりもパフォーマンスが低下しているという研究が多数報告されています)


(2) 頻繁な利益確定はパフォーマンスを向上させない
上の(1)の後段でも少し触れましたが、頻繁な利益確定はパフォーマンス低下の原因になります。しかし、個人投資家は利益を確定しすぎていて、投信リターンよりも投資家リターンが低くなるという結果を招いています。
リバランス効果を検証するデータでも毎月/四半期のように短期間で利益を出ているファンドを売却して安くなっているファンドを買っていくとコストを考慮しなくても、利益を伸ばしたリバランスよりパフォーマンスは良くないというデータがあります。


(3) 安値圏での投資が可能なのか?
「安値圏での投資が有利」という主張を肯定するには、安値圏での投資が可能である=相場の安値圏を判断できるという前提が必要になります。プロのファンドマネージャですら困難である相場判断ができるという前提です。
そんな相場の判断がきっちりできるような優秀な人を前提において、「分配金をためて安く買えば有利」というのはおかしいでしょう。相場の高い安いを判断できる人であれば、無分配型でも素晴らしいパフォーマンスを残します。
また、安値の購入資金を確保できるという点だけ見ても先のエントリーで書いたようにアセット・アロケーションで十分です。


無分配型のリバランスでOK
「利益確定効果&安値購入」は無分配型のリバランスで代替が効くもの(むしろ効率的)です。
ポートフォリオのリバランス時には高くなっているファンドの配分を減らすので、利益確定効果があります。そして、安くなっているファンドを購入するので、安値での購入効果があります(さらに下落する可能性はあります)。
当然、同一ファンドだけを見ても、好調時で高ければ売却、不調で安ければ購入になります。

「分配型の分配金ストック&タイミング投資」も、「無分配型リバランス」も完全な方法ではありません。しかし、個人投資家の投資データや、わざわざ毎月損しているファンドまで現金化しないことなどを含めて「無分配型リバランス」の方がシンプルかつ効果的でしょう。

・アセットアロケーションでリスクコントロールはできます。
・リバランスで利益確定効果は得られ、安くなったものを買う効果もあります

確かに毎月分配型で利益確定&安くなった時に購入を狙った投資は可能です。
しかし、「リンゴをノコギリで切ることができる/できた」と言っても、だから「ノコギリはリンゴを切るのに適している」とは言わないでしょう。明らかにリンゴを切るなら包丁の方が適しています。



私の著書 - ズボラ投資
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