今は,ファンドラップ → ロボアドバイザーで手数料1%の時代
大手証券会社等が毎月分配型投信の回転売買からファンドラップへ軸足を移しました。トータルの手数料は年率2%といったところでしょうか。そこへネット証券等がロボアドバイザーなどの付加価値 & 1%前後と従来のファンドラップより低いコストを引っ提げて登場しました。楽天証券の楽ラップ,マネックス証券主導のマネックス・セゾン・バンガード投資顧問,THEO,ウェルスナビ……
投信工房の手数料は驚きの年率0.384% (想定コストが最も高いモデルポートフォリオ)
ここで松井証券から投信工房が登場です。 ※投信工房 説明資料0.384%(税抜き)。0.384%(税抜き)。
大事なことなので2回書きました。1%前後が手数料相場の昨今で,投信工房はいきなり0.384%という驚きの数字を出してきました。
低コストの理由は低信託報酬の投資信託ラインナップ
以下が取り扱いの投資信託で,これを組み合わせてポートフォリオを構築するとのことです。 (カッコ内は信託報酬)- TOPIX: <購入・換金手数料なし>ニッセイ TOPIX インデックスファンド (0.29%)
- 先進国株式: たわらノーロード先進国株式 (0.225%)
- 新興国株式: 三井住友・DC新興国株式インデックスファンド (0.56%)
- 国内債券: 三井住友・日本債券インデックス・ファンド (0.16%)
- 先進国債券: SMT グローバル債券インデックス・オープン (為替ヘッジあり) (0.50%)
- 新興国債券: eMAXIS 新興国債券インデックス(為替ヘッジあり) (0.60%)
- 国内リート: たわらノーロード国内リート (0.30%)
- 海外リート: たわらノーロード先進国リート (0.35%)
- コモディティ: i-mizuho ゴールドインデックス (0.65%)
また,投資信託の信託報酬以外でロボアドバイザー利用費などは取らないようです。
リスク許容度に応じて5パターンのモデルポートフォリオ,個別カスタマイズも可
上記の低信託報酬の投資信託を活用して,5パターンのモデルポートフォリオを提示してくれるようです。(分散投資コースの場合)なお,モデルポートフォリオから選ぶだけではなく,自分で銘柄や比率を変更することもできます。
目標ポートフォリオの設定は、モデルポートフォリオをそのまま目標として設定することもできますし、お客様自身で銘柄や比率を自由に設定することもできます。もちろん、運用開始時に決定した目標ポートフォリオは、いつでも自由に変更することが可能です。
リバランス積み立てという面白い機能
保有ポートフォリオの比率を目標ポートフォリオの比率に近づけるために必要な購入対象銘柄と金額を、ロボアドバイザーが自動計算して積立投資を実行する積立機能です。積み立ての方法として,こんなオプションもあるようです。
マニュアルで追加投資をしている人では同じようなことを実践している人がいるかもしれません。追加資金で投資信託を購入する際,目標ポートフォリオの比率で購入するのではなく,購入時点で比率が下がっているアセットを重点的に購入するというやり方です。
このような積み立てができるようです。
私はロボアドバイザーは比較的肯定派です。以下でも書いたようにある程度のコストならアドバイスをもらえるということに価値を見出す人も多いでしょう。
別のブログの話を紹介すると,米国バンガード訪問レポート(その3) バンガードで個人アドバイスサービスが伸びている?(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー) でも紹介されているようにバンガードのファンドを購入している人でも有料のアドバイスをほしいという声は強いようです。
投資信託の取り扱いをやめていた松井証券ですので,投資信託で資産運用をする人は口座を開いていない人が多いかもしれません。そんな松井証券から従来のロボアドバイザー競争に風穴を開けるかのようなサービスの登場です。
この手数料水準,ロボアドバイザー競争に大きな風穴を開けてくれることを期待したい。