吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



ハンサード

投資は日本の金融機関で買える投資商品で十分

資産運用で投資を考えた時、投資商品をどこで買うか?

具体的な投資商品の購入先はいろいろありますが、日本の金融機関で買える商品で十分でしょう。特にリスク資産は証券会社でほぼ用が足ります。

MONOQLOでも5ページの特集を書いた中でも言及しましたが、日本の金融機関で投資しようと書きました。日本にいて投資をしようとする人のうち98%以上は日本の金融機関で買える投資商品に投資しておけばOKです。


オフショアのファンド
海外のヘッジファンド

このような言葉が躍ることもありますが、気にしなくて良いです。

確かに日本の証券会社で世界中のあらゆる投資商品が買えるわけではありません。株式にしても世界各国の個別株を買えるわけではありません。ごくごく限られた個別株くらいです。しかし、日本にいる凡人が普通に投資するなら日本の証券会社で取り扱っている商品でで十分です。
ヨーロッパの国の個別株を買えると何かパフォーマンスが上昇するかと言われると…


アブラハム・プライベートバンク関連でもいろいろ書きました。2000人強の顧客がいたとのことですが、「日本には無い素敵な海外ファンドが買える」という夢を見ていたのかもしれません。
しかし、このブログでも紹介したように「いつかはゆかし」で投資するハンサードで買えるファンドは、日本で買えるファンドとそう代わり映えしないものばかりです。(日本には無いアジア単独国の株式ファンドなどはありますが、特別優秀ということは無い)
 ・【いつかはゆかし徹底検証番外編】ハンサードのファンドの成績を比較してみた (2013/3/17)
 ・「いつかはゆかし」の海外トップファンド(ドヤッ は日本で普通に買えるインデックスファンド未満 (2013/5/6)
 ・【半年ぶりに帰ってきたいつかはゆかし徹底検証番外編】ハンサードの実績を検証 (2013/9/3)


フツーに真っ当な資産運用をしたければ、日本国内で買える商品を検討すれば十分です。どうしても日本では買えない商品を買いたい、投資をしたいという場合に限って海外の証券会社などを検討すればよいでしょう。日本には無い桃源郷を追い求めての投資は注意です。

「日本は金融後進国=運用が下手な商品ばかり。海外は最先端=運用が巧くて資産がどんどん増える」なんて都市伝説にだまされてはいけません。







「いつかはゆかし」を契約してしまった人のお金は返ってくるのか

「いつかはゆかし」を提供するアブラハム・プライベートバンクの行政処分の件の続きです。

商取引等監視委員会の指摘では、無免許での商品販売各種誇大広告損失補填(利益供与)が問題として指摘されました。

これを受けて、いろいろと不安に思う契約者はいるでしょう。
特にアブラハム社の高岡社長などは「現在、アブラハム行政処分の報道が出た後も、お客様の解約は非常にわずかです。当社に対する期待が高いのを感じております。」と何をふざけたなことを…というようなコメントをしております。(参考:崩れゆくアブラハムプライベートバンクの主張)



今回はこの行政処分の内容を受けて「いつかはゆかし」を止めたいと思った時に契約者のお金はどれだけ返ってくるのか考えてみたい。

ポイントとなるのは、「いつかはゆかし」とはハンサードのアスパイアという商品の紹介である点です。アブラハム社「いつかはゆかし」申込者にこの商品を推奨して申し込ませることによってハンサードから手数料を貰っていました。(同時に顧客から資産残高×年率0.945%の手数料)
つまり、顧客の資金はハンサードとの契約によって縛られています。

そして、その契約の中で問題なのは初期ユニット積立期間での解約は全額没収(長期積立の場合は24か月)というルールです。「いつかはゆかし」は2012年10月と1年前からのサービス開始なので、一番最初に「いつかはゆかし」に申し込んでしまった人でも初期ユニット積立期間中です。
つまり、このまま普通に解約すると積み立てたお金は1円も返ってきません。(鋭意サポートするというアブラハムもそのように回答しているもよう)

もちろん、真っ当に契約したのではなく「販売ライセンスもなく誇大な広告でアブラハム社が契約させたのだからおかしい」という主張はあるでしょうし、行政処分にまでなっている以上、この主張は認められる可能性は高く、アブラハムに支払った手数料(初期会費19800円+年間手数料)は取り返せる可能性も高いでしょう。

しかし、あくまで善意の第三者として契約しているハンサードから取り返すのはそう簡単ではないと思われます。本当に何も知らなかった善意の第三者であるかは怪しいが、そうではないという証拠がないとアブラハムと同じ穴の狢というのは難しいし、簡単に返金しろとも言えないでしょう。
また、海外モノであり日本の方の及ばない範囲でもあるので、ハンサードから取り返すのはそう簡単ではなさそうです。

「いつかはゆかし」の契約自体が無効として、アブラハム社に契約以前の状態に戻す義務があるとして、「ハンサードから取り返せる/取り返せない関係なく顧客にはアブラハム社の責任において全額を払い戻させる」というような判断があってもいいようにも思うが…
この辺りはどうなるか分かりません。


以下が私の予測のまとめですが、どうなることか。
・アブラハム社が取った手数料(19,800円+年間手数料)は取り返せそう
・ハンサードにある投資した資金を取り返すのはそう簡単ではなさそう
  ・ハンサードが善意の第三者でないとする
  ・アブラハム社の責任において顧客に返金させる



【半年ぶりに帰ってきたいつかはゆかし徹底検証番外編】ハンサードの実績を検証

2013年3月10日に下記で「いつかはゆかし」が推奨するハンサードのファンドのパフォーマンスを見てみました。
 ●【いつかはゆかし徹底検証番外編】年平均10%で30年間の可能性をハンサードの実績で検証

約半年ぶりに再確認してみます。

今回のデータソースはFE Trustnet Offshoreです。ここでハンサードのファンドを調べ、127本のファンドが見つかりました。

その127本のパフォーマンスを簡単に表にまとめると以下の通り。
Hansard_201309
6ヶ月以下の短期では相場環境が悪かったのか平均リターンがマイナスになっており、1年以上ではプラスになっています。(1ヶ月や3ヶ月という超短期の運用期間はボラティリティが大きいのであまり気にしなくてよいでしょう)


ここ5年間の成績は?
前回は5年間のトラックレコードがあるファンドのCompound Averageを見ましたが、今回は5年以上のトラックレコードがあるファンドのここ5年間の成績を見てみます。

5年以上のトラックレコードがあるのは127本中82本で、その82本の5年間の平均パフォーマンスは12.33%でした。該当の82本のファンドの成績を年率換算に直してから平均を取ると+1.79%です。

年率10%には非常に心もとない成績です。

なお、5年間の運用期間で年率で+10%を上回る成績を残したファンドは82本中4本でした。(+20.3%, +17.1%, +10.9%, +10.1%)




前回の検証でも同様のことを書きましたが、ハンサードのファンドで運用して30年間を年率10%平均で運用するというのは、かなり上手にファンドを選べないと達成は難しそうです。
  ※上記のパフォーマンスには当然手数料も入っておらず、為替も考慮しておりません。


なお、全ファンドの数字は以下になります。(クリック/タップで画像は拡大します)
Hansard_201309_detail



「いつかはゆかし」の海外トップファンド(ドヤッ は日本で普通に買えるインデックスファンド未満

以前は婉曲的に触れたものですが、ストレートに書いておきましょう。


「いつかはゆかし」アブラハム・プライベートバンクは次のように海外には優秀なファンドがたくさんあり、日本ではそれは宣伝されていない、もしくは出回っていないと言っています。(参考:http://itsukaha-yucasee.jp/about/)
yukashi_topfund01
yukashi_topfund02


で、「いつかはゆかし」は以下のように自身の取り扱うファンドの中で最高の成績を収めているファンドを出して、「おれっちの海外ファンドのパフォーマンスは凄いだろ(ドヤッ 」としています。(参考:http://abraham-bank.co.jp/news/20121206.html
yukashi_topfund03
"注:富士経済調べ"

しかし、この「いつかはゆかし」が誇るトップファンドは先の【いつかはゆかし徹底検証番外編】ハンサードのファンドの成績を比較してみたで検証した通り、日本の証券会社で普通に買えるインデックスファンド(ETF)に惨敗です。

 ●「いつかはゆかし」が自慢するトップファンド=HIL Castlestone Aliquot Gold Bullion
 ●同じくゴールドに投資する世界最大のETF=SPDR Gold

「いつかはゆかし」のご自慢ファドはただのインデックスファンドの過ぎないSPDR Goldに対して5年間で32%も運用成績で負けています。

以下は過去の検証部分の再掲
「いつかは ゆかし」が「積立したい商品」ランキングで第1位に選ばれたという記事では以下のように好成績ファンドの情報が載っていたので、そのファンドも是非とも対象に加えたい。
ゆかしNo.1

グラフを見ると2007年9月~2012年9月で年率換算15.34%ということなので、該当ファンドをハンサードのファンドリストで探すとHIL Castlestone Aliquot Gold Bullionでした。
ハンサードの2012年10月3日のファンド一覧表で見ると、全ファンド中1位で5年リターンが+104.97%(年率換算15.43%)なので、このファンドで間違いないでしょう。

HIL Castlestone Aliquot Gold Bullionが属する以下カテゴリーも比較対象にします。
 (6)Gold

なお、2007年9月末〜2012年9月末のSPDR Goldのリターンは+133.83%であり、HIL Castlestone Aliquot Gold BullionはETFに対しては-32%ほどアンダーパフォームです。(あっ、やめて!「何だよ、いつかはゆかしで一番リターンの良い商品ってのは日本のネット証券で買える市場平均を目指すETFより-30%も成績悪いのかよ。ダメファンドじゃん」とか言わないで…)

インデックスに5年間で32%も劣後するようなファンドをトップファンドとしてドヤッ と紹介するというのもどうなんでしょう。少なくともファンドのパフォーマンス面からはあまり加入する気にはなれません。
SPDR Goldは各種証券会社で積み立て対象になっていませんが、月5万円からなら自力で毎月買えばよいわけです。(クレジットカード手数料や毎年の報酬を考えると手数料も割安です)
「いつかはゆかし」に加入するなら他の理由が必要でしょうね。

「いつかはゆかし」のトップファンドを5年間で32%も上回ったETF(SPDR Gold)はSBI証券、楽天証券、マネックス証券など海外株式口座で普通に買えます。



【いつかはゆかし徹底検証番外編】ハンサードのファンドの成績を比較してみた

先のいつかはゆかしネタで話題にしたハンサードのファンドについてパフォーマンスを調べてみます。

比較期間は最新(2013/3/14)の5年間パフォーマンスとします。


まずは基本アセットということで以下の5カテゴリーで比較をしてみたい。
 (1)世界株式
 (2)先進国株式
 (3)新興国株
 (4)日本株
 (5)米国株


が…ハンサードのファンドリストを見ると先進国株式に相当するファンドが見当たらず(2)先進国株式は断念。


「いつかは ゆかし」が「積立したい商品」ランキングで第1位に選ばれたという記事では以下のように好成績ファンドの情報が載っていたので、そのファンドも是非とも対象に加えたい。
ゆかしNo.1

グラフを見ると2007年9月~2012年9月で年率換算15.34%ということなので、該当ファンドをハンサードのファンドリストで探すとHIL Castlestone Aliquot Gold Bullionでした。
ハンサードの2012年10月3日のファンド一覧表で見ると、全ファンド中1位で5年リターンが+104.97%(年率換算15.43%)なので、このファンドで間違いないでしょう。

HIL Castlestone Aliquot Gold Bullionが属する以下カテゴリーも比較対象にします。
 (6)Gold

なお、2007年9月末〜2012年9月末のSPDR Goldのリターンは+133.83%であり、HIL Castlestone Aliquot Gold BullionはETFに対しては-32%ほどアンダーパフォームです。(あっ、やめて!「何だよ、いつかはゆかしで一番リターンの良い商品ってのは日本のネット証券で買える市場平均を目指すETFより-30%も成績悪いのかよ。ダメファンドじゃん」とか言わないで…)


また、惜しくもHIL Castlestone Aliquot Gold Bullionには敗れていますが、HIL Fidelity Thailandも2012年9月までの5年間で+90.49%の成績を残しており、これら上位2ファンドが3位以下に圧倒的な差をつけています。そこで、このHIL Fidelity Thailandも比較対象に加えます。
 (7)タイ株


比較対象には主だったインデックスファンド/ETFを使います。
(1)世界株式、(2)新興国株、(3)日本株、(4)米国株、(5)Gold、(6)タイ株の6カテゴリで比較します。

HIL_Fund_Comparison

*海外ETFのデータはYahoo!Financeから終値(配当含まず)
*日本の投信のデータはは基準価額(分配金含まず)
*世界株式はETF設定が2008/3/28からだったので、そこからのデータ
*タイ株はETF設定が2008/4/1からだったので、そこからのデータ


比較結果は上記のとおりです。
タイ株でHIL Fidelity ThailandがETFを40%近く超過するという圧勝に終わりましたが、各カテゴリ内の勝ち負けでは5勝1敗とインデックスファンド/ETF陣営の勝利です。

仮にこの6カテゴリに等額投資して5年後の成績を見ると以下のようになります。
 ●インデックスファンド/ETF : +31.56%
 ●ハンサードのファンド : +25.38%
ちょうど5年間のコスト差で説明がつきそうな差になりました。

「代表的な株式アセット」及び「好成績だったファンド」という6カテゴリのみの比較なので偏りが考えられ、この程度の差で結論を出すには不十分ですが、少なくともインデックスを大幅に超過して儲けることはそう簡単ではなさそうな結果に見えます。



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