インデックスファンドによる長期分散投資に対して「インデックスファンドって信託報酬がかかる。仮に個別株で同じようなポートフォリオ作って保有していれば信託報酬かからない分だけお得なんじゃないか?」という声もあります。
実際に,そのようなことについて言及して比較しているブログなどもいくつかあります。
しかし,いくつかの比較を見ても,信託報酬は考慮しているが配当への課税は考慮していないケースが多いことです。
投資信託は分配金を出すケースもありますが,低コストのインデックスファンドは分配金をほとんど出しません。個別株は無配当の株もありますが,基本的に配当を出します。
インデックスファンドであれば,ファンドが保有している株から出る配当金に対してファンド内部では非課税です。一方,個別株投資をしているとこの配当に対して税金がかかるので,配当に課税されてから投資をすると税金分だけ資産が目減りします。
「信託報酬によるマイナス vs 配当課税」でどうなるかを見てみたい。
しかし,ファンド内で運用中には非課税というインデックスファンドの場合,ずっと非課税ではなくて最後に投資家がファンドを売却した時にまとめて税金がかかるので,最後の税金は個別株より多くなりがちです。あくまで無税ではなく「税の繰り延べ効果」ということになります。ここらも考慮しておきたい。
シミュレーションの前提
- 毎月5万円の積み立てで20年間運用
- 配当は年末に1回まとめて出るとして,全額再投資
- 株式のリターンは年率5%
- 実際の株式は年ごとに値動きにばらつきがあるが,単純化のためにリスクは0とする
- 配当利回りは2.5% (日本株,先進国,新興国株でならすとこれくらい?)
- 信託報酬は0.3% (たわらシリーズで私のポートフォリオを組むと実質コストが0.288%)
- 個別株の売買コストは0.5% (日本株が0.1%程度、米株0.45%+為替,その他の国はもっと高い…で少し甘めかもしれないが0.5%程度とする)
- 投資信託の売買コスト・信託財産留保額は0
- 配当・売却益への税率は20% (復興うんちゃら税は割愛)
- 外国株の外国での配当課税や還付は無視 (国ごとに税率も違うし取り戻せるかも違うので面倒くさい)
- MSCI Emergingの国の個別株を買えるのかとかそういう野暮な突込みは無し
- 他所得との損益合算は無し