吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



サービス

個別のモノ・サービスの価格下落(デフレ)は悪ではない

「デフレは経済にとって悪いことだ」は、一般的にほぼ正しい説でしょう。

しかし、時々本来の趣旨を外れて使われていることも感じます。
それは、特定の業界・モノ・サービスの名前を挙げて、その価格が下がっていることがデフレの証左で良くないという主張です。テレビでは牛丼やユニクロに代表されるファストファッションなどがよく取り上げられた印象があります。

しかし、ここには違和感を感じます。

例えば液晶テレビを考えます。液晶テレビが登場した頃は、価格が今の何倍〜何十倍もしました。今は明らかに価格が下がっています。
他にも海外旅行を考えましょう。数十年前には所得水準は今より低いにもかかわらず海外旅行は今の何倍もした時代がありました。
このような一部の金持ちだけが液晶テレビを買って海外に行けた時代が今より豊かなのだろうかと聞かれれば、答えはNOです。

昔にならって日本-ヨーロッパ往復がエコノミークラスを80万円にすれば良いとは言えません。航空運賃の低下は経済全体に良い影響を与えています。人の交流だけでなく、物流コストも安くなり、より多くのモノを輸入して安く購入できるようになりました。

技術革新や発展によって生産コストが低下すれば、仮にそれによって多少所得が減ってもそれ以上にモノやサービスの価格が下がれば購買力は増します。イノベーションが無いのに全体的に価格が下がっているのであれば問題ですが、イノベーションのために個別商品・サービス価格が低下している場合は、経済や生活にとっていい影響を与えている可能性があるでしょう。







対象顧客をどこに絞るかでファンドの提供するサービスは変わる(べき)

ファンドマネージャが直に説明してくれることを喜ぶのは間抜け - 山崎さん手厳しい」の続きです。

コメントをいただいた方々からも、無意味なセミナーなどは意味が無い(マイナスがある)のような趣旨のコメントをいただきましたが、私もそう思います、・・・って前回のエントリーでも書いていますね。


自分でアセットアロケーションを考えてそれに有効なファンドを組み合わせられる人にとっては、セミナーやFMによる説明会など不要です。ファンドに投資するのに必要な情報があれば十分であり、それ以上のサービスは不要でしょう。ましてやそんなサービス代金が参加者へチャージされる会費制ではなく無料で開催されていて、実質的にそのためにコストを負担させられているとなれば、いい顔はしないでしょう。

このように投資家のレベルに応じて求めるサービスが異なると思います。同じようなインデックスファンドであってもです。

基本的には対象とする顧客のレベルを高く想定するほど、本質である運用以外のサービスは減るでしょう。
企業が集まらない東京AIMですが、ここではプロ向けと言うことで情報開示も英語でよかったり、一般上場では要求されるレベルの報告が免除されています。
個人投資家向けでもそのレベルに応じてサービスを変えるのが自然でしょう。


投資のイロハから分からない人は投資教育が必要でしょう。彼らに投資とは何か、アセットアロケーションとは何か、ファンドマネージャを中心として投資信託とはどう運用されているか、などの説明を受けることで投資知識が向上します。
このような人にとっては、多少コストがかかっても無知故に変な物に投資して大損するよりははるかに有意義です。

しかし、自分でアセットアロケーションを考えてファンドを組み合わせられる人にとっては、セミナーやFMによる説明など不要です。ファンドに投資するのに必要な情報があれば十分で、それ以上のサービスは不要です。ましてやセミナーが参加者へチャージされる会費制ではなく無料で開催されていれば、実質的にそのためにコストを負担させられていますから、いい顔はしないでしょう。


そう考えた時にSTAM、eMAXIS、CMAMの3インデックスファンドブランドへコメント。


●STAM
どこへ行こうとしているのか?先駆者ということで依然として先行者利益はあるものの、コスト面では同じアセットを揃えるeMAXISに劣っています。そのせいもあって先行者利益が失われつつあります。
シリーズ全体の信託報酬の低減を実施したように、強い意欲は感じるがそれでも対象顧客をどう想定しているのだろうか。
低コスト化の先駆者かつ、シリーズでの信託報酬低減の先駆者と言うこともあり、顧客からの心情的なサポートも多いです。そういう利点を生かして説明会やFMの主張が聞けるような場を設けて、そちらへ特化していっても良いのかもしれないと思います。


●eMAXIS
私が期待しているブランドです。
・・・がどちらへ行こうとしているのか、舵取りが難しい位置にいると思います。
設定当初の理念では「自分で調べて投資を行う顧客」を対象としているとしていましたし、ファンド運用側の人間が自分が欲しいファンドを作ったということもあり、けっこう上級者をターゲットとしていて淡々と運用されていくのではないかという予測がありました。
ですから、1回目のブロガーミーティングはマーケティングのためと割り切っていました。しかし、ブロガーミーティングも2回、3回と開催され、顧客の声を聞いて新ファンドを立ち上げる・・・という方向になっております。マーケティングのためとも思いますが、各種投資ブログなどを見ていると意見を聞いてくれることなどが高く評価されている声も多いです。これはいきすぎると危険だと思っているのですが、どちらへ行くのでしょうか。
今のeMAXISのアセットだと基本的な商品はほぼ揃っています。ここからだと当初の予定のようにファンドのプロや個人投資家でも自分で調べられるような人を対象とするならば、顧客の声を聞く必要はほとんどないように感じます。少なくとも余計なコストを割いてまでやる必要はなさそうです。
こういう点から、私はeMAXISがどちらへ行こうとしているのかを注目してみております。


●CMAM
ファンドの本数は少ないですが、先行者のSTAM、eMAXISより低コストですね。そして、露出度も圧倒的に低いです。
運用成績の向上に繋がるコストは下げ、運用成績の向上に繋がらないセミナーや交流会は行わない。このシリーズの対象顧客は、上でeMAXISが対象としていたような顧客ではないかと考えています。
ただ、CMAMインデックスファンドeシリーズの専用サイトのセンスには疑問がありです。(いくら仮に上級者向けでも)もう少しサイト構成を変えることで顧客をひきつけることもできそうなものです。正直言って専用サイトに興味をひきつけるアイテムがありません。今の専用サイトでは、潜在顧客さえも逃しているような気がしています。
金を掛ける必要なありませんが、サイトの向上は期待したいです。



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