「2007年日本の株価下落率がワースト2位」
「サブプライム本場のアメリカの株価がそんなに下げずに日本の方が下がっている」

なんて意見がありますが、これはどうでしょう?

日経ビジネスにも同じような考えを持つエコノミストの方がいたので、こんなエントリーを書いてみます。

日本人の皆さんは、投資商品の価値をどう考えますか?
例えばオーストラリアドル建債券。オーストラリア人であればオーストラリアドルでしょう。その債券の実質利回りがそのまま利益です。
しかし、日本人の場合は為替換算して円ベースで考えるのが一般的だと思います。



さて、日本株の話に戻ります。
外国人(Non Japanese)の立場で日本株を評価します。そうすると、オーストラリアドル建債券を日本人が買うの同様、重要なのは日本円ベースでの株価ではなく、外貨建ベースでの株価です。特にその外貨でも最大勢力のドルベースでしょう。

日本の株価が10000円→20000円でドル円が100円→200円となった場合、日本人は純粋に株の価値が2倍になります。しかし、ドルベースで投資している外国人投資家にとっては100ドルのままです。

日本株のプレーヤーを見ると外国人投資家が大きな比重を占め、最近は50%以上にもなっています。つまり、日本の株価は円建より外貨建で評価する人の方が多いという事態になりつつあります。

そう考えると日本の株価を世界と比較するには、現地通貨同士での比較ではなく、共通通貨での比較が重要になります。
共通通貨で日経平均とダウを比較した場合、現地通貨建で比較する以上に強い正の相関をもっています。

[2005年以降の日経平均とダウ]
Dow_Nikkei









2005年1月を100とするとドル建日経平均は円建に比べてダウ平均にリンクしていることが分かるか思います。そして初めの2つの質問に戻りますが、特にここ半年のリンクっぷりは素晴らしいものです。2007年7月以降の下げは為替を考慮すると日本が特別に下げているわけでないのがお分かりいただけるかと思います。


同じようなことは以下でも書かれています。
第241号 NYダウは大幅下落した! (こんな時代だからFPがお役立ち! )




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