【問題】
「長期投資をするとリスクが〇〇ます。」
〇〇にはどちらが入るでしょうか?
1. 減り
2. 増え
これ,どちらの説も見かけます。どちらが正しいのでしょうか?
長期投資でリスクが減ります説
これは三井住友銀行のサイトに掲載されていたものですが,この手の図はよく見かけます。
1年間だと-31%〜+38%までのブレ幅があるが、20年保有すると単年度あたりのブレ幅は2%〜9%と縮小します。
見事にリスク(ブレ幅)が縮小しましたね。
どうやら,リスクは減る説は正しそうです。
長期投資でリスクが増えます説一方,長期投資でリスクが減るという説に反対する声もあります。
例えば,山崎元氏などはその代表であり,様々なWeb記事や著書の中で長期投資でリスクが減るというのは誤りだと主張されています。
長期投資でリスクが縮小する図はたくさん見かけますが,長期投資でリスクが拡大するというのに適した図はあまりありませんので,ちょっと作ってみました。
リターンが正規分布すると仮定して,年率リターンが5%,リスク(標準偏差)が20%という数字です。
このグラフでは左端が運用開始1年目で、右端が運用開始30年目です。
1年目では,大成功した場合の2σと大失敗した場合の-2σとの差は80万円です。
30年目になると,大成功ケースと大失敗ケースの差は400万円を超えてきます。
投資期間の累積でのブレ幅で見ると、1年だと80万円だったのが,30年だと400万円超となり,ブレ幅は増えています。
どうやら,リスクは増える説は正しそうです。
で,結局どうなのよ?⇒知りたいことに答えてない上のような2つの説の話をしましたが,これは「言葉の定義」の話であって,多くの人にとってどうでもいいことです。
上記に書いたことは投資用語における「リスク」という言葉の定義に関する議論にすぎません。
言ってしまうと
娘:賞味期限が6か月前に切れているプリン見つけたけど食べられるかな?
母:食べることは可能
みたいな話です。確かに言葉の上での「食べられる」は物理的に可能という意味では正しい。しかし,本来知りたいのは食べても安全かという話です。
投資をする人は「リスクとは投資の一般的な定義ではブレ幅を指すから…」ということには興味ありません。
知りたいのは「儲かるの?損する可能性は?」であって,投資用語における「リスク」などはどうでもいい話です。
投資家としては,上の30年間の投資シミュレーションの図から2つのことを理解しておけばOKです。
1. 長期で投資をすると損する可能性が低くなる
これが一番大事です。
最初のうちはちょっと失敗したケース(-1σ)や大失敗したケース(-2σ)だと元本割れします。しかし,長期で運用すると-1σや-2σでも元本より増えています。単年で見ると上手くいく年と上手くいかない年があるが,期待リターンがプラスなので何回もやると累積ではプラスになります。
「長期で投資をすると損する可能性が低くなる」というのが長期投資の最大のポイントです。
※期待リターンがプラスが大事
2. 最終的な運用成果についてはそれなりにばらつきがある
上のグラフの30年後の結果が,大成功した場合(2σ)と大失敗した場合(-2σ)で400万円以上の差があったように,上手くいった場合と上手くいかない場合ではリターンに大きな差が生まれます。
30年運用の真ん中の線は,100万円が毎年コンスタントに5%ずつ資産が増えた場合の線ですが、30年後の成果としては,その想定よりも200万円以上多く(少なく)なっているかもしれません。
毎年コンスタントに増えるシミュレーション通りの金額になるとは思わない方がよいです。
上の2点さえ理解できていれば,リスクとは何ぞやなどは知らなくていいでしょう。
上記に書いたことは投資用語における「リスク」という言葉の定義に関する議論にすぎません。
言ってしまうと
娘:賞味期限が6か月前に切れているプリン見つけたけど食べられるかな?
母:食べることは可能
みたいな話です。確かに言葉の上での「食べられる」は物理的に可能という意味では正しい。しかし,本来知りたいのは食べても安全かという話です。
投資をする人は「リスクとは投資の一般的な定義ではブレ幅を指すから…」ということには興味ありません。
知りたいのは「儲かるの?損する可能性は?」であって,投資用語における「リスク」などはどうでもいい話です。
投資家としては,上の30年間の投資シミュレーションの図から2つのことを理解しておけばOKです。
1. 長期で投資をすると損する可能性が低くなる
これが一番大事です。最初のうちはちょっと失敗したケース(-1σ)や大失敗したケース(-2σ)だと元本割れします。しかし,長期で運用すると-1σや-2σでも元本より増えています。単年で見ると上手くいく年と上手くいかない年があるが,期待リターンがプラスなので何回もやると累積ではプラスになります。
「長期で投資をすると損する可能性が低くなる」というのが長期投資の最大のポイントです。
※期待リターンがプラスが大事
2. 最終的な運用成果についてはそれなりにばらつきがある
上のグラフの30年後の結果が,大成功した場合(2σ)と大失敗した場合(-2σ)で400万円以上の差があったように,上手くいった場合と上手くいかない場合ではリターンに大きな差が生まれます。30年運用の真ん中の線は,100万円が毎年コンスタントに5%ずつ資産が増えた場合の線ですが、30年後の成果としては,その想定よりも200万円以上多く(少なく)なっているかもしれません。
毎年コンスタントに増えるシミュレーション通りの金額になるとは思わない方がよいです。
上の2点さえ理解できていれば,リスクとは何ぞやなどは知らなくていいでしょう。
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